こんにちは、mikaです!
これまでのブログで、日本人が苦手なR L V B・・・など「子音」の発音を一部ご紹介してきました。
今回はこれまた難関の「母音」の発音について触れてみたいと思います。
母音とはそもそも何か??
アルファベット文字で表すと「A E I O U」です。
母音は声帯をふるわせた音です。さらに子音とちがい、唇、歯で息をさえぎらずに発音します。 声帯が出した音を素直に発音する音が母音です。
日本語の母音(ぼいん)は文字・音ともに「あ い う え お」の5つです。
それに対し、英語の母音の音は15〜20種類はあると言われています。
言語によって母音の種類数が違う、というのは初めて知った方も多いのではないでしょうか?
図は舌の位置を示しています。日本語では同じように「イ」や「エ」と表記する発音も、このように舌の前後/左右の位置や口の開け方で実は全く違う発音になるのです!
そこで今回は、母音の発音について解説を交えながらご紹介してみたいと思います。
- 「なぜ母音を学ぶのか?」
- 「front vowel」
- 「back vowel」
- 「他の母音はマスターしなくていいの?」
- 「大切なのは発音だけじゃない!」
- 「フォニックスルールを学ぶのもおすすめ」
- 「母音の発音をマスターしよう!」
「なぜ母音を学ぶのか?」
そもそも、母音って学ばなきゃだめなの?と感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。
英語学習をしていると、膨大な量の単語を覚えたり、日本語とは全く違う文法を理解したりするだけでも大変で、細かい発音の違いにまで気を配っていられないですよね。
また、母音は基本的には日本語と同じ「あ い う え お」なので、英語特有の子音さえ押さえれば英語は話せるのではないかと思ってしまうでしょう。
しかし、実際にネイティブを前に会話する時や、資格試験でハードなリスニングに挑戦する時は、ネイティブらしい母音の発音を知っておくことは必要不可欠です。
母音の発音には
前母音「front vowel」
と
後母音「back vowel」
の2種類があります。下記に発音記号をまとめてみました。
それぞれの特徴と単語、発音記号を見ていきましょう♪
できるだけ言語学上の用語を使わず、舌の位置や口の形、音声の出し方などで説明していきたいと思いますので、ぜひ発音しながら読み進めてみてくださいね!
「front vowel」
口の奥の方で発音するので比較的潰れた音になります。日本語には全くない音なので日本人には発音が難しいと言われています。
/i/
舌の位置 前。
舌の高さ 高い。
舌の先端は、下歯の後ろに置く。唇左右に引く。
「イー」と音は少し長めに出す。
ex. eat /íːt/ me, tree, three, peopleなど
/ɪ/
短母音。
舌の位置 前。
舌の高さ /i/ より少し低い位置。
唇左右に引くが、/i/より軽め。
「エ」の口を作り、「エ」と「イ」の中間の音を発音する感覚。
どちらかと言うと「イ」寄り。例えば”listen”はネイティブの発音だと「レッスン」のように聞こえる場合があり、単語によっては全く違う単語と勘違いしてしまうこともあるので注意。
ex. invite /ɪnváɪt/ pin, ship, ticket, this, kingなど
/e/
舌の位置 前。
舌の高さ 中間。
舌の先端のうらは、下の歯の最上部とかすかに接触している感じ。
下あごを少し持ち上げ、軽く引く。
日本語の「エ」に近い音です。
ex. best /best/ any, pet, egg, red, testなど
/ε/
短母音。
3がひっくり返ったようなシンボル。/e/と表示される場合もあります。
舌の位置 前。
舌の高さ 中間。
先端は、下歯の後ろに置く。サイドは歯に接する。
下あごを少し持ち上げ、引く。
日本語の「エ」よりも口をやや大きめに開きます。
ex. extra /έkstrə/ bet, bed, chair, hair, careなど
/æ/
短母音。
aとeがくっついたようなシンボル。
見たまま「ア」と「エ」の合体した音。
舌の位置 前。
舌の高さ 低。
先端は、下歯の歯茎の後ろに配置。
他のフロント母音より、下あごを下げる。指が縦三本入るくらい口を開けて。
日本語の「ア」と「エ」の中間のような音。
ex. glass /glǽs/ at, cat, bag, bat, can, apple, blastなど
「back vowel」
/u/
舌を自然な位置から、後方に高く移動させ、臼歯に接触させる。
音は少し長めに出す。
唇をすぼめて「ウー」と発音。
ex. drew /drúː/ who , move , noon , twoなど
/ʊ/
短母音。
舌を自然な位置から、後方にやや高く移動させ、臼歯に接触させる。
舌の根っこはあまり締めたりしない。日本語の「ウ」よりも口の開きが大きく「オ」と「ウ」の中間のような音。
ex. foot /fʊ't/ full, pull, bull, look, good, bookなど
/o/
舌は後方だが、u より低め。咽頭を少し締めることで、ウが出てくる。(唇を少し尖らせると英語らしく聞こえる)
下あご、やや下がる。
日本語の「オ」よりは舌の位置が前に来ます。
ex. over /óʊvɚ/ boat, hello, knot, song, from, rock
/ɔ/
短母音。
舌は後方、高さは中よりやや低い。
oより口を大きく開いてオです。
日本語の「ア」と「オ」の中間のような音。
ex. all /ɔːl/ hall, all, small, ball, morning
「他の母音はマスターしなくていいの?」
冒頭で、母音には15~20種類あるとご説明しましたね。
ここまででご紹介したのは「AEIOU」の5種類ですので、他の母音はマスターしなくていいのかな?と感じた方もいらっしゃることでしょう。
しかし、母音は単語のどの辺に位置しているかで発音が変わりますから、まだまだ覚えなければならない母音の発音はたくさんあります。
例を見てみると、「氷」を意味する“ice”という単語は、“i”を「イ」ではなく「アイ」と発音しますよね。
ただ、こうした他の発音は、上でご紹介した発音(「ア」「イ」)の組み合わせで出来ているんです。
ですから、基本の5タイプをしっかりと押さえて、それらの発音を上手に応用、組み合わせながら少しずつ全ての母音の発音をマスターしていきましょう!
「大切なのは発音だけじゃない!」
海外で暮らす日本人の方などで、ネイティブとも全く問題なく英会話でコミュニケーションを取れる方の発音を聞いていると、時折思い切りカタカナ英語を話していることに驚くことがあります。
「英語発音ってこんなもんでも通じるのか・・・」
と正直拍子抜けしてしまったことも。
しかし、こうした日本人は、発音以外のあるポイントをしっかりとマスターしているために、伝わる英語が話せているのでした。
それは・・・
イントネーションです!
イントネーションとは、音の上げ下げのことで、抑揚ともいいます。
確かに、一本調子になりがちな日本語とは違い、英語は大げさなくらい音程のアップダウンやリズム、アクセントがありますよね。
どんなに1つ1つの発音がよくても、音節になったり、単語と単語を繋げて発音したりする時にこのイントネーションが不自然だと、なかなかネイティブに伝わらないことがあります。
また、単語の終わりと次の単語の頭の音を繋げて発音することで生じる音変化も加わると、なおさら英語のイントネーションは複雑になりますよね。
母音、子音それぞれの発音をマスターしたあとは、ぜひフレーズで発音しながら英語特有のイントネーションをマスターするようにしてくださいね。
「フォニックスルールを学ぶのもおすすめ」
フォニックスとは、英単語のスペルと発音の関係性をルール化したもので、これを知ることで初めて見る単語でもスペルを頼りに発音することができるようになります。
今回ご紹介しているような母音の発音も、もちろんフォニックスルールの中でしっかりとカバーされています。
学生の頃など、英文の上にカタカナで読み仮名を振った経験のある方も多いかと思いますが、実はこれが正しい発音の習得を妨げてしまうことがあるのをご存知でしょうか。
そんなときに役に立つのが
フォニックス
です。
なんだか難しそうですが、もともと子供の英語学習向けに開発されたメソッドであり、その難易度も子供向けに設定されているため案外簡単に習得することが出来ます。
フォニックスを習得することで、英語のスペルを見て、日本語の読み仮名を介することなく音に変換できるようになると、発音がぐっと英語らしくなっていきます。
また、発音の規則性を覚え込んでしまうことで、読み仮名を丸暗記する必要もなくなり大変楽になります。
今は英語学習アプリも充実しており、フォニックスルールを気軽に学べる無料アプリもありますので、そういったものを活用していただくのもいいかもしれません。
「母音の発音をマスターしよう!」
母音の発音について解説を交えてご紹介してまいりました。
参考になるものはあったでしょうか?
私たち日本人は母音の「あ い う え お」を「a i u e o」と認識しています。
そのため、母音記号/i/ /ɪ/ 、/e/ /ε/ 、/o/ /ɔ/ の発音を聞いた時に、私たちは日本語の「イ」や「エ」や「オ」に自動的に変換してしまうのです。
しかし英語の発音は日本人よりはるかに、口蓋・舌・唇を使い微妙に変化をつけることで、発音わけをしているのです。
似た系統の母音を区別できるようになれば、リスニングスキルが格段にアップし、あなたの英語もスムーズに通じるようになります!!
また、スペリングから発音が分かるようになると、新しい単語に出会った時も声に出すことが出来ますね。
ネイティブキャンプでも発音のトレーニングがあり、発音記号を丁寧に確認しながら正しい発音を定着させていくことが出来ます。
ある程度母音・子音の発音バリエーションをマスターできてきたなと感じたら、ぜひネイティブ講師相手に習熟度を確認してみましょう!
間違えて覚えている部分があれば、必ず指摘してもらえますので安心です。
正しい発音をマスターして自然な英語が話せるように、是非一緒に頑張りましょう!