英語で「こんにちは」と言いたい時に真っ先に思い浮かべるフレーズは「Hello」ではないでしょうか?
そして割と気軽に「Hello」を「こんにちは」という意味で使っているのではないでしょうか。ところがこの「Hello」私たち日本人とネイティブスピーカーでは、捉え方に差があるようです。
日本人が思っている「Hello」は、ネイティブスピーカーが日常よく使う挨拶とは、実はちょっと違うのです。知らないで使っていると、相手がちょっととまどうこともあるかもしれません。
では「Hello」はどのようなニュアンスを持っているのか、さっそく始めていきましょう。
Helloは固い表現?ネイティブスピーカーが使う挨拶とは
学校で「Hello」は「こんにちは」と、習った人も多いのではないでしょうか。ちなみに辞書を見ると大抵、「こんにちは」と掲載されています。加えて「やあ!」や「よお!」などが主な意味としてあります。使い方の例として「昼夜の別なく用いる一般的なあいさつ」や「かしこまった言い方」と載っています。
そして辞書にもあるこの「かしこまった言い方」というのが実は重要です。
「Hello」にはかなり堅い印象があり、ネイティブスピーカーによるとどうもこの「Hello」はフォーマルな状況で使われ、普段の会話にはあまり頻繁に登場してはいないようです。つまり気軽な「こんにちは」という言葉ではないということです。
日常会話では「こんにちは」と挨拶したい場合、「Hello」よりも「Hi」を使う方が一般的です。両親や親戚などの身内、友人、知人、仕事の同僚、上司など、いろいろな人に対して使われています。
「Hi」の方が「Hello」よりも親しみを感じさせます。また、「身内」「仲間内」「同じ組織内」といった意識を感じさせます。
特に友達に対しては「Hello」は堅すぎて、友人同士で会った時に「Hello」と言うと相手は、「え?どうしたの?」と混乱し、引かれることもあるとか。
初対面の相手ならば「Hello」でも大丈夫です。でも、2度目以降に会う時などは「Hi」にするといいでしょう。
ちなみに、こうした「Hi」のような、あらたまった場では用いられにくいけれども日常会話の中で頻繁に使われるくだけた言葉を「スラング」と呼んだりします。日本語では「俗語」と呼ばれることもあります。
「Hello」や「Hi」以外にも英語でのあいさつフレーズはいろいろあります。以下に主なフレーズを説明しましょう。(1)から(3)までありますが、(1)は堅い表現で、(3)にかけてだんだんフランクになっていきます。
(1)Hello
初対面の場合などに使いますが、例文は下の「Helloが使われる場面とは」で紹介しますので、参考にしてみてください。
(2)Hi
前述したように、家族や友人、同僚などをはじめ、多くの相手に使うことができます。「Hello」の方がいい場合を除き、初対面の人に用いても失礼にはなりません。
また朝昼晩問わず1日のうちでいつでも使えますので、午前中「Hi」と言っても、夜「Hi」と言っても構いません。
やあ!
やあ、めぐみ。元気?
やあ、みんな!
(3)Hey
(2)の「Hi」よりぐっとカジュアルな表現で、家族やファーストネームで呼び合える親しい友達などに用いたりします。この「Hey」は「Hi」と違い、初対面では使わない方がいいでしょう。
例えば、以下のような会話のやりとりでイメージをつかんでみてください。
ナンシー!
Nancy: Oh, hi, Yoko! What's up?
あ、ようこ! 元気?
Yoko:Nothing much. You?
変わりないよ。ナンシーは?
Nancy:Great! Actually, I got through the examination.
最高よ! 実は試験に合格したんだ。
Yoko:Wow! Glad to hear that.
すごい!よかったね。
Nancy:Thanks!
ありがとう!
「What's up?」というフレーズが出てきましたが、これは「最近どう?」「元気?」という意味です。親しい相手に対する挨拶として使え、とても便利なフレーズです。
「最近何かあった?」というような意味のため、「Nothing much.(変わりないよ)」と答えたり、または「What’s up?」とそのまま返すことも。
さらに「Hi」や「Hey」の後に、以下のようにフレーズをつけたりします。
よお、元気?
やあ、調子どう?
やあ、最近どう?
やあ、調子どう?
今日はどんな感じ? うまくいっている?
また久しぶりに会う場合にも「Hi」や「Hey」の後に、下記のようなフレーズをつけたりして、自然な会話に導いていきます。
やあ、また会えて嬉しいよ。
よお、元気だった?
返事はどうすればいいの?
挨拶をされたら返答をして、その後の会話の流れをスムーズにしたいですね。そこで次は、「Hi」や「Hey」で挨拶された場合の返答の例文をあげます。上記(3)「Hey」のYokoとNancyのやりとりにもでてきた「Nothing much.(変わりないよ。)」などの他にもいろいろ言い回しがあります。
一例を以下に挙げます。自分の状態に応じてスムーズに返答できるように何度も練習しましょう。
すごく調子がいい時
I’m excellent!
絶好調!
Super!
最高にいいよ!
Great!
素晴らしくいいよ!
Never been better!
最高よ!
調子がいいという時
Good.良い感じだよ。
Pretty good.
とてもいいよ。
I'm doing well.
いいよ。
Not bad.
悪くないよ。
Fine.
調子良いよ。
上記の「Fine.(調子良いよ)」ですが、日本人には「I'm fine.」という言い方の方が馴染みがあると思います。しかし、親しい友達なら「Fine.」のみの方が自然のようです。
良くも悪くもなく普通な時
I'm OK.まあまあです。
I'm hanging in there.
なんとかやっていますよ。
あまり調子がよくない時
A little tired.ちょっと疲れています。
It’s been hard lately.
最近大変で……。
まったく調子が良くない時
Not good.良くないです。
I’m depressed.
落ち込んでいるんです。
Helloが使われる場面とは
では「Hello」が使われる場面はどのような時なのでしょうか? 一例を挙げながら説明をしていきます。1.初めて会う場合に使う「Hello」
初めて会う時、またはフォーマルな場面などで用いられます。
こんにちは、はじめまして。
2.接客場面などで使う「Hello」
店舗など、店員と客など、顔見知りでない初対面の接客場面では、店員が客に「Hello」を使うことがあります。
こんにちは、何かお探しでしょうか?
客:Hello. I'm looking for a red sweater.
こんにちは、赤いセーターを探しています。
3.電話に出る時に使う「Hello」
電話に出る時に日本語の「もしもし」という意味で「Hello」を使います。
知らない電話番号からかかってきたら、「誰なの?」という感じで、語尾を上げて「Hello?」と言います。ただし、親しい人からの電話など相手がわかっている場合は「Hi, Nancy.」「Hey, Mike.」「What's up? Dad.」などと言うのも普通です。
4.電話やビデオ通話などの回線の調子が悪い時などに使う「Hello」
電話やビデオ通話などをしていて、音声や映像の回線の調子が悪くなる時があります。そういう時などに、「Hello?」と言って、状況を確認したりします。
あの、すみません、よく聞こえない/見えないです。
ハロー、聞こえてますか?
ハロー? うーん、今日は回線が悪い。
5.遠くの相手に自分を知らせる「Hello」
例えば待ち合わせ場所で友人と会う時に、先にあなたが来ているとしています。
友人が後から来て、あなたを探してキョロキョロしている時に、あなたは相手の注意を引くために手を振りながら「Hello! I'm over here.」(ここ!ここだよ。)というように言ったりします。
こういう時の「Hello」の口調は声が大きくなり、上がり調子になります。
ハロー、こっち、こっち。
6.相手が話を聞いていない時などに注意を促す「Hello」
自分が話をしているのに、相手がスマホやゲームをしたり、雑誌を読んだりなど、ちゃんと聞いていないように見える時などに、「ちょっと!聞いてるの?」というようなニュアンスで「Hello?」を使うこともあります。
口調にはイラッとした感じや怪訝そうな様子が含まれることもあります。
ハロー! もしもーし!
ちょっと〜? 聞いてる?
ハロー?ハロー? 聞いている?
Helloのニュアンスを理解して、正しく使おう
いかがでしたか?ネイティブスピーカーが日常会話で「こんにちは」と言う時は「Hi」を使うことが一般的だということがわかっていただけましたでしょうか。また「Hello」にはそれを使うのが適切な場面があります。「Hello」のニュアンスを理解して、シーンに合わせてぜひ使ってみてください。
また文字だけ読んでいるといまいち雰囲気がつかめないかもしれません。映画や海外テレビドラマを注意深く見たりして研究してみることもおすすめです。
そしてこんな時こそ、オンライン英会話のネイティブスピーカーの講師が強い味方になること間違いなしです。ぜひ発音の仕方やシーン別の使い方などを聞いてみるといいでしょう。
◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.