実はよく分かってない!英語の三人称って何?

英語の三人称

「三単現(さんたんげん)のS(エス)」
という言葉に聞き覚えはあるでしょうか?

おそらくみなさん中学生の頃に授業で一度は耳にしているはずの言葉です。

「三単現」とは、「三人称単数現在形」の略なのですが、いまいちよくわからない・・・と感じる方も多いと思います。

そこで今回は、英語の三人称、そして三単現の使い方についてのポイントを紹介したいと思います。

英語の「三人称」って何?

まずは、英語の「三人称」が何なのか確認していきましょう。

「三人称」があるということは、「一人称」「二人称」も存在するわけですが、それぞれ意味は以下の通りとなっています。

一人称・・・「私」を含む人
例)I(私) we(私たち)

二人称・・・「あなた」を含む人
例)you(あなた、あなたたち)

三人称・・・一人称、二人称に含まれないすべての名詞
例)he(彼) Mary(メアリー(名前)) table(テーブル) cat(猫)

つまり、「私(たち)」「あなた(たち)」以外は全て三人称なんですね!

世の中のほとんどの名詞は三人称だということです。

人の名前やグループ名、動物やモノの名前など、判断に迷うこともあるかもしれませんが、「私」「あなた」以外はとにかく全部三人称!と覚えておけば間違いないでしょう。

ですから、三人称にまつわる英文法はしっかりとおさえておく必要があるのです。

あなたの三人称の文法は、本当に正しいですか?

さあ、もう一度使い方を確認していきましょう。

 

そもそも「三単現」って何だっけ?

冒頭でもご紹介した「三単現」

こちらが三人称の文法としては最も定番であり、必ずおさえておかなければならないポイントでしょう。

先ほども述べた通り、「三単現」とは「三人称・単数・現在形」の略ですから、「三人称」「単数」「現在形」それぞれの意味が分かっていなければ使いこなせません。

「三人称」は前述した通りですが、「単数」「現在形」はどうでしょうか?

単数・・・「1」を表すもの。1つ、1人。

現在形・・・安定的に行う動作・習慣など。

「現在形」は簡単なように思えて、実は難しい文法の一つです。

時は常に動き続けていますから、つい1秒前の動作にも過去形(did)が使われます。

また、これから行う動作はたとえ1秒先の動作でも未来形(will)が使われますよね。

「だから、今この瞬間にやっている動作に「現在形」を使えばいいんでしょ?」と思っている方、それでは現在進行形(be -ing)の扱いはどうなるのでしょうか?

「~しているところだ」といった、まさに今進行中の動作に対しては現在形ではなく現在進行形を使わなければなりません。

では、現在形を使うよくあるケースについて見ていきましょう。

例)I wake up at 7 o’clock every day.
(私は毎日7時に起きます。)

“wake”は動詞の原形、つまり現在形ですね。

上記のようにほぼ毎日習慣的に行っている事(昨日もやったし、明日もやるようなこと)に対しては現在形を用います。

例)I don’t eat fish.
(私は魚を食べません。)

こちらも、“didn’t(過去形)”“will not(未来形)”ではありませんので、現在形の否定文ですね。

ベジタリアンなのか、単に魚が苦手なのか分かりませんが、
「この人は普段から魚を食べない人なんだな」
というのがこの文から分かると思います。

このように安定的に行われる(行われない)動作についても現在形が使われます。

自分で英文を組み立てるときは、「三人称」「単数」「現在形」のすべてに当てはまるかどうかを瞬時に考えて、三単現の文法を使うべきかどうかを判断していかなければならないということですね。

 

「三単現」の文法をおさらい♪

それでは三単現を使った英文を実際に作ってみましょう!

主語を見て、三単現にあてはまると思ったら、動詞に”s”を付けるだけです。

例)He likes cooking.
(彼は料理が好きだ。)

〜三人称~
「彼」は「私(たち)」でも「あなた(たち)」でもないので

〜単数~
「彼」は1人なので

〜現在形~
趣味は一時的なものではなく安定的なので

ということで、三単現を使うのが適切だということになります。

例)Mary sells fruits.
(メアリーは果物を売っている。)

〜三人称~
「メアリー」は「私(たち)」でも「あなた(たち)」でもないので

〜単数~
「メアリー」は1人なので

〜現在形~
仕事は毎日の安定的なものなので

ということで、三単現を使うのが適切だということになります。

例)This table changes in height according to your height.
(このテーブルは身長に合わせて高さが変わる。)

〜三人称~
「このテーブル」は「私(たち)」でも「あなた(たち)」でもないので

〜単数~
「このテーブル」は1つなので

〜現在形~
テーブルの性能についての話なので、安定的なことであり

ということで、三単現を使うのが適切だということになります。

例)The cat runs fast.
(そのネコは走るのが速い。)

〜三人称~
「そのネコ」は「私(たち)」でも「あなた(たち)」でもないので

〜単数~
「そのネコ」は1匹なので

〜現在形~
「走るのが速い」のはそのネコの持っている特徴(安定的)なので

ということで、三単現を使うのが適切だということになります。

 

例外に注意!“s”を付けるだけじゃダメなときもある

さて、先ほど「三単現」の場合は動詞に”s”をつけるだけでOKだと解説しましたが、中には例外もありますのでチェックしておきましょう。

丸覚えしてほしい2つ!

do(する)→does

have(持つ)→has

この2つだけはこういうものだと丸覚えしてしまいましょう!

ちなみに、ここで三単現の疑問形の作り方についても触れておきますね。

まずは、こちらの文をご覧ください。

例)Do you have a pen?
(あなたはペンを持っていますか?)

こちらは、主語が“you(あなた)”であり二人称の文章なので三単現は用いられていません。

それでは、主語を“he(彼)”に変えるとどうなるでしょうか?

例)Does he have a pen?
(彼はペンを持っていますか?)

先ほどご紹介したように、“do”の三単現は“does”ですので、そこだけ変更すればOKです。

ちなみに、この場合“have”は“has”に変わることなく“have”のままであることにも注意しましょう。

文頭の“does”で三単現であることが示せているので、動詞であらためてアピールする必要はありません。

過去形の疑問文を作る時も、同じ考え方ですよね。

“Did you had a pen?”
ではなく
“Did you have a pen?”
とするはずです。

動詞の変化は何回もアピールしなくていいんだな、というイメージで覚えておくと良いでしょう。

“s”ではなく”es”になる場合

動詞の最後が“-s, -z, -x, -sh, -ch”で終わるときは、“s”を付けるのではなく“es”を付けます。

名詞の複数形を作る時と同じ考え方ですね。

「覚えられないよ~!」
とお思いの方は、一度その動詞に“s”を付けて発音してみて、なんだか気持ち悪い時に”es”を付けると覚えておいてもいいかもしれません。

例えば、“wash(洗う)”の三単現を仮に“washs”とした場合、「ウォシュス」といった非常に発音しにくい音になりますよね。

そこで、“washes”とすることによって「ウォッシーズ」といった感じになり発音しやすくなります。

“y”を”i”にかえて”es”になる場合

こちらも、名詞の複数形を作る時と同じ考え方になります。

“strawberry(いちご)”が“strawberries”になるように、“carry(運ぶ)”が“carries”になるのです。

こちらは覚えやすいですね!

 

これって「三単現」?のお悩みを一挙に解決!

さて、三単現の使い方は思い出しましたか?

数をこなすことでスムーズに使いこなせるようになりますので、始めのうちは1つ1つの主語動詞を丁寧に見て、「三単現に当てはまるのか?」
「“s”の付け方はこれでいいのか?」
など確認していくようにしましょう。

ところで、みなさんは英作文をするときに「これって三単現を使うのかな?」と迷ってしまった経験はないでしょうか?

無数にある主語の数々に対応していくには、いろいろなパターンを知っておく必要があります。

そこでここでは、
「これって三単現?」
と悩みがちな主語についてご紹介しておきたいと思います。

they(彼ら)

三単現を習って一番初めに悩むのがこちらの主語ではないでしょうか。

“they”は、「私(たち)」でも「あなた(たち)」でもない三人称ですが、複数名いるということで三単現は使いません。

三単現についてのご質問で、「三人称単数があるなら、三人称複数っていうのもあるんですか?」というのをよく耳にしますが、この“they”こそがまさに「三人称複数」ということになります。

another(他の)

“another girl(ほかの女の子)”などの主語で登場する“another”ですね。

“another”は“an(一つの)”+“other(他の)”で成り立っている単語ですから、単数になります。

もちろん「私(たち)」でも「あなた(たち)」でもありませんので、三単現にぴったり当てはまるということになりますね!

each(それぞれ)

“each person(各人)”といった主語で登場しますね。

こちらも、「私(たち)」「あなた(たち)」に該当せず、「それぞれ」ということで「個々の(1つ1つの)」という単数を表しますので、三単現を使います。

John and Mary(ジョンとメアリー)

人の名前を羅列された場合ですね、これは”and”ということで、ジョンとメアリー2人が主語になるということが分かりますので、三人称複数となります。

ただし、もしも“and”の部分が“or”になっていた場合はどうでしょうか?

「ジョンかメアリー(のどちらか1人)」という意味になりますので、こちらは三単現を使わなければなりません。

頭の中にイメージをしっかりと持つことで、こうした紛らわしい問題にも対処できるようになっていきましょう!

 

まとめ

今回は、英語の三人称、そして三単現の使い方のポイントをご紹介してまいりました。

参考になるものはあったでしょうか?

現在完了形や仮定法などの複雑な英作文にチャレンジする方でも、意外とこの三単現でつまずいている方は多いです。

また、英会話の中で口に出す時はつい三単現の”s”を忘れてしまうことも・・・。

今回ご紹介したことも参考にしながら、英語の三人称についてスッキリと理解しておきましょう。