
イギリスへ旅行や留学を計画する際、ポンド(正式名称:スターリング・ポンド)と円の為替レートを知ることは非常に大切です。
1ポンドは何円なのかや現地での物価事情を知っておくと、旅行や現地での生活費や滞在費が見積もりやすくなります。
本記事では、1ポンドは何円なのかについて、ポンド・円の為替推移に基づいて徹底解説!
イギリスの物価事情や贅沢せずにイギリスに滞在する際の費用目安についても紹介します。
また、ポンドの基本情報や歴史についても解説しているので最後までお読みください。
1ポンドは何円?
2025年9月現在、1ポンドは何円なのでしょうか?
2022年以降および、1970年〜現代までのポンド・円相場の推移について以下で紹介します。
2022年以降は1ポンド=150円〜200円前後で推移
2025年9月3日現在、1ポンドは約198円に相当します。
なお、2022年以降は1ポンド=150円から200円程度の範囲で取引されていることが多いです。
2022年〜2024年半ばまでは円安が進み、2024年7月には1ポンド=208円をマーク。
2007年6月の1ポンド=247円に次ぐ、円安となりました。その後から現在に至っては、やや円高が優勢となっています。
1970年代〜現代のポンドと円相場の推移
1970年代から今までのポンド・円相場は、経済や政治の影響を大きく受けてきました。
特に、近年はブレグジット(Brexit)※や金融危機により相場が大きく変動しています。
※イギリスによる欧州連合(EU)の離脱を指す、Britain(イギリス)とExit(離脱)を組み合わせた造語。イギリスはEUを2020年1月31日に脱退。
以下では、1970年代から現在までのポンド・円相場にまつわる歴史を振り返りながら、為替相場の推移を見ていきます。
| 年代 | 出来事 | ポンド・円相場 |
| 1971年 | 高インフレ | 1ポンド = 約400円 |
| 1976年 | IMF支援後に回復 | 1ポンド = 約280円 |
| 1985年 | プラザ合意 | 1ポンド = 約200円 |
| 1992年 | ブラックウェンズデー※※ | 1ポンド = 約200円から140円に下落 |
| 1997年 | 安定期 | 1ポンド = 約160円 |
| 2008年 | 金融危機 | 1ポンド = 約200円から約150円に下落 |
| 2016年 | ブレグジット投票 | 1ポンド = 約160円から約130円に急落 |
| 2019年 | 不安定な状況が続く | 1ポンド = 約140円 |
| 2020年 | COVID-19 | 1ポンド = 約130円から約150円 |
| 2022年以降 | 世界的なインフレ | 1ポンド = 約150円〜約200円 |
※※ブラックウェンズデー(暗黒の水曜日):1992年9月16日にイギリス・ポンドが大暴落したことで、イギリスが欧州為替相場メカニズム(ERM)を事実上離脱したため発生した通貨危機。
上昇し続けるイギリスの物価
現在のイギリスの物価は、世界的なインフレの影響を受けてかなり高くなっています。
ホテルの宿泊料金などは、観光シーズンになるとさらに上昇。食料品も値上がりしており、特に新鮮な野菜や肉の価格が影響を受けています。
レストランでの食事も昔に比べて高くなっており、カジュアルな店でも一人あたり20〜30ポンドかかります。気軽に外食することも、難しくなってきています。
イギリスの物価の一例として、以下の項目の物価を見ていきます。あくまで全国的な平均値として捉えてください。
住居やホテルの値段
| ホームステイ | 約150〜300ポンド/週 |
| ホテル(バックパッカー用) | 約50〜100ポンド/日 |
| ホテル ※立地が便利で基本的な設備が整っているタイプ |
約100〜200ポンド/日 |
| 高級ホテル | 約200ポンド〜/日 |
ハンバーガーショップの値段
| ハンバーガー | 約3〜6ポンド |
| チーズバーガー | 約4〜7ポンド |
| フライドポテト | 約2ポンド |
| チキンナゲット(4ピース) | 約3ポンド |
フィッシュ&チップスの値段
フィッシュアンドチップスの値段は、約8〜15ポンド。
ロンドンのような大都市では値段が高めに設定されており、特に観光地では15ポンド以上にもなります。
一方、地方の小さな町ではもう少し安く楽しめます。
パブでのビールやワインの値段
パブでのビールやワインの値段も見ていきましょう。
| ビール(1パイント:約568ml) | 約4〜6ポンド |
| ビール(ハーフパイント:約284ml) | 約2〜3ポンド |
| ワイン(グラス) | 約4〜7ポンド |
| ワイン(ボトル) | 約15〜30ポンド |
ロンドンなどの都市部では価格がやや高めで、地方では少し安くなります。
地下鉄(チューブ)の値段
ロンドンの地下鉄チューブの値段はゾーンによって異なります。
オイスターカードを使うとゾーン1内の移動が約2.80ポンドから。
さらに一日の上限額が設定されており、ゾーン1〜2なら約8.90ポンドで無制限に乗り降りできます。
ロンドンの地下鉄チューブはとても便利で、主要な観光地や目的地に簡単に行けます。
運行頻度が高く、ピーク時には数分ごとに電車が来るので待ち時間も短く、効率よく移動できます。
ちなみに、大学によっては特定の交通機関への割引制度もあるので、大学に通う予定の方は、最新情報をぜひ確認してください。
贅沢せずにイギリスで1日滞在するにはいくらかかる?
贅沢しないでイギリスに一日滞在するには、どれくらいのお金が必要かを考えてみました。
| 費用項目 | 備考 | 費用目安 |
| 宿泊費 | ホステルや安めのホテルを活用 | 30〜70ポンド/日 |
| 食費 | 自炊または、カジュアルなカフェを利用 | 20〜30ポンド/日 |
| 交通費 | 公共交通機関を利用 | 約5〜10ポンド/日 |
| 観光 | 無料のスポットや公園を楽しむ 有料サイトを訪問する場合 |
10〜20ポンド/日 |
| 合計 | 約65〜130ポンド/日 |
贅沢をしないで過ごすとしても、1日約65〜130ポンドは必要です。金銭的に余裕を持って旅行や留学の計画を立てたいですね。
おまけ:ポンドにまつわる基本情報
最後に、ポンドの基本情報について紹介します。
ポンドができた歴史的背景も紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。
ポンドの基本情報
| 項目 | 備考 |
| 正式名称 | スターリング・ポンド(pound sterling) |
| 由来 | ・ラテン語の『ポンドゥス』に由来 ・元々は重さの単位(貨幣が金や銀などの金属の重さに基づいていたため) |
| シンボル『£』の由来 | ・ラテン語の『リーベルタス』(libra)に由来 ローマ時代のラテン語のリブラ(天秤)という重さの単位に由来していると言われている |
| 紙幣の種類 | 全4種類 ・5ポンド札 ・10ポンド札 ・20ポンド札 ・50ポンド札 |
| 硬貨の種類 | 全8種類 ・1ペンス ・2ペンス ・5ペンス ・10ペンス ・20ペンス ・50ペンス ・1ポンド硬貨 ・2ポンド硬貨 |
ポンド系通貨が使用されている国や地域
ポンドは主にイギリスで使用されている通貨ですが、以下の国や地域でも使われています。
ちなみに、以下の国ではかつてポンドが通貨として使用されていました。
ポンドの歴史的背景と変遷
通貨として長い歴史を持つポンドの起源は、以下のように古代までさかのぼります。
| 年代 | 出来事 |
| 1世紀頃 | ポンドの起源となる「リブラ」が使用され始める(ローマ時代) |
| 1066年 | ノルマン征服後、ポンドという単位が普及 |
| 1694年 | イングランド銀行の設立 |
| 19世紀初頭 | 金本位制の確立 |
| 1944年 | ブレトンウッズ体制の成立 |
| 1971年 | アメリカの金本位制終了に伴い、ポンドも自由変動制に移行 |
| 1973年 | イギリスが欧州経済共同体(EEC)に加盟 |
| 2016年 | 国民投票でブレグジット(EU離脱)が決定 |
最初は重さの単位として用いられ、徐々に貨幣としての役割を果たすようになったポンド。
経済や政治の変遷とともに進化し、現在の通貨システムにおいても重要な地位を占めてきました。以下では、年表の内容をさらに掘り下げます。
以上のように、イギリスポンドは長い歴史の中で変遷を経て、現在の形になっています。
まとめ
イギリス旅行に必要なポンドや通貨についての基本情報、ポンド円相場などについて解説しました。
留学や駐在などでイギリスに住む場合は、現地で銀行口座を開設すると為替手数料を抑えられることもあります。
旅行前に必要なポンドの額を計算して、ぜひ計画的に準備したいですね。
本記事をきっかけに、イギリスの物価事情やポンドについて理解を深めていただけると幸いです!
◇留学経験
・イギリス ロンドン
・カナダ トロント
これまで、イギリス・ロンドンのWimbledon School of Englishとカナダ・トロントのiLSC Language Schoolで、文法やアカデミックライティング、国際的な社会問題、ジャーナリズムなどのコースを選択し、2年間にわたり徹底的に学びました。
これらの学びを通じて英語のスキルを高めるとともに、国際的な視野を広げる貴重な機会を得ることができました。特に、アカデミックライティングのコースでは、論理的な構成や明確な主張の展開、信頼できる証拠を基にした議論の方法を学び、映画をテーマに議論するコースでは、さまざまな文化的背景を持つクラスメイトたちと積極的に意見を交わしながら、異なる視点から物事を考える力を養いました。
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容(仕事、留学、旅行など)
これまでに滞在した国や島:イギリス、ドイツ、スペイン、オーストリア、スイス、フランス、イタリア、インドネシア、バリ、タイ、ランカウイ、プーケット、ハワイ、グアム、サイパン、アメリカ、オーストラリア、カナダ、パンコールラウ、香港、マレーシア、シンガポール、メキシコなどです。
◇自己紹介
これまでいろんな国を旅して来て、たくさんの人々と知り合い数多くの得難い思い出があります。世界各地に友人ができ、やはり共通の言語は英語なので、今では日常的に英語を使っています。また、イギリスやカナダに滞在し、家を借りたり銀行口座を開設したり、現地の学校の申し込みをしたりした経験から、正確な英語を使う必要性を感じました。
英語のスキルでは、リスニングが得意です。また、COLLOCATIONと呼ばれる、英語の言葉が何とペアになっているかに関しての専門的なコースを取ったこともあり、皆様に少しでも有益な情報をお届けしたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
◇留学への思い
これまでの留学経験を通じて、さまざまな国の人々と出会い、共通の言語として英語が必要不可欠であることを実感しました。現在では日常的に英語を使い、世界中の友人とコミュニケーションを取っています。
異なる母国語を持つ人々と円滑に意思疎通を図るためには、英語は欠かせないツールです。英語は単なる言語にとどまらず、異文化への理解や国際的な問題に対する深い洞察を得るための重要な鍵であることを強く感じています。
留学では、学業以外の思い出も、留学生活をさらに思い出深いものにしてくれました。ロンドンでは、クラスメイトとフランスやイタリアを訪れ欧州の文化を体験したり、週末にロンドンの地下鉄「チューブ」に乗りピカデリーでミュージカルを楽しんだりと、充実した時間を過ごしました。
トロントでは、ワールドカップ期間中にキャンパスのロビーに設置された大きなテレビの前で、世界中の学生たちと共に相手や自分の国の試合を応援し、にぎやかなひとときを楽しみました。
これからも、みなさんに有益な情報をお届けできるようつとめていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。