「サマースクールに参加してみたいけど、どうやって選んだらいいの?」
結論から言うと、サマースクールにはさまざまな種類があるため、参加する「目的」をはっきりとさせることが大切です。
中学生がサマースクールに参加すると、英語力の向上はもちろん、自立心や国際感覚を養う体験ができ、将来の選択肢を広げる効果があります。
この記事では、元中学校英語教員で留学経験のある筆者が、国内外で行われるサマースクールの魅力や選び方のポイントまでわかりやすく解説します。
- サマースクールとは?中学生にとっての意義とメリット
- 国内で参加できる英語サマースクールの紹介
- 海外でのサマースクール体験
- サマースクールの選び方:目的別プログラムの選定ポイント
- 参加前に準備すべきこと:持ち物と心構え
- まとめ
サマースクールとは?中学生にとっての意義とメリット
サマースクールとは、夏休みに国内外で開催される教育プログラムです。
中学生でサマースクールに参加する主なメリットは4つあります。
・ネイティブが話す英語に触れられる
・異文化を体感できる
・自立心や問題解決能力を育成できる
・英語学習のモチベーションが高められる
ここでは中学生向けサマースクールの種類や、どのような効果が期待できるかについて詳しく紹介します。
サマースクールは体験を通じて成長できる
サマースクールの期間は1日〜2週間程度と幅広く、通学型のデイキャンプから宿泊を伴う本格的なプログラムまでさまざまです。
たとえば、以下のような体験プログラムがあります。
種類 | 主な体験内容 | 期待できる成長 |
①英語特化型 | ・ネイティブとの会話 ・プレゼンテーション ・ゲームやアクティビティ |
英語力や自己表現力が高まる |
②国際交流型 | ・多国籍の友人との共同生活 ・文化交流イベント ・異文化体験ワークショップ |
・多様性への理解が深まる ・自国文化の魅力に気付ける |
③スポーツ・芸術スキル向上型 | ・専門的なスポーツトレーニング ・音楽、美術などの創作活動 |
・自己表現力が高まる ・異文化を融合させた「新しい表現方法」を生み出す力が育つ |
明確な目的を持ってプログラムを選ぶと子どもの意欲が高まり、サマースクールでの体験がより深い学びと成長につながります。
成功体験が将来の選択肢を広げる
中学生にとって異なる環境での成功体験は、将来の可能性を広げることにつながります。
たとえば、サマースクールでは以下のような成功体験が得られます。
・全然話せなかった相手と最終日に5分間会話を続けられた
・プレゼンテーションで堂々と発表できた
・言葉が通じない相手とダンスを通じて心を通わせ、発表会で拍手を浴びた
このような成功体験は自信を育み、国際的な職業(通訳や国際NGO職員など)への興味が芽生えるなど、グローバル社会で活躍する自分の姿を具体的にイメージすることにつながります。
国内で参加できる英語サマースクールの紹介
国内のサマースクールは海外渡航の不安がなく、手頃な費用で参加できるメリットがあります。
はじめてのサマースクールには、国内プログラムから始めるのがおすすめです。
①東京でアメリカの大学キャンパスを体験できる
テンプル大学ジャパンのサマーカレッジは、将来の留学や国際的な進路を考えている中学生におすすめです。
三軒茶屋にある本物のアメリカの大学キャンパスで、ネイティブ講師による英語レッスンが受けられます。
午前は4技能(読む、書く、聞く、話す)を伸ばし、午後は英語でのディベートやプレゼンテーション、グループプロジェクトに挑戦します。
詳細はこちら:日本でできる中学生の国内留学プログラム|テンプル大学
https://www.tuj.ac.jp/jp/aep/programs/jh-summer-college
②沖縄の自然豊かな環境で英語に浸る
沖縄のリリー・イングリッシュクラブは、自然の中で楽しみながら英語を使いたい活発な中学生におすすめです。
美しい海に囲まれたリゾート施設で、ネイティブスピーカーや帰国子女の講師と共に過ごします。
午前中は少人数制の英語レッスン、午後はシュノーケリングやビーチアクティビティの体験学習をすべて英語で行います。
詳細はこちら:沖縄 English Camp
https://lily-ec.jp/summer_camp/
③大阪でのグローバルな職業体験
ISAのGlobal Carrer Programは、将来は英語を使って国際ビジネスや外資系企業ではたらきたい中学生におすすめです。
大阪を拠点にビジネス英語のレッスンを受けながら、企業訪問や職場体験ができます。
英語での自己PRや企業プレゼンテーションに挑戦でき、ビジネスマナーを学ぶ経験が可能です。
詳細はこちら:宿泊中高生アドバンスドイングリッシュキャンプ in大阪
https://www.isa.co.jp/program/ec_h_gcp_osaka_25sum.html
海外でのサマースクール体験
海外でのサマースクール体験は、本格的な英語環境で言語と文化を同時に学べる絶好の機会です。
英語力に自信がついてきた中学生には、次のステップとしておすすめです。
①グアムで英語とリゾートを満喫
グアムのイングリッシュクラブは、はじめての海外体験を楽しみたい中学生におすすめです。
日本人スタッフも同行するため安心感があり、日本から4時間という距離の近さも魅力です。
午前の英語レッスンと午後のビーチアクティビティや学校訪問など、バランスの取れた英語学習と異文化体験ができます。
この体験を通じて「海外でも自分から話しかける勇気」が自然と身につくでしょう。
詳細はこちら:2025 Guam Summer Program
https://englishclubguam.iterrascorp.com/
②カナダでの本格的な寮生活と多文化体験
CISSは海外の学校生活を体験したい中学生におすすめです。
トロント郊外の美しいキャンパスで、世界40カ国以上から集まる生徒たちと寮生活をしながら、英語漬けの環境に浸れます。
多国籍の学生との共同生活を通して、言葉の壁を越えて友情を築く力が身につき、異文化への理解が深まるでしょう。
詳細はこちら:2025年夏休み トロントサマープログラム
https://www.utd.co.jp/acosta/program/jr-cayyz-ciss2024
③スイス・多言語環境での山岳冒険プログラム
ビレッジキャンプのプログラムは、自然の中での挑戦と国際交流を求める中学生におすすめです。
毎年30ヵ国以上から集まる留学生と共に、壮大な自然環境で英語を学べます。
午前の授業と午後の冒険(ハイキングやマウンテンバイクなどの)活動を通して、英語力やチームワーク、自立心の育成が期待できます。
週末にはチョコレート工場や国連などへの遠足も予定されており、スイスの文化や歴史にも触れられるサマースクールです。
詳細はこちら:Village Camps サマーキャンプ/スイス
https://deow.jp/summer-school/switzerland/village-camps/
サマースクールの選び方:目的別プログラムの選定ポイント
サマースクール選びで重要なのは「参加の目的」を明確にすることです。
以下の目的別プログラムに対して、それぞれ選ぶ際のポイントを紹介します。
・英語力向上
・国際交流
・スポーツや芸術のスキル習得
英語力向上|英語レベルに合わせた選択
英語力アップを目的とする場合、子どもの現在の英語レベルに合わせてプログラムを選択しましょう。
多くのプログラムでは初級・中級・上級とクラスを分けています。
お子さんのレベルに合ったクラスを選ぶことで学習意欲が保たれ、適切な難易度の課題に取り組む環境を作れます。
これにより、お子さんは自信を持って新しい課題に挑戦でき、学びを最大限吸収することにつながるのです。
中学生の場合は英語漬けの時間の長さよりも、「楽しさ」と「適度な挑戦」のバランスが取れたプログラムを選びましょう。
国際交流|他国籍の生徒の割合が高く交流の機会が豊富
国際交流が目的の場合、参加者の国籍バランスと交流プログラムの質を重視して選ぶことが大切です。
以下3つのポイントに注目して選びましょう。
ポイント | 詳細 |
①参加者の国際比率 | 日本人の割合が低く、各国の参加者数に制限がある |
②交流プログラムの内容 | 現地学生との交流セッションやホームステイ、共同プロジェクトなど、深い文化理解につながる活動が含まれる |
③言語サポート体制 | 初めての国際交流でも安心して参加できるよう、必要に応じた言語サポートがある |
短い期間でも他国の学生と深いかかわりが持てるように、積極的なコミュニケーションを促すイベントが用意されたプログラムを選びましょう。
スポーツや芸術のスキルアップ|専門性と異文化理解のバランス
スポーツや芸術のスキルアップを目指す場合、指導者の専門性だけでなく、どのような国際交流があるのかに注目して選びましょう。
たとえば、サッカーのサマースクールに参加する場合、注目すべきは以下のポイントです。
注目するポイント | 詳細 |
①トレーニング方法の多様性 | 自国とは異なるトレーニング方法や戦術を学べる内容か |
②国際試合の機会 | 各国から参加する選手との混成チーム結成や国際親善試合が含まれているか |
③文化交流の機会 | 合宿所で一緒に食事やゲームを楽しむなど、言語や文化を超えたコミュニケーションの機会があるか |
④最終成果発表 | トーナメント大会など、学んだ技術を披露する機会があるか |
上記のような機会があるプログラムを選ぶことで、国際的なチームワークを構築する力を育む機会となるでしょう。
参加前に準備すべきこと:持ち物と心構え
サマースクールを充実させるためには、事前の準備と心構え(マインドセット)が必要です。
持ち物リストと英語学習のコツ
主催者から提示される持ち物リストを参考に準備しましょう。
基本的な持ち物に加えて、以下のものを用意しておくと便利です。
・電子辞書またはスマートフォンアプリ
・日本文化を紹介できるもの(カルタや折り紙、扇子、浴衣など)
・自己紹介(部活動や趣味、好きな食べ物など)
完璧な英語を身につけておく必要はありません。
文法の正確さよりも、積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢のほうがはるかに高い価値があります。
サマースクールで大きく成長するためのマインドセット
サマースクールでは以下3つのポイントを意識すると、短期間でも大きな成長を実現できるでしょう。
参加前にお子さんと話し合い、意欲を高めておくことをおすすめします。
・具体的かつ達成可能な目標を設定する
・完璧を求めずコミュニケーションを楽しむ
・恥ずかしがらずにわからないことは積極的に質問する
このような前向きなマインドセットを身につけておくことで、サマースクールでの体験がより深い学びや成長につながります。
まとめ
中学生がサマースクールに参加するメリットは大きく4つあります。
・ネイティブが話す英語に触れられる
・異文化を体感できる
・自立心や問題解決能力を育成できる
・英語学習のモチベーションが高められる
サマースクールは完璧な英語習得を目指すよりも「新しい体験を楽しむ」というポジティブな姿勢で参加することで、より大きな成長が期待できます。
各国から集まる同世代の仲間と共に学ぶ体験は、グローバルに活躍するための土台を築き、異文化への理解を深められるでしょう。
サマースクールでの素晴らしい体験が、お子さんの人生における貴重な一歩となることを願っています。

◇経歴
・公立中学校英語教師(6年間)
・Webライター(英語学習、金融ジャンル)
◇資格
・中学校・高校英語Ⅰ種
・TOEIC 800点
・実用英語検定準1級
・児童英語教授法(TESOL for Children)
◇留学経験
カナダ(1年間)
多文化共生についてのフィールドワークや、トロント国際映画祭のボランティア活動へ参加しました。
◇海外渡航経験
カンボジアでのスタディツアーで現地の小学校を訪れ、英語で授業しました。
生きるために必死に勉強する現地の子どもたちから刺激をもらい、もっと英語を上達させて彼らと色々な話ができるようになりたいと思い、カナダ留学を決意しました。
◇自己紹介
カナダでの留学経験や英語教師としての実務経験を活かして、英語学習や留学のことで悩む読者の方にとって有益な情報をお届けできたらなと思っています。
具体的なアクションプランを示せるよう意識して執筆します!