私たちが韓国語や英語など外国語を話したり理解できるようになるために単語を覚えたり、文法を学びます。
子どもの時にその言語が話される環境にいた場合は、学習をしなくても習得することができます。
ですが、大人になってから習得を始める場合、単語と文法を学ぶことは必須です。
韓国語習得においても、まずはテキストを使いハングルを覚え、次に単語と文法を学んでいくことが基礎から韓国語力をしっかりとつけていくための正しい勉強法、手順です。
しかしながら、勉強を一生懸命にしているにもかかわらず、なかなか会話や文を書くなどのアウトプットができるようにならないと悩む学習者が韓国語でも多いです。
その理由のひとつとして活用を使いこなせないことが挙げられます。
韓国語を使えるようになるためには、この活用をいかにマスターし自分で使いこなせるようになれるかが決め手になります。
今回の記事では、韓国語を話したり、書いたりのアウトプットはもちろん、読解や聞き取りをできるようになるために欠かせない韓国語の活用について書いていきます。
単語や文法の知識取得だけでは韓国語は使えない
まず、活用について書く前にひとつ大事なことをお伝えします。
英語や韓国語など外国語を話したり書いたりなど、主にアウトプットができるようになることを目的に勉強する場合、単語暗記と文法学習をするだけでは使えるようになりません。
言い換えると、韓国語を含め言語習得を単なる暗記とかたくさん覚えることだと思っていると習得はできません。
学校英語ではとにかく単語をたくさん暗記するとか、難しい文法を学んだと思います。
ですが、そのような試験で点を取るための知識を多く得ることが目的の詰め込み型、知識習得が目的の勉強では使える韓国語力はつきません。
なかなか韓国語が使えるようにならないと悩む人は、この学校で英語を学んだ方法や考え方で韓国語も勉強している傾向が見られます。
では、韓国語を使いこなせるようになるために必要なことは何なのか?と言うと、活用を使いこなせるようになることです。
活用とは?
まず基本的なことですが、活用とは何なのか?です。
活用を簡単に言うと、「自分が伝えたいことに合わせて語の形を変えること」です。
辞書に載っている単語の基本形(原形)を活用させることで、いろいろな形に語尾を変化させてさまざまな意味を表現することが活用です。
言語の中には中国語のように常に語の形が変わらない活用しない言語もありますが、日本語や韓国語、そして英語などは活用する言語です。
分かりやすく日本語で例を挙げてみます。
原形:食べる
①昨日友達と一緒に夕食を食べました。
②今日のランチは何を食べようか。
③ステーキが食べたいな。
例のように、「食べる」という単語を自分が伝えたい意味に合わせて形を変えて使いますが、これが活用です。
場合によっては、原形のままで使っても意味が何となく伝わる場合もありますが、どの文でも「食べる」だけを使って自分の伝えたいことが正確に伝わるということではありません。
韓国語も日本語と同じく活用する言語であるため、活用ができなければなりません。
活用が重要な理由
先の項目で触れた通り、韓国語も日本語と同様に活用する言語です。
語尾をいろいろな形にすることで様々な細かい意味やニュアンスを表す言語であるため、活用ができなければ韓国語を使いこなすことができません。
韓国語習得では韓国語文法を学ぶわけですが、これはつまり韓国語の活用の規則を学んでいるということです。
初めは単純にひとつの活用形から学びます。
例えば、「食べました」「食べたいです」「食べて」はひとつの活用形です。
ですが、実際に使う時はいくつかの活用形を組み合わせることで更に細かなニュアンスを伝えることが可能になります。
例を挙げると、「食べてみました」「食べてみたいです」といった形にすることでより細かいニュアンスを出すことができます。
このように、韓国語は動詞や形容詞などの用言は原形で使うことはなく、必ず活用させて使うため、活用ができないと使うことはできません。
そのため、韓国語習得において活用がいかに重要であるかが分かるかと思います。
活用なしに韓国語習得はできない
多くの韓国語学習者が、韓国語を話せるようになりたいと思って一生懸命に勉強していると思います。
ですが、すでに触れた通り、単語をとにかくたくさん暗記するとか文法知識をどんどん増やせば良いと思って勉強していると使える韓国語力はつきません。
単語は綴りと意味だけをひたすら覚えても活用ができなければ単語を書ける、意味が分かるだけの知識にしかなりません。
繰り返しになりますが、韓国語の用言は必ず活用させて使います。
また、文章や聞き取りでも必ず活用させた形で出て来ます。
そのため、単語の原形だけ書けるとか聞いて分かるでは活用されて出てきた場合に全く理解ができません。
また文法知識で活用の方法をいくら理解しても、それを実際に単語の活用に応用して自分で活用ができなければ、活用の方法を覚えただけで終わってしまいます。
活用練習の方法
ここからは、韓国語を使えるようになるための活用練習をどのようにすれば良いのか説明します。
活用はレベルに関係なく常に必要なので初級の段階からしっかりと身に付けて日々の学習に取り入れて習慣化してください。
1:単語と文法の学習
活用は活用の仕方が分からないとできませんし、活用させる単語も必要です。
そのため、まずはテキストを使いテキストに載っている単語と文法を学習します。
活用するのは動詞、形容詞、指定詞、存在詞の用言ですが、これらの単語の原形をまずはしっかりと覚えます。
文法は活用の方法なので、どのようにして活用させるかをしっかりと理解してください。
3:テキストの活用例文を理解する
テキストの文法説明には、必ずその文法(活用形)が実際にどう使われているのか分かるように例文があります。
それらの例文を、活用を覚えるための基本パターンとして理解します。
活用には規則活用と不規則変化活用があります。
規則活用は規則的に活用するので分かりやすいですが、不規則変化活用する語は活用の種類によって語幹が変化するため少し複雑です。
そのため、新しい文法(活用形)が出るたびに不規則変化する単語がどのように活用するのかを押さえる必要があります。
3:活用練習を繰り返しする
テキストには例文や練習問題で複数の単語の活用形が出ています。
ですが、実際に自分が会話をする時や文を書く時、また読解や聞き取りではテキストに出ている単語だけを使ったり出てくるわけではありません。
これまでに学んだ多くの単語をその時々の伝えたいことに合わせて選んで使い、その時にその語を活用できなければ使うことはできません。
特に会話の場合は、考える時間はなく直ぐに口から言葉が出てくるくらいになっていなければ会話がスムーズにできません。
そのため、普段勉強する時からいろいろな単語の活用形を何度も練習して口からすぐに出てくるくらいにしておく必要があります。
しかしながら、学んだ単語すべての活用形を勉強することは時間の制約上することができません。
そのため使用頻度の高い単語を最優先にし、その次に自分が使いたい韓国語の目的に合わせて良く使う単語の活用形を作ってすぐに使えるように練習します。
活用練習から韓国語を話せるようになるには?
1:活用練習を基に自分で文を作る
テキストの例文で各活用形の基本の例文を理解した後、その例文を活かし自分で文を作ってみます。
この練習の目的は、新しい文法(活用形)を定着させることなので、難しい文を作る必要はなく、例文を少しアレンジして複数の単語を使い活用形を何度も書いたり、読んだりすることを繰り返します。
分かりやすいように日本語で例を挙げます。
例:「~しましょうか」の活用形の練習
例文:一緒に夕食を食べましょうか。
①映画を見に行きましょうか。
②明日迎えに来ましょうか。
このように、自分が良く使う単語や表現で活用ができるように練習をします。
2:簡単な会話を作って読む練習をする
簡単な単文で活用に慣れてきたら、それを基に自分が使いそうな簡単な会話を作って読む練習を繰り返しします。
例①:A:映画を見に行きましょうか。
B:いいですよ。明日はどうですか。
例②:A:明日迎えに来ましょうか。
B:ありがとうございます。
実際の会話はこのような簡単な会話を続けていくことで成り立っているので、難しく考えたり、長い文を作る必要はありません。
3:自分のことを簡単な文で表現できるようにする
初級レベルでも一通り単語と文法を学び理解できていれば、それだけでもかなりな会話をすることは可能です。
使う目的で韓国語を勉強しているのであれば、使えなければ意味がありません。
そして、会話や作文などでも伝えることは自分自身のことがほとんどです。
そのため、この段階では学んだ単語と文法、活用練習の経験を基に自分で自分のことを表現できるようになるための練習をします。
まずは自己紹介など簡単なものから始め、テーマを決めてそれについて自分で文を作って読む練習をします。
この時に注意することは、自分が知っている単語と学んだ活用形で表現するということです。
会話の場合であれば、話す時は常にその時点での自分の韓国語で話さなければならないです。
そのため、練習の段階でもまずは自分の持っている韓国語で表現できるようになることを優先し、分からないところを調べて補うことは後にします。
まとめ
ここまで書いてきた通り、韓国語を使いこなすためには活用を自由自在に使いこなせることが必要です。
そのためには、文法を学んで新しい活用形が出てきた時点で覚えて終わりではなく、使いこなせるようになるまで練習をして定着させていくことがポイントになります。
◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
韓国語能力試験(TOPIK)6級
延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。