今や日本では韓国ドラマやK-POPを始めとした韓国エンターテイメントは一時的なブームではなく、ひとつのジャンルとして日本で定着しています。韓国ドラマは日本語字幕で見ることができ、韓国人歌手は日本語を上手に話す人が多いため、韓国語が分からなくてもこれらを楽しむことができます。
そんな中、字幕なしでドラマを理解できるようになりたい、ファンミなどで韓国語を話したいなどの想いから勉強している韓国語学習者が今ではたくさんいます。また、韓国旅行やグルメ、文化などに興味を持ち、韓国語学習をしている人もいるはずです。
これらの学習者の中には、独学ではなかなか難しく韓国語教室に習いに行ったり、オンラインレッスンを受けている人も少なからずいるはずです。そして、韓国語を習っている学習者は、講師から授業を受ければ韓国語会話ができるようになる、など期待をして習っている人も多いと思います。
ですが、実際には自分の期待通りになっていない学習者もいます。その理由は、学ぶ側からすると厳しい現実や不都合な真実があるからです。今回の記事では、韓国語講師が言わない韓国語習得の不都合な真実について、これまで対面でのレッスン、そして現在オンライン韓国語レッスンで韓国語学習者のサポートをしている私の経験を踏まえお伝えします。
韓国語講師が言わない韓国語習得の不都合な真実
まず、「韓国語講師が言わない韓国語習得の不都合な真実」とは、講師の立場からするとお客様である生徒さんにできれば言いたくないことです。
言いたくないこととは、韓国語習得をする上で学ぶ側が想像や期待していることとは違うことや厳しい現実です。言いたくない理由は、生徒さんが離れる危険性があるためです。
韓国語講師はボランティアではない限りビジネスとして韓国語を教えており、生徒さんにとって不利になることを伝えることは顧客離れのリスクになります。そのため、これからお伝えすることは、講師は敢えて言わないことが普通です。ですが、逆にこれらのことをしっかりと理解し学習をすることが韓国語習得の成功に繋がります。
1.語学習得には向き不向きがある
これは、語学習得に限ったことではなく、スポーツや仕事、ダイエットなどにも共通しています。運動神経の良い人と悪い人がいたり、得意な仕事と苦手な仕事が人それぞれあり、痩せやすい人と痩せにくい人がいるのと同じです。
韓国語など語学習得には向き不向きがあり、同じ学習法をしたり、同じ量や時間をかけて学習しても全員が同じ水準で習得に成功できるわけではありません。成人の語学習得には、音声と文字を一致させる力、文法に対する敏感さ、機械的な記憶力、帰納的に理解する力が適性として求められます。
これらの能力や得意不得意には個人差があります。そのため、これらの能力のうちのどれか、もしくは複数の能力が低いと学習してもなかなか習得が難しかったり、自分が目指すレベルまで習得できない可能性があります。
2.習得できるかどうかは本人次第
韓国語など外国語を独学で学ぶ人も多くいます。ですが、独学でなかなか思うように学習が進まない、望んでいる結果が出ないと韓国語レッスンを受けるようになる人もいるはずです。
その場合、習えばできるようになるだろうと期待してレッスンを受けるのではないでしょうか。ところが、韓国語は独学だからできるようにならない、習えばできるようになる、というわけではありません。できるようになるかどうかは独学か習うかにはあまり関係がなく自分次第です。
その理由は、韓国語など外国語を使えるようになることはスキルの習得だからです。つまり、自分が学んでいる内容を知識として覚えればできるようになるものではなく、使えるようになるために自分で練習をしてできるようになるものだということです。
そして、その練習をするかどうかは独学か習うかには関係がなく、自分自身がやるかやらないかの問題です。ただし、使えるようになる練習をする前提として、正しく知識を理解する必要があります。また、練習法も正しい方法でなければ、いくらしても成果には繋がりにくいです。
これらを独学ですることが難しい場合、レッスンで講師から習う方が良いと言えます。また、独学では間違いに気づかなかったり、分からないことがあっても自己解決できないと分からないままになるため、それらのサポートをレッスンで受けることも有益です。そのため、レッスンは学校教育のような何もかも先生頼りで教えてもらうという姿勢ではなく、自分中心で進める自律学習のサポートを受ける目的で受講することが望ましいです。
3.趣味程度でやる勉強では韓国語習得はできない
韓国語だけではなく、英語や中国語など語学を、他の趣味と同じように位置付けてしている人も少なからずいると思います。具体的には、週に1回韓国語レッスンを受けるだけで自宅ではほとんど勉強しない、自分の好きなことで好きな時に勉強する、といったものです。
ですが、このような趣味程度でやる勉強では韓国語習得はできません。その理由は、前の項目で触れた通り外国語習得はスキルの習得であり、そのためには継続的な練習が必要だからです。
私は、多くの学習者から日常会話程度はできるようになりたい、という希望を聞きます。ですが、趣味程度での勉強では日常会話レベルはいつまでもできるようにならないのが現実です。
4.習い続けても韓国語力が必ずしも上がっているわけではない
これは、先の項目とも共通しますが、韓国語を長い期間習い続けても必ずしも韓国語力が上がっているわけではありません。その理由は、既に触れた通り、個々に違う語学習得への適性の問題、韓国語習得をどのように位置づけてしているかによるからです。
一般の韓国語スクールやレッスンでは、教材を使いその内容を講師が生徒に教える形で授業が進められます。通常、受講を続けていれば生徒ができるようになっているかどうかには関係なくどんどん先に進みます。そのため、学習内容のレベルとしては初級から中級に上がったとしても、学んだことを自分でできるようになり、自分の韓国語力がついているかどうかは別の話です。
実際、私の所にご相談に来られる学習者でも、中級レベルの内容を学習していると言われていても会話は初級レベルでもうまく話せないという人がほぼ全員です。また、万年初級という言葉があったり、どの言語でも最も学習者数が多い層は初級者であり、習っても実力がついているかは別物であることが分かります。
5.日常会話はビジネス会話より難しい
これは多くの学習者が誤解している点です。ビジネスというと専門的な語彙や表現があるため確かに少し難しい印象があると思います。また、最低でも初中級レベルの運用力が必要になるため、そういう意味では少し難易度が高いとも言えます。ですが、ビジネス会話の場合、必要な分野や目的に絞り込むことが可能で、そこに集中すれば意外にもそこまで難しくはありません。
一方で、日常会話はカバーされる範囲がとても広いです。日常的にしている日々のひとつひとつの動作、出来事、自分に関することだけではなく、相手との会話であれば、相手の興味関心などについて聞いて理解し、それについて返事を返すことは簡単ではありません。そのため、日常会話程度であればすぐにできるようになるだろうと考えるのは大きな間違いです。
6.日常会話レベルは最低2~3年は学習を継続する覚悟がいる
先の項目で触れた通り、日常会話は多くの学習者が思っているほど簡単ではありません。言語能力は大きく分けると、生活言語能力と学習言語能力に分けられます。日常会話は生活言語能力に該当しますが、一般的に習得まで2年程度が必要だと言われています。学習者はできるだけ早く話せるようになりたいと思うことが多いです。
また、学習教材や講座などでも数カ月や1年以内でも話せるようになると謳っているものがあります。ですが、実際には短い期間で日常会話をできるようになることは、韓国語が日常的に話される環境で更に相当の学習や練習をしない限りは難しいです。また、その場合であっても前提として最低限の知識習得がされている必要があります。
7.会話レッスンを受けるだけでは話せるようにはならない
これも既に触れて来たいくつかの項目と重なります。会話ができるようになりたい場合、会話目的のレッスンを受ける学習者もいると思います。ですが、たとえ会話目的のレッスンであっても、レッスンで話す時間だけでは圧倒的に練習時間が足りません。そのため、レッスンを受けるだけでは話せるようにはなかなかなりません。
また、会話のベースとなるものは単語力と文法力を基にした作文力です。この能力がまだあまりない段階で、とにかく会話ができるようになりたいからと会話レッスンを受けてもあまり意味がありません。その理由は、自分で文を作れなければ話せないので、会話目的のレッスンと言っても、結局講師が話すことが多くなるか、発音や音読の練習になるからです。
また、講師からフレーズなどを教わっても単なる暗記になるため知識として定着しにくく、文法力がなければ応用が利かないため、学んだことを活用できません。そういう意味では、会話ができるようになりたいのであれば、自分でまず少しでも話すことができるようになることです。そして、短い文でも、多少間違っても良いので話せるようになった段階で受ける方が良いと言えます。
まとめ
今回の記事では、韓国語講師が言わない韓国語習得の不都合な真実についてお伝えしてきました。講師が生徒に対し敢えて言わないことは、生徒にとって韓国語学習をする中で厳しいと感じることですが事実です。
それらの厳しいことにも目を向け、理解した上で学習を進めることができれば、韓国語習得を諦めずに進められるはずです。
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◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
韓国語能力試験(TOPIK)6級
延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。
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I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.