接客業に使う英語。「接客英語」でワンランク上のおもてなし

customer service
海外へ行くために英語を学ぶ人は多いですが、近年訪日する外国人も増え英語を使う場面は日本でも多々あります。特に英語が必要になる身近な職業は接客業です。仕事中、突然の海外からのお客様にどう接して良いかわからなく戸惑った経験はありませんか?

動じることなく笑顔で英語を使って対応できたら素敵ですよね!そこで今回は、役に立つ接客英語を紹介いたします。

 

 

【世界に誇れる日本の接客業!】

日本の接客業は世界と比べても劣らない、いや、世界に誇れるくらい素晴らしいと言えます。自信を持つべき!

筆者の経験では、先進国であるアメリカやカナダでも気分を害するほどの接客を受けたことがあります。アジア人であることへの軽い差別(稀ですがそういうこともあるのです)や、お客の意向に反する対応などです。

また、現在はメキシコに住んでいるのですが、メキシコの接客は良いサービスの方が少ないんじゃないか?と思うほど期待しない方が良い分野です(笑) 笑顔なし、すぐスマホを使う、店員同士会話に夢中、歌う、進まないレジ、人を待たせても気にしない…日本では考えられないですよね!

しかし、これもまた文化の違いで、「お客様は神さま」精神の日本とは真逆の「働く人が一番偉い」という気持ちがあるそうです。確かにそうかもしれませんが…どちらが正しいとも言えませんね。

昔、カナダ-日本のフライトで隣の席だった外国人に言われました。
「日本のサービスを受けたら全然違ってびっくりした!親切で気配りが出来ていて、すぐ好きになった!」と。
自分の国が褒められると嬉しいものです。同時に日本人であることに誇らしくなりました。

相手の立場になって考える、丁寧な接客、笑顔で対応、全てが素晴らしいのが日本の良いところです。これで言語が通じなかったらもったいないですよね。すでに備わっているおもてなし力に海外に対応できる力が加われば、さらに素晴らしい接客となることでしょう!それでは、さっそく英語で接客する際に使えるフレーズをたくさんみていきます。

 

【英語接客:基本の挨拶から】

接客は英語で「customer service」と言います。接客業は「hospitality industry」または「service industry」です。「おもてなし産業」という意味合いです。

では早速、英語の接客フレーズを項目ごとに紹介いたします!
まずは基本の挨拶から。接客英語で大切なのは気持ち良い挨拶ですね。

<入店時の基本挨拶>
Hello (Good afternoon), how are you?
=こんにちは!いらっしゃいませ。

海外では「いらっしゃいませ」と言う習慣がありません。気軽な挨拶から始まります。

How may I help you?
=何かお手伝いしましょうか?

フォーマルな表現です。お客様が何かを探している時、困っているような様子の時にお声がけしてみましょう。

Please let me know if you need anything. 
=何かございましたらお声がけください。

<退店時の基本挨拶>
Thank you very much!
=ありがとうございました!

Have a good day! / Have a good night!
=良い一日を!/おやすみなさい

「Thank you」とお礼を言った後に伝えるとより丁寧で温かい挨拶となります。

See you later! / See you soon!
また会いましょう!

【飲食店:入店時】

英語で接客する時に、まずお客様が何人なのかを聞き、テーブルに案内します。

How many people?
=何名様ですか?

People(人)を使わなくてもわかるので、「How many?」とも言います。

How many people are in your party?
=何名様ですか?

Partyとはgroupと同じ表現で、団体のお客様の時に使うフレーズです。

Would you like smoking or non-smoking?
=喫煙、禁煙どちらがよろしいですか?

Do you have a reservation?
=ご予約はされていますか?

I’m sorry, but we are full right now.
=すみません、只今満席です。

「We (私たち)」は、お店の表現として使えます。

All tables are reserved.
=予約でいっぱいです。(全てのテーブルは予約されております。)

It’s going to be about 00 minutes wait.
=だいたい00分待ちとなります。

Your table is ready. Please follow me.
=お席のご用意できました。こちらへどうぞ。

【飲食店:注文の取り方】

テーブルについた客から注文をとるやりとりができれば接客業の英語ができるようになったと言えるくらいです。接客英語が飲食店においてであれば、メニューは予め頭に入れてオーダーを取るようにしましょう。

I’ll be there in a moment.
=ただいま伺います。

お客様に呼ばれた時の返事です。

Are you ready to order?
=ご注文はお決まりでしょうか?

May I take your order?
=ご注文をお取りしてもよろしいでしょうか?

Would you like something to drink?
=お飲み物は何になさいますか?

先に飲み物の注文を取る際に使います。

I recommend this.
=おすすめはこちらです。

Here are today’s specials.
=こちらは、本日のおすすめです。

Would you like your coffee before or after the meal?
=コーヒーは食前・食後どちらになさいますか?

Is there anything else?
=ご注文は以上でしょうか?(他にございますか?)

【飲食店:食事の提供・会計】

接客業を英語でする場合に、ぜひスラッと出るようにしておきたいのがお客とのやりとりから会計に至るまでのフレーズです。

Here’s 〇〇〇.
=こちらが〇〇〇(料理名)です。

Have you received all your meals?
=ご注文の品は以上でしょうか。(すべて受け取りましたか?)

Please enjoy your meal!
=どうぞお食事をお楽しみください!

Please let me know if you need anything else.
=他に何かございましたら、お声がけください。

How is everything?
=(お食事は)いかがでしょうか?

May I take your plate?
=お皿をお下げしてもよろしいでしょうか?

I’ll bring the check right now.
=お勘定をすぐにお持ちします。

This bill amounts to 000 yen. / That will be 000 yen.
=お会計は000円になります。

That’s 1,000 yen all together.
=合計で1,000円になります。

【販売店:お声がけ~会計】

ここで店舗などでの接客で使える英語の表現もみていきましょう。日本が好きで買い物にきた外国人への接客英語としても使えます。

Can I help you find something?
=何かお探しでしょうか?(見つけることを手伝いましょうか?)

Are you looking for anything in particular?
=何かお探しでしょうか?(特定のものをお探しでしょうか?)

This is a really popular souvenir.
=こちらはとても人気の商品です。

Souvenirは記念品やお土産という意味です。

Would you like to try it on?
=ご試着なさいますか?

The fitting room is over here.
=試着室はこちらです。

We have it in various colors.
=そちらはお色違いもございます。

This suits you well. / You look really good.
=とってもお似合いです。

I’m afraid that we are out of stock at the moment.
=申し訳ありません、只今在庫を切らしております。

This is the only one left.
=こちらは残り最後の一品になります。

This item is in stock.
=こちらの商品は在庫がございます。

How would you like to pay?
=お支払い方法はいかがいたしますか?

That’s 000 yen all together.
=合計で000円になります。

Here’s your change.
=お釣りです。

Thank you very much. Have a nice trip!
=ありがとうございました。ご旅行を楽しんでください。

外国人観光客とわかっていたら、こう伝えると良いでしょう。

*断りのフレーズ
I’m sorry but~. / I’m afraid (that) ~.
=申し訳ございませんが~。

「I’m sorry but~.」は「すみませんが~」と何にでも使えるシンプルな断りのフレーズです。「I’m afraid (that)~」も同じように使えますが、「あいにく」「恐れ入りますが」という意味でより丁寧な表現となります。フォーマルな場面でよく使われています。

I am sorry but they are sold out.
=申し訳ございませんが、こちらは売り切れでございます。

I’m afraid that we only accept cash.
=恐れ入りますが、お支払いは現金のみとなっております。

 

【覚えておくと役に立つ過去形】

接客で役に立つのが過去形です。

過去形は丁寧でかしこまった表現となります。直接的な言い方ですと相手に失礼が生じるかもしれません。(ローカルなお店等は会話が弾みフレンドリーな接客の方が、より近く感じ好感を持ってもらえる場合もありますよね。これは時と場合、状況判断で!)

過去形を使うと強い言い方を避け口調をやわらげてくれるので接客に適しています。ぜひ使ってみましょう。

< Could>
CouldはCanの過去形です。

「Can you~?」は「~をしてくれますか?」とこれでも十分使うことが可能ですが、少しカジュアル。そこで過去形Couldを使い、「Could you~?」にすると「~をしていただけますか?」とより丁寧な表現となります。お客様へ丁寧にお願いをする時、それをすることが可能かを伺う時に使います。

Could you help me?
=お手伝いお願いできますか?

Can you~・Would you~よりも丁寧な表現です。お客さん側の時に使えます。

Could you wait a moment here, please?
=少々こちらでお待ちいただけますか。

<Would>
WouldはWillの過去形です。

「~したいです」「~したいですか」など、意志を伝える・確認する時に使う柔らかい表現です。

I would like to something to drink.
=何か飲み物が欲しいです。

Would you like a cup of coffee?
=コーヒーを一杯いかがですか?(欲しいですか)

Would you like milk or sugar?
=ミルクかお砂糖はいかがですか?(コーヒーの注文の際に)

「Would you like~」は、何かをおすすめする時・欲しいか伺いたい時に使う便利なフレーズです。

I would recommend 〇〇〇.
=〇〇〇をおすすめします。

 

【最後に 筆者の英語接客の思い出】

いかがでしたか?

長文をご覧いただきありがとうございました。膨大なフレーズを覚えるのは大変かと思いますが、「次のお客様にはこれだけは伝えよう!」と毎回少しずつ覚えると良いですよ!それが実際の仕事で活かせた時の喜びが英語勉強へのやる気につながります。

接客のフレーズをロールプレイで練習したい!という方には、ネイティブキャンプの「旅行英会話」教材がオススメです。レストランでの会話を店員・お客様それぞれの立場で練習できるので、ぜひ利用してみてください。

最後に筆者の小さな体験談を。

もう10年も前の話になりますが、海外のお客様がメインである日本のsouvenir shop(お土産屋さん)で働いていたことがあります。英語で少しでも上手に接客したい!という気持ちで毎日ノートにお土産屋さんで役立つ英単語を書いては通勤時間に暗記していました。

覚えた単語は、各商品の英語名、そして伝統・人気・包装・説明書・保証書・期限などなどです。基本の単語ばかりですが、仕事を通じて覚えることができて良かったです。

そんな小さな努力の末、接客が面白いと感じるようになりました。ある日、出張でいらっしゃったひとりの外国人男性にこんなことを言われました。

「君は信用できるから商品を説明して欲しい。一緒に選んで欲しい。」と!

勉強していたと言えど、まだまだ足りなかった英会話力。しかし、お客様は丁寧に英語で話そうとしていた当時の私を褒めてくださったのです。

接客業でこれほど嬉しい言葉はありません。ささやかですが今でも嬉しい思い出として残っています。

他にもお客様に日本文化や人気商品を説明したり、一緒に商品を見て笑ったり試してみたり。そのまた逆で、相手の国のことを話してくださる方もいらっしゃいました。もちろん自分の完璧でない語彙力で緊張する時もありましたが、一歩近づくことにより英会話によって商品だけではなくお互いの国のことを知り合えたのです。素敵な職業です!

自信が無い方もいらっしゃるかと思いますが、「英語があまり話せないから…」と避けるのではなく、「少しでもお客様に喜んでもらえるように伝えよう!」と英語での接客と向き合うことが大切です。海外のみなさんは、温かいおもてなしで日本を好きになってくれるはずです!

少しずつがんばりましょう、そしてお仕事を楽しみましょう!