イギリスへ旅行や留学を計画する際、ポンドと円の為替レートを知ることはとても大切です。
現在のポンド円のレートを把握することで、旅行や現地での生活費や滞在費の見積もりが容易になります。例えば、1ポンドが日本円で何円くらいか把握できていると、必要な資金を明確にすることができるでしょう。
この記事では、通貨や為替について、そしてイギリスでの滞在にかかる費用について詳しく考えてみます。
1ポンドは日本円でいくら?
1ポンド(GBP)の日本円(JPY)に対する為替レートは、常に変動しています。具体的なレートは銀行などの金融機関や為替市場で最新情報を確認することができます。
しかしながら、イギリス旅行や留学を予定している人にとって「1ボンドはいくらなのか」と、為替レートの相場や見通しはとても気になるところです。
それでは、一ポンドは何円なのでしょう。近年(2022年以降)では、1ポンドが150円から200円程度の範囲で取引されていることが多いです。
ポンドと円相場の推移
1970年代から今までのポンド円相場の変化は、いろいろな経済や政治の影響を受けてきました。
特に、*ブレグジットや金融危機があったことで、相場が大きく変動することがありました。
ここではその変動を振り返りながら、どういう歴史的背景があったのかを解説します。
*ブレグジットとは、イギリスがEU(欧州連合)を離脱することを指す造語で「Britain(イギリス)」と「Exit(離脱)」を組み合わせたものです。
ポンド円相場|1970代〜現代
⚫ 1970代
1971年: 当時の高インフレによる影響を受け、1ポンド = 約400円
1976年: IMF支援後に回復し、1ポンド = 約280円
⚫ 1980代
1985年: プラザ合意後、1ポンド = 約200円
⚫ 1990代
1992年: ブラックウェンズデーの前から後で、約1ポンド = 200円から140円に急落
1997年: 安定期に入り、1ポンド = 約160円
⚫ 2000年代
2008年: 金融危機の影響を受け、1ポンド = 約200円から約150円に下落
⚫ 2010年代
2016年: ブレグジット投票後、約1ポンド = 160円から130円に急落
2019年: 不安定な状況が続き、1ポンド = 約140円で推移
⚫ 2020年代
2020年: COVID-19影響下で、1ポンド = 約130円から約150円
2022年以降: 世界的なインフレの影響で、1ポンド = 約150円から約200円
イギリスの物価について
現在のイギリスの物価はインフレの影響を受け、かなり高くなっています。
ホテルの宿泊料金などは、観光シーズンになるとさらに高くなることが多いです。
食料品も値上がりしており、特に新鮮な野菜や肉の価格が影響を受けています。
レストランでの食事も昔に比べて高くなっており、カジュアルな店でも一人あたり20〜30ポンドかかることがよくあります。気軽に外食、ということがなかなか難しくなってきています。
イギリスの物価の参考例
⚪ 住居やホテルの値段の参考例
(2024年11月現在では、1ポンド=190円台後半で推移しています)
ホームステイの費用:1週間あたりの平均は、約150〜300ポンド程度です。
ホテル :バックパッカー向けの宿泊所では、1泊あたり約50〜100ポンドが目安です。立地が便利で基本的な設備が整ったホテルでは、1泊あたり約100〜200ポンドが相場です。高級ホテルでは、一泊あたり約200ポンド〜が相場となっています。
⚪ ハンバーガーショップの値段の参考例
ハンバーガー :約3〜6ポンド
チーズバーガー :約4〜7ポンド
フライドポテト :約2ポンド
チキンナゲット(4ピース) : 約3ポンド
⚪ フィッシュアンドチップスの値段の参考例
おおよそ8〜15ポンド程度です。ロンドンのような大都市では高めの値段設定で、特に観光地では15ポンド以上になることもあります。一方、地方の小さな町ではもう少し安く提供されています。
⚪ イギリスのパブでのビールやワインの値段
イギリスのパブでのビールやワインの価格は、おおよそ1パイント(約568ml)のビールが約4〜6ポンドで提供されています。ハーフパイントでは約2〜3ポンドです。
ワインは一般的なものでグラスで約4〜7ポンド、ボトルで約15〜30ポンド程度です。
特にロンドンなどの都市部では価格がやや高め、地方では少し安くなります。
⚪ 地下鉄チューブ
ロンドンの地下鉄チューブはとても便利で、主要な観光地や目的地に簡単に行くことができます。運行頻度が高く、ピーク時には数分ごとに電車が来るので待ち時間も短く、効率的に移動できます。
料金はゾーン(地域を区分けするためのエリア)によって異なり、オイスターカードを使うとゾーン1内の移動が約2.40ポンドからと手軽に利用できます。一日乗車券は約7.70ポンドで無制限に乗り降りできます。
また、大学によっては特定の交通機関に対して独自の割引が提供されている場合もあるので、大学に通う予定のある方は、最新情報をぜひ確認してください。
イギリスで贅沢をしないで一日滞在するには
イギリスで贅沢をしないで一日滞在するには、だいたいどれくらいのお金が必要かを考えてみましょう。
まず宿泊費ですが、ホステルや安めのホテルに泊まると1泊30〜70ポンドぐらいです。次に、食費は自炊したりカジュアルなカフェで食べると、1日20〜30ポンドくらいが相場です。
交通費は公共交通機関を利用する場合、1日あたり約5〜10ポンドで済むことが多いです。
そして、観光やアクティビティには、無料のスポットや公園を楽しむならほぼお金はかかりませんが、有料の場所に行くと1日10〜20ポンドくらい必要になることもあります。
贅沢をしないで過ごすとしても、1日あたり約65〜130ポンドぐらいが目安になると思います。
ホームステイをする、寮に入る、など状況によっても変わりますが、いずれにしても金銭的に余裕を持った計画を立てたいですね。
イギリスの通貨にまつわる基本情報
イギリスでは「ポンド」という通貨が使われており、種類としては紙幣と硬貨があります。英ポンドは長い歴史を持ち、さまざまなデザインが施された紙幣や硬貨が流通しています。この解説では、イギリスの通貨にまつわる基本情報、種類について紹介します。
イギリスポンドの由来
「ポンド」という名前は、ラテン語の「ポンドゥス」に由来しており、元々は「重さ」を意味していたといわれています。
これは、貨幣が金や銀などの金属の重さに基づいていたことに由来しているそうです。
イギリスポンド通貨のシンボル「£」
イギリスポンドのシンボル「£」は、ラテン語の「リーベルタス」(libra)に由来しているといわれています。
このシンボルは、古代ローマの通貨単位に関係しており、ローマ時代のラテン語の「リブラ(天秤)」という重さの単位に由来しているそうです。
英国ポンドの種類
◇紙幣の種類
⚫ 5ポンド札
⚫ 10ポンド札
⚫ 20ポンド札
⚫ 50ポンド札
◇硬貨の種類
⚫ 1ペンス
⚫ 2ペンス
⚫ 5ペンス
⚫ 10ペンス
⚫ 20ペンス
⚫ 50ペンス
⚫ 1ポンド硬貨
⚫ 2ポンド硬貨
ポンド系が使用されている場所
イギリスポンド(GBP)は主にイギリスで使用されている通貨ですが、他の地域でも使われています。
例えばフォークランド諸島やジブラルタル、セントヘレナでは、それぞれフォークランドポンド、ジブラルタルポンド、セントヘレナポンドというボンド系が使用されており、いずれもイギリスポンドと同じ価値を持っています。
イギリスを訪れる前に知りたいポンド円相場
通貨ペアとしての英ポンドと円は、特に現在のように円安が進行する際に見通しが気になるところです。
金融政策や金利の変動は、ポンド高円安、あるいはポンド安やドル、ユーロとの取引レートにも影響を与え、世界の市場でリスクを考慮した投資判断が求められます。
最近のチャートやデータを見ても、英ポンドの見通しにはさまざまな可能性が考えられますね。
日本と英国の投資家の動向も踏まえつつ、英国や日本、そして世界の経済情報を常にチェックすることが重要です。
イギリスポンドの歴史
イギリスポンドは、英国の通貨として長い歴史を持ち、その起源は古代にさかのぼります。
最初は重さの単位として用いられ、徐々に貨幣としての役割を果たすようになりました。ポンドは、経済や政治の変遷とともに進化し、現在の通貨システムにおいても重要な地位を占めています。この序章では、ポンドの歴史的背景とその変遷を時代ごとに解説します。
ボンド|歴史的背景とその変遷
古代から中世
ポンドの起源:中世には、銀貨が広く流通し、ポンドという名称が使われるようになりました。
ノルマン征服: 1066年のノルマン征服後、イギリスではさまざまな銀貨が発行され、ポンドという単位が普及しました。
近世
イングランド銀行の設立: 1694年、イングランド銀行が設立され、国の通貨政策を管理する役割を担います。この時期、ポンドは金本位制を採用し、一定量の金に対して固定された価値を持つようになります。
金本位制: 19世紀初頭には、金本位制が確立され、ポンドは金と直接交換可能な通貨として流通しました。
20世紀
世界大戦と経済変動: 第一次世界大戦や第二次世界大戦を経て、イギリスポンドは大きな影響を受けました。特に第二次世界大戦後は、英国の経済力が低下し、ポンドの価値が下落しました。
ブレトンウッズ体制: 1944年に成立したブレトンウッズ体制では、ポンドはドルに対して固定された為替レートを持つ通貨の一つとして位置付けられましたが、1971年にアメリカが金本位制を終了すると、ポンドも自由に変動するようになりました。
現代
EUとの関係: 1973年にイギリスは欧州経済共同体(EEC)に加盟しましたが、通貨はユーロではなくポンドのままでした。2016年の国民投票でのブレグジット(EU離脱)の決定は、ポンドに大きな影響を与えました。
経済のグローバル化: 現在、イギリスポンドは国際的な取引や投資において重要な通貨とされています。ポンドの価値は、英国の経済指標や国際的な出来事によって変動します。
イギリスポンドは、長い歴史の中で変遷を経て、現在の形になっています。
ポンド円 ドル円 相関|年表
1世紀頃: ポンドの起源となる「リブラ」が使用され始める(ローマ時代)。
1066年: ノルマン征服後、ポンドという単位が普及。
1694年: イングランド銀行が設立され、ポンドの発行と管理を開始。
19世紀初頭: 金本位制が確立され、ポンドは金に対して固定された価値を持つ。
1944年: ブレトンウッズ体制の成立、ポンドはドルに対して固定された為替レートを持つ。
1971年: アメリカが金本位制を終了し、ポンドも自由変動制に移行。
1973年: イギリスが欧州経済共同体(EEC)に加盟。
2016年: 国民投票でブレグジット(EU離脱)が決定。
まとめ
イギリス旅行に必要なポンドや通貨についての基本情報、ポンド円相場などについて解説しました。
留学される方などは、現地で銀行口座を開設すると為替手数料を抑えられることもあります。
旅行前に必要なポンドの額を計算して、ぜひ計画的に準備したいですね。
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容(仕事、留学、旅行など)
イギリス ロンドン
カナダ トロント
これまでに滞在した国や島:イギリス、ドイツ、スペイン、オーストリア、スイス、フランス、イタリア、インドネシア、バリ、タイ、ランカウイ、プーケット、ハワイ、グアム、サイパン、アメリカ、オーストラリア、カナダ、パンコールラウ、香港、マレーシア、シンガポール、メキシコなどです。
◇自己紹介
これまでいろんな国を旅して来て、たくさんの人々と知り合い数多くの得難い思い出があります。世界各地に友人が出来、やはり共通の言語は英語なので、今では日常的に英語を使っています。また、イギリスやカナダに滞在し、家を借りたり銀行口座を開設したり、現地の学校の申し込みをしたりした経験から、正確な英語を使う必要性を感じました。英語のスキルでは、リスニングが得意です。また、COLLOCATIONと呼ばれる、英語の言葉が何とペアになっているかに関しての専門的なコースを取ったこともあり、皆様に少しでも有益な情報をお届けしたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。