
「いよいよ念願のアメリカ旅行!」 まとまった休暇をとって、ホテルや航空券の予約、現地の観光スポットやグルメを調べて心踊らせている時に、気になるのは「入国手続き」のことではないでしょうか?
アメリカは、多くの国と比べると「入国審査・ビザ審査が厳しい国」と言われます。
主な理由としては、2001年の同時多発テロ以降に入国管理が厳格化していること、アメリカへの不法滞在や不法就労が多いことから、外国人の入国に厳しい体制を敷いているためです。
入国審査では「本当にこの人は観光目的の入国か?」「日本に帰国意思があるか?」が問われています。
日本人は多くの場合、「ESTA(Electronic System for Travel Authorization 電子渡航認証システム)」という簡易的な手続きで入国できます。
しかし、観光目的の渡航でも場合によっては、観光ビザの取得が必要なことがあります。
渡航直前になって飛行機に乗れないということにならないよう、この記事では、ESTAと観光ビザの違いや観光ビザが必要な場合や取得方法を詳しく解説します。
アメリカ旅行で観光ビザが必要なケース

前述の通り、観光目的でアメリカに渡航する場合、多くの日本人はESTAで入国できます。
ESTAとは、「ビザ免除プログラム(VWP:Visa Waiver Program)」を利用できるということです。
「日本のように信頼関係がある国の国民なので、厳しいビザ審査は免除をしましょう。」ということですが、ESTAはビザではないので注意してください。
一方、特定の場合は観光目的でもビザが必要です。以下の場合、観光ビザが必要なため、条件を確認しましょう。
1. 90日を超える長期滞在をする場合
ESTAでの最大滞在日数は90日間です。91日以上の長期旅行の場合は、観光ビザ(B−2)の取得が必要です。
2. 特定の国への渡航歴がある場合
2011年3月1日以降にイラン、イラク、北朝鮮、スーダン、シリア、リビア、ソマリア、イエメンに渡航したことがある方(公務による渡航の場合は例外あり)、2021年1月12日以降にキューバに渡航したことがある方は、ESTAが利用できません。
3. 特定国との二重国籍者
キューバ、イラン、イラク、北朝鮮、スーダン、シリアのいずれかの国籍を持つ二重国籍者は、ESTAを利用できません。
※これらの情報は最新の大使館情報で確認をしてください。
4. 過去にアメリカのビザ却下や強制送還の経験がある場合
過去に何らかの原因で入国拒否やビザ却下の経験がある方は、ESTAが通らない場合が多いです。
5. ESTAの申請で、渡航認証が拒否された場合
ESTAを申し込んだけれど通らなかった場合、大使館で面接を受けてビザを取得するしか方法がありません。
理由は明かされませんが、ESTA入国の拒否例としては、滞在期間超過や犯罪歴がある場合があります。
アメリカの観光ビザにおける基本情報
アメリカの観光ビザの正式名称は、「B−2ビザ」です。商用目的(B−1)と併せて「B−1/B−2」として発給されます。観光ビザ取得の際に最も重要なのが、
を証明できることです。
申請資格
アメリカの観光ビザの申請は、以下の目的で渡航する人が対象です。
| 目的 | 観光・休暇、親族や友人の訪問、医療目的、趣味、ボランティアなどの非営利活動への参加 |
| 帰国の意思 | 日本での仕事、就学、家族の存在など、米国に定住する意思がないことを示す確固たる証拠 |
| 資金 | 滞在期間中のすべての費用を賄うために十分な資金を所持しているという証明 |
有効期限
B−2ビザの有効期限は、通常10年間です。有効期限内の10年間であれば、何度でもアメリカに入出国することができます。
ただし、これは「滞在できる期間」ではないので注意が必要です。
取得方法
B−2ビザの取得方法でESTAとの大きな違いは、大使館での面接が必要か否かにあります。
ビザの取得の流れは以下の通りです。
1. 米国務省サイトでDS−160申請書を作成
学歴や職歴、家族構成、国籍、直近5回の渡米歴などを回答します。全ての質問には英語で回答する必要があります。
オンラインで記入をしますが、一時保存を忘れるとデータが全て消えてしまいます。なるべくこまめに「Save」ボタンを押すようにしましょう。
また、現在のフォームでは過去5年間に使用したSNSのユーザー名の入力を求められます。
虚偽の申告が発覚した場合、将来の渡航・ビザに重大な影響につながる可能性があります。絶対に嘘をつかないようにしましょう。
2. ビザ申請料を支払う
申請料金185ドル、クレジットカード等で支払います。
3. 面接の予約
東京の大使館、大阪、札幌、福岡、沖縄の総領事館で面接を予約します。
4. 面接をする
実際に現地の大使館・領事館で面接をします。質問は英語で行われますが、頼めば通訳を依頼することもできます。
英語力が試されてはいないので、過度に心配する必要はありません。
回答のポイントとしては、「嘘をつかず、余計なことを言わず、自信を持って回答する」ことが重要です。
大使館のセキュリティは厳格で、持ち込めるものは限られており、大きなバッグやノートパソコン、USBメモリの持ち込みはできません。
公式情報を事前に確認するようにしましょう。多くの場合、審査の結果はその場で分かります。
5. パスポート返却
審査で問題がなければ、面接後約2週間ほどで返却されます。
受け取り方法としては、通知メールが届き、東京または大阪のAyobasサービスセンターで窓口受け取りか、Ayobasプレミアム(3,410円)による郵送があります。
必要書類
主に以下の書類が必要になります。以下の他にも場合により、追加の書類の提出を求められることがあります。
アメリカの観光ビザに関してよくある質問
以下では、観光ビザに関してあげられる疑問をQ&A形式で解消します。
アメリカの観光ビザとESTAの違いは?
大きな違いは、観光ビザの方がESTAより滞在可能期間が長く、手続きの手間がかかることです。
| 項目 | ESTA (電子渡航認証) | 観光ビザ (B-2) |
|---|---|---|
| 対象 | 短期観光・商用 (90日以内) |
長期観光・医療など (90日以上、またはESTA不可の人) |
| 申請方法 | Web上で完結 | オンライン書類作成(DS-160) + 大使館・領事館での面接 |
| 費用 | 40ドル ※2025年9月30日以降の新料金 |
185ドル (+書類配送料などの諸経費) |
| 所要期間 | 数時間 〜 3日程度 | 数週間 〜 数カ月 ※面接予約の空き状況による |
| 有効期限 | 2年間 (またはパスポート失効まで) |
原則 10年間 |
| 申請時期 | 渡米の72時間以上前まで推奨 | 渡米の3ヶ月以上前まで推奨 |
アメリカの観光ビザ取得にかかる値段は?
観光ビザ(B−2)の申請料は、185米ドルです。この金額は、ビザがおりなかった場合にも返金はされません。
その他にかかる諸経費としては、証明写真代、大使館へ行くための交通費などがかかります。
ただし、一度支払った申請料金は、ビザが却下されたとしても返金されないので注意をしてください。
アメリカの観光ビザの取得日数は?
ビザ取得までの期間は最低で1〜2ヶ月かかります。DS−160書類の作成に手間がかかる上に、書類作成後に面接予約枠が1ヶ月の場合もあります。
面接終了後も、ビザが添付されたパスポートが郵送で届くまでにも約1週間の期間が必要です。
特に、夏休みや年末年始は混み合うので早めの準備が必要です。
アメリカの観光ビザを取得したときに可能な滞在日数は?
観光ビザは、有効期間10年間の間ずっと滞在できるわけではありません。
1回の滞在につき何日滞在できるかは、入国審査の際に審査官が「あなたは◯月◯日までに滞在できますよ。」というように決定します。
観光ビザ(B−2ビザ)の場合は、通常最大6ヶ月まで許可されます。
アメリカの観光ビザの面接で落ちたらどうなる?
大使館の面接審査が通らないのは、珍しいことではありません。面接に落ちた場合には、面接に落ちた理由が付されます。
最も多い理由としては、「日本へ必ず帰国するという証拠が不十分」というものです(214(b)条項)。
ビザの再申請は可能ですが、不合格の理由にあたる部分が改善されていない場合、結果が同じになってしまうため、再審査にも十分な準備が必要です。
アメリカ旅行の前に観光ビザが必要かどうか確認しよう
ビザ申請で「日本人だから大丈夫」「自分は大丈夫」と考えるのは危険です。
特に、最近ではキューバに旅行する日本人も多いため、ESTAで申請後、空港で搭乗できないというトラブルもあります。
再度以下の項目に自分自身が該当しないかを確認してみましょう。
上記に該当する場合には観光ビザの申請が必要になります。すぐにビザ申請をするようにしましょう。
アメリカの観光ビザ取得は、手間がかかり面倒だと感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、正しく準備をすれば決して難しいものではありません。
観光ビザは10年間有効のビザなので、一度入手すれば、ESTAを更新することなく、長期間のアメリカ旅行が可能になります。
「自分の場合はどうなのだろう?」と迷ったら、米国の大使館のHPを参照したり、必要であれば実際に問い合わせをしてみましょう。
観光ビザが必要なことを知らずに、せっかくのアメリカ旅行が台無しにならないよう、しっかりと準備を進めてくださいね。この記事がお役に立てば幸いです。
◇経歴
・国際教養学部卒業
・外資系企業に勤務経験があり、アドミや会計分野で、インド人、カナダ人、オーストリア人、フランス人など様々な国の出身の同僚と働いた経験があります。
◇資格
英検1級、TOEIC 900点、IELTS 7.5 など
◇留学経験
大学時代に交換留学プログラムでイギリスの大学へ1年間留学し、リサーチの基礎や英語学について学びました。
◇海外渡航経験
・高校時代にシンガポールで3週間ホームステイをし、現地の高校で授業を受講した経験があります。
・大学留学中は休暇を利用してヨーロッパ各国を旅行し、多様な文化に触れました。
◇自己紹介
英語が好きで、子どもの頃から自ら進んで勉強してきましたが、日本式の文法やリーディング中心の学習方法では、なかなか話せるようにならず、苦労した経験があります。ネイティブキャンプでの英会話に助けられました。
英語学習に役立つ情報をまとめたブログも運営しておりますので、よろしければご覧ください。
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