最近フィリピンのセブ島は旅行や留学先としてとても人気があります。近いですし、安く行けて気候も安定しているので、たくさんの日本人が出かけます。
誰でもセブに行った時は、元気に快適に過ごせることを期待するはずです。ただ、海外へ行き滞在するとなると、その間に病気やケガをする可能性は全くないとは言い切れません。
「もし具合が悪くなったら、すぐに診てもらえる病院はある?」
「日本語は通じる?」
そんな心配があるのも当然です。ここでは、
セブの病院事情や費用、日本語対応可能な病院などを詳しくご説明致します。
- セブの医療事情・制度
- セブの病院の費用目安
- 日本語対応(ジャパニーズヘルプデスクサービス)可能なセブの総合病院
- ジャパニーズヘルプデスクサービス利用時の注意点
- その他のセブにある病院
- 病院で使える英語表現
- まとめ
セブの医療事情・制度
セブの医療制度は、公的医療制度と民間医療・保険の二本立てになっています。
公的医療制度(PhilHealth)
公的医療制度(PhilHealth)は、政府主導の医療保険制度です。これには国民の7割が加入し、この制度を利用して治療を受けています。
しかし、国民全員が加入しているわけではなく、非加入者はその都度支払いをしなければならないために、病院にかかりたがらない人がいることが課題となっています。
公的医療制度(PhilHealth)は、公立病院の診察料の一部(50~90%)をカバーしますが、保証額が少ない場合もあるので民間の医療保険にも加入する人もいます。
これは外国人の永住者や就労者でも使える制度です。
民間医療・保険
私立病院のような民間の医療サービスでは、公的な病院より高度な診療を提供しています。診療費は自費か民間保険でカバーします。
都市部の民間病院は英語対応できる医師が多く、水準も高いです。ですから、かなりの外国人や富裕層が私立病院を利用しています。
民間保険としては、HMO(Health Maintenance Organization)があり、提携病院でのキャッシュレス診療も受けられます。
フィリピンに滞在中の日本人の場合、軽度のけがや病気ならば日本よりも安く治療が受けられますが、高度な治療や手術を受けると高額になるので、海外医療保険に入っておくのがおすすめです。
セブの病院の費用目安
セブの病院で診察や治療を受けたり、入院したりすると以下のような費用がかかります。
・診察料
地元のクリニック
診察料は300~800ペソ(約800~2000円)
私立総合病院
診察料は1000~2500ペソ(約2500~6000円)
・治療や検査
風邪、胃腸炎などの軽度な疾病
診察と薬代は1000~3000ペソ(約2500~7500円)
血液検査、レントゲン、点滴などの検査や処置
3000~10000ペソ(約7500~25000円)
・救急搬送
公立病院の救急車の場合: 500~1500ペソ(約1300~4000円)
私立病院の救急車の場合: 200~5000ペソ(約5000~13000円)
民間の救急サービスの場合: 5000~10000ペソ(約13000~25000円)
日本と違い、セブで救急車を呼ぶのは有料なので注意してください。
・入院費用
公立病院の場合
一泊あたり500~1000ペソ(約1300~2500円)
個室は1000~2500ペソ(約2500~6000円)
診察、治療費、薬、食事代は別途ですが、かなり安価です。
合計で一泊あたり1000~5000ペソ(約2500~13000円)
私立病院の場合
一泊あたり2000~4000ペソ(約5000~10000円)
個室や特別室は4000~20000(約10000~50000円)
診察料、投薬、検査、食事代は別途です。
合計で一泊当たり、8000~20000ペソ(約20000~50000円)
公立の病院と私立病院とでは、かなりの費用の差があります。公立病院の場合は費用は安めですが、混雑しており、待ち時間が長いことがネックです。
海外保険に入っているならば、設備の整った、清潔で安心感のある私立病院に行くのがおすすめです。
日本語対応(ジャパニーズヘルプデスクサービス)可能なセブの総合病院
セブでは次の3つの病院が日本語対応が可能となっています。
・セブホスピタルマンダウエ(Cebu chong hua mandaue hospital)
・UCメディカルセンター(University of Medical Center)
セブドクターズホスピタル(Cebu Doctors’ University Hospital)
セブ市にあるセブドクターズ大学に併設されている大学病院。ベッド数は300床ですが、優秀な医師が多く、高度な診察、治療が受けられます。
セブ島の留学生には頼りになる病院です。
住所 Osmena Blvd., Cebu City, Cebu
TEL +63-32-255-5555
診療科目 総合(歯科あり)
JHDオフィス営業時間 月-土 8:00-17:00|日祝休|24時間キャッシュレス対応あり
予防接種 対応可能(要予約)
健康診断 対応可能(要予約)
セブホスピタルマンダウエ(Cebu Chong Hua Mandaue Hospital)
660床ある大きな私立病院です。24時間対応の救急センターで、専門性の高い医療ケアを受けられます。
住所 Mantawi International Drive, Subangdaku, Mandaue City, Cebu
TEL +63-32-233-8000
診療科目 総合(歯科あり)
JHDオフィス営業時間 月-土 8:00-17:00|日祝休|24時間キャッシュレス対応あり
予防接種 対応可能(要予約)
健康診断 対応可能(要予約)
UCメディカルセンター(University of Medical Center)
2015年に開設された新しい総合病院で、300床あります。日本通の先生が丁寧に診察しており、人気があります。
住所 Ouano Ave., Subangdaku, Mandaue City, Cebu
TEL +63-32-517-0888
診療科目 総合(歯科あり)
JHDオフィス営業時間 月-土 8:00-17:00|日祝休|24時間キャッシュレス対応あり
予防接種 対応可能(要予約)
健康診断 対応可能(要予約)
ジャパニーズヘルプデスクサービス利用時の注意点
ジャパニーズヘルプデスクは海外旅行保険に加入している人が、病気やけがのときに受けられる病院窓口です。
英語が十分に話せない人のために、日本人スタッフが医療通訳をしてくれます。具合が悪いときにはこのサービスは本当にありがたいです。
具体的に、ジャパニーズヘルプデスクサービスを受けるときの手順と注意点をまとめてみました。
・病院へ行って受付をする
・診察を受ける
・会計をして処方してもらう
・注意点
診察の予約と持ち物の用意
①ジャパニーズヘルプデスクのある病院を捜し、電話予約をする。
診察の希望時間帯や症状、海外保険の有無を知らせます。
予約なしだと長く待つこともあるので、予約は必須です。
②必要な持ち物を用意します。
パスポート、海外旅行保険証、クレジットカード、マスクなどが必要です。
病院へ行って受付をする
③予約した時間に合わせて病院へ向かいます。
タクシーを利用するのがいいですが、歩けないほど具合が悪いときは、学校のスタッフや友人に付き添いを頼みましょう。できるだけ、ジャパニーズヘルプデスクの近くに車をつけてもらって降ります。
ジャパニーズヘルプデスクで、日本語で書かれた問診票に氏名、学校名、住所、症状などを記入し、パスポートや保険証を提示して受付をします。
診察を受ける
フィリピン人の先生は日本語を十分に話せないことが多いですが、診察には日本人スタッフが付き添い、通訳をしてくれます。
採血や検査が必要なら、病院のスタッフが案内してくれるので、それに従って検査等を受けてください。
会計をして処方してもらう
会計では、キャッシュレス決済の保険に加入している場合、現金は不要です。そうでない場合は、現金かクレジットカードで支払いをします。
薬はジャパニーズヘルプデスクを通して受取り、薬の飲み方についても説明を受けます。
注意点
ジャパニーズヘルプデスクのサービスを受けるには、以下のことに注意してください。
・ジャパニーズヘルプデスク対応の海外旅行保険に加入していることが必要です。
多額の現金を持ち歩かなくて済むように、キャッシュレスサービスをしてくれる保険がなおいいです。
・クレジットカードに海外保険の付帯の種類を確認
クレジットカードには海外旅行保険がついているものがありますが、クレジットカードを持っているだけで自動的に海外保険がついているものと、条件付きのものがあるので、出国前に確認しておきましょう。
・付帯条件、補償範囲、補償額の確認
クレジットカードにより海外旅行保険の付帯条件や補償範囲や補償額が異なります。 あらかじめ出国前に確認し、スムーズに海外旅行保険を使えるようにしておきましょう。
・補償期間の確認
クレジットカードについている補償期間は、渡航日から90日以内となっているます。 長期に滞在する場合は、他の海外旅行保険に加入することも検討する必要があります。
その他のセブにある病院
セブ島には大学病院などの総合病院以外に、日本人のための日本語対応病院があります。
「ことびあクリニック」はセブ島にいる日本人滞在者のために、24時間日本語での相談が可能です。
ことびあクリニックでは、日本人通訳が同席するので言葉の壁で悩むことはありません。
診療科は小児科、皮膚科、婦人科、耳鼻科、整形外科、心療内科など多岐に渡ります。
LINEのビデオ通話を利用したオンライン診療もあります。また、処方薬は滞在先まで届けてもらえるので、取りに行く必要がありません。
海外旅行保険に対応していて、キャッシュレスの診察が可能なのも強みです。
セブ島のことびあクリニックには次の3か所の拠点があります。
・ことびあクリニック ARC Hospital
・ことびあクリニック Chong Hua Hospital Mandaue
ことびあクリニックUCMed
外来診療 9時00分~17時00分
オンライン診療 9時00分~21時00分
救急外来対応 9時00分~21時00分
ことびあクリニック ARC Hospital
外来診療 9時00分~17時00分
オンライン診療 9時00分~21時00分
ことびあクリニック Chong Hua Hospital Mandaue
住所 Room 847, Mantawi Drive, Subangdaku Mandaue city, 6014, Cebu
外来診療 9時00分~17時00分
オンライン診療 9時00分~21時00分
多くの日本人滞在者や旅行者が利用しています。 いつでも日本語対応のクリニックがあるのは本当に心強いですね。
病院で使える英語表現
ここでは、病院で留学中の学生が患者の場合に予想される英語表現を紹介します。
受付で
"I have student insurance. Do you accept this?"(学生保険があるのですが、使えますか?)
"This is my first visit."(初めて来ました)
症状を伝える
"I’ve been coughing for three days."(3日前から咳が出ています)
"I feel very tired and weak."(とてもだるくて、力が出ません)
"I think I caught a cold."(風邪をひいたと思います)
病歴や状況を伝える
"I came to this country two months ago to study."(2か月前に留学で来ました)
"I live in a dorm, and many students are sick now."(寮に住んでいて、他の学生も体調を崩しています)
薬の説明を受ける・聞く
"Are there any side effects?"(副作用はありますか?)
医師からのよくある質問リスト(英語と答え方例)
医師の質問(英語)と答え方(留学生の場合)
"When did it start?"(いつ始まりましたか?)
"It started two days ago.(2日前からです)
"How bad is the pain?"(痛みの程度はどのくらいですか?)
"It’s mild / moderate / severe."(軽い / 中程度 / ひどい)
"Do you have a fever?"(熱はありますか?)
"I had a fever last night."(昨晩熱がありました)
"Have you taken any medication?"(薬は飲みましたか?)
"I took some painkillers."(痛み止めを飲みました)
"Do you have any allergies?"(アレルギーはありますか?)
"No, I don’t."(ありません)
"Yes, I’m allergic to penicillin."(ペニシリンにアレルギーがあります)
"Are you under any stress?"(ストレスを感じていますか?)
"Yes, I’ve been stressed with exams."(試験でストレスがあります)
病院で役に立つ英語表現
・内容をよく理解できないとき
"I’m sorry, could you explain that again?"(すみません、もう一度説明してもらえますか?)
・メモをお願いしたいとき
"Could you write it down for me, please?"(書いてもらえますか?)
・おすすめの薬局を聞く
"Where is the nearest pharmacy?"(近くの薬局はどこですか?)
・診断書が必要なとき
"Can I get a medical certificate for school?"(学校に提出する診断書をもらえますか?)
以上のような表現を覚えておけば、日本人スタッフが間に合わないときでも、慌てずに診察を受けることができます。
また、医療に特化した単語は普段使わないものが多いので、念のため電子辞書などを手元に用意しておいて、難しい医療表現をチェックするのが確実です。
まとめ
セブ島で病院にかかるには、次のようなことに気を付けましょう。
・キャッシュレスサービスのある海外保険に加入していれば支払いの心配はない
・セブの日本語対応の病院はセブドクターズホスピタル、セブホスピタルマンダウエ、UCメディカルセンターなどがある
・24時間日本語対応でオンライン診療の受けられることびあクリニックは非常に便利
・病院にかかるときに使う基本的な英語表現を覚える
病気にも万全の備えをして、旅行や留学を思いきり楽しみましょう。

◇経歴
高校英語教師2年、イギリス滞在1年、帰国後幼児英会話指導員10年を経験
◇資格
英検2級
◇留学経験
国内英語研修2回
◇海外渡航経験
イギリスに1年間滞在しました。幼児がいたため学校には行けませんでしたが、イギリス人の元ラテン語教師について個人的に英会話の勉強をしました。長年の夢だったイギリス生活は毎日が冒険でしたが、イギリス人の寛容さに助けられ、英語力をつけることができました。一番の収穫は、あらゆることをグローバルな視点で考えることができるようになったことでした。帰国後は在日外国人の手助けをするなど、イギリス滞在経験を生かす努力をして、自分自身も楽しんでいます。
◇自己紹介
12歳で英語の勉強を始めて以来の英語好きです。
英語の勉強にショートカットはありませんが、やればやっただけ成果が上がるのが語学の勉強です。
現在英語を勉強している人、これから本腰を入れて勉強しようとしている人たちと、私がイギリス生活で学んだことを共有し、英語の勉強の楽しさを知っていただけたら幸いです。