「延期する」の英語表現は?意味やニュアンスの違いと使えるフレーズ

「延期する」の英語表現は?意味やニュアンスの違いと使えるフレーズ

「東京2020オリンピックは1年延期されました」

「半沢直樹の放送が延期されたよ」

「明日のプレゼンテーションは来週に延期されます」

屋外で行なわれるイベントが荒天のために日程の延期になったり、007映画「ノー・タイム・トゥ・ダイ」が想定していたよりも制作に時間がかかり止むを得ず公開を延期した、といったような例もあります。

このように、1度決まった予定が延期されることはよくあります。

ところで、英語で「延期する」にはどのような表現があるのでしょう。代表的な単語に「postpone」がありますが、実はそれ以外にもバリエーションがあります。

そこでこの記事では「延期する」「延期された」などの英語表現を一気に紹介します。それぞれを使う際の例文や、延期が話題になるときに一緒に使えるフレーズなども解説します。

スケジュールの変更があってもスムーズにやりとりができるようにしていきましょう!

「延期する」を意味する英語は複数ある!

冒頭で触れたとおり、「延期」を表わす表現にはバリエーションがあります。その使い分けとして、ビジネスのシーンにぴったりのもの、日常会話で気楽に使えるもの、また自然などが影響して延期が避けられない場合などが挙げられるでしょう。

予定が延期になり得る例をみてみましょう。

ビジネスの場面では会議、プレゼンテーション、プロモーション、出張などがありますし、学生であれば運動会などのイベント、事情があって延期になったテストもあり得ます。英語学習をしている皆さんなら、準備が間に合わないので予定していたTOEICなどの試験を断念し、次の機会に延期ということもあるかもしれません。

もっと普段の生活に目を向ければ、恋人とのデートや友達と出かける予定を延期するなどよくあることですね。

英会話でも同様で様々な事情で「延期」を表現するシーンがあります。延期の意味を持つ単語ですが、以下のように複数あります。

postpone

put off

reschedule

push back

suspend

delay

shelve

adjourn

extend

defer

stand over

これらの動詞が持つ意味を正確に知り、シーン別に使い分けできるようになるとネイティブスピーカーの英語に近づきますね。

「延期する」を意味する英語一覧

上で述べた11つの「延期する」の英語表現を例を挙げながら解説します。では、使い方を確認していきましょう。

postpone

「延期する」の代表格の動詞です。ある予定を「先送りする」「後回しにする」「見合わせる」といったニュアンスを持ちます。

ビジネスではもちろん、規模の大きなイベントの延期などに使われ、延期をフォーマルに表現できるのがpostponeです。

I would like to postpone the meeting due to many people currently being ill.

- 多くの方が体調を崩しているため、ミーテイングを延期したいと考えます。

Because of the bad weather, the Glastonbury festival has been postponed.

- 悪天候のため、グラストンベリーフェスティバルは延期された。

※Glastonburyとはイングランドで毎年開催される大規模野外音楽フェスティバル。

なお、postponeを使うときのポイントのひとつは、後ろに動名詞「- ing」を持ってくることです。

The British government postponed holding the G7 meeting due to high cases of Covid-19.

- 英国政府はCovid-19の感染者数のため、G7会議の開催を延期した。

「postpone to ○○」という形の場合は、○○するために延期するという形で使われることもあります。

My boss postponed the presentation to gain further essential information.

- 上司はさらなる不可欠な情報を得るため、プレゼンを延期した。

put off

postponeがフォーマルな状況に対して使われるのに対し、カジュアルなのがput offという句動詞です。

句動詞=動詞+副詞、動詞+前置詞といったパターンで構成されるフレーズのこと。

日常生活のなかで起こるちょっとした事柄について使われ、「後でやる」「後回しにする」といったニュアンスが強くなります。このため、put offを使えるようにすると会話に幅が出ます。

例文でみると、putとoffの間に後回しにするものを入れて使うことが分かります。

You always put things off. I don’t think it is a good idea.

- いつも物事を後回しにするね。それって良いと思わないな。

I’m going to put English study off until tonight.

- 英語の勉強を夜にすることにしたんだ。

reschedule

re-scheduleとしてみると分かりやすいですが、決まっていたスケジュールを延期などで改めて計画し直すという意味です。プライベートよりビジネスシーンでより使われます。

I’m sorry but I have to reschedule the appointment for another day later this week.

- 申し訳ございませんが、アポイントを今週の別の日に変更しなければなりません。

Tokyo 2020 Summer Olympics has been rescheduled

to the next year.

- 東京2020夏季オリンピックは次の年に変更されました。

push back

次はpush backです。延期は延期でも「期限」「期日」が延びるような状況で使います。決まっていたものを後ろにプッシュするというイメージですね。ビジネスとプライベート両方に使えることを以下の例文から確認しましょう。

The deadline of the design project has been pushed back to the following week.

- デザインプロジェクトの締め切りは翌週に変更されました。

It might be better to push back our plan to go to a beach this Saturday as the weather doesn’t look good.

- 天気が悪そうだから、今度の土曜に海へ行くプランは延期したほうがよいかもよ。

suspend

ズボン吊りのサスペンダー(suspenders)というアイテムがありますがsuspendは「一時的に止める・中断する」という意味を持つ単語です。加えて、フォーマルに「延期する」と言いたいときにも使われます。

何かの事情があってやむを得なく計画を延期するといったシーンがピタリと当てはまります。そのまま中止にせざるを得ない場合もあり、「見送る・見合わせる」といったニュアンスをもちます。

The CEO decided to suspend his business trip to Paris to deal with the new client.

- CEOは新規顧客との対応のため、パリ出張を延期する判断をした。

delay

公共交通機関の遅延など、天気などによって自分では回避できない理由によって延期せざるを得ないときにはdelayを使います。仕方なくという受け身の状況であることから受動態になるところに注目しましょう。

My flight to Tokyo has been delayed due to a big earthquake that happened in China.

- 中国で起きた大地震の影響で、東京行きのフライトが遅れた。

The football match, England vs Germany, has been delayed to start two hours later because of a storm.

- サッカーのイングランド対ドイツ戦は、暴風雨のために開始が2時間遅れました。

shelve

棚という単語shelve(シェルヴ)が棚上げする→「延期する」という意味になります。しばらくの間、お預けにするといったニュアンスです。

類義語として、「put on hold」(一旦見合わせる・保留にする)があります。オフィスで電話を受けるシーンでも使われます。

My colleague said that we have to shelve our business trip to Egypt until the Ministry of Foreign Affairs of Japan decides to put the level down to level 2 from level 3.

- 外務省がレベル3をレベル2への引き下げを決定するまではエジプトへの出張を延期しなければならないと同僚が言った。

Ministry of Foreign Affairs of Japan=外務省

adjourn

あまり聴き馴染みのないadjourn(アジャーン)も「延期する」ですが、特にオフィシャルな集まりに対して一旦休止し延期する場合に使われる言葉になります。

The chairperson has decided to adjourn the meeting.

- 議長はその会議を閉会することを決定した。

Court is adjourned until 3pm tomorrow.

- 明日の午後3時まで休廷になります。

extend

extendは様々な物事を伸ばす・引き伸ばすという意味の単語ですが、予定日・期間・期限などを時間的なものを「延期する・延長する」ときに使われます。

Am I able to extend my stay?

- 滞在を延長することは可能ですか?

I need to extend my student visa.

- 学生ビザを延長する必要があるんです。

The deadline had to be extended to next Monday.

- 締め切りは来週月曜まで延長されました。

defer

何かを実行する予定、または決定などを延期する必要がある場合に使えるdefer他に優先順位があって何かを延期、先送りするようなニュアンスです。

He and I have decided to defer getting married until we get to 30 years old.

- 彼と私は30歳になるまで結婚を延期することを決めたの。

I have to defer participating in the marathon because I injured my right foot.

- 右足を痛めてしまったから、マラソン大会への出場は延期しないといけないんだ。

stand over

standは「~を立てる・立たせる」から「~に我慢する」「ご馳走する」「~の地位にある」など様々な意味を持ちます。

stand overになると、「~を監督する」に加えて「~を延期する・延期になる」となり、特に予定を延期して後日処理をするようなニュアンスになります。

We’re now finishing the meeting but we can stand over this agenda until to the next meeting.

- 会議は終了しますが、この議題は次の会議に引き継ぎましょう。

「延期する」と一緒に使える英単語・フレーズ

理由のある変更、避けられない事情による変更のための延期から、見合わせる・後回しにするといった自分側の意志で決める延期・延長など様々です。

「延期する」という状況と一緒に使える英単語やフレーズも紹介しましょう。

延期は残念な判断という言葉を加える

延期はしたくはないけれど仕方なく判断したという場合には、それを表現する言葉を加えるとコミュニケーションがとりやすくなります。

例えば、Regrettably, Unfortunately(残念ながら)の前置きは定番です。また、We might need to postponeとスタートすると相手に心の準備をしてもらうことができます。

いつまで延期する?

中止ではなく延期するには「いつまで」という設定が必要です。紹介した例文をみても、until tonightというようにuntil(~まで)が使われています。他にはuntilと同じ意味で使われるtill、その時点までに行なわれる際のbyを使うことによって延期の期限を明確にすることができます。

ビジネスで便利なフレーズとしては「until further notice」。次の連絡があるまでという意味で、当面は物事が進展しないことを伝えることができます。

どんな理由で延期する?

フォーマルな状況でも友達との約束でも、延期を申し出る場合はその理由を伝える必要があります。

そこでぜひ使いたいフレーズが「due to 理由」や「because of 理由」です。例文でも何度か出てきましたが、due toはpostponeとはセットで使うように覚えてください。

「延期する」を使い分けて実生活やビジネスに役立てよう!

改めて考えてみると、生活のなかの「延期する」は結構あります。

フォーマルにはpostpone、カジュアルにはput offで「延期する」を表現するところから始めてみましょう。

その後は計画を見直すべきものなのか、自然など延期の理由がやむを得ないものなのかなどによって使い分けできるようにしていってくださいね。