「英語を本格的に学びたいけれど、海外留学はハードルが高い」そんな方に注目されているのが「国内英語留学」です。
日本にいながら英語漬けの環境で学べるこのスタイルは、子どもから社会人まで幅広い世代に人気を集めています。
本記事では、国内英語留学のメリット・デメリットを解説するとともに、年代別におすすめのプログラムもご紹介します。是非、自分に合ったスタイルを見つけるための参考にしてください。
国内英語留学とは
「国内英語留学」というのは、名前の通り、日本国内で海外留学のような英語学習体験をするスタイルのことを指します。
従来、英語を本格的に学ぶにはアメリカやイギリス、フィリピンなどの国に行って、現地で英語漬けの生活を送る必要がありました。ただ、時間的・経済的なハードルが高いのも事実です。そこで登場したのが、この「国内英語留学」です。
この学習方法では、日本国内にある英語学習施設や語学学校、またはホテルや研修所などの滞在施設を使って、あたかも海外にいるかのような環境をつくります。
授業や日常会話はすべて英語で行われ、講師にはネイティブスピーカーや英語教育の専門講師が講義を行います。英語での生活体験を通して、実践的な言語スキルを高めることが目的です。
最近では、オンラインと組み合わせた「ハイブリッド型」も増えていて、事前にオンラインで基礎を学んだうえで現地に入り、実践的なアウトプットに集中するスタイルも人気です。
国内英語留学は、「身近で本気の語学体験」といった位置づけになっています。
海外に行かずとも、英語環境に飛び込むことで、今までとは違う形での学びと成長を得ることができるのが大きな魅力です。自分のライフスタイルや目標に合わせて選べる柔軟性もあり、近年ますます注目を集めています。
国内英語留学のメリット・デメリット
メリット
国内英語留学の1番のメリットは、「日本にいながら英語漬けの環境で学べる」という手軽さと実用性です。
海外に行かずとも、集中的に英語を使う機会を持てることで、特にスピーキングやリスニングといった「実践的な英語力」を効率よく伸ばすことができます。
プログラムの多くは短期集中型で、1週間から数週間と期間も選びやすく、学生の長期休暇や社会人の有給休暇を活用して参加しやすい構成になっています。
海外渡航に伴うビザの申請やパスポートの準備、長時間のフライトといった面倒な手続きも不要で、費用的にも航空券や現地生活費がかからないため、トータルで見れば海外留学に比べてかなり経済的です。
もう1つの大きなメリットは、学習に集中しやすい環境が整っている点です。
海外留学ではつい観光や遊びに流されてしまうこともありますが、国内英語留学ではそのような誘惑が少なく、英語学習に集中しやすい傾向があります。
また、講師が日本人学習者の特徴や、日本の文化・英語教育の背景をよく理解していることが多く、細やかで適切な指導が受けられるのも国内留学ならではの利点です。
「なぜ日本人がここでつまずきやすいのか」「日本語の文法的背景と英語の違い」といった点を踏まえた指導ができるため、学びの質がより高まります。
加えて、治安や医療面、食生活といった生活面の不安が少ないことも、安心して学べる要素の1つです。
異国の環境でストレスを感じながら生活する必要がない分、純粋に「英語を使うこと」に集中できます。特に初めて英語に挑戦する人や、海外に出るのが不安な人にとっては、精神的なハードルが非常に低くなります。
デメリット
日本国内でのプログラムである以上、どうしても参加者の多くが日本人になります。これは、英語だけを使う環境を作ろうとしても、気を抜くと日本語を使ってしまう要因となり、英語漬けの状態が維持しづらくなるという弱点につながります。
特に周囲に日本語を話す仲間が多い場合、自分の意志で「英語しか話さない」と貫く強い意識がなければ、せっかくの環境を十分に活かしきれなくなってしまいます。
また、国内でのプログラムは、語学的な学習には非常に適していますが、「留学」として語れるような経験値としてはやや物足りない面があります。
たとえば、異なる文化や価値観との出会い、生活習慣の違いによる壁、それに適応するプロセスといった「異文化体験」の部分は、やはり海外に身を置いてこそ得られるものです。
就職活動や自己PRなどで「留学経験」として語るには、聞き手に「留学ではない」と思われてしまう可能性もあります。
そのため、国内英語留学は「英語力の強化」には適していますが、「グローバルな視野」や「文化的な適応力」を求める場面ではインパクトに欠けることがあるでしょう。
さらに、プログラムによっては費用が高くつく場合もあります。
特に講師がネイティブスピーカーでマンツーマン指導が多いプランや、リゾート地での滞在型プログラムなどでは、意外と高額になるケースがあります。事前にしっかりと調べ、費用対効果をよく見極めることが重要です。
年代別のおすすめプログラム:子ども
子ども向けの国内英語留学プログラムは、主に小学生から中学生を対象にしたものが多く、「楽しく英語に親しむ」ことと、「実践的な英語を体感する」ことを目的にしています。
サマーキャンプや春休み・冬休みを利用した短期プログラムの形式が主流で、親元を離れて集団生活をすることで、英語力だけでなく自主性や協調性も育てる内容が多く組み込まれています。
この年代の子どもにとって、英語を「勉強」として覚えるよりも、「遊びや体験の中で自然と使う」方が圧倒的に身につきやすいため、プログラムの多くはアクティビティ型です。
例えば、ネイティブスピーカーの講師と一緒にアウトドア体験をしたり、工作、料理、スポーツしたりなどをすべて英語で行うことで、英語に対する抵抗感を減らし、自然に英語を使うことを習慣化していく内容になっています。
また、講師陣は子どもの英語教育に長けたネイティブスピーカーやバイリンガルの先生が多く、英語を話すことに慣れていない子でも安心して参加できるよう、サポート体制が整えられているのも特徴です。
中には、親子で参加できる「ファミリー英語キャンプ」などもあり、子どもだけでなく保護者も一緒に英語環境を体験できるものもあります。
また、プログラムの場所も魅力の1つです。例えば、自然豊かな地域で行われる「自然体験+英語」型のキャンプでは、四季を感じながら英語を学ぶことができるため、都会では味わえない特別な学びの時間になります。
子どもたちは同年代の仲間と寝食を共にしながら協力して活動し、「英語を話すこと=楽しい!」というポジティブな印象を持つことができるようになります。
子ども向け国内英語留学の多くは、参加前に保護者向けの説明会や面談が行われるほか、スタッフの対応や施設の安全管理も徹底されているため、海外よりもはるかに安心して送り出すことができます。
また、日々の様子をレポートや写真で報告してくれるプログラムもあり、子どもの成長をリアルタイムで感じられる点も好評です。
「楽しく・安全に・自然と英語に触れられる」ことを重視しており、英語の入り口として非常に良い選択肢の1つであり、特に、今後本格的な英語学習や海外留学を考えている場合、事前に国内留学を経験させるのは効果的な第一歩となるでしょう。
年代別のおすすめプログラム:学生
学生向けの国内英語留学には、高校生から大学生、専門学生まで幅広い層を対象にしたプログラムが用意されています。
この年代は「受験英語」や「学校の英語」とのギャップを感じ始める時期であり、実践的な英語力、特にスピーキングやリスニング、英語で考える力を身につけたいというニーズが高まります。
そうした学生たちに人気なのが、短期集中型のイマージョンプログラムです。
春休み・夏休み・冬休みなどの長期休暇を利用し、1〜3週間ほどの期間で集中的に英語を使う環境に身を置くことで、普段の座学では得られない「英語で伝える力」や「英語を話す自信」が育まれます。
プログラムによってはTOEICや英検などの試験対策が含まれているものや、プレゼンテーション、ディスカッションなど、大学・社会で役立つスキルに焦点を当てた内容もあります。
特に大学生向けのプログラムでは、「将来の海外留学や海外インターンに備えるための基礎固め」として国内英語留学を活用するケースが多く見られます。
海外渡航が難しい時期でも、国内でネイティブスピーカーの講師と英語だけで過ごす体験ができるため、「海外に行けなくても実力は伸ばせる」と感じる学生が増えています。
また、実際の留学前に「英語だけで生活する感覚」を疑似体験できるので、本格的な海外留学の準備ステップとしても非常に効果的です。
一部のプログラムでは、大学の単位認定が可能なものもあり、語学学習を履修としてカウントできるのも大きなメリットです。
特に国際系や英語教育系の学部では、国内英語留学をカリキュラムに取り入れている大学もあります。また、大学主催でなくとも、民間スクールや教育機関と提携しているプログラムであれば、履歴書や就職活動でアピールできる実績としても活用しやすくなっています。
高校生向けのプログラムでは、「英語が得意になりたい」「大学入試に備えたい」という目的だけでなく、「英語を使って人とつながる楽しさを知りたい」といったモチベーションづくりを重視した内容も多く、アクティビティやグループワーク、異文化交流ワークショップなどを通じて、楽しく自然に英語力を伸ばせる環境が整えられています。
中には、英語で理科や社会、プレゼンを学ぶ「CLIL型(教科融合型)」の内容もあり、今後の国際社会に必要な複合スキルを育てることを目的としたものもあります。
また、学習だけでなく、自分の英語力を試せる場として「英語でのディベート」「模擬国連」「ビジネス英語体験」など、より実践的・応用的な活動が含まれるプログラムもあります。
これらは将来、国際的な場で活躍したい学生や、英語を使ってキャリアを築きたい人にとって非常に有意義な経験になります。
なにより、安全面の不安が少なく、親や学校側の理解も得やすいという点も魅力のひとつです。
費用も海外留学に比べてリーズナブルであり、時間の融通も利くため、学業やアルバイトと両立しやすいのも学生にとっては大きな利点でしょう。
年代別のおすすめプログラム:社会人
社会人にとっての国内英語留学は、「短期間で成果を出したい」「仕事で英語が必要」「海外出張や転職に備えたい」といった実用的・目的志向型のニーズに応えるプログラムが主流です。
限られた時間と予算の中で、効率よく英語力を伸ばす必要があるため、多くのプログラムは 1日〜2週間程度の短期集中型で、平日休みや週末、長期休暇を利用して参加しやすいように設計されています。
特に人気なのは、ビジネス英語特化型のプログラムです。
メールの書き方や電話対応、会議での発言、プレゼンテーション、交渉など、実際のビジネスシーンを想定した内容になっていて、すぐに仕事で使える表現や対応力を身につけられるのが大きな魅力です。
また、業種ごとにカスタマイズされたコース(例:医療系、IT系、観光業向けなど)もあり、より専門的なニーズに対応している授業を受けることができます。
さらに、マンツーマン型のプログラムも多く見られます。
これは集中的に自分の弱点を克服したい人や、プライベートな空間でしっかり指導を受けたい人に人気です。特に英語を話すことに自信がない社会人にとって、他人の目を気にせず練習できる環境は大きな安心材料になります。
ネイティブスピーカーの講師とのマンツーマンで、英語の発音矯正やプレゼン練習などをピンポイントで指導してもらえるため、短期間でのレベルアップが期待できます。
社会人向けのプログラムでは、同じような目標を持った人たちとつながれる機会があることも、意外と大きなメリットです。年齢や立場が違っても、「英語を伸ばしたい」という共通の目標があることで、刺激し合い、モチベーションを保ちやすくなります。
中には「国内英語留学がきっかけで海外転職に踏み出した」「独立後、英語を活かしたビジネスを始めた」というケースもあります。
一方、社会人が国内英語留学を選ぶ際は、費用対効果と時間の使い方が重要になります。プログラムによっては、短期間でもかなり高額になることもあり、内容や講師の質、サポート体制などをしっかり見極める必要があります。
また、「学んで終わり」にしないよう、プログラム終了後もオンラインで学びを継続できるフォロー体制があるものを選ぶのがおすすめです。
まとめ
国内英語留学は、日本にいながら本格的な英語学習環境を提供するプログラムで、英語力を効率的に向上させる方法として注目されています。
メリットには、海外渡航の手間や費用がかからず、学習に集中できる環境が整っている点があります。
一方で、参加者の多くが日本人であるため、英語だけの環境が維持しづらいことや、「留学」としての経験には限界がある点がデメリットです。
年代別に、それぞれのニーズに合ったプログラムがあるので、目的に合うプログラムを選びましょう。

◇経歴
大学では教育学部英語科を専攻し、3年生の時にアメリカのディズニーでの大学生インターンシップに参加。
コロナの影響で途中帰国となりましたが、その後ホテルのフロントに就職し、サービス業の経験を積みました。
卒業後は、カナダでコープ留学を経て、再度アメリカのディズニーで1年弱勤務。
その後、ディズニー社とフリーランス契約を結び、アジア各国でイベントの仕事を行う一方で、オンライン英語コーチング塾のコーチとしても活動しています。
◇資格
・TOEIC 950点
・英検 準1級
◇留学経験
・Walt Disney World インターナショナルカレッジプログラム
→(アメリカ フロリダ州)コロナにより1ヶ月で帰国
・SELC College 語学学校2ヶ月+コープ留学1年
→(カナダ ブリティッシュコロンビア州)
・米国三越 CRプログラム
→(アメリカ フロリダ州)
◇海外渡航経験
学生時代はバックパッカーに夢中になり、1人旅や友人とともに約20カ国を訪れました。カタール、ミャンマー、ラオス、カンボジアなどの珍しい国も旅しました。また、イタリアでは1人で自転車を使って縦断旅行をするなど、どれも素晴らしい経験となりました。アメリカでの留学では、ディズニーでエンターテイメント関連の仕事を経験し、2度目の留学ではレストランサーバーとして働きました。カナダのコープ留学時も、現地のステーキハウスでサーバーをしました。
◇自己紹介
中学時代にアメリカの映画に触れたことがきっかけで英語を学びたいと思い、大学では英語系の学科に進学しました。
時間の余裕がある大学生活の中で、何か心が踊る特別な経験をしたいと探し求め、バックパッカーとして野宿をしたり、自転車で旅をしたりするなど、数々の冒険を通して視野を広げました。
その経験から留学を決意し、憧れだったディズニーで働ける大学生インターンプログラムを見つけ、見事合格。夢にまで見たアメリカディズニーで働くことができましたが、コロナの影響で1ヶ月で帰国せざるを得なくなりました。
帰国後はTOEICや英検の資格を取得し、就職後もディズニーで働く夢を諦めきれず、カナダに留学してさらに英語を学びました。その後、形は違えど再びディズニーで働くことができ、現在はディズニー社とフリーランス契約を結び、アジア圏でのイベント業務を行いながら、英語コーチとしても活動しています。
英語を学んできたことで自分の見る世界が広がり、夢を掴むことができました。今後は、自分自身が学び続けるとともに、他の人が英語を通して人生を豊かにするお手伝いをしていきたいと考えています。