
オーストラリア最大の都市、シドニー。
過ごしやすい年間気温で季節の移り変わりが美しいシドニーは、四季ごとに異なる魅力を楽しめる都市です。
南半球に位置するため、日本とは季節が真逆。真夏の12月〜2月はビーチ日和が続き、冬の6月〜8月でも日中は穏やかな陽気が広がります。
シドニーは、高層ビルの並ぶ都会でありながら、ビーチがあるというワークライフバランスがとれることで有名な都市です。
経済誌『エコノミスト』の「世界で最も住みやすい都市」ランキングでは、メルボルンと並び常に上位に名を連ねています。
この記事では、シドニーの年間気温や季節ごとの天候、旅行に適した服装や紫外線対策まで詳しく解説。
さらに、ベストシーズンや雨の日の楽しみ方も紹介します。渡航計画を立てる前にチェックしておけば、旅行中や留学中の現地での時間をより快適に、そして充実して過ごせるはずです。
- シドニーの年間気温と月降水量
- シドニーの季節ごとの気温と天気
- シドニーでの季節ごとの服装の選び方
- シドニーの紫外線とUV対策
- シドニー旅行の目的別ベストシーズン
- シドニーで雨の日も楽しめるスポット
- まとめ
シドニーの年間気温と月降水量
シドニーは年間を通して温暖で過ごしやすい気候が魅力です。
気候区分は、北海道、東北内陸部、沖縄などを除いた日本の大部分と同じ温暖湿潤気候ですが、日本ほど寒暖差は大きくありません。
シドニーの月平均最高気温と月平均最低気温のグラフと、降水量の表をご覧ください。

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月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
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降水量(mm) |
94 |
113 |
115 |
106 |
101 |
120 |
69 |
77 |
61 |
72 |
81 |
74 |
※降水量の数値は、第5十分位(中央値)
(参考:オーストラリア政府観光局ウェブサイト)
グラフからもわかるように、シドニーでは真冬でも日中は20°C近くまで気温が上がり、最低気温も7°C〜10°Cです。近年、日本は夏の猛暑が長く続く一方で、冬の寒さは平地で雪が降ることもあるほどのため、シドニーのほうが日本の本州よりも気候が穏やかなことがわかります。
また、降水量についても、気象庁の発表する東京の月降水量平年値では100mmを超える月が年に8か月あり、雨が多い時期は200mmを超えることと比較すると、シドニーの降水量は東京よりも少なく、気持ちの良い天気が多いことがわかります。
(参考:気象庁|地点別平年値データ・グラフ)
シドニーの季節ごとの気温と天気
シドニーにも四季がありますが、南半球にあるので日本とは季節が逆になります。
シドニーの四季は、春(9月から11月)、夏(12月から2月)、秋(3月から5月)、冬(6月から8月)です。
それぞれの季節の気温と天気の特徴を見てみましょう。
夏(12月~2月)の気温と天気
日照時間が1年で最も長くなる夏の気温は約17°C〜26°Cで、最高気温は30°Cを超えることも多々あります。
1月は40℃近くまで上がる日もあります。
海水温度は約22°C〜24°Cで、晴天の日が多く、ビーチや屋外アクティビティに最適です。ただし紫外線が非常に強いため、日焼け対策は欠かせません。
秋(3月~5月)の気温と天気
秋は最も穏やかな気候です。
東京の9月に似て、3月の中旬までは25℃前後まで上がることもありますので、秋は3月下旬から本格的に始まります。
気温は徐々に下がっていき、気温も約10°C〜25°Cです。
東京の9月下旬から10月にかけての気温をイメージするとわかりやすいでしょう。
晴れて湿度が低く、過ごしやすい季節ですが、朝晩は冷えるため羽織るものがあると快適です。
冬(6月~8月)の気温と天気
冬の気温は約7°C〜18°Cほどになります。
7月は最も寒い月ですが、それでも平均最高気温は17°Cです。
朝晩は10℃前後まで下がる日もありますが、日本の冬に比べれば過ごしやすいでしょう。
また、雨も多く、6月は1年で最も雨の多い月で平均降水量は120mmとなります。
1836年には市内で屋根が白くなるほどの降雪が記録されていますが、その後はごく短時間・ごくわずかな降雪が数回ある程度で、積もるような雪はまず期待できません。
春(9月~11月)の気温と天気
春は暖かく過ごしやすい季節です。
平均気温は約10°C~24°Cです。
東京の5月から6月にかけての気温のイメージで、湿度も比較的低く、屋外でのイベントや観光が快適に楽しめます。
年間でも最も雨の少ない季節で、晴天が月のうち20日と晴れた日が続きます。
シドニーでの季節ごとの服装の選び方
シドニーは年間を通して温暖ですが、季節や1日の中でも気温差があるため、重ね着できる服装が基本です。
日差しが強い日も多く、紫外線対策も忘れないようにしましょう。
夏(12月~2月)の服装選び
夏は基本的に半袖で過ごせますが、室内は場所によっては冷房が効き過ぎているところもあるため、念のためカーディガンやジャケットなどの羽織れるものを1枚用意してください。
オーストラリアの紫外線はかなり強く、日焼け止めが必要なことはもちろん、サングラスや帽子もできれば準備しておきましょう。
秋(3月~5月)の服装選び
3月の日中は半袖で過ごせますが、3月下旬になると長袖の服装が必要になってきます。
朝晩は冷えるため、軽いジャケットやカーディガンを持っておくと快適です。
冬(6月~8月)の服装選び
冬は、出かける際にセーターやコートが必要になります。
日中アウターなしで過ごせる日もありますが、朝晩は10℃以下となるため、厚手のジャケットは必要です。
ブーツを履く人も見かけます。ムートンブーツで有名な「UGG」もオーストラリアのブランドですね。
春(9月~11月)の服装選び
9月、10月では日中でもパーカーや薄手のジャケットが必要ですが、11月ごろになると、半袖で出歩ける日が増えます。
紫外線が強いので、帽子やサングラスもあると安心です。
シドニーの紫外線とUV対策
オーストラリアは、紫外線が非常に強いと言われていますが、どの程度なのでしょうか?
シドニーは年間を通して紫外線が非常に強く、日本の夏よりも高いUVインデックス(紫外線指数)を記録する日が多くあります。
特に夏(12〜2月)は紫外線量がピークに達し、日中に屋外で過ごすと短時間でも日焼けや肌ダメージのリスクがあります。
シドニーのUVインデックスは以下の通りです。(参照:UV Index in Sydney, Australia)
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月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
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平均最大UV指数 |
14 |
13 |
11 |
8 |
5 |
3 |
4 |
6 |
8 |
10 |
12 |
14 |
UVインデックスは11を超えると「極端に強い」とされ、シドニーの平均最大UV指数は、11月から3月まで「極端に強い」とされる11を超えています。
東京の最大は 6〜8程度で10〜11を記録することはほとんどありませんし、冬は 0〜2程度であることと比較するとシドニーの紫外線の強さがわかるかと思います。
(参照:東京最大UVインデックス)
オーストラリア政府は国を挙げて紫外線対策を強く推奨しています。効果的なUV対策のポイントは次の通りです。
日焼け止めをこまめに塗る
つばの広い帽子とサングラスを着用
日陰で過ごす
指数が高い日には、不要な外出は控える
シドニー旅行では、紫外線対策をしっかり行い、美しい景色やアクティビティを安心して楽しみましょう。
シドニー旅行の目的別ベストシーズン
シドニー旅行の楽しみ方によって、ベストシーズンも変わってきます。ここでは、旅の目的別にベストシーズンを解説します。
観光やピクニック
シドニー旅行のベストシーズンは、秋の3月から5月、春の9月から11月です。
春や秋は日差しが穏やかで湿度も低く、快適に過ごせます。
春は屋外のアクティビティやシドニーの有名なビーチを楽しめます。
また、桜や花々が咲き誇る時期なので、ロイヤル・ボタニック・ガーデンなどで自然を楽しむことができます。
秋は比較的雨が多くなり、観光客が少ないため、観光地やアウトドアスポットも混雑が落ち着きます。
ワイナリーや公園でのピクニックなど、屋外でのアクティビティに最適な時期です。
ビビッド・シドニーや各種イベントもこの時期に多く開催されます。
シドニー近郊の世界遺産ブルーマウンテンズを訪れるにも、春と秋がいい時期です。
マリンアクティビティ
ビーチやマリンスポーツを満喫したいなら、真夏にあたる12月から2月がベストシーズンになります。
晴天率が高く、海水温も上がるのでサーフィンやシュノーケリングに最適な季節です。また、混雑やホテル代を避けたい場合は、冬の6月から8月が狙い目ですが、海水温が低くなるため冬用のウェットスーツの準備が必要になります。
シドニーで雨の日も楽しめるスポット
シドニーでは、3月から6月にやや降水量が多く、100~120mmとなります。
アウトドアの観光イメージのあるシドニーですが、雨の日でも楽しめるスポットも豊富です。
シドニー・オペラハウス見学
シドニー・オペラハウスは、2007年に世界文化遺産として登録されたシドニーの顔とも言える建物です。
シドニー・オペラハウスでは、1時間のオペラハウスの館内見学ツアーが行われています。
ショッピング(クイーンビクトリア・ビルディング)
クイーンビクトリア・ビルディング(Queen Victoria Building)は、1898年に当時のビクトリア女王即位50年を記念して建てられたロマネスク様式の建築物です。
ブランドショップやカフェが並ぶショッピングモールで、地下街から直結しているため雨の日でも濡れずに訪問可能です。
水族館・ワイルドライフシドニー動物園・マダムタッソー
シドニー水族館ではオーストラリア特有の海洋生物を、ワイルドライフ・シドニー動物園ではコアラやカンガルーを間近に見ることができます。
マダムタッソー蝋人形館ではリアルな著名人フィギュアと記念撮影ができます。
複数施設をお得に巡れる「コンボ・チケット」もおすすめです。
美術館・博物館
アート関係のイベントも数多く開かれるシドニーには、美術館や博物館がたくさんあります。
近代美術ならザ・ドメインにあるニューサウスウェールズ州立美術館がおすすめです。
また、シドニー現代美術館はサーキュラー・キーにあります。
他にもオーストラリア博物館やパワーハウスミュージアム、オーストラリア国立海洋博物館などがあります。
短時間の雨であれば、レインジャケットや折りたたみ傘を持って外出を続ける観光客も多く、雨の日ならではの落ち着いた街の雰囲気を味わえるのも魅力です。
まとめ
シドニーは、年間を通じて温暖な気候が魅力の都市です。
春や秋は湿度が低く過ごしやすく、屋外アクティビティや観光に最適。夏はビーチやマリンスポーツ、冬は落ち着いた観光やイベントを楽しめます。
紫外線は1年中強いため、季節を問わず日焼け対策は必須です。
また、雨の日でも屋内観光スポットやショッピング、美術館・博物館など見どころが豊富で、天候に左右されずに旅を満喫できます。
旅行前に季節ごとの気温や天気、服装、UV対策を押さえておけば、より快適で思い出深いシドニー滞在になるでしょう。