突然の休みにびっくり?フィリピン祝日の特徴と対応方法を紹介

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フィリピンでは、祝日が突然決まることがあります。

フィリピンへ旅行や留学、出張で訪れる人にとっては、突然の祝日でスケジュール変更を余儀なくされることもあり、あらかじめ理解しておきたいフィリピンの文化の1つです。

本記事では、「突然決まる祝日」の事情も含めたフィリピンの祝日制度について徹底解説します。

祝日の振替に関することや、突然決まる祝日への対応方法についても紹介するので、フィリピン滞在中に柔軟に動けるよう、ぜひチェックしてください。

フィリピンの祝日は突然決まる

日本を含め、たいていの国では、祝日は事前に全て決まっていて、突然祝日が決まることはありません。

しかし、フィリピンでは祝日が突然決まることがあります

そんなフィリピンの祝日制度について、まずは下記のポイントから解説していきます。

・フィリピンの祝日の種類
・フィリピンの祝日の発表のタイミング
・祝日が突然決まることでの影響

以下でそれぞれ詳しく解説します。

フィリピンの祝日の種類

フィリピンの祝日は、「一般祝日(Regular Holiday)」と「特別祝日(Special (Non-Working) Holiday)」の2つの種類に分類されます。

※厳密には、「Special Working Holiday」に分類される祝日もありますが、ここでは2つの祝日に絞ってまとめます。

2つの祝日の違いは下記の通りです。

一般祝日
(Regular Holiday)
特別祝日
(Special (Non-Working) Holiday)
祝日のタイプ 国家レベルの重要な祝日 宗教・文化・地域的な祝日など
就労の扱い 通常は休み(有給扱いあり) 通常は休み(有給扱いなし)
※会社判断で有給になる場合もあり
出勤した場合の給与 通常賃金の2倍 通常賃金の3割増し
祝日の例 1月1日(元旦)
6月12日(独立記念日)
8月21日(ニノイ・アキノ記念日)
11月1日(諸聖人の日)

2つの祝日の違いは就労や給与の扱いによるもののように見えますが、もう1つ大きな違いがあります。

フィリピンの祝日の発表のタイミング

フィリピンでは、キリスト教に関係する祝祭日やイスラム教に関係する祝祭日を含め、毎年20日前後の祝日があり、夏から秋頃にフィリピン大統領より翌年の祝日が正式発表されることになっています。

2025年の祝日については2024年10月31日に発表され、政府ページにも正式発表の内容が掲載されました。

イスラム教に関係する祝日は、月にあわせて毎年異なるため、通常は大統領の正式発表以降、日にちが決定され次第発表されます。

加えて、フィリピンでは大統領令により突然祝日が決定されることがあり、それらは通常、特別祝日として発表されます。

つまり、フィリピンの祝日には下記のような違いもあるのです。

・一般祝日(Regular Holiday):前年の発表により定められた祝日(一部祝日は後日発表される)

・特別祝日(Special (Non-Working) Holiday:前年の発表により定められた祝日に加えて、大統領令や地方自治体により定められる祝日

祝日が突然決まることでの影響

祝日が突然決まることで、ポジティブな影響とネガティブな影響の両方が発生します。

下記は、それぞれの影響をまとめたものです。

ポジティブな影響 ネガティブな影響
・観光やエンタメ系の産業では客足が増えることが期待できる
・家族にとっては一緒に過ごせる時間が増える
・企業では計画変更や営業日の調整が必要となり、物流やコスト面に影響が出る場合がある
・突然の祝日により、受けたいサービスを受けられないことがある

突然祝日が決まることで、その恩恵を受ける企業もあれば、日程調整が必要になり負担がかかる企業もあるでしょう。

家族で過ごす時間を増やせるのはいいことですが、祝日は銀行や郵便局がお休みになり、予定したとおりに物事を進めづらくなることもあります。

祝日が突然決まる理由

フィリピンで祝日が突然決まるのには、さまざまな理由があります。

下記は、祝日が突然決まる主な理由です。

・宗教的な理由
先述の通り、イスラム教に関係する祝日は、月の観測にあわせて決めるため、直前になって祝日として発表されることがあります。

また、カトリック教徒の多いフィリピンでは、ローマ教皇の訪問があれば祝日として発表されることもあります。

・歴史的・政治的な理由
歴史的に重要な出来事が起こった日や、選挙日や国家的なイベントの日が祝日となることがあります。

国際的なスポーツ大会を国全体で応援するために祝日になることもあります。

・文化的な理由
英雄とされる人物を称え、その人の誕生日が突然祝日になることがあります。

また、何かを記念してその年だけ突然祝日になることもあります。

・天候・災害対策的な理由
台風や洪水などを理由に地域を絞って突然祝日が決められることがあります。

フィリピンではこうした理由を元に、前日の夜に突然祝日が決まることもあるため、積極的な情報収集がとても重要です。

フィリピンの祝日の日数

フィリピンの祝日の日数は毎年20日前後です。

2025年4月時点、2025年は下記のような祝日が発表されています。

1月1日(水) 元旦
1月29日(水) 中国旧正月
4月1日(火) イスラム教断食明け大祭
4月9日(水) 勇者の日
4月17日(木) 聖木曜日
4月18日(金) 聖金曜日
4月19日(土) 聖土曜日
5月1日(木) 勤労者の日
6月12日(木) 独立記念日
8月21日(木) ニノイ・アキノ記念日
8月25日(月) 英雄の日
10月31日(金) 諸聖人の日の前夜祭
11月1日(土) 諸聖人の日
11月30日(日) ボニファシオ記念日
12月8日(月) 無原罪の聖マリアの祝日
12月24日(水) クリスマスイブ
12月25日(木) クリスマス
12月30日(火) リサール記念日
12月31日(水) 大晦日

表で見ると、2025年のフィリピン全土の祝日日数は19日です。

しかし、4月1日の祝日として発表された「イスラム教断食明け大祭」同様、6月頃のイスラムの祝日となる「犠牲祭」は直前で決定されるため、2025年の固定の祝日日数は20日ということになります。

加えて、フィリピンでは大統領令のほかにも、地方自治体ごとに祝日を決定できるため、地域ごとに、下記のような祝日が追加されます。

地域 日付 祝日
マニラ 1月9日 ブラック・ナザレ
ナボタス 1月16日 ナボタスの日
ルセナ 8月20日 ルセナ憲章記念日
セブ 9月9日 オスメニャ記念日
タクロバン 10月20日 レイテ島の戦いの日

同じフィリピンでも、各地域で異なる祝日が設けられているため、旅行や留学の際は事前に地域別の祝日についても把握しておくことが重要です。

先に紹介した通り、突然の発表で祝日が決まることがあるため、政府ページをメインに祝日に関する情報をよくチェックしておくようにしましょう。

祝日の振替制度を解説

フィリピン留学の場合、フィリピンの語学学校では、祝日分の授業の振替や返金がないことがほとんどです。

短い期間のフィリピン留学を検討しているなら、申込みの際に学校の祝日カレンダーを確認し、できるだけ祝日を避けた日程で渡航ができるよう調整しましょう。

振替や返金がないというのは、突然祝日が決まった場合も同様であることが多いですが、中には祝日となっても授業をしてくれる学校もあります。

1〜2週間の短い期間での留学を検討しているのであれば、突然の祝日でも授業をしてくれる学校を選ぶようにしておくとよいでしょう。

突然の休みへの対応方法

フィリピンで突然の祝日決定で慌てないためには、事前の備えと柔軟な対応をできるようにしておくことが大切です。

次の3つのポイントを押さえて、もしものときにもスムーズに対応できるようにしておきましょう。

・政府の公式発表を確認する
・ツアー会社や学校、取引先と確認する
・柔軟にスケジュールを組み直す

以下でそれぞれ詳しく解説します。

政府の公式発表を確認する

まず大事なこととして、突然の祝日決定に関する情報を目にしたときは、フィリピン政府サイト在フィリピン日本大使館からの公式情報を確認するようにしましょう。

大統領から発表されたものには「Proclamation No.◯◯◯」という形式のタイトルがつけられています。

大手のニュースサイトや政府の公式アカウントなど、信頼できる情報元のSNSアカウントをフォローしておき、いち早く情報をキャッチできるようにしておくのも有効です。

ツアー会社や学校、取引先と確認する

旅行や留学、出張でフィリピン滞在中に突然の祝日発表があった際は、正式な情報を元に、ツアー会社や学校、取引先まで対応方法を確認しましょう。

語学学校では、SNSで先行して対応について発信している場合や、個別に連絡をくれる場合もあるので、お知らせ内容をよくチェックしておくことも重要です。

ビザの手続きのように行政機関との予約がある場合は、予約の変更手続きが必要かも確認しましょう。

フィリピン国内の関係先とすばやく連絡を取り、対応の方針を明確にすることが混乱を最小限に抑えるコツです。

柔軟にスケジュールを組み直す

突然の祝日発表があった場合は、日本との文化の違いを受け入れ、柔軟にスケジュールを組み直しましょう。

祝日となれば、商業施設や飲食店、観光地が短縮営業となったり、混雑したりする場合があります。

また、交通機関も混雑が予想されるため、旅行や出張の場合は、余裕のある時間配分でスケジュールを組み直せるとよいでしょう。

まとめ

本記事では、フィリピンの祝日の種類や決定のタイミングに加えて、フィリピンの祝日が突然決まる理由や急に祝日が決まったときの対応法を紹介しました。

日本とは大きく異なるフィリピンの祝日制度は、フィリピンの政治的・歴史的・文化的背景が大きく影響しているもので、フィリピンを知るうえで重要なポイントの1つです。

特にフィリピンに長期滞在するうえでは、文化の違いを受け入れ、柔軟な対応ができることで、より現地の暮らしを楽しめるようになります。

本記事を参考にフィリピンの祝日制度を理解し、突然のスケジュール変更にも動じない心構えと準備を整えておきましょう。

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