
フィリピン、特にセブは観光や留学先として日本人にも人気です。
ですが、フィリピンは日本のように衛生環境が整っておらず、食中毒は日本に比べて身近な問題です。
食中毒に対し過度に心配する必要はないですが、日本と異なる衛生事情、また水や食品のリスクを正しく理解し、予防することが重要です。
今回の記事では、フィリピンでの食中毒の原因、避けるべき具体的な食べ物、基本的な対策、そして万が一、食中毒になった場合の病院受診や保険の活用まで徹底解説します。
- フィリピンで食中毒はめずらしくない|雨季は特に注意
- 食中毒はどんな症状が出る?
- フィリピン観光中に気をつけるポイント
- フィリピン滞在中にできる基本的な対策・予防法
- 食中毒・体調不良になったときの対処法
- まとめ
フィリピンで食中毒はめずらしくない|雨季は特に注意
まず、フィリピンと日本では衛生環境が大きく異なるということを理解することが非常に重要です。
ここでは、食中毒の原因となるリスクと、特に食中毒になりやすい雨季の注意点を解説します。
食中毒のリスクが高い背景と体調管理の重要性
日本は、世界的に見ても衛生環境が高いレベルで整っています。
その一方、フィリピンの衛生環境は、水道水や食品を扱う環境の衛生面での管理体制が日本のように徹底されていません。
そのため、食中毒のリスクは常にあるという認識が必要です。
また、食中毒になる原因は、現地の環境だけではありません。
普段とは違う慣れない生活による疲労や寝不足など旅行者自身の体調や元々の体質にも左右されます。
予防のためには、体調を整え、無理をしないことが重要です。
さらに、フィリピンは高温多湿であるため、食品が傷みやすく、細菌が速く増殖します。
これが食中毒の感染リスクを高める原因のひとつです。
食中毒の「感染経路」と「雨季」の注意点
食中毒の主な感染経路は、汚染された水や食品を経由する経口感染です。
特に加熱が十分にされていない食べ物や生ものが原因です。
また、トイレ後の手洗いがきちんとされていないことや、調理をする人の衛生管理も注意点の一つです。
食中毒はどんな症状が出る?

食中毒は、衛生環境が整った日本では感染リスクの可能性はあまり高くありませんが、感染リスクが低くないフィリピンに訪れる際には、その症状を把握しておくことが重要です。
また、食中毒の自己判断を避けるべき理由と、危険なサインについても解説します。
主な食中毒の症状と自己判断での下痢止めの危険性
フィリピン旅行や留学中に発症する食中毒は、腹痛、下痢、嘔吐、発熱など、風邪や胃腸炎と似た症状が出ます。
多くの日本人は慣れない環境で体調を崩しやすいため、留学生や長期滞在者になると、一度は食中毒を経験すると言っても過言ではありません。
なお、下痢をすると下痢止めを飲む人がいますが、安易な自己判断で下痢止めを飲むことはかえって危険です。
食中毒は、毒素やウイルスを体外に排出する自然な反応であるため、下痢を止めてしまうと毒素が体内に留まり、重症化する可能性があります。
すぐに病院へ行くべき重症化のサイン
食中毒の症状が改善しない、または悪化する場合は、医療機関へすぐに行くべきです。
海外で病気の状態を放置することはリスクが高いため、自己判断せずに医師の診断、処置を受けるようにしてください。
フィリピンの病院では、下痢や脱水など軽い症状でも、念のため入院になる場合がよくあります。
海外では体調管理が難しい環境であることや、安心のために医療機関を利用することが重要です。
フィリピン観光中に気をつけるポイント
フィリピンで食中毒にならないためには、観光中に食事や飲み物を選ぶ上での注意点を知ることが重要です。
ここでは、避けるべき食品や、安全な氷の見分け方など具体的な対策について解説します。
避けるべき食品
フィリピンの水道水は飲むことができません。
飲用はもちろん、歯磨きや喉の洗浄で吐き出す場合のうがいでも口にしない方が無難です。
また、レストランで無料で出される水も、飲料水ではなく水道水を使用している可能性があるため避けてください。
飲み水は、封がされていることが確認できるミネラルウォーターを利用するようにします。
食品について、生カキや貝類は、鮮度や水の衛生管理の問題から食中毒のリスクが非常に高く、生で食べることは避けるようにしてください。
サラダなどの生野菜やカットフルーツは、スーパー等で清潔な状態で売られているものであれば基本的に問題はありませんが、心配であれば避ける方がよいでしょう。
また、 レバ刺しやバロットと呼ばれる孵化しかけの卵など、現地独自の食品は、衛生面の管理が難しく、私の友人でも多くの人がお腹の具合を悪くしたり食中毒になっているので、避けるべき食品です。
氷も食中毒の原因の可能性が高いですが、真ん中に穴のあいたチューブ状の氷であれば安全な場合が多いです。
屋台・レストランでの注意点
路上で売られている食べ物は値段が安く、ローカルの味を試すことができ魅力的です。
しかし、交通量が多い通りでは、加熱済みの食べ物であっても排気ガスや埃で汚染されている可能性が高いため避けるのが賢明です。
屋台で比較的安全なのは、セブであればスグボメルカド(Sugbo Mercado)など飲食店が集まっており、人の出入りが多いフードマーケットです。
ですが、そのような屋台の場合でも、加熱していない肉や魚介類を店頭に並べてある店や、いつ調理されたか分からない作り置きの食品は避けるべきです。
屋台の食べ物を購入する場合は、食材が冷蔵庫内や衛生状態が良い環境で保管されているかどうか、注文を受けてから作っているか、調理が徹底されているかどうかを確認してください。
レストランの選び方については、衛生面で見ると、観光客やローカルの人が多く利用するようなレストランは店内も清潔感があり基本的には問題ありません。
また、調理するスタッフがマスクや手袋を着用しているか、食器が乾いているか、食品が常温で放置されていないかなども安全性を見極めるポイントになります。
フィリピン滞在中にできる基本的な対策・予防法
日本に比べ衛生状態が良くないフィリピンでは、食中毒のリスクがありますが、対策を取ることで予防できます。
ここでは、食中毒を予防するために現地で必須となるアイテム、行動や対策をご紹介します。
「手洗い・消毒」と「食品の加熱管理」の徹底
食中毒や感染症の予防のために、手洗いは最も重要な対策です。
食事の前やトイレの後は、石鹸で丁寧に手を洗って清潔にすることが大事です。
フィリピンでは、レストランや学校のトイレの洗面所で故障により水道水が出なかったり、石鹸がないこともあります。
そのため、手の消毒用アルコールやウェットティッシュはフィリピン人でも携帯する必須アイテムであり、旅行者も常に携帯することを推奨します。
また、食事は加熱がしっかりされている食品を選ぶのが基本です。
現地の人でも生の食品は注意が必要なほどリスクが高いと認識してください。
現地で試されている予防法とワクチン接種の検討
食中毒の予防薬ではないですが、ビオフェルミンなどの整腸剤を飲んでいる在住日本人もいます。
私自身も整腸剤、またヤクルトのような乳酸菌飲料を飲んでいました。
これは、体調を整えることで感染しづらくなるという目的の対策です。
また、留学や長期滞在を計画する場合、必要に応じA型肝炎や腸チフスなどの感染症のワクチン接種を検討することも選択のひとつです。
必須ではないですが、リスクを軽減する効果は期待できます。
食中毒・体調不良になったときの対処法
食中毒の予防を徹底しても、食中毒や体調になることはあり得ます。
ここでは、万が一、食中毒になってしまった場合の初期対応と、病院や保険の適切な活用方法を解説します。
【初期対応】脱水症状への対策と日本と異なる「入院の可能性」
【初期対応】
まず、体調が悪いと感じたら、無理をせず安静に休むことが基本です。
食事は避け、胃腸を休めます。
下痢や嘔吐が続く場合は、脱水症状が一番危険であるため、ミネラルウォーターや経口補水液、スポーツドリンク(ゲータレードが手に入りやすい)で水分を補給し、健康管理をするようにします。
症状が良くならない場合は、無理せず病院に行く方がよいですが、下痢や脱水など日本では軽度と見られる症状でも、念のため点滴や入院を勧められる可能性が高いです。
日本と異なるため、現地の医療機関の事情を予め知っておくと安心です。
医療費が高額なフィリピンでの病院と保険の活用
病院を選ぶ場合、外国人の対応に慣れているセブやマニラの大きな私立病院や、日本語対応が可能な医療機関を選ぶのが安心です。
フィリピンでの医療費は、高額になる可能性が高いです。
万が一体調不良が続き検査や入院が必要になる可能性も考慮し、海外旅行保険に加入することが重要です。
保険は、病院に行く前に保険会社に連絡を入れ、提携病院を紹介してもらったり、キャッシュレスサービスが可能か確認するとよいです。
まとめ
フィリピンでは食中毒のリスクはありますが、予防対策をすれば安心して旅行ができます。
食中毒にならないようにするためには、食事に気を付け、手洗いを徹底するなど基本的な対策と体調管理が重要です。
万が一、食中毒や体調不良になった場合も、病院や保険の知識を持っておけば慌てることはありません。
今回の記事を参考に食中毒の対策を万全にして、フィリピンでの食事と旅行を楽しんでください。
◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
・韓国語能力試験(TOPIK)6級
・延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇留学経験
【オーストラリア】
・クイーンズランドカレッジオブイングリッシュ:3カ月
・ゴールドコーストカレッジオブビジネス:6カ月
【フィリピン】
・ファーストウェルネスイングリッシュアカデミー:3週間
【韓国】
・梨花女子大学校言語教育院:3週間
・延世大学校言語研究教育院(韓国語教員養成課程):5週間
【タイ】
・プロランゲージ(タイ語):1年6カ月
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。