とても便利な表現!Seemの意味と使い方をご紹介

"seem"の意味と使い方、英文法学習、ネイティブキャンプ

英語を学習中のみなさんは“seem”という単語が使われているのを耳にしたことがあるでしょうか。

英会話スクールやマンツーマン英会話などで英語学習を続けるうちにだんだん英会話レベルが上がってきて、中級レベルくらいになると、目にする・耳にすることが多くなったと感じるかもしれませんね。

この“seem”という単語、実は外国人の日常会話そしてレッスンで非常によく使われる単語なんです。

しかも普段の会話、ビジネス英会話にと色々と応用が利きます。ですから“seem”の使い方を勉強しマスターすることで、英会話表現に幅が出るんですね。

そこで今回はこの“seem”を使った表現について、その意味や使い方をご紹介していきます。

Seemの基本的な意味とは?どんなときに使?

まず“seem”を辞書で引いてみると… 「・・・と見える」
「・・・と思われる」
「らしい」
などといった言葉が出てきます。

日本語で言うと例えばこんなことを言いたいときですね。

「花子は太郎のことが好きみたいだ。」
「今日は元気がないように見えるね。」
「この電話は壊れているようだ。」

こういった表現は日本語でもよくしますよね。

それと同じように英語の日常会話でもよく使う表現なのです。そして日本語でもそうであるように、こうした表現をする場合、話者は話していることについて100%の確信はありません

これは決めつけた上で発する断定的表現と違い、可能性を含めた推定的表現ということになります。

「花子は太郎のことが好きみたい」というのは、主観的な感想や誰かから聞いた事実であって、話者が確信を得ている事実ではありませんよね。

そして、話者が言っていることは真実ではないかもしれません。

その点については英訳をしても同じことだということを、おさえておきましょう。

ではこの3つの文章を“seem”を使って英訳してみます。

基本表現を確認してみましょう。

「花子は太郎のことが好きみたいだ。」
-It seems that Hanako likes Taro.

seemsの後にthat節を作った形です。

「今日は元気がないように見えるね。」
-You don’t seem to be very well today.

否定形であり、seemsの後にtoを続ける形です。toの後には動詞の原形またはbe動詞を置きます。

「この電話は壊れているようだ。」
-It seems like this phone is broken.

seems likeは、like以下を”〜のように思う”というニュアンスになります。

ちなみに上記の3つの文章は“seem”を使わない表現方法もあるので、“seem”を使う文章だけが正しいというわけではありません。

また“seem”も使い方が色々とあるので、上記以外のフレーズでも和訳すると意味が同じになることもあります。

特に“seem”という同じ単語を使って、同じ状況を表すのにさまざまな言い方があるというのは不思議に思うかもしれませんが、この記事でご紹介する“seem”を使った例文を見ていけば、なぜたくさんの言い回しがあるのかがわかるでしょう。

主語を”It”にする・若しくは省略する場合

日常英会話で“seem”を使う場合、最もよく耳にするのは主語が”it”であったり、主語が省略されていたりするフレーズです。

“seem”には複雑な意味はなく、上記でご紹介した基本的な意味で全てが理解できます。

ですからここでは会話例文を使って、“seem”が実際にどのように使われているのかを感じ取ってみましょう。

シチュエーション1

A: Don’t you think Hanako has been talking to Taro a lot these days?
B: Yeah, it seems that Hanako likes Taro.
A: Does she really?
B: Apparently yes. Mariko told me so.

(和訳)
A: 最近花子が太郎とよく話してると思わない?
B: うん、花子は太郎のことが好きみたいだよ。
A: ほんとに?
B: そうみたいだね。まりこによると。

ちなみに話し言葉では“seems like”という風に言うこともありますが、英語では同じ単語が続くのを避けるため、「A likes B」のようなことを言いたいときには、“that”を使うのがスマートでしょう。

シチュエーション2

A: Is it true that Taro ditched Hanako?
B: Seems so.
A: But they just started dating last week!
B: (It) Seems like they didn’t get on well as a couple.

(和訳)
A: 太郎が花子を振ったってほんと?
B: そうみたいだね。
A: でも先週付き合い始めたばかりだよ!
B: カップルとしてはうまくいかなかったみたいだね。

ここで使われている“seems so.”という表現は、相手の言ってきたことについて「そうみたいだね」「そのようだね。」と話し手または発言者に同意の回答をするという時に非常によく使われます。

またほぼ同じ意味で、“seems like it.”という表現もよく使われるので、こちらも覚えておきましょう。

また“seems like”という表現は非常に便利で、上記のようにその後に単純な文章をつけるだけで「・・・みたいだ。」というフレーズになってしまいます。

この単純さのためか、“seems like”はかなりよく使われています。
これは主語となる”it”を省略した形なので、もちろん“it seems like…”にしても同じ意味となります。

また“it seems that”という形では、あまり“it”が省略されることはなく、またこの言い方は“seems like”に比べて堅い感じがするのも覚えておきましょう。

こちらの方が確信度が高い、またはある程度事実に基づいているというニュアンスを感じる人もいるようです。
ひとつ、例をご紹介します。

It seems that ‘salary-man’ is Japanese English, it means an office worker. (サラリーマンは和製英語らしい。オフィスワーカーのことですね。)
(※英語は地域差があること、そして言語は話者の言語知識レベルによってもニュアンスに差が出ることがあるので、そこまで強く意識しなければならない点ではありません。)

ただどちらの言い回しも、初級文法さえわかっていれば応用が効きやすい表現のため、まだあまり英語の形に慣れていない人は、とりあえずこちらの表現からマスターしていくことをおすすめします。


ここで少し余談!

皆さま、英会話をしていて話を切り替える時に「By the way」以外で何があるかご存知ですか?下記記事でご紹介しているのでぜひ参考にしてみてください♪♪

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主語を“it”以外の人称代名詞にする場合

さて次は主語を“it”ではなく、ほかの人称代名詞にする場合を見ていきましょう。

このタイプの“seem”を使ったフレーズは、 「主語+seem+to+動詞の原型」
「主語+seem+to+be+形容詞」
の形で作ります。

また主語が“it”になる場合も上記の形が作れますが、この場合の“it”は前項でご紹介したものとは、少々意味が異なります。

…が、ここでそれを説明してしまうと混乱してしまいそうなので、ひとまずここでは例文から表現方法の違いを感じとってみてください。

では実際にフレーズを会話例文で見てみましょう。

シチュエーション1

A: You’ve been making mistakes since this morning.
B: Oh, I’m so sorry.
A: You don’t seem to be very well today.
B: You’re right. It’s not my day today. It seems like I caught a cold.

(和訳)
A: 朝からミスが続いてるね。
B: ああ、申し訳ない。
A: 今日はあまり元気がないようだね。
B: うん。今日は調子が悪いな。風邪を引いたっぽいんだ。

これはBがミスばかりしているという状況から、「元気がなさそう」「調子が悪そう」というAの主観的な感想を口にしている文章です。

It seems that you don’t seem to ….
とも言えますが、それよりはもう少し直接的なニュアンスがあります。「直接的」と言っても失礼にあたるわけではありません。

シチュエーション2

C: Are you going to Sachiko’s birthday party?
D: It seems to be a fun activity... but I have a lot of things to do, so I can’t make it.
C: Oh… she seemed to be very excited about inviting you!
D: I know. What bad luck.

(和訳)
C: さちこの誕生日パーティーには行くの?
D: 楽しそうだけど、たくさんやることがあるから行けないんだ。
C: あら・・・あなたを招待できて嬉しそうだったのに!
D: 知ってる。運が悪かったよ。

こちらは“it”が主語になっている表現ですが、この“it”は明確に“さちこの誕生日パーティー”を指しています。

つまりこの文章は “Sachiko’s birthday party seems to be fun.” ということなんですね。

前項の“it seems that..” “it seems like..”というフレーズの“it”は何か特定のものではなく、その状況自体を指していると思えばわかりやすいでしょうか。

また、このシチュエーションでは、“she seemed”と過去形になっているのもポイントです。
これはCがさちこが喜んでいる(興奮している)と感じたのが過去の話だからですね。

「〜だったらしい」という表現の場合

普段の会話のなか、「○さんは病気だったらしい」や「あのアプリは役立たずだったようだ」などと過去に起こったことや情報について言うことがあります。

この場合は、seem to + have + 過去分詞という形になります。

My boyfriend seemed to have suffered from the relationship with his family.

(彼は家族との関係に苦しんでいたようです。)

suffer fromはfrom以下に苦しんでいる対象がくる英語フレーズです。

彼が家族との関係に苦しんでいたのは過去のこと、さらに話し手がそれを見たのも過去ではあるけれど、そこには時差があるということになります。


ここでまた少し余談!

皆さま「must」と「have to」の違いをご存知ですか?ここもかなり英語を勉強する中で混乱するポイントの一つだと思うので、下記記事を参考にして一緒にクリアにしていきましょう♪♪

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まとめ

今回は“seem”についてよく使われる表現をご紹介しましたが、理解はできたでしょうか。

“seem”を使った表現は本当によく使われていますし、使いやすい表現でもあるので、自分でもぜひ使ってみてくださいね。

もちろんネイティブキャンプの講師相手に“seem”を使ったフレーズの練習も可能!そうすれば間違いも正してもらえますし、初心者の方もそうでない方も積極的に使って覚えていきましょう。