英検二級の面接対策!試験内容から必要な対策までをご紹介

英検二級、英単語帳、色鉛筆のイラスト、ネイティブキャンプブログ

英検(実用英語技能検定)は、日本で開催される英語系資格試験の中でもTOEICに並んで有名なものであり、学生を中心に幅広い支持を集めています。

大学入試などでスコアが利用されることも多く、非常に価値のある英語系資格です。

そんな英検ですが、一級~三級では面接によるスピーキング試験が行われます。

この記事では、「高校卒業程度」の語学力が求められる、英検二級の二次試験(面接)に関する情報や、対策方法などについてまとめています。

英検二級の内容について軽くおさらい

英検二級は、高校レベルの英語力が身についているかを測定する試験であり、4技能すべてのスキルが測定されます。

一次試験のペーパーテストではリスニング、リーディング、ライティングが、二次試験の面接では、スピーキングのスキルが問われます。一次試験はライティング以外すべてマーク式であり、記述の解答を求められる問題はありません。

ちなみに、すこし前までは英検二級にはライティングの試験はありませんでした。最近のアップデート以降、ライティング問題が追加され、4技能のバランスが重視されるようになりました。

二次試験は、一次試験をパスした人しか受験することができません。一次試験の一ヶ月くらい後に二次試験が開催され、これをパスして初めて英検二級合格の資格が与えられます。

合格率は年度や開催回によって上下しますが、おおよそ20~30%です。

受験者層は子供から大人まで、非常に多岐にわたります。

受験は個人で申し込む個人申込と、学校経由で申し込む団体申込があります。学校経由で申し込むと、自分が通う学校で試験を受けることができるなど、メリットがあります。

英検二級の二次試験の内容、試験の流れなど

英検二級の二次試験は、ネイティブスピーカーの試験官との一対一で行われます。入室から退室までのすべてのやり取りが英語で行われ、日本語によるやり取りは一切行われません。

会場についたら、指定されている部屋の前で順番待ちをすることになります。面接は一人ずつ行われるので、自分の番が来るまで待ちましょう。

入室するときには、ノックをしてから May I come in?
入室してもよろしいでしょうか? などのフレーズを使い入室しましょう。

Please come in.
お入りください。
や、
Of course.
もちろん(お入りください)。 などのフレーズで返答されるかと思います。

入室後には、 Please have a seat.
着席してください。 などのフレーズで着席を促されたら、席に座ります。

この時点で、自己紹介などの簡単なやり取りが行われますので、アイスブレイク、肩慣らしとして取り組みましょう。

I am XXX, your examiner. May I have your name?
私は試験官のXXXです。お名前をお聞きしてもいいですか? などが頻出のフレーズです。

My name is YYY.
わたしの名前はYYYです。
や、
I am YYY.
わたしはYYYです。 が鉄板です。

名前だけ一語で述べてもOKですが、すこし愛想のない印象を与えかねないので、注意しましょう。

あいさつの後には「問題カード」が渡されます。これは、英文とイラストが描かれた一枚のカードで、以降の問題で利用します。

まず、20秒の黙読後に問題カードに記載の英文を音読するように求められます。

音読は、一番上のタイトルから読み進めます。ネイティブさながらのハイスピードで読み上げる必要は一切なく、ナチュラルスピードか、それ以下のスピードでもOKです。もごもごと話すことはNGで、はっきり丁寧に話しましょう

音読問題の後には、パッセージに関する質問に回答する問題(No. 1)が出題されます。

回答時には問題カードを参照することもできるので、うろ覚えの情報を確認しながら回答することができます。

パッセージ問題の次に来るのはイラストに関する問題(No. 2)です。

考える時間を20秒とった後、イラストの展開を口頭で説明します。回答中にはカードの中身を見ることができないので、記憶を頼りに回答することになります。

この後に来る最後の問題は、受験者の意見を問う問題(No. 3, 4)です。

この問題は問題カードを使わずに行われるものであり、合計2問あります。
面接官からお題が口頭で伝えられるので、それに対する自身の意見を説明します。

これで面接は終了です。問題カードを返して、退室します。退室後に受験を控えている受験者と接触することは許されていません。

入室から退室まで、5分くらいの短い時間で完了します。一次試験と比較すれば非常に短い時間で行われるので、試験における時間的な負担はそれほどでもありません。

ネイティブスピーカーによる質問のスピードはナチュラルスピードであり、英語ネイティブにありがちなマシンガントークのような英語はまず出てきません。

学校の普段のテストのリスニング問題で流されるような、ナチュラルでシンプルな英語ですので、ネイティブの発音を聞き慣れていない中高生でも比較的容易に聞き取ることが可能です。

どのような点が重視される?

英検二級に限らず、英検の二次試験の評価項目は明確であり、積極性、発音・アクセント、自然な反応、アティチュード(attitude)などが評価されます。

積極性というのは、自分から能動的に、意見を発信しようとしているかどうか、という指標であり、端的に言えばやる気のことです。

発音やアクセントももちろん評価対象です。ネイティブさながらの高度な発音は求められませんが、あまりにも発音に難ありだと減点対象になります。

自然な反応は、会話として違和感がないか、スムーズにやり取りができているか、という指標です。面接官の質問を何度も聞き返す、質問に対して見当違いな回答を繰り返すなどした場合、減点対象になります。

ですが、聞き返すこと自体は全く問題にはなりません。自然に聞き返すことができれば、減点されることはまずありません。
面接はリスニング問題とは異なり、必ず一発で聞き取らなければいけない、というわけではありません。

最後のアティチュード(attitude)は、態度のことです。
会話を楽しもうとしているかなど、態度の良しあしが評価されます。アティチュードは、成績表にも反映されるので、受験後に結果を確認することができます。

おすすめの対策方法

英検二級の面接対策を個人で行うことはなかなか難しいですが、ある程度の対策であれば一人でもできます。

いくつか解説していきましょう。

①英検公式サイトの「バーチャル二次試験」を見てみる

バーチャル二次試験は、英検の公式サイトで利用することができる無料のコンテンツです。

英検の二次試験の入室から退室までの一連の流れを、アニメーションで理解することができます。
バーチャル二次試験のアニメには音源もきちんとついていて、聞かれることを耳で理解することもできます。

本番前に面接の流れを確認する際に使うのが便利ですので、ぜひ利用しましょう。

➁YouTubeで模範解答例動画を見てみる

YouTubeには、英検の二次試験の解答例をまとめた動画が多数アップされています。英検二級の面接の解答例も数多くまとまっているので、利用してみましょう。

YouTubeは無料で、スマホとネットさえあれば視聴できるので、隙間時間などを利用して効率的に使うやり方がおすすめです。

③家族や友人にお願いして、ロールプレイをする

英検二級の面接でおこなわれる質問内容は、二次試験対策に特化した問題集などで利用できます。
家族や友人にお願いして試験官の役をやってもらい、ロールプレイで面接対策をすることもおすすめです。

現役の中高生であれば、クラスメイトと一緒にロールプレイをすることもできます。
クラスメイトと一緒に二次試験を受ける予定があるのであれば、お互いが面接官役になって教え合うのもいいでしょう。

もちろん、通っている学校の英語の先生にお願いするのも、いい手段です。きっとよろこんで練習に付き合ってくれるかと思います。

④オンライン英会話の利用

24時間いつでも格安で利用できる、オンライン英会話の利用もおすすめできます。自宅にいながらネイティブの講師と英会話をすることが可能で、英検二級の面接対策にもなります。

その他、気をつけておきたいこと

最後に、上記で説明したこと以外のポイントについてお伝えします。

①ある程度のリスニングスキルは必要

面接というとスピーキング力が重視されると思う人も多いかと思いますが、リスニング力も重要です。

英語で回答する以前に、面接官が何を言っているかを理解する必要があります。
ここで詰まると、何度も聞き返したり、最悪の場合黙りこんでしまうことになるので、リスニング力の強化も怠らずに行いましょう。

➁語彙力を強化しておく

語彙力が貧弱だと、発話するときに使えるワードが制限されることになり、頭の中で英作文を作るときに苦労します。言いたいことがスパッといえるように、語彙を頭の中にストックしておきましょう。

また、語彙と同様にフレーズの強化も重要です。

テンプレートを用意しておけばそれをベースに話題を展開できるので、非常に便利です。
特に、Let me see…や、You know…などの、フィラーを覚えると会話をスムーズに運ぶことができます。

③最低限の教養を身につけておく

英検二級に限らず、英検で出題される問題のトピックは総じてアカデミック系が多いです。

初歩的な科学知識や時事知識が求められることも多いので、ニュースなどを普段から見て、最低限の教養を身につけておくといいでしょう。

背景知識がないと、英語そのものが理解できるが解答に苦労する、といった事態になることがあります。

さいごに

いかがでしたでしょうか。

英検の面接は決して生易しいものではありませんが、今回ご紹介した内容をきちんと実践すれば、間違いなく合格に一歩近づくことができます。

また英検二級は、次の準一級、一級、さらにその先と、英語力のステップアップの橋渡しとなる重要な試験です。焦らずたゆまず、不断の努力が重要になってきます。

ぜひ、頑張ってみてください。