日本語の「ただいま」は日常的に使う定番のあいさつですよね。ところが、英語で何と表現すればいいか聞かれるとピンと来ないのではないでしょうか。
このほかにも、ぴったりくる英語表現がない日本語はいくつかあります。英語について理解を深めていくのに、そういった表現をチェックしていくのは非常に効果的です。
そこで今回は、「ただいま」の英語表現と、その他英語表現が難しい日本語のことばについてご紹介してみたいと思います。
- “I’m home!” “Welcome back!” などの表現
- “I’m home!”が自然に使われている例
- 日常的な「ただいま!」の英語表現は?
- 「ただいま」に関連するその他の英語表現
- 「ただいま」以外にもある!ピッタリの英語が無い日本語フレーズ
- 「ただいま」は英語で何と言う?英語に無い日本語フレーズを知ろう
“I’m home!” “Welcome back!” などの表現
「ただいま!」「おかえり!」のやり取りとして真っ先に思い浮かぶのがこの2つなのではないでしょうか?
これら挨拶のフレーズが使われるのは主に以下のような場合です。
・留学、旅行、出張や単身赴任などで長期間離れていた人が帰宅した時
・出先で大きな出来事があり、真っ先に話を聞いてほしい時
・帰宅したことに誰も気づいていない時 など
すなわち、「帰ったよ~!」と注目を集めたいような場合に使われるやりとりなんですね。
ちなみに、学校や職場など「〇〇から戻ったよ~!」と言いたい場合は”I’m home from 〇〇!!”と表現します。
しかし、留守をしていた家族がどこから帰宅したか明らかなことから、シンプルに”I’m home!”と使われることが多いです。
“I’m home!”が自然に使われている例
”I’m home!”の表現はアメリカの海外ドラマ「フレンズ」の中で、仕事から帰宅したチャンドラーと婚約者モニカの会話に登場していました。ネイティブが使う具体例から使い方を学んでみましょう!
姿が見えないモニカに帰宅をアピールするため、チャンドラーは「ただいま~!!」と大きな声で呼びかけます。
チャンドラー:Hi, honey! I'm home!(ハニー、ただいま!)
モニカ:Don't come in here!((ベッドルームからくぐもった声で)入ってこないでね!)
チャンドラー:Why? Do you have another boyfriend in there or something?(なんだよ?そこで浮気でもしてるのか?)
モニカ:No. We only mess around at his place!(違うわ。浮気するなら彼の家でするし。)
チャンドラー:Y'know it's funny I started it but, now it's scaring me. So could you come out here please?(なあ、このジョーク俺から始めたけど、なんか怖くなってきた。頼むから出てきてくれよ。)
モニカ:No, I'm wearing a wedding dress.(だめだめ、いまウエディングドレス着てるの。)
チャンドラー:Oh you got a wedding dress? That's great!(お、ウエディングドレス買えたのか?よかったな!)
→ユーモアあふれるシーンですね。このように、家のどこかにいる相手に対して”I’m home!”と呼びかけた場合は、今回のように声をあげて居場所を知らせることが「おかえり」の代わりになります。”I’m upstairs!(二階にいるわ!)”というのもよく聞かれますね。ちなみに、欧米では結婚式よりも前にドレス姿を見せるのは不吉だと言われており、ここでもドレス姿を見せないようモニカが慌てる様子が描かれています。
日常的な「ただいま!」の英語表現は?
ネイティブの方々が日々職場や学校から帰宅した際のやりとりには、どのようなフレーズを使うのが自然なのでしょうか?
まず、帰宅した時の第一声として使われる「ただいま」のフレーズは、”Hi!”や”Hey!”などのあいさつだけで済まされることが多いです。
海外ドラマでもそんなシーンがよくありますね。とても簡単な、しかし日常生活で必須のコミュニケーションです。
一方、迎える側の「おかえり」のフレーズは「今日はどんな一日だった?」「外でどんなことがあった?」といった内容で置き換えられることが多いです。みんなが家に戻り、キャッチアップをする感じであり、日本人も同じことをしていますよね。例としては以下のようなフレーズがあります。
How was your day?(今日はどんな一日だった?)
Did you have fun?(楽しかった?)
Had a good time?(楽しい時間は過ごせた?)
日本人からすると、「ただいま!」「おかえり!」の明確なやりとりが無いのがちょっと寂しいような気もしますが、これらのフレーズは1日離れていた家族が「今日はこんなことがあったよ」と伝え合うきっかけになるので、会話の糸口としても効果的ですよね。
例えば、先ほどご紹介した海外ドラマ「フレンズ」のモニカとチャンドラーは、単身赴任先からの帰宅時に以下のようなやり取りをするシーンもありました。
チャンドラー:Hi honey! I’m home!!(ハニー、ただいま!)
モニカ:Hi, how was your flight?(おかえり、フライトはどうだった?)
このように”How~?”ではじまる文章は「~はどうだった?」という内容で「おかえり」にぴったりのフレーズですね。特に飛行機で帰宅した人に対しては、機体が揺れなかったか、遅延が無かったかなどフライトについて聞くのが一般的です。
相手の様子を思いやる気持ちがあれば、自然とそのような問いかけになるでしょう。
「ただいま」に関連するその他の英語表現
さて、「ただいま」に関連する英語表現について、他にも2つほどご紹介しておきましょう!
”Guess who’s back!!”
直訳すると、「誰が戻ってきたか当ててみて!」ですが、ニュアンスとしては「ただいま!(帰ってきたのはだーれだ?)」といった感じになります。毎日使うと鬱陶しいですし、普段おとなしい人が突然使うとびっくりされてしまうかもしれませんが、ユーモアあふれる登場シーンを演出するのには効果的なフレーズですね。海外ドラマや洋画などで、久しぶりに帰宅した人物が使うのを見かけることがあります。
例えば仕事から戻り、家で待っていた子どもたちに使うのも楽しくっておすすめの表現です。
”I’m back!”
“I’m home!”とよく似たフレーズですが、このフレーズは家以外の場所でも使える便利フレーズとなっています。たとえば、外回りの業務がある職場であれば、オフィスに戻ってきたときに「ただいま戻りました」と述べることがありますよね。このように、家以外の場所に戻ってきたときでも万能に使えるフレーズが”I’m back!”です。
「ただいま」以外にもある!
ピッタリの英語が無い日本語フレーズ
いってきます/いってらっしゃい
「おかえり」「ただいま」同様に「いってきます」「いってらっしゃい」にもピッタリの英語が存在しません。無理やり言い表すとすれば”I’m leaving!”が一番近いですが、やはりこれも日常的には使われません。どうも欧米には、家の出入りの際のあいさつフレーズというものがそもそも無いようですね。
それでは、欧米では出かけるときに何と言うのが一般的なのでしょうか。「ただいま」が”How was your day?(どんな一日だった?)”で置き換えられるのと同様に、「いってらっしゃい」も“Have a nice day!(いい一日を過ごしてね!)”または”See you!/See you later!(またね!)”で置き換えることが出来るようです。
いただきます/ごちそうさまでした
食事を用意してくれた人に対する感謝のあいさつ「いただきます」「ごちそうさまでした」も、英語にはない表現の一つです。とは言っても、無言で食べ始めるのも不自然ですよね。
そこで欧米では、以下のようなフレーズが使われているようです。
Let’s eat!(さあ、食べよう!)
I’m starving!(おなかすいたー!)
→作った人にとっては、「さあ食べるぞ!」と張り切って食べてもらうのが一番嬉しいですよね。直接的な感謝の言葉は無いかもしれませんが、発する言葉によって気持ちが伝わる一言です。
That was delicious!(あーおいしかった!)
I’m done.(おなかいっぱい)
→「おいしかった!」「おなかいっぱい!」と満足感を伝えるのも食事の締めくくりにぴったりのフレーズですね。
おつかれさまです
日本では、会った時の第一声や一仕事終えた時に必ず使われるフレーズですが、これもぴったりの英語表現が存在しない言葉となっています。英語ではどんな言葉で置き換えられているのか、それぞれのパターンで見てみましょう!
第一声の「おつかれさまです」:”How are you doing?”
→欧米では、人と会った時の第一声に「調子はどう?」と聞くのが一般的です。日本語の「おつかれさまです」はこの「調子はどう?」に近い表現ですね。
一仕事終えた後の「おつかれさまです」:”Good job!””Well done!”
→洋画や海外ドラマを見ていても気づくかもしれませんが、オフィスのシーンで上司が部下をねぎらうときは、”Good job, people!(みんなよくやった!)”などと言うことが多いです。
よろしくお願いします
「よろしくお願いします」も日本人が頻繁に使う決まり文句ですよね。しかし、これまた英語にはぴったりの表現がありません。便利なフレーズなのにもったいない!と思わず感じてしまいますが、欧米では以下のようなフレーズで置き換えられることが多いようです。
“Nice to meet you.”
→初対面の人に「これからよろしくね」と言いたい時はこのフレーズですね。
“I'm excited to 〇〇 with you.”
→相手とこれから何かに取り組むときの「よろしくね」の表現です。仕事であれば”work”を入れればOKですね。「あなたと〇〇するのが楽しみ(わくわくする)!」と伝えることで意気込みを表すことが出来ます。
“Please say hello to~for me.”
→「~によろしくお伝えください」という趣旨の時はこのように言います。”hello”だと「こんにちは」なので違う!と思うかもしれませんが、文脈に応じて訳出が変わるので覚えておきましょう。
“It was nice meeting you.”
→別れ際に「これからもよろしくね」と言いたい時のフレーズです。
お世話になっております
これもビジネスには欠かせないあいさつのフレーズですよね。手紙やメールなどの文章でも、口頭でもよく使われますが、英語にはぴったりくる表現がありません。そこで、英語の場合は感謝の言葉で置き換えることがよくあります。例えば、
Thank you for your continued support.(変わらぬご支援ありがとうございます。)
I appreciate your daily support.(日々のご支援に感謝しております。)
といった感じですね。日本語の「お世話になっております」も噛み砕いてみれば、日ごろの感謝を述べるフレーズですから、海外で”Thank you for~.”で置き換えられるのも納得ですね!
「ただいま」は英語で何と言う?英語に無い日本語フレーズを知ろう
「ただいま」の英語表現と関連フレーズ、そして英語表現の存在しない日本語の言葉についてご紹介してまいりました。参考になるものはあったでしょうか?
普段英語を勉強している時にはなかなか気づきませんが、実際にネイティブとコミュニケーションを取るようになると、「日本語だったらこの言葉を使えば完璧だけど、そういえば英語にこの言葉ってあったかな?」と感じる場面が多々あります。
今回ご紹介したような「いただきます」や「よろしくお願いします」もその一部ですね。少しトリビア的な知識になってしまうかもしれませんが、こういった表現の数々も、英語という言語を理解するうえで重要なポイントになります。好奇心を持って、こうした知識をどんどん吸収していってくださいね!
ネイティブキャンプの文法教材は日常で使えるような表現をたくさん使っています。
文法の勉強だけでなく、挨拶や返事の仕方などを覚えて使ってみるのも勉強になりますよ!ぜひチャレンジしてみてください!
高校時代イギリスに短期留学し、大学時代には留学生チューターとして海外留学生の支援に関わる。金融機関勤務を経て、2017年結婚を機にフリーランスとしての活動を開始。現在はオンライン英会話スクールNativeCampで講師を務めるほか、TOEICコーチとしても活動(直近スコア915点)。趣味は海外旅行。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.