
日本と海外ではコンセントの形状や電圧が異なることが多いため、日本の電化製品を使用する際に変圧器が必要な場合があります。日本人に人気の旅行・留学先であるアメリカで、日本の電化製品を持ち込んで使いたい場合にはどうすればいいでしょうか?
この記事ではアメリカの電圧やコンセント事情、電化製品を使う場合の注意点について詳しく解説します。アメリカで日本の電化製品を安全に使用するため、変換プラグや変圧器の必要性についても触れています。
アメリカ旅行や留学などで渡航する予定の方は、ぜひ参考にしてください。
- アメリカの電圧・コンセント事情
- アメリカで気軽にコンセントが使える場所
- 「コンセント」に関連する英語フレーズ
- アメリカで変圧器が必要な電化製品
- アメリカで変圧器が不要な電化製品
- アメリカで変圧器を使うときの注意点
- 変圧器と一緒に持っておくと便利なアイテム
- まとめ
アメリカの電圧・コンセント事情
アメリカのコンセントは日本と同じAタイプの形状であるため、プラグの形を変換する変換プラグは必要ありません。
縦長の穴が2本平行に並んでおり、その下に小さな穴(アース)が存在するタイプが多いですが、小さな穴は無視して使用可能です。
しかし、電圧と周波数が異なるため、日本国内仕様の電化製品をそのまま使用すると故障する恐れがあります。日本とアメリカの電圧・周波数・コンセント事情を比較した表をご覧ください。
| 国 | 電圧 | 周波数 | プラグタイプ |
| 日本 | 100V | 50Hz(東日本)、60Hz(西日本) | Aタイプ |
| アメリカ | 110~120V | 60Hz | Aタイプ |
電圧の差が少しだからと試してみるだけだとしても、機器の故障や発火のリスクがあるので非常に危険です。
電圧の異なる日本国内仕様の電化製品をそのままコンセントに挿すことは避けましょう。たとえ少しの差であっても、電圧が違うと製品に過剰な負担がかかり、最悪の場合、火災につながることもあります。
日本の電圧で使う電化製品は、変圧器を使用すれば安全です。海外対応製品、または現地で購入したものならば、変圧器不要で使えます。
アメリカで気軽にコンセントが使える場所
アメリカに滞在中、スマートフォンやタブレットなどの電子機器のバッテリー切れが発生することはよくある困ったトラブルです。特に旅行中などは写真や動画をたくさん撮影することにより、バッテリーの消費も激しくなります。
ここでは、外出先で気軽に充電できる場所をご紹介します。
日本から持ち込んだスマホやタブレット、パソコンなどに充電する際は、充電器や電源アダプター(ACアダプター)の入力(INPUT)電圧に「100-240V」という表示があることを必ず確認してからコンセントを使用しましょう。
カフェ、ファストフード店
日本と同様、アメリカのカフェやファストフード店の店内には、コンセントが設置されていることがあります。また、Wi-Fi環境も整っていることから、コーヒーを飲みながらスマートフォンやパソコンで作業している人たちをよく見かけます。
短期の滞在予定でSIMの契約をしていない人も、充電・Wi-Fi環境の整っているカフェやファストフード店は利用しやすいのでおすすめです。
空港
アメリカの空港には充電スポットがあり、ゲート付近や待合場所にUSBポートや電源コンセントが設置されています。
多くの充電スポットは無料で利用できますが、混雑している場合もありますので、あらかじめ場所を確認しておくと安心です。
「コンセント」に関連する英語フレーズ
日本では「コンセント」と呼ばれていますが、実は和製英語です。英語では「outlet」か「socket」と表記されているので、「コンセント」と言ってしまわないよう注意しましょう。
アメリカではoutletが使用され、イギリスではsocketを使用することが多いです。また、変圧器は「transformer」、変換プラグは「conversion plug」です。
これらの表現を覚えておくと、実際に現地で生活する時に戸惑わないかもしれません。「コンセント」に関する英語フレーズは以下の通りです。
これらのフレーズは旅行先で使う機会があるかもしれませんので、まるっと覚えておきましょう。
アメリカで変圧器が必要な電化製品
アメリカで日本から持ち込んだ電化製品を使う場合に、変圧器が必要なものの例は以下の通りです。
・炊飯器
・電気ポット
・調理家電
・電気シェーバー
・ヘアアイロン
特に、よく使う美容家電や調理家電の電圧が「AC100V」の日本国内仕様である場合、アメリカの電圧には対応していないため変圧器が必要です。
長期にわたりアメリカに住む予定の方は、使い慣れた調理家電を持参したいと考える方も多いかもしれません。
海外引越でたくさんの荷物を送ると送料が高額になるため、大型家電を持って行く人はあまりいないと考えて良いでしょう。
炊飯器はアメリカで購入することが可能ですし、お鍋で米を炊くことも選択肢に入れても良いかもしれません。電子レンジが備え付けられている家も多いので、レンジを持って行こう!と考える人はほとんどいないでしょう。
一方で、美容家電は日本の製品の方が使い勝手が良い場合が多いので、持参する方が多くいます。
アメリカに美容家電の持ち込みを予定している方は、お持ちの製品の電圧のチェックを忘れないようにしましょう。「AC100V」の日本国内仕様であれば、必ず変圧器を準備しましょう。
アメリカで変圧器が不要な電化製品
アメリカの電圧は110V~120Vで、対応している電化製品は以下の通りです。
・スマートフォン
・スマートウォッチ
・海外対応のドライヤーやヘアアイロン
・デジタルカメラ
上記の製品は一部海外に対応していないものもあります。取扱説明書や充電器のラベルを確認しましょう。Apple社の製品は世界中の電圧に対応していますので、変圧器は不要です。
電圧が全ての国に対応している電化製品もあります。基本的に「100-240V対応」や、「INPUT(入力) 100V-240V」とラベルに書かれているものが全世界対応であり、変圧器不要でプラグを直接コンセントに挿して利用可能です。
アメリカで変圧器を使うときの注意点
アメリカで変圧器を使うときは、安全のために以下の点に注意しましょう。
変圧器は電圧の変換のみ!周波数の変換はできない
周波数を変えるには「周波数変換器(インバーター)」が必要です。アメリカの周波数は60Hzが主流ですが、もし異なる周波数のものを使いたい場合は周波数変換器が必要になります。
日本で普及している小型家電ならば、日本国内どの地域でも使えるように50Hzと60Hzの両方に対応していて「50/60Hz」という表示があるため、アメリカでは基本的に周波数変換器を使用するケースはほぼないでしょう。
定格を超える電圧、容量での使用は避ける
変圧器が定格以上の電圧や容量で使用されると加熱が進みます。不適切な使用方法では、変圧器や電化製品にダメージを与える原因になります。
また、発火のリスクや製品の寿命が縮むこともあるため、記載されている定格を守り使用しましょう。
ヘアドライヤーや電気ポットのように、1000~1500Wの消費電力が高い機器をひとつのタコ足配線で2つ同時に使うことも避けてください。
一度に長時間の使用を避ける
長時間使用を続けると発熱が進み、発火する恐れがあります。定期的に休ませながら使用しましょう。
また、上記以外に注意すべき点は、変圧器の重量です。変圧器本体は意外と重さがあり、気軽に持ち運ぶことに適していません。別の場所へ移動させようと、持ち運んでいる途中で足の上に落下させてしまうと大きな怪我につながる可能性があります。
移動させるときは注意して運びましょう。荷物や予算に余裕があれば、必要な数を用意して持っていくことも検討してみましょう。
変圧器と一緒に持っておくと便利なアイテム
アメリカに行く際、変圧器と一緒に用意しておきたい便利なアイテムをご紹介します。
延長コード
アメリカは広い家が多いです。コンセントの場所から電化製品を使いたい場所までが、とても遠く感じることもあるかもしれません。そのような場合には、長さを補うことができる延長コードがあると非常に便利です。
アメリカの家やホテルでは、思いもよらない場所にコンセントの挿し込み口が設置されていることもあるため、1本持っておくと安心です。
USBポート搭載電源タップ
USBポート搭載電源タップは、USBが複数搭載されている電源タップです。USB製品を多くお持ちであれば、省スペースで同時に充電することができるので、持っていると非常に便利なアイテムです。
USBポート搭載電源タップがあれば、プラグの形状が違う国でも変換プラグを何個も用意する必要がありません。値段も高価なものではないので、ひとつ持っておくことをおすすめします。
モバイルバッテリー
モバイルバッテリーとは、スマートフォンやタブレット、その他の電子機器を充電するためのポータブル蓄電池のことを指します。
外出先などで電源が近くにない場所にいる際に、手軽に充電することが可能です。モバイルバッテリーはコンパクトで持ち運びがしやすいので、1つは持っておきたい便利アイテムです。
昨今はモバイルバッテリーの発火事故などが話題になっていますが、信頼できるメーカーやブランドの製品を選び、熱がこもりやすい環境を避けて安全に使用するようにしましょう。
また、モバイルバッテリーは、停電などの非常事態の際にあると安心の防災アイテムでもあります。
アメリカでは天候の影響により急な停電が発生することがあり、特にハリケーンや冬の寒波の影響で電力の供給がストップすることがあります。
停電は早期に解決しないこともありますので、モバイルバッテリーを使ってスマートフォンを充電し、緊急時の連絡手段を確保しておくことは非常に重要です。短期、長期の滞在にかかわらず、ぜひ準備しておきたいアイテムのひとつです。
これらの商品を一緒に持って行くことで、変圧器を使う際に、より快適に使用することができます。また、海外旅行中や留学中に予期せぬコンセントのトラブルが発生した場合にも、柔軟に対応できるのではないでしょうか。
まとめ
本記事では日本とアメリカの電圧の違いやコンセント事情について解説しました。国が違うと電圧も異なるため、日本で使っている家電は変圧器を通さなければ使えない場合もあります。しかし、必要な電化製品を全て海外で購入すると非常に高額になるでしょう。
できれば使い慣れたお気に入りのものを日本から持っていきたいですよね。変圧器をかしこく使うことで、現地で新しい家電の購入にかかる余分な出費を抑えることができます。
変圧器の価格は決して安くないですが、家電を全て買い替えることを考えると変圧器を使用したほうがコスパが良いと言えます。アメリカの場合は変換プラグが必要ないため、手持ちの家電の電圧の確認を行い、電圧の違いによる事故が起こらないよう注意して準備すると安心です。
この記事がこれから海外旅行や留学予定の方の参考になれば幸いです。安全第一でアメリカのコンセントを利用しましょう。
◇経歴(英語を使用した経歴)
・オーストラリアのカフェで半年間勤務
・国内/国際線客室乗務員として5年間勤務
◇英語に関する資格(資格、点数など)
TOEIC、英検受験経験有り
アメリカのコミュニティカレッジにてEarly Childhood Educatorコース修了
◇留学経験
・オーストラリア シドニーへ1か月間の短期留学。
→週5日で語学学校へ通う。
・ワーホリでオーストラリア・ゴールドコーストに1年間滞在。
→Gold Coast Institute of TAFEの語学コースで学ぶ。
・2020年から4年間、家族の仕事でアメリカに滞在。
→州立のコミュニティカレッジでEarly Childhood Educationコース及びアカデミック英語コースを学ぶ。
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容(仕事、留学、旅行など)
仕事→韓国、中国、台湾、香港などアジアを中心とした国
旅行→アメリカ(ハワイ、グアム、サイパン含む)、カナダ、
シンガポール、マレーシア、オーストラリア、ドイツ、イタリア、
ギリシャ、クロアチア、ベトナム、タイ、バハマ、オランダ領セント・マーティン島など
◇自己紹介
旅行、海外生活関連のwebライター。
最初の短期留学の経験のおかげで、人生が変わったと言っても過言ではないと感じています。海外に滞在することがきっかけで、人生の選択肢が大きく広がり、成長を続けていきたいと思うようになりました。海外での長期滞在・留学経験者の視点から、皆さまにわかりやすい記事を書いていきたいと思っています。