「同族目的語ってなに!?」例文を交えながらご紹介します!

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皆さんは、同族目的語という言葉を聞いたことはありますか?高校文法では普通は扱わない言葉で、英語の文法に特化した学部でないと、大学の英語学科でも習わないような難しい言葉です。言葉だけでも複雑なように聞こえますが、読み解けば案外簡単ですし、日常会話でも使うシチュエーションがあります。同族目的語とは何か、そしてどのように使うのか、以下で詳しく解説します!

同族目的語とは

同族目的語を一言で言えば、動詞と同根の目的語です。動詞と同じ形の名詞は複数ありますよね。そういった動詞と名詞を一文の中で一緒に使っていて、名詞が目的語になっている場合は、これを同族目的語と言います。また、スペルがまったく同じでなくても、意味的に関連があるならこれも同族目的語と呼びます。

英語辞書では以下のように記されています。

Some intransitive verbs are followed by a phrase similar in meaning to the verb. This phrase is called the cognate object.

「自動詞の中には動詞と同じ意味の語句が続くものがある。そうした語句を同族目的語という。」

引用: EnglishPractice.com

説明だけではわかりにくいので、例文を見てみましょう。

I sing a song.

「私は歌を歌う」

この例文の動詞は「sing」で、「~を」「~に」に当たる目的語は「song」です。どちらも意味的に関連がある似た言葉ですよね。実は、ここで使われている動詞の「sing」は自動詞です。自動詞とは、その動詞だけで一文が成り立つものです。

例えば、「I sing.」は「私は歌う」となり意味が通じます。もしこれが目的語を伴う他動詞であれば、動詞だけでは一文が完結しません。例えば、「I give.」は「私は渡す」となりますが、「何を」に当たる目的語がないため完成した文ではありません。

「sing」が自動詞であるにも関わらず目的語の「song」を伴っている場合、この動詞は他動詞的に使われていると言えます。

英語を勉強しているうちにこのような文には自然と接します。これらにどういった文法名があるのかを知らずにいただけなので、実は新たに学ぶことはそんなにありません。英語を文法的に解釈したときに初めて気づくことは多々ありますが、普通はここまで難しく深掘りしなくてもある程度は自然に使えているものです。

同族目的語の使い方

では、同族目的語の使い方について解説していきます。使い方は2つに分かれています。まずは、 様態の副詞としての機能を持つ場合の説明をしましょう。

こちらの例文を見てください。

She lived a happy life.

「彼女は幸せな人生を送った」

動詞の「live」と目的語の「life」は似た意味を持つ言葉で、「life」は同族目的語です。そして、この例文は副詞を使って以下のように言い換えられます。

She lived happily.

「彼女は幸せに生きた」

副詞は動詞や文全体を修飾するもので、日本語訳では「~に」と訳されることが多いです。例文では「幸せに」の部分で、英語では「-ly」の形になることが多いです。

このように、同族目的語を副詞を使って言い換えられるのが様態の副詞としての機能を持つ場合です。

次に、目的語としての機能を持つ場合を解説します。先ほど出てきた例文を少しアレンジして使います。

She sang a beautiful song.

「彼女は美しい歌を歌った」

動詞が「sang」で、その目的語の名詞が「song」なので、「song」は同族目的語です。しかし、この例文は先ほどのように副詞に置き換えられません。

副詞になりそうな「beautiful」を使って無理やり例文を作ると、以下のようになります。

She sang beautifully.

「彼女は美しく歌った」

文法としては合っていますが、「She sang a beautiful song.」「彼女は美しい歌を歌った」の言い換えにはなっていません。「美しい歌」を歌ったのが最初の文であるのに対し、副詞を使って言い換えた文は「美しく歌った」ことになっています。

このように、同族目的語を副詞を使って言い換えられないのが、目的語としての機能を持つ場合です。

同族目的語の言いかえ

次に、同族目的語の言い換えについて解説します。

言い換えに当たり注目すべきポイントは、「その文が動詞に比重を置いているのか」それとも「目的語である名詞に比重を置いているのか」を見極めることです。

まずは、動詞に比重を置いている場合を解説します。先ほど出てきた例文を見てみましょう。

She lived a happy life.

「彼女は幸せな人生を送った」

こちらは、以下のように副詞を使って言い換えが可能でしたね。

She lived happily.

「彼女は幸せに生きた」

そして、口語では後者の副詞を使った方法を使います。同族目的語がある文を使わないわけではありませんが、意味が似た言葉を2回以上繰り返すとくどく感じてしまいますし、英語は特に意味の繰り返しを嫌う言語です。

彼女が「どんな風に」生きたか、動作に比重を置いている同族目的語の構文の多くは、副詞で置き換えた方がナチュラルになります。「副詞を使うこと」を念頭に言い換えを考えてみましょう。

次に、目的語である名詞に比重を置いている場合の言い換え方法について解説します。先ほどは動作に比重が置かれていましたが、今回は目的語の名詞が「どのようなものか」に着目していきます。

以下の例文を見てみましょう。

He dreamed a stupid dream.

「彼は馬鹿らしい夢を見た」

このような例文は、動詞に比重が置かれた文ではありません。目的語となる名詞「dream」がどんなものだったのかに比重が置かれています。ですから、副詞を使っても上手く言い換えらない特徴を持ちます。

このような場合、日常会話で自然な言い回しにするには、動詞を他のものに替える方法があります。

例えば、「dream a dream」は 「have a dream」に言い換えられます。こちらの方が自然です。「have」や「take」を使った言い回しは多く、どちらかというとイギリスでは「have」を多く使います。

中学生のときに習った「散歩をする」というイディオムは「take a walk」 ですが、イギリスでは「have a walk」と言います。これは、「I walked a walk.(私は散歩をした)」という言い回しが不自然なため、イディオム化させて覚えている例のひとつです。ちなみに、「散歩をする」は「go for a walk」とも言います。

同族目的語 一覧

では、普段は不自然なのであまり使わないものの、同族目的語構文としては典型的なものをいくつか記載しておきます。正直なところ、同族目的語構文で使われる動詞と目的語の種類が少ないため、量はここにある例くらいなものなのです。

dance a dance 「ダンスを踊る」

sigh a sigh 「ため息をつく」

dream a dream 「夢を見る」

smile a smile 「笑う」

laugh a laugh 「笑う」

live a life 「人生を送る」

die a death 「死ぬ」

sing a song 「歌を歌う」

fight a fight 「闘う」

grow a growth 「成長する」

walk a walk 「散歩をする」

このような使い方は違和感があり、ネイティブスピーカーは使いません。使うとしたら文語的な方法だったり、あえて強調させたいときのスピーチなどの中が多いです。

では、上記の一覧から好きなものを選んで、まずは例文を作ってみましょう。また、作った文をナチュラルな文に言い換える練習をしてみましょう。以下に、例をいくつか載せておきます。

We danced a fantastic dance.

「私たちは素晴らしいダンスを踊った」

言い換え:

We enjoyed a fantastic dance.

「私たちは素晴らしいダンスを楽しんだ」

「dance a dance」の言い換えが必ず「enjoy a dance」になるわけではありませんし、決まった使い方もありません。しかし、「楽しむ」で「踊る」と言い換えれば、目的語の名詞「dance」と被らないため、自然な言い回しとなります。

He said that he had dreamed a very strange dream.

「彼はとても変な夢を見たと言った」

言い換え:

He said that he had a very strange dream.

「彼はとても変な夢を見たと言った」

「dream a dream」は「have a dream」と覚えるべきと言えるほど、決まり文句のようになっています。例文では過去完了が使われているため、言い換えでは「had had」と「had」が2回連続で使われる形になっています。

He died a sudden death.

「彼は急死した」

言い換え:

He died suddenly.

「彼は急死した」

「die a death」は日本語にはない言い方なので、そもそも使おうと思わないかもしれませんね。普通は、どんな死であったのかを副詞で説明します。「a sudden death」も使いますが、同族目的語としてではなく、主語にして使う文で見かけることが多いです。

同族目的語 まとめ

今回は、英文法の中でも学校では習わない同族目的語を解説しました。説明だけ見ると難しそうですが、実際はパッと見ただけで同族目的語だとわかると思います。上記でご紹介した一覧を見ればわかりやすいですし、実際に数も少ないです。ただ、同族目的語は自然な文にはならないので、英会話をする際には別の言い回しの方が自然だと覚えておいてくださいね。

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