
イギリスで
アパートを借りたいと考えている方へ向けて、今回は「フラット」と呼ばれる賃貸物件を中心に、探し方や役立つ英語表現、そしておすすめのサイトなどを詳しくご紹介します。
初めてイギリスに滞在する場合は、アメリカとの住宅文化の違いや家賃の相場、契約の流れなど気になることがたくさんありますよね。
本記事では、イギリスの中心部で物件を探す際に押さえておきたいポイントや、フラット選びで知っておくと便利な内装・間取りのチェック方法、そしてシェアルームならではのメリット・デメリットなども含めて解説します。
ぜひ参考にして、イギリス生活を快適にスタートしてみてください。
イギリスの主な住宅の種類
イギリスには多様な住宅(賃貸住宅を含む)のスタイルがあります。
日本やアメリカの住宅事情とは異なる部分も多いので、まずはどのような選択肢があるのかを押さえておきましょう。
イギリスで使われる代表的な住宅の種類は、以下のとおりです。
1.Detached House(デタッチドハウス)
完全独立型の一戸建て住宅で、庭や専用駐車場がある場合が多いです。
複数のベッドルームやバスルームを備え、家族向けやシェアで住む人たちにも人気があります。
価格は高めですが、広々としたリビングルームやキッチン、さらにベッドルームを多く確保できるため、ゆったりとした生活を送りたい方に向いています。
2.Semi-detached House(セミデタッチドハウス)
2棟が壁一枚でつながったような形の一戸建て住宅です。
Detached Houseよりも家賃が少し安めで、間取りもさまざま。
場合によっては専用バスルーム付きの寝室があることもあり、比較的借りやすいというメリットがあります。
3.Terraced House(テラスハウス)
数軒が横並びになっているタイプの住宅で、イギリスの街並みを象徴する存在といえます。
昔ながらの煉瓦造りが多く、中心部にも数多く存在します。
ベッドルームが2~3部屋程度のコンパクトな物件から、広々としたものまで幅広いので、家族や友人同士のシェアにも向いています。
4.Flats(フラット)・Apartments(アパート)
マンションやアパートのように集合住宅の一室を指すのがフラットです。
日本語で「アパート」と呼ばれることも多いですが、英語では「フラット」という言い方が一般的(アメリカ英語では“apartment”)です。
間取りや内装の種類が豊富なので、自分の好みに合った賃貸物件を探しやすいのも魅力です。
5.Mansion Block(マンションブロック)
日本でいう“マンション”に近い集合住宅のタイプです。
エレベーターや管理人が常駐することも多く、ホテルのようなアメニティを備えた宿泊施設に近い感覚で借りることができます。
防犯面や管理面を重視する方に人気ですが、同じエリアのフラットや一戸建てと比べると家賃はやや高めです。
イギリスで賃貸物件を借りる際には、まずこれらの住宅の種類を知り、自分の予算や希望の部屋数、立地条件などと照らし合わせて選ぶことが大切です。
イギリスのアパート(フラット)の特徴
イギリスのアパート(フラット)は、日本のマンションやアメリカのアパートとは少し異なる特徴を持ちます。
実際に生活するうえで押さえておきたいポイントをまとめました。
■間取りや内装のバリエーション
イギリスのアパートは、築年数によって内装が大きく異なります。
歴史ある物件では、クラシカルな暖炉付きリビングルームや絨毯張りの寝室がある一方、新築や改装済みのフラットでは薄型テレビや無料WiFiが完備されていることも珍しくありません。
部屋数も1ベッドルームから3ベッドルーム以上のファミリー向けまでさまざまです。
■専用バスルーム(en-suite)の有無
ベッドルームに専用バスルームが付いているかどうかも、フラットを探す際の大切なポイントです。
専用バスルーム付きの部屋は家賃が高めになりやすいですが、快適なプライベート空間を確保できます。
また、フラットによってはキッチンとリビングルームを複数人でシェアしながらも、各部屋に専用バスルームがあるケースもあるので、自分の希望と予算をすり合わせて選ぶと良いでしょう。
■家具・アメニティ付き物件が多い
イギリスには、家具付き(Fully furnished)の賃貸物件が多く存在します。
ベッドやソファ、ダイニングテーブルに加え、冷蔵庫や洗濯機、薄型テレビなどが最初から備え付けられていることもあります。
単身赴任や短期滞在の場合は、こうしたフラットを借りることで初期費用を抑えられます。
ただし、アメニティの状態や故障時の対応については契約前に確認しておくと安心です。
■大家(Landlord)との直接契約が多い
イギリスでは不動産エージェントを通して契約する方法と、直接大家と契約を交わす方法があります。
エージェントを利用すると、契約書の作成やトラブル対応をエージェントが代行してくれるため安心ですが、手数料などの追加費用が発生する可能性があります。
大家と直接交渉する場合は手数料がかからないことも多いですが、英語でのコミュニケーションが難しいと感じる人はエージェントを間に入れたほうがスムーズかもしれません。
■家賃と追加費用
イギリスの家賃は立地(エリア)、駅やバス停からの徒歩時間、物件の間取り、部屋数、広さ(m²)などによって大きく変動します。
ロンドン中心部の人気エリアは特に価格が高騰しがちです。
また、イギリスでは家賃以外にもCouncil Tax(自治体税)や光熱費、TVライセンス料など、月々の固定費がかかる場合があります。
契約前にトータルの費用を把握し、契約書で明記されているかを必ず確認しましょう。
イギリスのアパート(フラット)探しに便利なサイト
イギリスでアパート(フラット)を探す際は、オンラインの物件検索サイトを活用するのが一般的です。
日本の不動産ポータルと同様に、部屋数や価格、エリアなどの条件で検索し、クチコミ評価や写真・内装の様子をチェックできます。
ここでは、いくつか代表的なサイトをご紹介します。
1.Rightmove(https://www.rightmove.co.uk/)
イギリス最大級の物件検索サイトで、賃貸物件から売買物件まで幅広い情報を網羅しています。
物件の所在地を地図で確認でき、徒歩圏内の公共交通機関や周辺アメニティなども調べやすいのが特徴です。
キッチンやバスルームの写真はもちろん、部屋の広さ(m²)や家賃の目安も詳しく掲載されています。
2.Zoopla(https://www.zoopla.co.uk/)
Rightmoveと並んで人気の高いサイトです。
検索条件が細かく設定できるため、専用駐車場の有無や家具付きの物件だけを選択することなども可能。
過去の家賃相場を確認し、イギリス人のクチコミや評価を参考にすることもできます。
部屋数や家賃、内装の雰囲気を比較しながら物件探しを進められるので、初心者にも使いやすいでしょう。
3.SpareRoom(https://www.spareroom.co.uk/)
シェアルーム探しに特化したサイトです。
イギリスでは、部屋を借りる際にシェアルームという形態が非常にポピュラーで、フラットの一部屋を借りるスタイルから、マンションの一室を複数人で利用するケースまでさまざま。
専用バスルーム付きのシェアや、家具完備のシェア物件など、多岐にわたる選択肢を見つけることができます。
ホテルより安く長期滞在したい留学生やワーキングホリデーの人にもおすすめです。
4.Gumtree(https://www.gumtree.com/)
イギリス版のクラシファイド広告サイトで、賃貸物件のほか中古品の売買など様々な情報が掲載されています。
個人の大家が直接物件を出していることも多く、仲介手数料がかからないケースもある反面、契約の際は契約書の内容を自分で確認するなど、十分な注意が必要です。
これらのサイトを活用すれば、ホテル並みに設備の整った物件や無料WiFi完備のフラット、あるいはお得な価格で契約できる部屋などを効率よく探せます。
内見をする際は、写真と実際の内装が異なる場合もあるので、現地でしっかりチェックしましょう。
イギリスのアパート(フラット)探しに便利な英語
イギリスの賃貸に関する情報は、多くが英語でやり取りされます。
契約書や内見時のやり取りなど、最低限押さえておきたい表現をいくつかご紹介します。
なお、アメリカ英語とは単語が異なる部分もあるため、イギリス特有の表現を知っておくとスムーズです。
■Flat / Apartment(フラット / アパート)
イギリスでは「Flat」、アメリカでは「Apartment」というように、呼び方に違いがあります。
イギリス人との会話では「Flat」が自然です。
■En-suite(専用バスルーム付き)
ベッドルーム内にバスルームやトイレが付いている場合は“en-suite”と表記されることが多いです。
内見時には「Does the room come with an en-suite?(専用バスルームは付いていますか?)」などと確認しましょう。
■Furnished / Unfurnished(家具付き / 家具なし)
ベッドや薄型テレビなどの家具・家電がついているかどうかを示します。
短期滞在の場合は「Furnished」の部屋を借りると便利です。
■Bills included / Exclusive of bills(光熱費込み / 光熱費別)
家賃に光熱費やCouncil Tax、無料WiFiなどが含まれているかどうかを確認するフレーズです。
「Is the rent inclusive of utility bills?(家賃に光熱費は含まれていますか?)」という質問もよく使われます。
■Deposit(デポジット / 敷金)
賃貸物件を契約する際に必要となる保証金です。
イギリスでは家賃の4~6週間分程度のデポジットを求められることが多いので、事前に予算を把握しておきましょう。
■Tenancy Agreement / Contract(賃貸契約)
契約書にサインする前に、契約期間や解約条件、修繕費負担などの細かい条項を確認する必要があります。
「Could you send me a copy of the tenancy agreement before I sign?(サインする前に契約書のコピーを送っていただけますか?)」などのフレーズが役立ちます。
■Reference Check(身元保証 / 信用調査)
イギリスで部屋を借りる際には、一定の収入証明や過去の家賃滞納歴などを確認する「Reference Check」が行われることが多いです。
学生や就職して間もない場合は連帯保証人を求められる場合もあるので要注意です。
■Council Tax(自治体税)
イギリスの地域自治体に支払う税金で、多くの場合は賃貸契約者(居住者)が負担します。
「How much is the council tax in this area?(このエリアのカウンシルタックスはいくらですか?)」と確認するのが一般的です。
■Viewing / Inspection(内見 / 内覧)
内装や間取りの状態を実際に見る行為です。
「When can I arrange a viewing?(いつ内見できますか?)」などのフレーズで予約を取ります。
写真や動画だけで契約するのはリスクがあるため、必ず内見を実施したほうが安心です。
これらの英語表現を覚えておくと、不動産エージェントや大家とのコミュニケーションがスムーズになります。
賃貸契約は月々の家賃だけでなく、契約期間やライフスタイルにも大きく影響するため、納得のいくまで質問や交渉を行いましょう。
まとめ
イギリスでアパート(フラット)を借りる際には、住宅の種類や内装、家賃相場、契約書の内容など確認すべき点がたくさんあります。
ホテルのように快適なアメニティが整った物件から、シェアルームでコストを抑えられる賃貸物件まで、部屋数や間取り、広さ(m²)などによって選択肢はさまざまです。
便利なサイトや英語表現を活用し、ロンドン中心部から郊外まで幅広いエリアの物件を比較検討してみてください。
理想の部屋を見つけて、イギリス生活を充実させましょう。
◇経歴
サラリーマン時代のヨーロッパ駐在時に約4年間とその前後数年間
◇資格
電気工学英文翻訳講座終了
◇留学経験
なし
◇海外渡航経験
ベルギー、フランス、ドイツ、オランダ、イギリス、中国にて
新規工場立ち上げ、及び海外安全規格取得など
◇自己紹介
国立高専卒業後、産業機器メーカー在職中にベルギー工場及びフランス工場立ち上げのため、約4年間のヨーロッパ滞在経験があります。
2007年に脱サラし、現在はブロガーやウェブライターとして生計を立てています。
海外顧客との打ち合わせが必要なため、趣味と実益を兼ねて断続的に
オンライン英会話を利用しています。
時間がある時は、リスニングスキル向上のために海外ドラマを
観るように心がけています。