英語学習に最適!?NHK WORLD TVの効果的な使い方をご紹介

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1.NHK WORLD TVとは?

NHK ワールド TVとは、NHKの国際放送サービスです。無料で視聴できる「NHK WORLD-JAPAN」は、テレビ、ラジオ、インターネットを通じて24時間、世界に向けて日本とアジアの今を多言語でニュース番組や情報番組を発信してます。今日は中学・高校生向けにNHK WORLD TVを使って、さまざま英語表現の使い方や学び方を紹介して行きます。

2.利用できる地域・端末

およそ160の国・地域の約3億8000万世帯で視聴できます。

日本国内では、テレビ、ウェブサイトで視聴ができます。ウェブサイトは、LIVE&Programsのページから視聴可能。専用の無料アプリをダウンロードすれば、スマホやタブレット端末でどこでも簡単に視聴できます。中学・高校生にはスマホアプリをインストールするのがお勧めです。

3. NHK WORLD TVを実際に見てみよう。

NHK WORLD TVには、LIVE放送とOn Demand放送(録画放送)があリます。どちらも24時間視聴できるので、世の中のニュースを英語で視聴したい場合はLIVE放送、空いてる隙間時間で活用したい場合はOn Demand放送をうまく活用しましょう。

①インターネット編

・PCを使ってNHK WORLD TVを視聴したい場合、「NHK WORLD TV」とキーワード検索をしてみましょう。上位リンクに、URL「https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/ja/tv/」が出てくるのでクリックすれば、NHK WORLD-JAPANにすぐにアクセスすることができます。

②テレビ編

テレビを使って視聴したい場合には、NHK国内放送又はBS放送で視聴できます。まずNHK BS放送と契約しているか確認しましょう。契約していれば、あとはリモコンで「BS」を押し、NHKワールドJAPANの一部の番組を視聴可能です。以下に、一部番組を紹介します。

・Doki Doki! NHK ワールドJAPAN
総合(日)22:55~23:00
総合(月)4:45~4:50(再)
総合(月)10:05~10:10(再)

・BENTO EXPO
総合(火)12:20~12:43

・SONGS OF TOKYO
総合
放送予定は番組サイトでお知らせ

・RISING(英語)
BS1(月)4:30~4:58

Side by Side(英語)
BS1(月)4:30~4:58

・Asia Insight(英語・日本語)
BS1(月)14:00~14:28

・Trails to Oishii Tokyo(英語・日本語)
BS1(火)14:00~14:28
BS1(月)5:00~5:28

・Journeys in Japan(英語・日本語)
BS1(水)14:00~14:28
BS1(日)4:30~4:58

・DESIGN TALKS plus(英語・日本語)
Eテレ(金)21:30~21:58
Eテレ(水)10:25~10:53
BS1(木)4:30~4:58

・CORE Kyoto(英語・日本語)
BS1(木)14:00~14:28

・J-MELO(英語 ※日本語字幕)
BSプレミアム(土)

③スマホアプリ編

やはり、一番手軽でおすすめなのはスマホアプリ。無料でインストールできるので、アプリをインストールしてみましょう。

実際に、テレビ、インターネット、アプリと視聴してみましたが、ニュースを情報として聞き流し英語のリスニング力を高めたいのであれば、スマホアプリが手軽でお勧めです。ただ、英語力UPの英語教材として活用したい場合には一工夫が必要。やはり、聞き流すだけでは全内容を理解するのは中・高生にはやや難易度が高め。そこで、英語学習教材として使えそうな番組をピックアップして、解説します。

4.語学習教材として活用するには?

①字幕付きOn Demand放送を観てみよう。

実際に字幕付き情報番組は数が少ないのが現状で、ここはもう少し期待したいところです。先ほどご紹介した番組の中で、L-MELOは映像の右下のところに字幕(英語・日本語)を選べる機能がついていたので、こちらで英語を選択すると番組内の英語を字幕でも確認できます。やはり、中・高生には字幕がついている方が格段分かりやすいかと思います。時間のあるときに字幕付き放送を探して観てみるのがお勧めです。

②日本人が出演している旅番組、ドキュメンタリーを観てみよう。

日本文化を紹介している番組は非常にわかりやすいです。英語でのナレーションでも、番組に出てくる方々が日本人で日本語を話している場合、英語字幕が表示されます。生の日本語表現を字幕でどのように翻訳しているのかが確認でき、様々なフレーズ表現を学ぶことができます。

5.The Signsを観て英語表現を実際に学んでみよう

参考:https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/ondemand/video/2089007/

2021年1月9日 放送2022年1月30日

2020年、パンデミックにより日本の伝統芸能等がすべてストップ。オンライン配信サービスを新たに導入し、世界中の新たな客層を取り込むべく、落語パフォーマーたちの様々な現状と挑戦が英語で紹介されています。実際の落語パフォーマーの声を拾いながら英語表現、内容の理解を深めてみましょう。

1.They say that fires and quarrels are the flowers of Edo.
火事と喧嘩は江戸の花

江戸は大火事が多くて火消しの働きぶりがはなばなしかったことと、江戸っ子は気が早いため派手な喧嘩が多かったことをいった言葉。

ことわざの意味は日本人でも知らないことがあるので、英語に直した表現と意味を英語で伝えられると外国人に紹介できるフレーズです。

2.I always thought of rakugo as a live performance art. You try things and see how the audience reacts.
もともと落語っていうのは生のお客様の前でやってなんぼ

この日本語は外国人には難しい表現ですね。「~してなんぼ」は、「~してはじめてお金になる」という意味の関西弁なので、「もともと落語は、お客様の前でパフォーマンスをして初めてお金を頂ける」という意味ですね。オンライン配信だとお客様の反応に生で返しができるという今までになかった落語のスタイルが生み出されていますね。

3.But now there’s no telling how long we’ll be out of work.
やっぱり、これから僕らはどれだけ長い間休まなければならないのか、全然見通しがつかない

There is no ~ing…「何とも言えない、断言できない」というイディオムの使い方が勉強できます。there is no tellingの後は、名詞節、付加疑問文節を導いて「~は何とも言えない」と使えますね。

4.I’m almost starting to worry that rakugo might be forgotten.
もしかしたら、このままいくと落語がだんだん忘れられちゃうんじゃないか

この状況が今後も継続して繰り返されるという意図で現在進行形が使われています。現在進行形は、現在、実際にしている動作そのもの以外にも状況が繰り返されているという意味でも使うことができます。

5.We can’t chat with the audience during a live performance.
普段は会話できないんですよ。お客様と。

chat(チャット)という語は、最近SNSの普及で耳にすることも増え若者には馴染みがある表現ですが、会話をするという日本語をみると私たち40代前後の世代にはcommunicatetalkという語が浮かんでしまいます。生の英語は勉強になりますね。

6.A streaming performance is perfect for audience interaction.
配信の場合は、お客様に言われたことをこちらからすぐに返せる、そういう強みがある

perfectは「完全、完璧」という意味で覚えている方も多いと思いますが、聴衆との交流には完璧=つまり、「すぐに返せるという強み」という訳し方は、さすがプロの翻訳家だなと感心させられます。翻訳家は、英語力に加え、高度な日本語表現力が必要ですね。

7.I’m finding this really enjoyable.
これはおもしろいことだな

findは「見つける」以外に、「気づく」という意味でも使われますが、ここでも現在進行形を使って、気持ちの気づきが繰り返されているという意味で使われていますね。

8.This is my first rakugo experience. I’m having so much fun!
Youtubeが初めての寄席体験という感じなので、楽しくて仕方がない

「I’m having so much fun!」を「楽しくて仕方がない」はお見事な日本語訳です。日常会話でもぜひ使いこなしたいフレーズです。

9.I think the way we’re living now is getting a lot of people down.
辛い時代だからしょげてる人も多いだろうなぁと。

getは「手に入れる」以外に状態変化を表す動詞ですね。

It is getting colder and colder. (だんだん寒くなってきている)

I got a hair cut. (私は髪を切った)

人々の気持ちを落としている状況を「しょげている人も多いだろう」と訳すのはなかなか高度な訳し方です。

10.The chance to laugh and have a bit of fun is so precious.
楽しい年でしたねと言ってくれるのがすごい

このコロナ渦で笑ったり楽しかったと言ってもらえる機会が提供できたのは、本当に貴重だという言葉が伝わります。

11.I’m proud to be a part of that.
そういうお手伝いがちょっとでもできたのかな

「その一部=お手伝い」という訳し方も日本人の謙虚さを表した訳ですね。

12.I’ve been dying to perform before a live audience.
落語をやりたいという気持ちが一番強くて

「I’m dying to~」~が「したくてたまらない」。dyingは、die(死ぬ)の現在分詞形ですが、「死ぬほど~したい」という強い願望を表す表現です。「落語をやりたくて仕方がない」と言いたいときに、このように使うんですね。「あなたに会いたくてたまらない」と言いたいときは、I’m dying to meet you.と言えばいいんですね。

13.The whole experience has really toughened me up.
だから本当にこれはまじでいい修行になりました

toughenは「強くなる」「強化する」という意味で、このコロナ渦の経験が私を本当に強くした=いい修行になっている。という表現になるんですね。

14.Before COVID, I’d freeze up if a phone rang during my routine.
コロナ前は携帯が鳴っただけでびくっとしたんですよ。

my routineは、「私の日常の仕事=落語公演中」という意味ですね。コロナという語もいろいろな表し方がありますが、COVIDやCOVID19、CORONA VIRUSESという表現方法も知っておきたいですね。

15.Now nothing surprises me. I can handle whatever happens.
動じないですよ。何があっても別に

動じない=何も私を驚かせない、は、英語特有の表現なので覚えておきたいです。

16.A straight translation is almost never effective.
それは直訳だと絶対伝わらない

落語は笑いや落ち、洒落などの言葉遊びを楽しむものなので、単純に英訳するとその楽しさは外国人の方にもストレートでは伝わらないということを意図しているんですね。

17.Due to the second state of emergency declared in the Tokyo area in January 2021, rakugo once again faces a difficult situation.
2021年1月に東京エリアで2回目の非常事態宣言が発令されたため、落語は再び困難な状況に直面しています。

「緊急事態宣言が発令された」というフレーズは、今後英検対策や入試対策のWriting Essayで活用できます。時事ニュースに出てくる英語表現は自然と知っておきたい用語です。

18.I liked the streaming rakugo so much, I decided to see a live performance.
配信でこれだけおもしろいので、寄席の雰囲気がどれだけ楽しいのかなと興味もあり来てみようかなと思った

何度も出てきている「Streaming(配信)」という語は、コロナ渦の中では更に需要が高まるオンラインサービスなので自分の言葉で使いこなせるようにいくつか準備しておくと役立ちます。

19.It was really fun to laugh along with the rest of the audience.
みんなと共鳴できるのが本当に面白いなぁって

laugh along with(共鳴できる)という表現も落語会ではキーセンテンスとなるイディオムですね。

20.Live performance and online will work together to enhance the art.
お互いにいいところを高め合っていくというのはいいことだなと

落語はお客様の前でパフォーマンスをすることが当然のことでしたが、このパンデミックを機に新たなステージで、新たなチャンスの扉が開かれそうになっているという現状がわかります。落語は「芸術」でいろいろな楽しみ方があるということがわかります。

6.まとめ

今回視聴した「The Signs」は、ナレーションがすべて英語だったにも関わらず、登場人物が日本人、内容が落語ということもあり、落語家の方々がコロナ渦で直面している問題や、新たな可能性への挑戦等、内容を十分理解することができました。

また、実際に落語家の方々がテレビの中で述べていた落語会の現状を実際に書き出してみたことで、配信サービスという新たな媒体を活用し、世界中の方々に落語を聞いてもらおうという取り組みについても知ることができました。

英語学習は単語を覚えたり、文法を覚えるだけではなく、生の英語表現や、最新のニュース、現状に触れていくことで、真の英語表現を学ぶことができるということを再認識できます。

NHK WORLD TVは様々な番組があり、英語力が初級の人には難易度が高いかもしれないですが、自分の興味・関心のある番組を選び、字幕表現等を活用しながら生の英語に触れ、自分の言葉としてアウトプットし、活用できるようになると、無料の素晴らしい教材として活用できるようになるのではないでしょうか。