7,641の島々に息づく多様性|フィリピンという国の本当の魅力と特徴【徹底解説】

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エメラルドグリーンの海と深い緑の山々。 温暖な気候と相まって、フィリピンは「楽園」と称されるほど世界中の人々を魅了しています。

そこには長い歴史から生まれた多種多様な文化や信仰があります。

若年層が多く活気に満ちた国である一方、その裏側には貧困や治安などに課題も。

この記事ではそんなフィリピンという国の「本当の魅力と特徴」を深堀していきます。

旅行で訪れる予定がある方、移住を考えている方はぜひチェックしてみてください!

地理と自然:7,641の島々が織りなす多様な風景

フィリピンの面積は約30万㎢(日本の約8割で、北海道を除いた広さと同等)で、人口は約1億1,000万人です。

驚くべきはその中に実に7,641もの島々があること。 とはいえ、ルソン島、ミンダナオ島などの主な11の島だけで総面積の90%以上を占めています。

フィリピン最高峰のアポ火山(2,954m)を含む大小50もの火山があり、島の周りは美しいサンゴ礁に取り囲まれ、世界中のトレッカーやダイバーの憧れの地でもあります。

歴史と文化:東洋と西洋が融合した独自の文化

フィリピンではその歴史的背景から東洋と西洋が融合した独自の文化が生まれました。 これまでどんな歴史をたどり、どのような文化が生まれたのか1つずつ見ていきましょう。

フィリピンの歴史は4つの時代に分かれる

フィリピンの歴史は以下の4つの時代に分かれます。

スペイン統治以前
(1521年以前)
フィリピンの初期住民と言われるネグリト人がおよそ3〜5万年前に渡ってきた後、マレー系の人々が渡来。
1世紀にはインド、アラブ、中国などの東アジアの国々から宗教、言語、文化的な影響を受けながら小さな海洋国家が全国に出現した。
また、国家にまでは至らないまでも「バランガイ」と言われる独立している村もたくさんあった。
スペイン統治時代
(1521〜1898年)
1521年にマゼランがフィリピンに上陸し、1565年にはスペインによる植民地化が開始された。
これによりフィリピンは歴史上初めて統一され、その後300年以上に渡ってスペインからの強い影響を受けた。
アメリカ統治時代
(1898〜1945年)
1898年にはアメリカとスペイン間で勃発した戦争(米西戦争)が終結し、フィリピンは敗北したスペインから勝利したアメリカの統治下に変わった。
1901年には公共教育が開始され、英語が教育言語として使用され始めた。
独立以後
(1946年以後)
1946年にフィリピンは共和国として独立し、現在に至る。

 

このように様々な国や地域からの影響を受け、現在のフィリピンが成立しています。

歴史的背景から生まれた多種多様な文化

これまでのフィリピンの歴史を振り返ると、イスラムや中国をはじめとするアジアの他にも、スペイン、アメリカなどから深い影響を受けて多種多様な文化が醸成されてきたことがよく分かります。

ニッパヤシの民家に代表される原始的な文化が見られる一方で、フィリピン南部にはイスラム文化が根付いており、ジープニー(乗合バス)の極彩色の装飾はまさにイスラムの影響を受けたもの。

バロック風のカトリック教会はスペインがもたらしたヨーロッパ文化の象徴であり、近代的な校舎はアメリカ文化を代表しています。

このように現代のフィリピンでは、至る所でその歴史的変遷が色濃く表されています。

言語と宗教:多言語社会と深い宗教的信仰

多くの国や地域からの影響を受けて成り立っているフィリピンは、多言語社会と言われており、そこには深い宗教的信仰があります。

言語と宗教について、より深く見ていきましょう。

言語の数は180⁉フィリピンは世界でもまれに見る多言語社会

フィリピンの国語はタガログ語を基礎とする、フィリピノ語です。

また、公用語はフィリピノ語および英語で、国内で使われている言語の数は実に180以上とされています。

人々ははるか昔から7,000を越える島々で「バランガイ」と呼ばれる親族ほどの少人数に分かれて暮らしており、それぞれが独自の言語を使用していたため、数多くの言語が生まれたと言われています。

これほどまでに多様な言語によって成り立つ国は、世界でも珍しいでしょう。

時代を超えて紡がれる深い宗教的信仰

フィリピンはASEAN唯一のキリスト教国で、国民の93%がキリスト教徒とされており、うち83%がカトリック、10%がその他のキリスト教宗派です。

フィリピン全体で見るとイスラム教徒は5%程ですが、ミンダナオ島では人口の20%以上がイスラム教

キリスト教は長きに渡るスペイン統治時代から、イスラム教はそれ以前にアラブから伝来しました。

宗教の概念は日本人にはあまりなじみがないですが、フィリピンでは敬虔な信者が多いため、宗教への否定的な発言には注意しましょう。

国民性:ホスピタリティと家族重視の社会

フィリピンを訪れた多くの外国人は、フィリピン人のホスピタリティや深い家族とのつながりに驚かされると言います。
これらについても1つずつ見ていきましょう。

多くの国民に共通する「フィリピーノホスピタリティ」

東南アジアの国の中で、最もフィリピン国民の特徴を際立たせているのが
「フィリピーノホスピタリティ(おもてなしの心)」です。

明るく親切で、他人を思いやる心のことで、外国人を含め多くの人に喜んで接しようとする精神を表しています。

街で見知らぬフィリピン人から何気なく声をかけられる場面も多く「フィリピーノホスピタリティ」は、観光客やフィリピンで生活する外国人にとって、大きな魅力の1つです。

歴史や宗教から根付いた家族を大切にする心

フィリピン人は「家族」をとても大切にします。

親は子どもを大切に育て、子どもは親を敬い将来養っていけるよう努めています。

「バヤニハン」として知られる血族や友愛を重んじる心はマレー系の祖先から、親密な家族関係は中国人から受け継がれたもの。

また家族ぐるみでの宗教的イベントを大切にする心は、敬虔なカトリックであるスペイン人から影響を受けています。

様々な歴史的、宗教的背景が結び付き、いまなおフィリピンでは「家族を大切にする心」が根付いています。

食文化:多様な影響を受けた豊かな料理

豊かな自然と文化に育まれたフィリピンでは、多彩な料理が生まれました。
ここからはフィリピンの食文化について見ていきますので、お気に入りを見つけてみてください。

【フィリピンの主食】

フィリピンの主食はお米です。 と言っても日本のような水分や粘り気が多いお米ではなく、パラパラとした粘り気の少ない長粒米(インディカ米)です。

日本のもっちりした甘みが強いお米に慣れていると、口に合わないと感じることもあるかもしれません。

長粒米は香ばしい香りが特徴で、カレーやピラフ、チャーハンなどの料理によく合います。

そのため、適した調理法を見つけられると主食として十分に楽しめるでしょう。

【フィリピンのメインディッシュ】

メインディッシュには、新鮮な肉や近海で獲れる魚を使用することが多いです。
代表的なものを3つご紹介します。

料理名・食材名 詳細
レチョン
Lechon
豚の丸焼き。 フィリピンのお祭りや結婚式などのイベントには欠かせない料理。
レモングラス、玉ねぎ、にんにくなど様々なハーブや香味野菜を詰めた豚をじっくりと焼き上げて作り、フィリピン全土で食べられている。
パンシット Pancit フィリピン風焼きそば。 イベントなどの特別な日に、大皿に盛って出される。
具材としてチキンやエビ、野菜などを入れ、味付けはパティス(魚醤)やカラマンシー(柑橘類)といった固有の調味料が使われる。
ラプラプ
Lapulapu
フィリピンを代表する魚。 ハタ科の魚で「魚の王様」と呼ばれ、淡白で上品な味わいが特徴。
蒸したり、焼いたり、唐揚げにしたりと色々な料理法で食される。

  どの料理もフィリピンで獲れる肉や魚、野菜をふんだんに使って調理されます。

そのことからも、フィリピンでは豊かな自然に育まれた食材が多いことがお分かりいただけるでしょう。

【フィリピンのデザート】

フィリピンのデザートで、日本で最も定着しているのが
「ハロハロ」です。

日本のコンビニでも売られており、その名とともに色鮮やかな見た目をイメージできる方も多いのではないでしょうか。

ハロハロとは「混ぜこぜ」という意味で、使う食材に特に決まりはありません。

ナタデココやゼリー、かき氷やフルーツを乗せて作られます。

フィリピンを訪れた際には、パイナップルやマンゴーなどフィリピンならではのトロピカルフルーツが盛りだくさんのスイーツを、是非ご賞味あれ。

経済と社会:成長する経済と課題

ここからはフィリピンの経済や社会、そして抱えている課題について見ていきましょう。

2023年のフィリピンの経済成長率は+ 5.6%と、周辺国と比較しても高い水準にあります。

主要産業はビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)産業を含むサービス業(GDPの約6割)、鉱工業(GDPの約3割)、農林水産業(GDPの約1割)で成り立っています。

特にBPO産業においては、国外企業のコールセンターやITサポートなどのサービスがフィリピンに外注されており、人件費が安いことと、公用語が英語であることがフィリピンが選ばれている大きな理由。

一方で課題としては、貧困を原因とする犯罪が多いことが挙げられます。

外国人を狙ったスリも多発しているので、高価なアクセサリーの着用はNG。

電車やバス、ジープニーなどの公共交通機関での被害が多数報告されているので、できるだけ利用を控えましょう。

ミンダナオ島西部やマニラ首都圏のローカルエリアは特に治安が悪いので、近づかないのがベストです。

まとめ

フィリピンは世界中の多くの人々を魅了し続ける国です。

その魅力は美しい自然や多様な文化からだけでなく、そこに生きる人々の温かさからも感じられます。

ひとたび現地に足を踏み入れると、その深い懐に包み込まれることでしょう。

ぜひ現地に赴き、その魅力を肌で感じてみてください。

 

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