フィリピン留学とビザの基本:トラブルなく学ぶための準備ガイド

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フィリピン留学を検討している方なら、まず気になるのがビザの手続きではないでしょうか。留学期間や目的によって必要な申請が変わるため、事前の準備がかなり大変です。

この記事では、短期から長期まで、タイプ別に必要な手続きを整理し、現地でのトラブルを避けるためのポイントを詳しくお伝えします。

フィリピン留学で必要なビザとは?全体像の理解から始めよう

フィリピンへの留学で必要となるビザや手続きは、滞在期間と留学先によって大きく3つのパターンに分けられます。

まずは全体像を理解することから始め、スムーズな留学への第一歩を踏み出してみましょう。

30日以内の短期語学留学

第一のパターンは、30日以内の短期語学留学です。この場合、事前のビザ申請は不要で、日本のパスポートがあれば観光目的での入国が認められます。

ただし、現地で学習するためには別途手続きが必要になる点は覚えておきましょう。短期間だからといって何も準備が必要ないわけではありません。

入国時には必要な書類がいくつかあり、これらの準備を怠ると入国審査で問題が生じる場合があります。

31日以上の語学留学

第二のパターンは、31日以上の語学留学です。この場合もフィリピン入国前のビザ申請は不要ですが、現地で滞在期間の延長申請を行う必要があります。

延長手続きでは追加の書類や費用が発生するため、留学先の学校との連携が大切になります。

また、滞在期間が延びることで、後述するACR I-Cardなどの追加手続きも必要になってくるため、事前の計画が必要です。

大学や大学院などの高等教育機関への留学

第三のパターンは、大学や大学院などの高等教育機関への留学を目指す方のケースです。

このケースでは日本で学生ビザ(9F)の申請が必要となり、出発前の準備期間をしっかりと確保しないといけません。

申請書類も多岐にわたり、書類の準備や審査時間を考慮したスケジュールを組む必要があります。高等教育機関への留学は手続きが最も複雑になるでしょう。

「ビザ不要」でも安心できない?30日以内の短期留学の注意点

30日以内のフィリピン短期留学では確かにビザ申請は不要ですが、「何も準備しなくて良い」というわけではありません。むしろ、短期間だからこそ注意すべきポイントがいくつかあります。

入国審査では、まずパスポートの残存有効期間が6ヶ月以上あるかどうかチェックされます。

これは絶対的な条件であり、期間が足りない場合は入国を拒否される可能性が高いです。出発前に必ずパスポートの有効期限をチェックし、必要に応じて新しいパスポートの申請を行いましょう。

新しいパスポートの申請には時間がかかるため、留学の2〜3ヶ月前には確認することをおすすめします。

次に重要なのが、フィリピンからの出国用航空券です。片道航空券のみでは入国できないため、往復航空券や第三国への航空券を事前に準備する必要があります。

この規則は厳格で、出国便の予約確認書が必要になる場合もあります。航空券の購入時には、復路の日程も確定させておきましょう。

SSPとは?取得義務と申請の流れを知っておこう

フィリピンで学習する外国人学生には、SSP(Special Study Permit)という許可証が必要です。

これは留学期間の長短に関わらず、語学学校や教育機関で学ぶ全ての外国人に対して義務付けられている制度で、フィリピン政府が外国人の教育活動を管理するための仕組みです。

SSPは、学生がフィリピンで合法的に教育を受けていることを証明する文書です。取得せずに教育機関に通学することは違法行為となり、発覚した場合は罰金や強制退去などの重いペナルティが科される場合があります。

たとえ1週間程度の短期研修であっても、この規則に例外はありません。

申請手続きの流れと言っても、留学先の学校が申請を代行してくれるケースがほとんどです。学生は必要書類を学校に提出し、学校側がフィリピン移民局への申請を行います。

必要な書類には、パスポートの原本とコピー、証明写真(2×2インチ、背景は白)、申請用紙への記入などが含まれます。写真については、フィリピンの規格に合わせた物を準備する必要があるため、現地で撮影することも多いです。

ビザ延長とACR I-Cardの関係:60日を超えるなら必須

フィリピンでの滞在が60日を超える留学生には、ACR I-Card(Alien Certificate of Registration Identity Card)の取得義務が生じます。これは外国人登録証明書のことで、長期滞在者の身分を証明する文書となります。

ACR I-Cardには氏名、国籍、滞在資格、写真、指紋などの情報が記載されており、フィリピンでの合法的な滞在を証明します。このカードは身分証明書としての役割も果たし、銀行口座の開設や各種契約手続きの際に必要になる場合があります。

取得のタイミングについてですが、滞在開始から60日以内にACR I-Cardの申請を行う必要があります。

つまり、観光ビザで入国した後にビザ延長を行い、通算で60日を超える滞在になる場合は、必ずACR I-Cardの申請も同時に行う必要があります。

この手続きを怠ると、出国時にペナルティが科される場合があるため、十分注意が必要です。

最初の30日間は観光ビザで滞在し、その後1ヶ月延長すると計60日になります。この時点ではまだACR I-Cardは不要ですが、さらに延長して60日を超える場合にACR I-Cardが必要になります。

多くの留学生は3ヶ月以上の滞在を予定しているため、実質的にはほとんどの長期留学生がACR I-Cardを取得することになります。

申請手続きは、ビザ延長手続きと同様に、多くの語学学校が代行サービスを行っています。学生は必要書類と申請費用を学校に提出し、学校職員がフィリピン移民局での手続きを代行します。

申請に必要な書類は、顔写真(2×2インチ、白背景)、パスポートの原本とコピー、申請用紙への記入、指紋採取などです。

指紋採取は本人が直接行う必要があるため、代行といっても学生自身が移民局に行く必要がある場合があります。

また、申請費用は約10,000円程度で、これには政府手数料と学校の代行手数料が含まれます。

学生ビザ(9F)の使い方:大学・専門機関への進学希望者向け

フィリピンの大学や大学院、専門学校への進学を目的とする留学生には、事前に学生ビザ(9F)を取得しておかなければいけません。

語学留学とは異なり、高等教育機関での学習には正式な学生ビザが必要となり、申請手続きも複雑になります。

必要書類について

学生ビザ(9F)の申請は、日本にあるフィリピン領事館または大使館で行います。東京、大阪、名古屋、福岡にあるフィリピン領事館が申請窓口となります。

申請には多くの書類が必要で、それぞれに特定の要件があるため、事前の準備期間を多めに取っておくと余裕が持てるでしょう。申請から発給までは通常2〜4週間程度かかりますが、書類に不備があると更に時間がかかる場合があります。

必要書類には、まずフィリピンの教育機関からの入学許可書が必要です。正式に入学が認められたことを証明する書類で、学校印と責任者の署名が必要です。

次に、日本での最終学歴の成績証明書と卒業証明書が必要です。これらの書類は英語に翻訳しなければならず、外務省での認証を受ける必要があります。

健康診断書も必要です。フィリピン政府指定の項目について、指定の医療機関で検査を受ける必要があります。検査項目には胸部レントゲン、血液検査、尿検査などが含まれ、特定の感染症についてのスクリーニングも行われます。健康診断書の有効期間は限られているため、申請タイミングを考慮して受診しましょう。

無犯罪証明書(犯罪歴証明書)も必要です。これは各都道府県の警察本部で申請し、発行までに2〜3週間程度かかります。

証明書は英語版を取得し、外務省とフィリピン領事館での認証を受ける必要があります。この一連の認証手続きだけでも相当な時間がかかるため、早めの準備が必須です。

書類準備時の注意点

申請書類の準備では、フィリピン政府指定の翻訳業者による英語翻訳が必要な書類があります。翻訳は認定翻訳者による公証翻訳である必要があり、費用も相応にかかります。

また、外務省での認証(アポスティーユ)が必要な書類もあり、これらの手続きには時間と費用がかかることを考慮しておきましょう。

学生ビザの有効期間は、通常1年間です。しかし、フィリピンでの学習期間が1年を超えそうな場合は、日本に帰国する必要はなくフィリピンで延長の手続きができます。

延長手続きは現地の移民局で行い、在学証明書や成績証明書、学費支払い証明書などの書類が必要になります。延長は1年ごとに行う必要があり、その都度書類の準備と手数料を支払います。

学生ビザでフィリピンに入国した後も、滞在期間が60日を超える場合は前述のACR I-Cardの取得が必要になります。

また、語学留学と同様に、教育機関で学習するためのSSPの取得も義務付けられています。大学や専門学校が申請を代行してくれることが多いですが、学生自身も手続きの流れを理解しておくと不備がありません。

まとめ

このように、フィリピン留学におけるビザや諸手続きは、留学期間と目的によって大きく異なります。短期語学留学なら事前のビザ申請は必要ありませんが、SSPの取得は必須であることを忘れないようにしましょう!

また、長期滞在や高等教育機関への進学では、より複雑な手続きが待っています。重要なのは、自分の留学プランに合わせて必要な手続きを正しく理解し、余裕を持った準備を行うことです。

特に書類の準備や認証には想像以上の時間がかかるため、留学の3〜4ヶ月前から計画的に進めることをおすすめします。

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