
日本からの旅行先として人気のシンガポール。シンガポールは東南アジアにあるため、日本とは気候が異なります。夏のように暑いといっても、湿気が多くて日本の夏とはまた異なりますし、文化が異なるので観光先によっては現地の宗教に配慮した服装をする必要もあります。
今回の記事では私が実際にシンガポールに行った時のエピソードや経験談も交えながら、シンガポール旅行のおすすめの服装について解説していきたいと思います。
- シンガポールの気候季節に合う服装とは
- シンガポールの伝統服と文化から学ぶ服装のマナー
- シンガポール旅行で女性におすすめの服装
- シンガポール旅行で男性におすすめの服装
- サンダルは本当に禁止なのか?
- まとめ
シンガポールの気候季節に合う服装とは

赤道直下に位置するシンガポールは、一年を通して高温多湿の気候が続く「常夏の国」です。日本と比べて季節の変化は少ないものの、雨季と乾季に分かれており、天候によって快適な過ごし方が変わります。
旅行中の服装や外出先での過ごし方を考えるうえで、気候の特徴を理解しておくことが大切です。
雨季と乾季の違いに注意
まずシンガポールの気候について紹介します。シンガポールは熱帯モンスーン気候に属しています。年間を通して平均気温が30度前後と高く、湿度も高めです。ただしその中でも、「雨季」と「乾季」という2つの季節があります。
10月下旬から3月上旬頃までは雨季で、特に11月から1月にかけて降水量が多くなります。短時間に激しく降るスコールが頻繁に起こり、雷を伴うこともあります。一方、3月から10月の乾季は比較的雨が少なく、日中は晴れて過ごしやすいことが多いです。
スコールと冷房への対策
シンガポールの気候は雨季と乾季に分かれていますが、乾季でも突然スコールが発生することはあります。私の印象だと、毎日のように夕方頃から雨が降る雨季と比べて、時々雨になるのが乾季という感じです。
スコールは1〜2時間程度で雨が止むことが多いですが、突然の雨への対策として、折りたたみ傘や雨を弾く素材の羽織り物等があると安心できます。
また、シンガポールではショッピングモールやタクシーの冷房が強めです。室内と室外の気温差が大きいので、ショッピングの際にも羽織り物を持っていくことをおすすめします。
虫対策にもおすすめな長袖の服
清潔な印象のあるシンガポールですが、郊外や自然の多いエリアでは蚊などの病気を媒介することのある虫に注意が必要です。特に雨季には水たまりから虫が発生しやすくなります。蚊に刺されて感染する可能性がある、デング熱やジカ熱から身を守るためには、虫除けスプレーはもちろんですが、肌を隠す長袖の服を着るのも有効です。
日本人にとっては「暑いのに長袖?」と思うかもしれませんが、現地の人を見てみると紫外線や虫への対策、文化的な理由などから、薄手の長袖の服を着ている人も多いです。
シンガポールの伝統服と文化から学ぶ服装のマナー
多民族国家シンガポールでは、中華系・マレー系・インド系を中心に、それぞれが伝統衣装を大切に受け継いでいます。宗教施設を訪れる時だけではなく、日常的な場面でも文化的背景に基づいた服装マナーが重視されることがあります。
旅行者としてシンガポールを訪れる私たちも、こうした服装文化を理解して配慮しながら過ごせるとより良いでしょう。
民族衣装が映すシンガポールの多様性
シンガポールでは、中華系の「チョン・サム(チャイナドレス)」や「唐装」、マレー系の「バジュ・クルン」や「バジュ・メラユ」、インド系の「サリー」や「パンジャビスーツ」などが、民族の誇りを象徴する伝統的な衣装として着用されています。
これらは結婚式や旧正月、ディーパバリなどの宗教・文化的イベントだけでなく、学校の民族衣装デーやナショナルデーなど公共の場でも目にする機会が多いです。近年では伝統衣装に現代的なデザインを取り入れたおしゃれなファッションも登場していて、若い世代を中心に再評価が進んでいます。
宗教施設や公共の場所での服装マナー
特にシンガポール旅行で気をつけたいのは、宗教施設や公共の場での服装です。モスクやヒンドゥー寺院などを訪れる際は、男女問わず肩と膝を隠す服装が基本で、女性は頭を覆うスカーフの着用が求められることもあります。
また、水着や濡れたスポーツウェアで公共の場所を歩くのは不衛生・不適切と見なされることがあり、肌の露出が多い服装も公共の秩序やマナーに反することがあります。
フォーマルな場所ではドレスコード
シンガポールに行ったら高級レストランやルーフトップバー、カジノなどに行ってみたいという人もいるのではないでしょうか。そのような場所ではドレスコードに沿った服装が求められることがあります。例えばタンクトップやショートパンツ、ビーチサンダルといったカジュアルすぎる服装では、入場を断られることも。
特に夜景を楽しむバーやディナーを予定している日には、スマートカジュアルを意識した服装に整えておくと安心です。
ちなみに私はドレスコードの指定だけではどのような服装をしていいかわからない時に、あらかじめそこを訪れている人たちのSNSを見て、「この服装なら大丈夫そう!」というのをチェックするようにしていました。
シンガポール旅行で女性におすすめの服装
それではここから、具体的にどのような服装がおすすめか紹介していきたいと思います。年中暑いシンガポールでは、女性の服装選びでどのような点に気をつければ良いのでしょうか。
観光や移動のしやすさはもちろん、冷房対策や宗教的マナーへの配慮、おしゃれと防犯のバランスも大切です。
気候に合った快適で機能的な服装選び
シンガポールは高温多湿な気候で、観光の際には動きやすくて、汗をかいても快適な服装が基本となります。特に人気なのが、シワになりにくく着回しやすいワンピースです。
強い日差しを避けるためには、帽子やアームカバーなどの紫外線対策グッズもあると安心です。冷房が強いショッピングモールやレストランに入る時のために、ストールや薄手の羽織りも用意しておくのも良いでしょう。
歩きやすい靴選び
旅行中はたくさん歩くことになるはずなので、足に合った靴を選びましょう。街歩きではスニーカーが定番です。スポーツサンダルなどもいいかもしれません。また宿泊先にもよりますが、ホテルの室内やシャワーで使用するために、ビーチサンダルを一足持っていくのもおすすめです。ただし、サンダルでそのまま高級レストランに入るのはマナー違反になるため、場所に応じて靴を履き替えるようにしましょう。
現地で靴を調達しても良いと思いますが、サイズや履き心地が日本の靴と違うことがあるので、気をつけましょう。私は足が幅広めで海外で買った靴は合わず、靴擦れになってしまうことが多いため、複数持って行くと少しかさばるけれど日本から持って行くようにしています。
マナーと安全を意識した服装の工夫
すでに説明したようにシンガポールは多民族国家のため、宗教施設やマリーナベイサンズのような高級ホテルでは服装マナーが求められます。モスクや寺院の見学時には、肌の露出を控えたファッションがおすすめです。
また、防犯面でも、あまりにも目立つ格好やミニスカート・露出の多い服は避けた方が無難です。旅行中はスリなどの犯罪に巻き込まれないよう、地元の人に馴染むようなカジュアルで控えめなスタイルを意識すると良いでしょう。
シンガポール旅行で男性におすすめの服装
次に男性のおすすめの服装を紹介します。男性の旅行服も暑さ対策をした服装が基本です。
ただし、単に薄着であれば良いというわけではなく、女性の場合と同じように屋内外の温度差やドレスコード、宗教施設などへの配慮が欠かせません。ここでは、気候とマナーの両面から男性におすすめの服装を解説していきます。
季節ごとの特徴を押さえた服装選び
シンガポールの気候を考えると、屋外ではTシャツにハーフパンツといった軽装でも過ごせますが、地元の人は露出を少なくするという観点から膝が隠れる長めのパンツスタイルのことが多いです。紫外線も強いのでその対策として帽子やサングラスがあると安心です。また、雨季は短時間に激しい雨が降るスコールが頻発します。
日本の梅雨のように一日中降ることはなく、1時間程度で止むことが多いので、折りたたみ傘やレインコートを持ち歩くと便利です。
ドレスコードとマナーを意識した装い
高級レストランやホテル、カジノ、ゴルフ場などではドレスコードが設けられている場合があります。男性の場合、襟付きのシャツにくるぶしまでの長ズボン、革靴という組み合わせが基本的なスタイルです。ジーンズやスニーカーで許可される店もありますが、フォーマルな場面では避けた方が無難です。
また宗教施設を訪れる際は、短パンやノースリーブだと見学できないことがあります。イスラム教やヒンドゥー教の寺院では男性も肌の露出を控え、過度にラフな服装は控える方が良いでしょう。
素材選びで快適に過ごす
女性の場合と同じで通気性が良く、速乾性のある服を選ぶと快適です。また、建物内は冷房が強く効いているため、軽く羽織れるジャケットを一枚持っておくと体温調整がしやすくなります。
観光中の移動が多い場合は、歩きやすいスニーカーがおすすめです。シンガポールでは清潔感が重視されるため、汗をかいた際に着替えられるよう、Tシャツや下着を複数枚用意しておくのも良いかもしれません。
サンダルは本当に禁止なのか?
ちなみに「シンガポールではサンダルを履くと罰金になる」という話を耳にしたことがある人もいるかもしれません。しかし、実際にはサンダルの着用そのものが法律で禁止されているわけではなく、罰金の対象にもなりません。
ではなぜこのような誤解が生まれたのか、そしてどんな場面で注意が必要なのかを見ていきましょう。
サンダル禁止は誤解?
シンガポールは「罰金大国」というイメージが強く、ポイ捨てや喫煙、ガムの持ち込みなどに厳しい規制があります。
そのため「サンダルも禁止されているのでは」と誤解されがちですが、日常生活や観光でサンダルを履くこと自体に罰則はありません。街中や観光地では、現地の人々や観光客がサンダルで歩いている姿もよく見られます。
場所によってはサンダルがNGのケースも
サンダル着用そのものは自由ですが、シンガポールでは場所やシーンによって服装についてのマナーが少し異なります。モスクやヒンドゥー寺院などの宗教施設では、靴を脱ぐのが基本であり、サンダルで入ることは不適切とされる場合があります。
また、高級レストランやホテル、カジノなどでは「スマートカジュアル」のドレスコードが設けられていて、ビーチサンダルやラバー素材のサンダルでは入場を断られることがあります。街歩きやショッピングでは清潔感のあるデザインのサンダルなら問題ないことが多いですが、フォーマルな施設に行く際は履き替え用の靴を用意しておくのが安心です。
誤解が生まれた背景は?
「サンダルを履いていたら罰金」という誤情報が広まった背景には、シンガポールの厳格な罰金制度への印象や、宗教施設・高級施設のドレスコードとの混同があります。
SNSや旅行ブログで「サンダルで注意された」「入場を断られた」という体験談が誇張されて伝わり、誤解を招いているということのようです。実際のところ、観光地や街中でのサンダル着用は地元の人にとっても一般的で、私も旅行中によく見かけました。
ただし、シンガポールは日本と違う厳しいルールがあることも事実なので、公共交通機関でのマナー違反、宗教施設での不適切な服装など、場面ごとに求められるルールを理解しておくことが大切です。
まとめ
今回の記事ではシンガポール旅行の時の服装について、現地の気候や文化に合わせた選び方を紹介してきました。日本とは状況が違う分、迷うこともあるかもしれませんが、よく考えて着るものを用意していけば、現地で安心して楽しむことができるはずです。ぜひ旅行前に今回の記事も参考にしてみてくださいね!
◇経歴
教育系企業で国際交流事業をサポートする仕事をし、英語でメールや会議をしていました。
◇資格
・英検(実用英語技能検定) 1級
・TOEICスコア 940
・TOEFL iBTスコア 78
◇留学経験
マレーシアのクアラルンプールにある語学学校に1年間留学して勉強しました。また、高校生の時にニュージーランドの現地の高校に2週間滞在して英語研修を受けたこともあります。)
◇海外渡航経験
マレーシア留学中にシンガポール、タイ、ベトナム、ブルネイ・ダルサラーム王国、オーストラリアに旅行しました。その他、大学生の時に国際交流事業に参加して中国に行ったこともあります。
◇自己紹介
私は中高生時代、自分が留学するなんて考えられないくらい英語が苦手でした。高校の語学研修も後ろ向きな気持ちで行ったのを覚えています。
でも大学入学後に留学生の友達ができてから国際交流に興味を持ち、英語の勉強に前向きに取り組めるようになりました。今でも勉強自体は苦手ですが、海外の友達とのコミュニケーションツールとして使いたいという思いをモチベーションに変えて、頑張っているところです。
英語が苦手な人の視点に立てるライターとして、皆様に楽しんで読んでいただける記事をお届けします!