仕事で英語を使えるようになるまでの勉強方法 

以前、英会話学校の講師をしていた時に、TOEICの受験対策クラスを担当したことがありました。その英会話学校には、ネイティブの講師が常時100人以上、日本人講師も20人以上在籍していました。ネイティブ講師は、英会話の指導を、日本人講師は、生徒の希望で、英検、TOEIC、TOEFL、大学受験対策などを指導していました。私は、数少ない留学と海外就労経験者で、話す方もできましたので英会話の指導を担当することもありました。

その英会話学校で日本人講師として採用されるためには、英検なら1級、TOEFL PBTなら 600以上が必要で、TOEICの必要点数が何点だったかは忘れてしまいました。私は、TOEFLの得点で応募しましたが、英検1級合格で応募された方もたくさんおられました。しかし、英検1級をお持ちの日本人講師の方でも積局的にネイティブの講師と英語で会話をしようとする人は、殆どおられませんでした

その英会話学校の日本人講師の方々は、英検1級をお持ちでも、TOEICの高得点保持者であっても、ネイティブと英会話をする勇気がなかったからだと思います。話せばできたと思いますが、勇気がなかったのです。これは、非常に悲しいことだと思います。ネイティブと英語で仕事をしようとすると、それなりの勇気や度胸が必要です。いくら資格試験の高得点保持者でも英語が話せなければ、ネイティブとは仕事はできません。 

それで、今回は、「仕事で英語を使えるようになるまでの勉強方法」と題して、英語が仕事でつかえるようになるためには、どんなことに注意して、どんな勉強方法をすればよいのかをご説明したいと思います。

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留学しても、海外で働いても英語が話せない人がいる!

アメリカで働いていた時に、知り合いがある人を指さして「あの人は弁護士だけど、英語を絶対に話そうとはしないよ」と聞かされました。その人は日本出身ですが、アメリカで弁護士の資格を得た後、日系弁護士事務所で働かれていました。

弁護士なら話すことは、得意なはずですが、その人は、かたくなに英語を話すことを拒まれます。ではどんな仕事をされるのかというと、クライアントのために英文書類を作成して、それを該当部門に提出する事が主な仕事だったのです。

ノーベル賞を受賞した高名な科学者が「僕は英語ができないから話さないよ」と、記者会見で言われていたのを覚えています。その年は、複数の日本人科学者がノーベル賞を受賞された年でした。数多くの英語の論文を読まれ、ご自分も英語で論文を書かれるのに、英語を話すことには尻込みをされます。 

こんな日本人もいました。日本の一流企業では、いろいろなハードルを越えなければ、アメリカの駐在員には抜擢されません。第一に要求されるのはTOEICの高得点でしょう。しかし、憧れのアメリカに派遣されるや、アメリカ人の同僚や秘書たちとコミュニケーションがとれずにアメリカ人恐怖症に陥ります。同じ課で働く雑用的な仕事をしてくれるアメリカ人の中年女性とは全く英語でのコミュニケーションがとれないのです。

TOEICで高得点を得て、日本からアメリカ大都市の現地法人の駐在員に抜擢されたのに、アメリカ人恐怖症に悩む毎日です。会社内では9時から5時までおどおどして過ごし、5時の終業ともなれば、日本料理店やカラオケバーに直行して日本語が通じる喜びに浸ります。こんなはずではなかったという思いもアルコールの酔いでごまかしてしまいます。

以前、「英語で資料をうまく作るコツ!【プレゼンテーション編】」の中で、面白い動画をご紹介しました。それは、1986年のアメリカ映画、「Gung Ho」の中の2分程度の短いクリップです。動画は、下記のYou Tubeのサイトでご覧ください。

Gung Ho (1/10) Movie CLIP - Japanese Board Meeting (1986) HD
https://www.youtube.com/watch?v=7trB7i2xpfc&list=PL1A232ED3E18BB447

動画の中では、一人の重役が”We all speak English. Continue, please.”と言われていますが、これでは、不快な感じをネイティブに与えるだけでネイティブとはコミュニケーションが全くとれず仕事で英語が使えるまでには程遠いと言わざるを得ません。

英語がペラペラってどんな感じ?

昔、英語がペラペラってどんな感じですかと、天真爛漫な若い生徒さんから聞かれたことがありました。どうやら、英会話が苦手な人は、英語がペラペラに話せる人がどうして英語が話せるのか、理解できないようです。つまり日本人なのにその人が英語を話しているという状態というか、状況については、何が何だかわからないようです。それで、以前、どういう風にして英語がペラペラに話せるようになったのかを少しお話ししました。

私は、誰でもコツさえ掴めば、英語も話せるようになると思います。言葉を学ぶということは、音楽やスポーツなどの習い事をするのと非常に似ています。習い事を始めると、筋のいい人がいるものです。私は、幸運にも英会話については、筋がいい方だったのだと思います。

私の周りにも英語がペラペラの人が何人かいますが、みんな同じようなパターンで生活をしています。それは、どういうことかというと、英語で生活する時間が長いということです。あなたも、英語が少しでも話せるようになりたいということでしたら、英語で生活する時間を長くすることをお勧めします。

つまり、英語がペラペラだということは、日本にいても英語で生活しているということです。繰り返しますが、英語がペラペラになるためには、「英語で考え英語で話す」、これが一番大切で、これに尽きると思います。これができなければ、いつまでもぎこちない日本語の翻訳入りの英語を話すことから抜け出せません。

日本にいて英語生活をする方法!

私は、日本にいても生活の中であまり日本語は使いません。新聞は、英字新聞、ニュースもインターネットで海外の英語報道、映画は洋画ばかりです。申し訳ないですが、日本のジャーナリズムや映画は世界的にみるとかなり質的に劣るような気がしてなりません。もしもあなたが、仕事で英語を使えるようになりたければ、今、私がお話ししたように、日本にいても英語生活をしていく覚悟が必要だと思います。

つまり、ニュースなら日本語のニュースからではなくて英語のニュースから情報を得る。日本に関する情報も英語のニュースから充分得られます。映画は洋画ばかりを観る。英語以外の外国語の映画を観る時は、英語の字幕を目で追いながら必死で観る。簡単に言わせてもらえば、こうすることで、英語を使える生活が日本でもできるはずです。そして、最終的には、英語で考える癖をつけて英語を話す習慣を身につけるべきだと思います。

英語で考える英語脳を作りましょう!

次に「英語で考え英語が話せるようになるための方法」を3つ挙げてみました。

1)子供用の英英辞典を熟読する

次のKids. Beta Wordsmythのサイトに行きます。
https://kids.wordsmyth.net/wild/ 
画面上にあるWorld Book Collectionsの中で、真ん中にあるBookをクリックしてください。すると画面の左側に[Explore] [A-Z] [Saved]が現れますので、真ん中の[A-Z]をクリックしてください。するとExploreの真下にアルファベットのAが現れますので、それをクリックしてください。

すると、今度はAの下に英単語がたくさん現れますので、その英単語一つずつワードにコピペして自分専用の英英辞書を作成していきます。少し骨の折れる仕事ですがやり遂げましょう。AからZの最後の単語のZOOまでコピペしてください。そして、毎日毎日、機会を見つけては、本を読むように英語でその英単語の定義を何度も熟読していくのです。アルファベット順に少しずつでも構いません。目的は「英語を英語で理解する」ということです。日本語を介さずに英単語をそのまま英語で理解します。自分だけの英英辞書を作成して英語脳を作りましょう。

2)子供用のEBOOKSHORT STORIESを熟読する

次のKIDS WORLD FUNのサイトに行きます。子供用ですが、中々充実したサイトです。

http://www.kidsworldfun.com/ 
そこで比較的容易なTYRONE THE HORRIBLE や、The Lion and the Mouse のようなSHORT STORIESを探し出して熟読します。

この時には翻訳して理解することは避けてください。この無料で利用できるサイトには、素晴らしいE-BOOKやSHORT STORIESがたくさんありますので、是非ともご自分に合うものをお探しください(ダウンロードできるものもあります)。

3)英語で解説されたサイトでTOEICの練習問題をしてみる

お勧めのサイトは、
https://www.englishclub.com/esl-exams/ets-toeic-practice.htm 
こちらのTOEIC Practiceです。

このサイトでは、TOEICの受験について注意することも次の20 TOEIC Tipsで解説してくれています。 https://www.englishclub.com/esl-exams/ets-toeic-tips.htm 

やはりその中には、翻訳なしに英語で考えることが重要だとされています。

TOEICは、英検とは異なりインターナショナルな英語検定です。TOEICのノウハウは日本語に頼ることなく、英語サイトから英語で学びましょう。TOEIC対策は、日本語ではなく英語の解説だけのサイトの練習問題などに挑戦してみてください。つまり、日本語で英語を学ぶのではなく、英語で英語を学ぶように切り替えて、英英辞典を使うことを強くお勧めします。

YOU TUBEに非常に参考になる動画がありますので、是非とも一度ご覧ください。

How to Speak Fluent English: Learn to Think in English!
https://www.youtube.com/watch?v=DxEmXDtf_R8

オンライン英会話レッスンで、たくさん英語を話してみよう!

少し厳しい説明の仕方かもしれませんが、TOEICで高得点が得られたから仕事に英語が使えるとは限りません。やはり一番大切なのは、日本語に翻訳する癖から卒業して、英語で考えて英語が話せるようになることではないでしょうか。その為にお勧めする方法をご紹介しました。そして、日本にいても毎日の英語生活の割合を日本語で生活する割合よりも大きくすることをお勧めします。

ご紹介した映画のクリップが教えてくれたように、英語で仕事をするなら日本人からアメリカ人になりきり言動をすべきです。アメリカ映画を観れば、どのような言動をすればよいのかは大体想定できます。英語を話そうとはしない弁護士やノーベル賞受賞者、そしてアメリカ人恐怖症に陥る一流日本企業の駐在員。どうしてそんな優秀な人たちが英語を話すことに尻込みするのでしょうか。

英語が話せるようになるためには、翻訳なしで英語が話せる英語脳が必要なのです。現在、オンライン英会話レッスンでは多種多様なサービスが受けられます。英語脳を作るためには、オンライン英会話レッスンを利用するのも効果的です。英会話をする相手をあまり意識することなく、カジュアルな雰囲気の中で英会話に没頭できれば、英語で考えて英語を話す習慣が身につきます。

最近のオンライン英会話は通学の英会話教室よりも格安で英会話レッスンを受講することが可能です。フィリピン人の講師が多いことが特徴的ですが、何故かと言うと、フィリピンの人達は英会話が非常に得意であり、彼らにとって英語は日本人と同じく「外国語」です。従ってどのようにすれば英語を話すことが出来るのか、そのプロセスを体験しています。(これはネイティブスピーカーには無い感覚です。)また、欧米のネイティブと英会話レッスンをすると、緊張して英語が話せない人たちも、同じアジア系のフィリピン人講師とならあまり緊張せずに英語が話せるでしょう。

とにかく、このオンライン英会話レッスンで、フィリピン人講師と量で英会話を練習して英語で考えて英語を話すコツを掴みましょう。

「仕事で英語を使えるようになるまでの勉強方法」のまとめ! 

TOEICは確かに個人の英語能力を数字で表すことができます。ただ、高得点者がネイティブとビジネスのいろいろな場面において英語で交渉したりできるかというと、一概にはそうは言えません。

やはり、今回ご説明しましたようにネイティブになりきり、つまり日本人ではなくアメリカ人やイギリス人に自分がなりきり英語を話すことが重要です。そして何よりも英語で考え英語を話すことが最も大切なことです。今回は、簡単ですが、そのためにすべきことを少しご説明させていただきました。ご参考にしていただければ、幸いです。今回は、最後までありがとうございました。