英語で俳句!?詠んでみましょう!Haiku!

最終更新日:2019-06-18

俳句、英語で俳句

英語で俳句。

存在していたことすら私は知りませんでした。

「俳句」は日本の文化であるため、外国には存在していないと思っていました。

しかし!英語でも詠むことが出来るんです!

「五七五」で全てを表すその奥深さから、日本だけではなく、「HAIKU」として、世界中で愛されている模様です。
日本から世界へ発信されて有名になったということですね!

俳句に出会ったのは、小学校の時の国語の授業でした。

「五・七・五」の文字数。季語を入れる。
これが日本語で詠むときのルール。簡単ですね!

しかし、英語で詠むとなった場合ルールはどうなのでしょうか?
何が日本の俳句と違うのでしょうか?
そもそもルールなんてあるのでしょうか?

そこで英語の俳句のルールを調べてみました。

まずは、俳句について改めて確認してみましょう!

 

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【俳句とは?】

俳句はいつ頃から詠まれるようになったのでしょう?
日本俳句研究会によると、「俳句」という名前で呼ばれるようになったのは正岡子規が大正時代に始めたものらしいです。

しかし、それ以前の松尾芭蕉や与謝蕪村が詠んだ作品も江戸時代には、“発句(ほっく)”や“俳諧(はいかい)”と呼ばれており「俳句」ではなかったそうなのです。

ご存知の通り、俳句は「五・七・五」のリズムから成り立つ詩であり、口ずさみやすくまた耳に残りやすい形であることから大変親しまれてきました。

俳句と同様に「五・七・五」で作られるものに「川柳」があります。

では違いはどこにあるのでしょう?
それは、ズバリ“季語にあります。

川柳では冬の雨・桜などといった季語へのこだわりが特になく、また俳句が文語表現なのに対し、川柳は通常、口語表現です。
こうやってみると、随分違いますね。

ちなみに、短歌は「五・七・五・七・七」ですね。

それでは、ここからは英語での俳句について解説して参りましょう!
俳句は海外でも人気で、そのまま「Haiku」や「Haiku poem」などと呼ばれています。

 

【英語の俳句のルール】

・英語バージョンと日本語バージョンの同じところ

①季語を入れる
②五七五の句(音節)で作る

俳句の作り方を英語でサーチすると、以下のようなルールが見つかります。
- focus on nature(自然に親しむ)

- A “season word” like “snow” which tells the readers what time of the year it is.
(“雪”といったような季節の言葉で読み手にどんな時期なのか伝える。)

- Instead of saying how a scene makes him/her feel, haiku shows the details that caused that emotion such as an empty winter sky made the haiku feel lonely.
(彼/彼女がどんな気持ちかを説明するシーンの代わりに、ぽっかりとした冬の空が詩で詠まれることによって寂しさを表すといったことが俳句である。)

 

はっきり日本俳句のように決まりがあるわけではないのですが、季節感のある言葉(季節をイメージする言葉)を入れるという感じですね。

ただし!

一応、季語(season word)は入れるのが通例となっていますが、厳密なルールではなく、無季語でも問題ありません。

というもの、外国は日本のように四季がちゃんとあるわけではないうえに、自然条件も変わってくるので季語が使いづらいのです。

例えば、北極で暮らしている人に、海やかき氷といった季語を入れた句を聞かせても通じないと思います。

 

また、日本語は一文字一文字を発音しますが、英語の場合は文字ではなく「音節」(英語発音の音)で五・七・五を作ります。

※音節とは

英語で言う、syllabary(シラブル)ですね。

英語における音節とは、1音で発音されるまとまりです。単語を「発音」の観点で分割した場合の最小単位、ともいえます。

たとえば、Permitの音節構成はPer・mitと表記されます。つまり、Permitは2音節からなる語です。

Importantは、Im・por・tantであり、3音節からなる語として解釈されます。

Springは1音節です。 thatも1音節。 catも1音節です。

ちなみに、母音が発音されない場合、1つの音節として数えません。

「Cake」ですが、最後の「e」は発音されないので、この場合「a」だけを母音とみなします。そのため、Cakeは1音節となります。

 

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【有名な英語 HAIKU】

ということで、実際に英語俳句とはどんなものなのか、世の中で知られている有名な英語の俳句を探してみました!

3つほどご紹介させていただきます!

こちら、あの有名な伊藤園さん俳句大賞、「英語 俳句の部」で優秀賞に輝いた俳句です。

 

Spring is here
Buds opening up
I got new shoes

春が来た
蕾が開くよ
私には新しい靴

<解説>
蕾(buds)を季語として使い、春の蕾が開いていく様子と4月の新学年に備えた新しい靴でワクワクした心を表現しています。

 

colored carps
blossom on pond
a dim memory

緋鯉
池の花
おぼろな思い出

<解説>
緋鯉(carps)を季語に、5月のこどもの日を池に落ちた花びらとともに思い出している特徴が詠めます。

 

こちらは第5回日EU英語俳句コンテスト 、優秀作品に輝いた俳句です。

Only oceans in-between us,
The more afar we come from,
The tougher we two feel bonded.

我らの間には大洋のみ
遥かより来たれば
さらに絆は強まる

日本語の深さと英語のかっこよさが際立っていますね。

 

【日本語俳句を英語で!】

続きまして!

日本語俳句から英語に訳されているものも沢山あります!

なんと!かの有名な著名人の方々の英語俳句をご紹介させていただきます!

日本文化が英語のフレーズになるとどのように変化するのかみていきましょう。

 

【高浜虚子】

時ものを 解決するや 春を待つ

time will solve
some problems
I will await the spring

<解説>
高浜虚子が40歳のときに作ったのがこの俳句です。

背景には、第一次世界大戦勃発などという政情(some problems)があります。

 

【正岡子規】

夜更けて 米とぐ音や きりぎりす

A hand of the mother
washing rice and a katydid singing together,
at home late at night.

<解説>
きりぎりす(katydid)は秋の季語です。

家の片隅など身近なところで鳴き、しみじみとした感に捉われます。

 

【西行法師】

あさましや いかなるゆゑの むくいにて
かゝることしも ある世なるらむ

How deplorable,
By what retribution does such a thing occur
in the whole country?

<解説>
国の中で起こっていた事態を嘆き悲しむ西行法師の俳句です。

吉野の山の西行にとってこそ、見えているものがあったのではないでしょうか?

 

日本語だけだと少し理解することが難しい部分もありますが、英語も読んでみると俳句の意味が何となく理解できますね!

俳人の俳句を英語にするにはしっかり俳句の意味を理解する必要があるので、

単純に翻訳するだけでも、理解するために少し時間がかかりそうです。

しかし!

由緒正しき俳句を、このチャンスに英語俳句に作り直してみようと思います!

 

【正岡子規】

柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺

Eat a persimmon
and the bell will toll
at Horyuji

 

【小林一茶】

雪とけて 村いっぱいの 子どもかな

The snow thaws
in town
there are many kids.

 

何とも言えない気持ちです。

日本語だからこそ伝わる味わいと深みを伝えるのは、この3行からだと少し物足りない感じがあるかもしれないですね。

日本の俳句の良さや面白さ楽しさを伝えるにためには直訳とそれを意味する説明が必要かもしれません。

ですが、そこを逆手に考えると、日本語はたった17文字で表される文章に深い意味を見出せる。何とも感慨深く、味わい深さを感じますね。

プロポーズの言葉なんかも俳句で言われたら、気づきにくいかもしれませんが、そこにはとてもロマンチックな感じがあると想像してしまいました。

その魅力に外国の方達は気づき、「HAIKU」として世界で注目されたということですね。

 

【ここで一句、英語で一句!】

なるほど。

となると、やらずにはいられません。

実際に英語でいくつか俳句を作り、英語でも言葉の深さを出してみたいと思います!

 

Waiting for summer
Wanting to go to the beach
Still have big body

夏を待つ
海へ行きたい
デブ辛し

解説:海で遊ぶために夏が待ち遠しいけれども、完了しないダイエットと手に入れられないスリムボディという。切なさを込めてみました。

 

Made a big snowman
Going fight the sun, alone
triumph, freezing day

雪だるま
ひとり戦う太陽と
勝利は雪の日

解説:雪だるまを作るが、次の日は晴れであれば溶けてしまい、雪が降れば残っている。という、雪だるまのその後あるあるを表してみました。

 

Back to my home-town
Many cherry blossoms bloom
feeling nostalgic

里帰り
桜さく時期
思い出す気持ち

解説:桜の季節に地元に帰ると、色々な思い出を思い出すという。しんみりした気持ちと懐かしさを表してみました。

 

【俳句で国際交流!】

俳句の人気とともに、「国際俳句交流協会」という団体もあるようです。

2017年には、五・七・五という世界最短の詩を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産にしようという協議会も発足しています。

また、アメリカには「アメリカ・ハイク協会/Haiku Society of America」もあり、人々が俳句を楽しんでいます。

イギリスでは、小学生達が英語の授業内で俳句を作ることもあります。短くて俳句特有のリズムが言語の違う子供達にも楽しまれています。

また日本人学校に通う子供達は、毎年、伊藤園さん俳句大賞にも応募しています。

 

英語で俳句!

いざ作ってみると意外と楽しいですね。また文法を考えたり、音節を考えたり、言いたいことを短文にまとめる、というところで英語の勉強にもなります。

日本語とは違う英語の深さにも気づくことができました。

英語は、話せるようになることばかりを求めがちでしたが、それだけではなく英語で俳句を沢山作り、SNSなどにポストなどしてみたら、よりカッコよく見えるんじゃないかと思いました。「HAIKU」というハッシュタグなんかつけちゃったりして。

ちなみに記念日好きの日本には「俳句の日」があるんですね!

は・い・く。お気づきでしょうか(笑)

「俳句の日」来たる、8月19日でございます!819!

是非、俳句の日に向けて、俳句の日をきっかけに!

英語で俳句を詠んでみてはいかがでしょうか。