日本にも数々の有名なお祭りがあります。しかし世界各国にも日本にはない素敵なお祭りや珍しいお祭りがたくさんあります。
祭りは感謝や祈りのために行う儀式です。世界にはそれぞれに誇るべき文化や宗教があり人は感謝や祈りを捧げるために祭りをします。
海外旅行でも世界のお祭りを見たり参加したりできれば、より思い出に残るのではないでしょうか。
観光客にも人気のある世界祭りをアジア、欧州、アメリカ大陸、インド・アフリカから、それぞれのおすすめを選びました。
海外旅行の際に機会があれば現地の祭りに参加してみてはいかがでしょうか。
世界の祭りアジア代表3選
まずは日本からもLCCなどで気軽にいけるようになったアジア圏のお祭りをご紹介します。
アジア圏は欧米に比べれば安くいけますし、日本からも近いので参加しやすいのではないでしょうか。
タイ:ソンクラーン
タイのお祭りで一番、有名なのはソンクラーンです。毎年4月中旬ごろに開催されます。
水かけ祭りという名でも知られるタイ旧正月の祭りです。
ソンクラーンの時期にタイの街を歩いていると問答無用で水をかけられます。パソコンなどを持って歩いていても水をかけられてしまいます。
タイに住んでいる人の中にはソンクラーン中は部屋から一歩も出ない人もいるほど過激なお祭りです。
しかし、なかなか面白いお祭りで私が在籍していた大学の若い先生や学生は、水鉄砲をもって濡れても良い格好で水鉄砲を撃ち合っていました。
タイで一番、気温が高い4月に開催されるため暑さしのぎの意味もあります。若者向けのクラブも大盛り上がりです。
中国:ハルビン氷祭り
中国の黒竜江省というロシアの近くにある寒いところにハルビンがあります。ハルビンの氷祭りは世界三大雪祭りの一つです。
巨大な氷の彫刻や建造物が展示されLEDライトで綺麗にライトアップされます。開催時期は毎年1月~2月末頃です。
氷の彫刻と建造物のスケールが大きく日本でも有名な札幌の雪祭り以上です。
氷の巨大な滑り台があるなど氷のアトラクションも体験できます。マイナス30度という極寒の中で行われるため防寒対策は必須です。
しかし世界最大級の氷の祭典で面白い写真もたくさん撮れます。
約一ヶ月の期間限定の氷のテーマパークができるようなものなので実は日程的にも参加しやすい珍しいお祭りでもあります。
台湾:平渓天澄祭
台湾の新北市平渓郷十分で、毎年、旧正月の15日(元宵節)に行なわれている祭りです。天澄とはランタンのことです。
先祖へ平穏無事を告げご加護を祈ることからはじまりました。
またタイのチェンマイでもコムローイというランタンを飛ばす同じような祭りがあり、こちらも有名です。
台湾の首都、台北からも1時間~2時間ほどで行けるところにあるため日程さえ調整できれば参加しやすいお祭りでもあります。
ちなみに天澄上げ自体は台湾の十分にいけば天候さえよければいつでも可能です。多くの観光客が十分で天澄上げを楽しんでいます。
私も天澄に自分の願いを墨で書いて飛ばしました。
九份という有名な観光地から十分は比較的、近いため九份に行くついでに立ち寄ることもできます。
世界の祭り欧州代表3選
日本からは少し遠いですが体験したら良い思い出になりそうなのが欧州の祭りです。欧州と一口に言っても地域差もありますが、その中でも特におすすめのお祭りを3つ選びました。
スペイン:トマト祭り
テレビでもよく紹介されているのがスペインのトマト祭りです。有名なのですがお祭りの起源はよくわかっていないそうです。
スペインのバルセロナから約50km離れたバレンシアという街で開催されます。
大量のトマトを積んだトラックがやってきて、参加者にトマトを投げつけるという過激なお祭りです。
開催時期は毎年8月の最終水曜日ですが、トマト祭りの時期はバレンシアのホテルも予約がいっぱいになってしまうほどの人気。そのため参加する際はあらかじめ余裕をもった計画を立てておきましょう。
事前に会場に入場するにはチケットが必要です。
イタリア:ヴァネツィアカーニバル
イタリアのお祭りで有名なのがヴェネツィアカーニバルです。期間は2月半ばから3月初旬。
カーニバル誕生はアクイレアの総主教との抗争にヴェネツィアが勝利した1162年。
勝利を祝いサン・マルコ広場に集まって踊ったのがはじまりです。
しばらく長い空白期間がありましたがイタリア政府のヴェネツィアの歴史・文化を復活させる試みから大規模なフェスティバルとして復活しました。
ヴェネツィアカーニバルは仮面舞踏会のような非日常を楽しめます。中世の貴族の格好をしたり、ベネチアンマスクをつけたり仮装で非日常が楽しめます。
参加すれば自分で衣装を着て楽しんでもよし、写真を撮ってもよしと思い出に残るお祭りになるでしょう。
オランダ:花祭り
オランダはチューリップ畑など綺麗な花でも有名な国です。
春にはフラワーパレードといって花で豪華に飾られた車や山車の行進を見ることができます。
もともとパレードは第二次世界大戦の終戦を祝ったもので約60年ほどの歴史があります。
オランダの花パレードは一箇所で行われるわけではありません。
春の花パレードが有名ですが夏にもオランダの地方で花パレードが毎週のように開催されます。
花パレードの中には水上で行われるものもあります。オランダの花祭りは様々なところでやっているため予定があう日を探しやすいのではないでしょうか。
世界の祭りアメリカ大陸3選
北米、中米、南米それぞれに個性的なお祭りが存在します。北米・中米・南米のお祭りの中から特に有名な3つの祭りをご紹介します。
日本からは少し遠いかもしれませんが見に行くだけの価値のある面白いお祭りがアメリカ大陸にもたくさんあります。
ブラジル:リオのカーニバル
カーニバルはもともと厳粛な四旬祭の前に行われる祭りです。
リオのカーニバルは世界中のカーニバルの中でも最大級の規模で日本でもご存知の方も多いのではないでしょうか。
キリスト教のカーニバルに南米にいたかつてのアフリカ系奴隷のサンバやダンスが組み合わさることで独自の大きなカーニバルになりました。
統一されたコンセプトで集まった1チーム3000人~6000人の大規模なグループが行進をしてコンテスト形式で優勝を競い合います。
サンボドロモというリオのカーニバルのためにつくられた会場で見ることができます。
メキシコ:死者の日
メキシコの死者の日は日本のお盆のようなものです。
しかし日本のお盆と違うのはカラフルな中南米らしい賑やかさがあるところです。
ピクサーの映画『リメンバー・ミー』のモデルになったのもメキシコの死者の日です。映画を見れば雰囲気が分かると思います。
死者の日には家族や友人が集い、故人への思いを馳せて語り合います。
彩られたカラフルな骸骨はとても綺麗でインスタ映えしそうです。
墓地にも派手な装飾がなされバンド演奏なども行われ賑やかです。特に開催場所は決まっておらずメキシコ全土で死者の日のお祭りは行われます。
同じお盆でも日本とは随分、雰囲気が違ってお国柄を感じられるのではないでしょうか。
アメリカ:バーニングマンフェスティバル
アメリカのバーニングマンフェスティバルはもともと仲間内のキャンプファイヤーをもとに始まった新しいお祭りです。
アメリカのネバダ州の砂漠にバーニングマンフェスティバルのためにつくられた街で開催されます。参加者は日常と切り離されます。
アートで原始的な共同生活をしながら最後に巨大な人形を燃やすことで幕を閉じます。もともと知る人ぞ知る歴史も新しいアンダーグランドなお祭りでしたがテレビなどで取り上げられ、有名になり今では何万人も世界中から集まる祭りになりました。
世界の祭りアフリカ・インド3選
アフリカ・インドにも個性的で魅力的な祭りがあります。
海外旅行に慣れていないとアフリカやインドに行くのは大変かもしれませんが、その分、日本人で祭りを見たり参加したりした人は少ないので貴重な経験ができるのではないでしょうか。
モロッコ:ファンタジア
モロッコのファンタジアは昔の騎兵隊の合戦を模したお祭りです。
軍隊の演習がそのままショーになったような印象を持つ人も多いのではないでしょうか。
ファンタジアはモロッコの様々な地域で行われており現地のオプショナルツアーに申し込めばファンタジアのショーを見ることができるかもしれません。
日本でいう鎌倉の流鏑馬に近いのではないでしょうか。
エチオピア:ティムカット
エチオピアはアフリカを代表するキリスト教国です。
イエス・キリストがヨルダン川で洗礼を受けた日を記念する祭りです。
各地でエチオピア正教会の司祭が契約の箱のレプリカを持ち出して一般の人々に公開します。
箱の中にはモーセの十戒がおさめられています。モーセはヘブライ人の預言者でヘブライ人を率いて当時のエジプトを脱出することに成功した指導者です。
旧約聖書に出てくる聖人です。聖なる儀式が厳かに行われ聖歌隊によって賛美歌が歌われます。
特にエチオピアのゴンダール・ラリベラで行われるティムカットが有名でたくさんの人が集まります。
インド:ホーリー祭り
ホーリー祭りはヒンドゥー教のお祭りです。ヒンドゥー教徒や寺院があるところで行われます。
ホーリー祭りは春の到来を祝う祭りです。とても過激なお祭りでカラーパウダーや色のついた水を誰彼かまわずに掛け合い「ハッピーホーリー」と叫びます。
特に北インドのホーリー祭りは規模が大きく見応えがあります。実際に参加する際は汚れても良い服装を用意しておくと安心です。
3月ごろに開催されます。ただし犯罪被害などの事例も報告されているため実際に参加するときは十分に注意して楽しみましょう。
まとめ
世界の代表的なお祭りを地域ごとに紹介しました。
ここでは取り上げられなかったお祭りも世界にはまだまだたくさんあります。
世界中でお祭りは開催されており人類はみんなお祭り好きなのかと思うほどです。
海外旅行の際に普通の観光以外にもこのような非日常的な祭りに参加したり見に行ったりするのも楽しそうですね。
良い思い出になるのではないでしょうか。私はタイのソンクラーンで学生から集中的に水をかけらましたが、それもまた良い思い出です。

石川県出身。明治大学法学部の国際法コースで英米法を専攻。卒業後、日本の小学校教諭を経てタイ王国の首都バンコクの国立大学RMUTRの教養学部・日本語学科にて専任講師。日本語の講義や日本・タイの私立大学の交換留学提携、タイ全土の日本語コンテンストの審査員を経験。帰国後は留学生支援の財団法人・外資系小売業を経てライター職。好きな食べ物はカレー。東京に行く度にカレーの聖地、神保町のカレー屋巡りをしています。