
日本語でのメール(Eメール)には慣れていても、いざ英語でメールを書かなければならないとなると、どのように書けばいいのか意外と分からないものです。
筆者自身も、オーストラリアで仕事を始めた時、取引先等への英文メールの作成に四苦八苦した覚えがあります。
でも、日本と同じように、ビジネスにおけるメールは、英語であっても定型的な書き方があります。ですので、いくつかの定型、いわゆるテンプレート的な英語表現を覚えておけばそれほど難しくありません。
今回の記事では、ビジネス英語メールが簡単に作成できるように、シーンごとに使える定番フレーズやテンプレートを整理しました。基本構成から応用までをまとめた“辞典”として、日々の英文メール作成に役立ててください。
なお、本記事中の英語例文はアメリカ英語を基本としています。
英文ビジネスメールの基本構成
最初に、英文ビジネスメールの基本構成について解説します。
英文ビジネスメールは次のような要素で構成されるのが一般的です。 各要素は後で例文とともに詳しく説明します。
・件名(Subject Line):
いわゆる「メールのタイトル」です。受信者が内容をひと目で把握できるように、短いフレーズで要点を端的に示すことが大事です。
・宛名・冒頭あいさつ:
日本語だと「〜様」などにあたる部分と、その後に続く簡単なあいさつです。さらに、メールの目的を端的に述べます。
・本文:
中心となるメールの本文部分です。ビジネスメールの場合は、「短く」「分かりやすく」を特に心がけます。
・結び:
メールの最後を締めくくる部分です。相手へのお礼、また、定型的な結びの言葉などを記します。結びの言葉の後に自分の名前を記します。
次に、それぞれの書き方や具体的な表現例を見ていきましょう。
件名(Subject Line)の書き方
件名、つまりメールのタイトルは、簡潔かつ内容がひと目で伝わるようなものが理想的です。
日本語の場合、「〜につきまして」「〜の件」などと書くことが多いですが、英語では必ずしも「About 〜」「Regarding 〜」などと書く必要はありません。
では以下に、シチュエーション別に英語での件名の例を挙げましょう。
なお、以下の例文では見栄えをよくするためにすべての単語の先頭文字を大文字にしていますが、これは必須ではありません。
何かを依頼する場合
Invoice Request
請求書ご送付の依頼
Request for Approval: Budget Plan Q3
第三四半期予算案に対する承認依頼
Action Required: Approval for Budget Plan
予算案に対する承認要請
Assistance Needed: System Access Issue
システムアクセス問題に関する支援要請
Requesting Documents for Annual Report
年次報告書のための書類要請
何かを確認する場合
Meeting Confirmation: Aug 22 at 10 AM
8月22日午前10時の会議の確認
Order Confirmation: #56789
商品番号56789に関する注文確認
Confirmation of Attendance – Training Session
トレーニングセッションへの参加確認
案内や通知
Invitation: Product Launch Webinar on Sept 5
9月5日の商品発売ウェビナーへのご招待
Schedule Update: Project Alpha
アルファ計画の最新スケジュール
New Policy Announcement: Remote Work Guidelines
リモートワークに関する最新方針について
何かを提案する場合
Proposal: Partnership Opportunities in the APAC Region
APAC地域におけるパートナーシップ提案
Suggested Agenda for Next Team Meeting
次回のチーム会議における議題提案
Draft Plan for Marketing Campaign 2025
2025年マーケティングキャンペーンのドラフト計画案
進捗などの報告
Weekly Progress Report – Project Beta
ベータ計画に関する週間進捗状況
Status Update: Client Feedback on Draft
ドラフト(下書き資料)に関する顧客のフィードバック報告
Monthly Sales Report – July 2025
2025年7月期 月間販売レポート
催促・リマインダー
Payment Reminder: Invoice #12345 Due Aug 31
請求書12345番の支払い期限は8月31日です
Friendly Reminder: Response Needed by Friday
念のためのリマインダー:金曜日までにご返事を
Follow-up on Previous Email – Awaiting Your Feedback
前のメールに関する再度のご連絡ーご回答をお待ちしています
件名を書く時のポイントまとめ
・日本語のメールは、件名が文のようになる傾向がありますが、英文メールの場合、上の例を見ても分かるように、名詞句で要点をズバッと記すことが多いです。
・「Request」「Confirmation」「Reminder」など、件名の最初に目的を明記すると、ひと目で内容が伝わります。
・「:(コロン)」などを上手に使って具体的項目を端的に入れ込むと、より分かりやすくなります。
・同様に、日付や商品番号等を入れると分かりやすくなります。「Project Update – Aug 2025」「Invoice #2025-08」などとすれば、相手も管理や検索がしやすくなります。
・回答や対応を求める場合は「Action Required」「Response Needed」などといった言葉を加えると効果的です。
・「Hello」や「Question」のような抽象的な言葉だけを件名にするのは避けましょう。
宛名・冒頭あいさつ
次は相手の名前や冒頭のあいさつです。
まずは相手の名前から。
宛名の書き方
相手の名前を書く際は、ビジネスメールでは「Dear」で始めるのが一般的です。名前の後に「,(カンマ)」を入れて改行し、1行または数行空けます。
名前に敬称などを付けるかどうかによって書き方が変わります。
・初めて/フォーマルな場合
「Dear」の後に、相手が男性の場合は「Mr.」、女性の場合は「Ms.」という敬称を付け、ラストネーム(姓)のみを書くのが一般的です。
Dear Mr. Smith,
スミス様
Dear Ms. Johnson,
ジョンソン様
未婚女性を表す「Miss」、既婚女性を表す「Mrs.」という敬称は、特にビジネスシーンではほとんど使われません。相手がそれらを使うことを望んでいる場合のみ使います。
相手が医師あるいは博士号を持つ場合は「Dr.」を付けます。
Dear Dr. Brown,
ブラウン様
敬称ではなく職場での肩書を付ける場合も、一般的にはラストネームのみを書きます。
Dear Head Manager Smith,
統括マネジャー スミス様
Dear Professor Johnson,
ジョンソン教授
肩書を付ける場合は「Mr.」「Ms.」などの敬称は付けませんので注意しましょう。
相手の名前が不明な場合は次のように書きます。
Dear Sir or Madam,
ご担当者様
やや固い表現ですが、次のフレーズもよく使われます。
To Whom It May Concern,
関係者様
名前は分からないけれども、相手の部署が分かっている場合は次のように書くこともできます。
Dear Sales Manager,
販売責任者様
・カジュアル/日常的な場合
ビジネスにおいても、相手と親しくなった場合などは、カジュアルな書き方をすることもあります。
この場合は、「Dear」「Hi」「Hello」などの後に、相手のファーストネーム(名)を続けます。「Mr.」などの敬称は付けません。
Dear John,
ジョンヘ
Hi Alex,
アレックスへ(こんにちはアレックス)
Hello Emma,
エマへ(こんにちはエマ)
いずれも、親しくなった場合ですので、最初からこうした宛名を使うのは避けた方が無難です。
冒頭のあいさつと出だし
次は冒頭のあいさつと、メール内容を端的に示す出だしの部分です。
・冒頭のあいさつ
日本語では「いつもたいへんお世話になっています。」などと書くのがビジネスメールの常識となっています。
一方、英文ビジネスメールにおいては、日本語ほど“必須”の冒頭表現はありません。よく見かけるのは次のようなフレーズです。ただし、必ずしも毎回入れる必要はありません。すぐに要件に入る方が好まれる傾向にあります。
I hope this email finds you well.
お元気のことと拝察いたします。
I hope you are doing well.
お元気のことと拝察いたします。
Thank you for your continued support.
平素よりご支援ありがとうございます。
上の例の最後のフレーズは日本語の「お世話になっております」に比較的近いですが、日本語だと初対面の相手でも「お世話になっています」と記す習慣があるのに対し、英語の場合は実際に取り引きが続いている相手などに使います。
初めての相手にこのフレーズを使うと相手がとまどってしまうケースもありますので注意しましょう。
また、相手からもらったメールに対する返信の場合は、次のようなフレーズから始めてもよいでしょう。
Thank you for your email.
メールありがとうございます。
Thank you for your prompt response.
早速のご返信、ありがとうございます。
・本文の出だし
内容に応じて変わってきますが、「なぜこのメールを書いているのか」という目的を簡潔に伝えるのが大事です。いくつかの具体的なフレーズ例を挙げます。
I am writing to ask for your support with…
〜に関して教えていただきたく、メールを書いています。
I am writing to confirm…
〜に関して確認したく、メールしております。
上の2つの例のように、「I am writing to〜」は使用頻度の高い表現です。「〜するためにメールを書いています」という意味になります。
I am pleased to inform you that…
〜をお知らせできることを嬉しく思います。
This is to let you know about…
これは〜についてお知らせするメールです。
This is regarding…
これは〜に関するメールです。
*以下の、Native Camp ブログ記事もご参考に!
https://nativecamp.net/blog/20250125_english_phrases
結びのフレーズ集
ここでは、本文の最後のまとめ部分と、定型的な結びの言葉をご紹介します。
日本語の場合「引き続きどうぞよろしくお願いいたします。」といった表現が定番です。英文ビジネスメールの場合、ここまで固定化されたフレーズはありませんが、目的に応じてよく使われるフレーズがありますので参考にしてください。
逆に、日本語メールでは「敬具」「草々」といった結びの言葉を使うことはほとんどありませんが、「Best regards,」といった結びの言葉を英文ビジネスメールではよく使います。
本文のまとめ部分の表現
以下の表現は目的別に分類していますが、複数の表現を組み合わせて使うこともできます。
・回答・返信をお願いする場合
I look forward to your reply.
ご回答をお待ちしております。
Your feedback would be greatly appreciated.
ご返信(フィードバック)をお待ちしております。
Please let me know if you have any questions.
ご質問等ございましたらご連絡ください。
Let me know if you need anything.
必要なものがありましたらご連絡ください。
・今後のやり取りを前向きに示す場合
I look forward to working with you.
ご一緒にお仕事ができることを楽しみにしています。
I am confident that we can achieve great results together.
素晴らしい結果を出せることを確信しております。
I look forward to our continued partnership.
引き続きの取り引きを期待しております。
・感謝を伝える場合
Thank you for your cooperation.
ご協力ありがとうございます。
I appreciate your support.
ご協力ありがとうございます。
Many thanks for your prompt attention to this matter.
本件につきまして、早急なご対応をいただき感謝申し上げます。
結びの言葉と署名
日本語のメールでは「敬具」「草々」などのいわゆる結語を使うことはあまりありませんが、英文メールでは定型的な結びの言葉を書き添えるのがビジネスメールで一般的です。
この結びの言葉を日本語に訳すのは難しいですが、あえていうなら「ありがとうございます」「失礼します」といったところでしょうか。
最も汎用性が高いのが次の3つです。最後に「,(カンマ)」を付けます。
Best regards,
Kind regards,
Sincerely,
ビジネスにおいてはこの3つで十分ですが、より丁寧なものとしては、
Yours sincerely,
Respectfully yours,
といった表現もあります。
これらの結語の後、改行し、自分の名前を書きます。自分の名前はフルネーム(ファーストネーム、ラストネームの順)で書くのが一般的です。
Best regards,
Taro Yamada
それでは失礼いたします。
山田太郎
上では改行の後にすぐ名前を書いていますが、バランスよく見せるために間に1〜2行空白行を入れることもあります。
以下は、会社や部署名、電話番号等を記したい場合の記述例です。
Best regards,
Taro Yamada
Senior Consultant | Global Business Division
XYZ Ltd.
Tel: +81-92-123-4567
Email: taro.yamada@xyz.com
上のように、会社名や部署名や肩書は「肩書→部署名→会社名」の順で書きます。電話番号には国番号を付けておくようにしましょう。
テンプレートまとめ|用途別・カテゴリ別一覧表付き文例集
最後は、主として本文部分を書く時に役立つような表現のテンプレート集です。
ビジネスには数多くのシーンがありますので、もちろんこれだけではすべてをカバーすることはできませんが、適宜アレンジして使ってください。
何かを依頼する場合
相手に何かをしてほしい場合は、「Could you please 〜 ?」というのがよく使われる表現ですが、より丁寧さを出したい時は、以下のような言い方があります。
I would appreciate it if you could…
〜していただけましたら幸いです。
It would be appreciated if you could…
〜していただけましたら幸いです。
以下、具体的な文面の例です。
I would appreciate your approval of the attached budget proposal. Please let me know if you have any concerns.
添付の予算案への承認をいただけましたら幸いです。ご不明の点がございましたらお知らせください。
Could you kindly provide me with the updated sales report by August 25?
最新の販売報告を8月25日までにお送りいただけませんでしょうか。
何かを確認する場合
何かを確認したい場合は「確認する」という意味の「confirm」がよく使われます。
I would like to confirm our meeting scheduled for August 30 at 2 PM via Zoom. Please confirm your availability.
8月30日午後2時の、Zoomでの会議スケジュールの確認をしたく存じます。ご都合のほどをご確認ください。
This is to confirm that we have received your order #56789. The items will be shipped by August 28.
商品番号56789番のご注文を承りました。商品は8月28日までに発送されます。
案内や通知
何らかのお知らせ、招待、また、会社の方針変更の通知などです。
You are cordially invited to our Product Launch Webinar on September 5. Please find the registration link below.
9月5日の新商品発表ウェビナーにご招待させていただきます。下の登録リンクからご登録ください。
We are pleased to inform you that a new remote work policy will take effect from October 1. Please see the attached document for details.
10月1日より、新しいリモートワーク指針が実施されることをお知らせいたします。詳細につきましては添付の書類をご覧ください。
何かを提案する場合
「We would like to propose 〜.」といった表現がよく使われます。
We would like to propose a potential partnership opportunity. Please review the attached draft and share your feedback.
パートナーシップ締結についてご提案させていただきたく存じます。添付のドラフト案をご覧いただき、ご意見をお聞かせください。
進捗などの報告
Please find below the weekly progress report for Project Alpha. Key updates are as follows: …
以下の、アルファ計画の週間進捗報告をご覧ください。以下のような点が主要なアップデートです:〜
I am writing to share the client’s feedback on the draft proposal. Please see the summary below.
初期提案に関する顧客のフィードバックをお知らせいたします。以下のサマリーをご覧ください。
催促・リマインダー
This is a kind reminder that invoice #12345 is due on August 31. We would appreciate your prompt payment.
12345番の請求書は8月31日であることを謹んでお知らせいたします。早急なお支払をよろしくお願いいたします。
Just following up on my previous email. Could you please share your response by Friday?
前回のメールのリマインドです。金曜日までにご返答いただけますでしょうか。
まとめ
今回は、ビジネス英文メールの基本的構成から、具体的・実用的な英文表現例をご紹介しました。
最初はとっつきにくい英文メールですが、いくつかの定型表現を自分のものにしておけば、あとはそれを応用していくだけです。
今回ご紹介したフレーズや文例を必要に応じてアレンジしながら活用してください。
◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇留学経験
アメリカ・サンディエゴに語学留学(2カ月)の経験あり
その後、オーストラリア・シドニーに大学院留学(2年)の経験もあり
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。