英文法は丸覚えが一番!?効率の良い覚え方

最終更新日:2019-03-23

文法 ひらめき

日本人は文法が得意だなんて言われることもありますが、英語を学習中のみなさんは、英文法でつまづいてしまう人も少なくはないはず。これは、英語の文法は日本語の文法とはかなり違い、ルールや使い分けもたくさんあるので理解するのが大変だからだと考えられます。

大学受験などで必要になる文法の知識や基礎文法の知識はつけられたとしても、使いこなせてはいないと感じている人もいるでしょう。使いこなせるレベルで英文法を理解するためにはどうすればいいのでしょうか。

今回は英文法が覚えられない、苦手だと感じている人のために、1つの文法学習法である丸覚えする方法についてご紹介していきます。

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英文法が苦手な人のための攻略法

文章単位で丸覚えをしてみよう

英文法は英語を学習する上で中級レベルまでの人がつまづきやすい分野です。その理由は、日本語と英語の文法がかなり違うということもありますが、そもそも私たちは日本語でも文法の勉強をそれほどしていないのですね。

ですから、参考書などで出てくる文法用語自体を覚えるのがまず難しいという問題もあります。たとえば、名詞や動詞、現在形・過去形・未来形という単純なものなら、誰でも理解できますし、英語にしたときの文章もシンプルですからあまりつまづく人はいないでしょう。

しかし、ここに不定詞や目的語だとか、現在完了進行形、未来完了形、仮定法だとかいう聞きなれない言葉がでてきてしまうと、意味がわからず突然脳がシャットダウンしてしまうでしょう。
こんな難しい文法用語を覚え、さらにその中身を覚えるという学習法は効率が悪いですし、覚えてから使いこなすまでのタイムラグも発生します。

そこでおすすめしたいのが、

ポイント:新しい文法を覚えるときには文章単位で覚える!

ということです。

実はこの方法、英単語を覚えるときにもおすすめなのですが、文法を覚えるときにも脳にその形を覚えさせながら、徐々に使えるようになっていけるという効率のよい学習法なのです。

はっきり言って、英語が使えるようになるのが目的なら、こうした複雑な文法用語は覚える必要が全くありません。これが必要になる人は、将来的に英語の先生をするつもりの人だけです。そういう人であっても、初心者のうちは文法用語を覚えるよりも、その文法の形を覚えて使いこなせるようになることを優先させる方が手っ取り早いでしょう。
なぜなら、使い方がわかっているときには、そこに文法用語を当てはめればいいだけなので、なぜそういった呼び名がついているか理解できるようになっているからです。

英文法を丸覚えする方法

文法用語が覚えられないという人であっても、英語の文章を丸覚えするというだけならできるのではないでしょうか。
それでは、具体的にどういう風に丸覚えをすれば、英文法が身につくのかについてご説明していきます。

文法に関する参考書や問題集を持っているという人なら、使いこなしてみたいと思う文法のページを開いてみてください。英語を勉強するときは、和訳にあまり頼らないほうがいいのですが、文法を丸覚えするときにはその文法の感覚も身につけるために、最初は和訳を頼ってしまいましょう。
大抵の参考書には、その文法を使った例文と和訳がいくつか載っているはずです。そこから、自分が会話をするときに使えそうな文章を1つピックアップします。このとき、それがどういう意味なのか和訳も見ておきましょう。

学ぶ文法の種類によっては、長文になりがちなのですが、できれば短く覚えやすい文章を選んでください。


選んだ文章が「私はパリに住んだことがあります。」だったとします。

英語の文章は
I have lived in Paris.ですね。

でもあなたがパリに住んだことがなく、大阪なら住んだことがあるということなら、I have lived in Osaka.に変えてください。

ポイント:例文を自分のことに言い換える!

あとは、そのピックアップして自分用にアレンジした文章をひとまとめで覚えるだけです。何度も書くよりは、口にした方が感覚化しやすいです。和訳を参考にその文章の意味を頭の中で意識しながら、何度もその文章を口にしてみましょう。
もちろん、どこかに書き留めておくのもおすすめですが、何度も何度も書くと大変ですし手も疲れてしまうので、何度も書く必要はないでしょう。

慣れてきたら、動詞を変えたりして少し応用を利かせた文章を、あと2、3個作ってみるといいでしょう。そして、それも何度か繰り返し、口に覚えさせてみましょう。

自分のことに言い換えることが重要なのは、ここで作って口に覚えさせた文章たちは、実際の会話で使うことによって長期記憶となり、その文法の意味を感覚で掴めるようになるからです。

こうして覚えることに決めた文章は、オンライン英会話のレッスンなどで積極的に使ってみましょう。レッスンなら、今こういう文法を覚えようとしているということを講師に伝えれば、覚えた文章を使う協力をしてくれるでしょうし、もっとバリュエーションを利かせてくれます。
もちろん、自然な会話の流れでその文章を口にすることもあるでしょう。

また、英文を読む機会があったりするときや、英語で会話をしてる相手が話しているときも、同じ文法を使った表現がないか、意識するというのもおすすめです。

オンライン英会話などのレッスンを受けていなくて、話し相手もいないという人は、自分でその文法を使った英作文なんかをしてもスムーズに覚えられるでしょう。

ポイントとなる学習方法

高校になると、中学レベルとは違って複雑な文法を習うようになります。

動詞と文型、時制、助動詞、態、不定詞、動名詞、分詞、比較、関係詞、仮定法などです。これらの文法用語や細かい規則、内容をすべて丸暗記するのは難しいでしょう。
そのため、細かいことは無視して基本的な文法だけを押さえて理解し、あとは前述したように練習です。

大学受験英語に使用する辞書や参考書ですが、英語力を伸ばしたい社会人にもおすすめです。分からない単語や熟語、文章に出会って疑問が湧いたときに辞書や参考書を引くようにしましょう。

高校で習う英語で特に大切なのは文型です。英語の文は「5つの文型」に分類されます。これらの文型と文の仕組みとなる「主語(S)、動詞(V)、目的語(O)、補語(C)」という4つの要素だけは必ず覚えておいてください。長く複雑な文章も紐解けばすべて以下の文型のどれかに当てはまります。

1. SV(主語+動詞)
2. SVC(主語+動詞+補語)
3. SVO(主語+動詞+目的語)
4. SVOO(主語+動詞+目的語+目的語)
5. SVOC(主語+動詞+目的語+補語)

学生時代に英語の成績が良く偏差値が高かったとしても、英会話ができないのは知識だけに偏りすぎているからです。
英語は知識も必要ですが、運用できるようになることが大切です。ピアノやテニスの練習と似ています。
テキストを読んでピアノの弾き方やラケットの振り方を知っていても、実際にピアノを弾いたり、ラケットでボールを打ち返したりできるわけではありません。そこが他の学問と大きな違いになります。
細かい文法の規則を覚えるのではなく、文の中でどのような使われ方をしているのか理解し、あとは文章単位で何度も音読しましょう。

丸暗記におすすめの参考書

英語学習は数学と同様に積み重ねの学問であり、基本ができていないと中級や上級へ到達するのが難しい科目です。そのため、何度も基本に立ち返って反復練習し、中学英語で習う文法はマスターしましょう。
ポイントは何度も口に出して音読し、すっと口から出てくるようになるまでトレーニングして体得することが大切です。

それでは、具体的にどのような書籍や辞書などを使って文法を丸暗記したらよいでしょうか。中学校の英語の教科書や英語参考書の例文はシンプルでやさしいのでおすすめです。学校で習う基本的な会話表現が話せるようになったら、高校レベルで習う少し複雑な英語を話せるように練習します。
もちろん、まったく文法の知識がないまま闇雲に音読しても意味が分からないでしょうから、知識的な面での文法の習得も必要になります。
しかし、ポイントは難解な文法の規則を覚えるのではなく、どのように使われているのか(文法・構文・語順)を理解し、あとは実践で使えるようになるまで練習します。

私がおすすめする参考書は高校生や受験生向けの文法書である「フォレスト」(桐原書店)、「一億人の英文法」(東進ブックス)です。これらのテキストは受験英語向けの文法書にとどまらず、掲載されている例文はシンプルで覚えやすく英会話の練習にも向いています。
また、インターネット上には試験対策用の英語学習用アプリやサイトがたくさんありますので、自分のレベルや難易度に合った方法を選んでください。

繰り返すだけで文法は身につく

文法は上でご紹介したような、文章単位でその意味とともに丸覚えして、繰り返し使うというシンプルな方法で覚えることができます。
記憶を長期化するまでにはある程度の時間が必要なものの、方法が簡単なためこれで本当に覚えられるのか不安に思う人もいるでしょう。

しかし私たちが日本語を使えるようになったときのことを思い出してみましょう。文法用語なんて何も知らなかったはずです。
「こう言いたいときは、haveのあとに過去分詞をつけて・・・あ、この過去分詞は不規則動詞だ!」なんて頭の中で考えたことはないですよね。周りが使っているのを聞いたり読んだりして、自分でも真似てみて、いつの間にか微妙なニュアンスも含めて使いこなせるようになったはずです。

今から英語を学ぶという人はすでに日本語脳(=日本語の思い込み)が出来上がっていますし、日本にいる人が多いため、日本語を覚えた時ほどすんなり英語が話せるようにはなりづらいと言えます。

そのため、自分で覚えたいものを文章単位で用意をして覚えて口に出すことを繰り返し行うことで、自然とその文法の意味や作り方を覚えるという、積極的な方法をとることが必要です。

ポイント:インプットの部分もアウトプットと同時に自分で行うこと

しかしそれさえ補えれば、文法が難しいと感じることはあまりなくなってくるでしょう。この方法は、文章に入れ込んだ単語も自然に覚えてしまうので、英作文や英語を話す上での総合力にもつながります。

まとめ

文法が苦手だからと参考書や問題集に沿って、無理に暗記しようとして覚えられずさらに苦手になる・・・という展開はありがちです。英文法が苦手だという人は、解説などは一旦忘れて、文章をまるっと覚えるといった勉強法も取り入れてみてはいかがでしょうか。

その文法が使いこなせるようになったあとで参考書・問題集などの解説を読んでみると、理解が深まりまるので、将来英語を教えたいと思っている人にはおすすめです。