婉曲的な表現を英語ではどういうのか、皆さんはどれだけ知っていますか?
日本語ではたくさんあるイメージかもしれませんが、実は直接的な表現が多いというイメージの英語にもたくさんの婉曲表現があります。それを知らずに露骨な表現をしてしまうと、相手に不快感を与えてコミュニケーションがうまくいかなくなることも。
それを防ぐために、知っておきたい英語の婉曲表現をご紹介していきます!
日常生活に関する婉曲表現
なんとなく直接的な表現は避けたかったり、露骨な表現になると下品になる場合や、相手を不快にさせてしまうかもしれない時には婉曲表現は非常に便利です。日常生活の中でも特によく使えるのがこちら。
トイレに行く時の婉曲表現
・go to the restroom
・go to the ladies’/men’s room
・powder one’s nose(女性だけが使う表現)
「トイレに行く」は、直接表現ではgo to the toiletと言います。
しかし、日本語でも「トイレに行く」というよりは「お手洗いに行く」と言ったり、「化粧室はどこですか」と聞いたりしますよね。それと同じように英語でもトイレには様々な表現方法があります。
英語圏ではトイレとお風呂が同じところにあることから、トイレをbathroomと表現できます。日本の一戸建てだとトイレとお風呂は分かれているので、これは文化の違いから言葉の違いが生まれていることがわかりますね。
また、ちょっと一息ついて休憩する場所という意味を持つrestroomを使うこともできます。こちらはどちらか1つ覚えておけば上品な言葉遣いになりますね。他にも、「女性の部屋」、「男性の部屋」というような婉曲表現があります。
日本語でもトイレを化粧室と言うように、英語では「鼻にパウダーを付ける」と言うことでトイレへ行くという意味を付けることができます。
そのためメイクをする女性のみが使う表現とされていますが、ジェンダーレスやLGBTQIAの認知度が上がってきており、多様性が広がり男性もメイクすることが今よりもっと普通のことになれば、男性も使える表現となっていくかもしれませんね。
おならを指摘する時の婉曲表現
おならをするのは生理現象なので仕方がありませんが、やはり人前でしてしまったら恥ずかしいですよね。音が出るとなおさら言い訳できなくなることも。
そこで使われる婉曲表現が上記のbreak windです。直訳すると「風を破る」ですからなんだかおちょくっているのかとも捉えられそうな表現です。なかなか小粋というか、こういう表現があったかと思わせられるものですね。
「おならをする」は直接表現ではfartと言います。確かにこの単語があるということは使えなくはないのですが、婉曲表現にした方が良いシチュエーションなどにはこれ以外の言葉を知っておいた方が良いでしょう。
死に関する婉曲表現
死というのは生きとし生けるものに必ず訪れるものですが、しかし、その死を悲しむ人がいることから婉曲表現を使うべき時が少なからずあります。直接的に死んだと言ってしまうとそれこそ相手を傷つけることになりかねないので、ここは覚えておきましょう。自分が使う場合だけを想定するのではなく、相手が使っても言葉の意味がわかるように覚えておくべきという言い方もできますね。
死ぬことを表す婉曲表現
・depart
「死ぬ」という動詞はこちらの2つがよく使われる婉曲表現になります。
中学生のうちにpass awayという表現を習ったことがあるという人もいるのでは?これは熟語で、2つで決まった意味を持ちます。
もう行ってしまったというようなニュアンスが含まれています。一方departはちょっと難しく見慣れない単語かもしれませんが、こちらも死を表す表現なので今覚えておきましょう。
死ぬことに関する直接表現はdieで、こちらも中学生のうちに習う単語ですがあまりに露骨な表現となるため、文章を読んでいる時に出てきたり、その中でも特に動物に対して使われたりしています。
安楽死を意味する婉曲表現
「安楽死をする」は英語でeuthanizeと言い、あまり見慣れない単語になると思います。
知っていても医学的な文章でしか見たことがないという人も多いのではないでしょうか。あまり使わないため日常生活ではそう聞くこともないでしょう。
「安楽死をする」の婉曲表現はput to sleep。これはなんとなく単語を見たら柔らかい表現になっているなと思いませんか?簡単な単語で作られていますが、これら3つで暗に安楽死を示します。
「死ぬ」という単語を用いることなく、sleepという「眠る」を意味するのは家族などへの配慮が感じられます。同じ意味ではあっても、選ぶ言葉で相手へ示す感情が異なるのは言葉が持つ不思議ですね。
仕事に関する婉曲表現
仕事に関するものでも言いにくいものはあります。職を失っているホームレスのことは何と言うのか、クビにすることは何と伝えればいいのか、失礼な言い方でない職業の言い表し方は何なのか、これらを知っておきましょう。
無職であることを示す婉曲表現
between jobsは、直訳すれば「職と職の間」となり、次の職に就くまでの期間という言い方になります。確かにこれなら露骨に「無職」というよりいくらかやんわりしていますよね。
無職を直接表現で言うとunemployed「雇われていない」と言いますが、相手が無職であるならこれは使わない方が無難なシチュエーションもあります。
本人がとても気にしていたり、次に職が見つかるか不安に思っている時には控えたいところです。自分から言うのは自由ですから知っておいて損はありませんが、相手の気持ちやその人との関係性を考えると直接表現と婉曲表現、どちらがベターか変わってきます。
クビを意味する婉曲表現
「仕事をクビにする」という婉曲表現はlet someone goと言います。直訳すると、「誰々を行かせる」という意味になります。会社から去ってもらうことを暗に示す熟語ですね。
「クビにする」の直接表現はfire someoneとなります。「火」を意味するfireは「クビにする」という動詞になることもあり、珍しく、かつスペル自体は覚えやすいことから知っている人も多い単語です。間違えて人を燃やすという意味で捉えると全く文脈がわからなくなるので注意しましょう。
ホームレスを表す婉曲表現
ホームレスは英語でもhomelessと言いますが、こちらは直接表現です。遠まわしに言うならon the streetsと言います。これはこの熟議を見ただけで意味はわかりますよね。「道にいる」という意味になるため、ホームレスを思い浮かべる表現となります。
日本の場合はホームレスに関する婉曲表現が一般的にはないため、日本人は婉曲表現をよく使い、英語圏の人が直接表現をよく使うというのは一概に言えないこともあります。
清掃作業員を指す婉曲表現
清掃作業員は、直接表現だとgarbage manと言います。直訳すると「ゴミ男」…?と失礼な言い方になってしまうので、上記のように婉曲表現でsanitation workerと言った方が良いでしょう。
直接表現でも伝わりはしますが、ちょっぴり清掃作業員を下に見ているようなニュアンスになります。また、最後にmanではなくworkerを使うことで、男女どちらも示すことができるのでこれからの時代に即しているとも言えます。
お手伝いさんを指す婉曲表現
お手伝いさんは、domestic worker という婉曲表現で言い表せます。
ドメスティックというと日本語ではドメスティックバイオレンスが先に思いつくでしょうか。これは「家庭内暴力」という意味で、ドメスティックは「家庭内」という意味です。
日本語ではドメスティックと聞くとバイオレンスという用語が付いてくるのでなんとなく物騒なイメージがあるかもしれませんが、英語では全然そんなことはありません。
お手伝いさんを英語で言うならmaidですが、こちらは実は直接表現です。どこか下働きのものという意味を含んでいる単語になるので、使いどころには注意が必要です。
人の容姿に関する婉曲表現
人の容姿に関する表現も、一般的にはそれがマイナスの意味を持つとどうも言いにくくなるため、容姿に関する英語の婉曲表現もあります。
その言葉に悪気を込めずに言いたいのであれば、直接表現で言うと誤解されかねないので婉曲表現も同時に覚えておきましょう。
太ったことを意味する婉曲表現
・portly
big-bonedやportlyは、太った人を言い表す時に使う婉曲表現です。
太りたいという人が少なく、一般的に太っていることはマイナスになると考えられていることから生まれた言葉ですね。
太っていることを直接表現で言うならばoverweightやfatになります。自分で太ったと言うのは良いけれど、他人から言われると傷つく人が多いのも事実です。
本人には婉曲表現であっても言わないことが多いかもしれませんが、家の中など限られた空間で会話する時などに使えます。「あの太っている歌の上手い芸能人誰だっけ!」こんな風に会話することは普通にありますよね。
背が低いことを意味する婉曲表現
背が低いことを示す婉曲表現はvertically challengedです。challengedは「障害を持った」という意味で使われることもあり、ハンディキャップであるものを挑戦と表現しているのです。
背が低いことが必ずしも悪いことになるとは限りませんし、女性なら背が低い方が可愛いと称されることもあります。しかし、一般的にはちょっと言いにくいという場面もありますね。
背が低いことを表す直接表現はshortです。これは小学生の時や中学生の早いうちに習ったのではないでしょうか。「背が高い」というtallと一緒に覚えた記憶があるかもしれませんね。このように、中学生の間に習った言葉というのは直接表現がほとんどなのです。
まとめ
英語学習者が習うフレーズは最初は直接表現が多く、会話の中で段々とそのシチュエーションに適切な表現を覚えていきます。婉曲表現は最後の方に覚えることが多いですが、英会話をしているなら早めに覚えた方が相手への誤解が少なく済みます。
婉曲表現を習わずに来てしまったなと思うなら、今からでもやんわりと言う表現を覚えてみましょう。
◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.