中学生の海外留学に潜むリスク:デメリットとその対策を徹底解説

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今回もネイティブキャンプのコラムでは、海外旅行や海外留学、ワーキングホリデー、海外移住に興味があり挑戦してみたい方に向けた情報を発信して行きます。

ズバリ、今回特集していくのは「中学生の海外留学に潜むリスク」についてです。コロナ禍も経て年々、海外留学に興味が湧き出した人も増えて来ているのではないでしょうか。また、早期英語教育の影響から、なるべく若い年齢のうちに海外に出て異文化経験をしておきたい!と考えている学生の方やそうさせてあげたいと思っていらっしゃる保護者の方も多いのではないでしょうか。

最近では、中学生のうちに海外留学を経験したい人向けの留学プログラムを扱う絵有g買うエージェントや現地の語学学校のプログラムが増えてきています。では実際のところ、中学生のうちに海外留学を経験することは留学をしたご本人にどのような影響を与えるのでしょうか?

メリットばかりが語られる傾向にある留学ですが、しっかりとそのデメリットにも目を向けることで留学中に直面するかもしれない問題や帰国後の進路や学校生活についての問題について考えてから留学に旅立つ決定をすることが可能になります。

そこでここからはまず、中学生で留学をすることによる帰国後の学業面と進路への影響について解説していきたいと思います。さらに。現地での精神的ストレスやホームシックなどのリスク、日本語能力の低下とカルチャーショックに関する懸念点も紹介します。

学業面での遅れと帰国後の進路への影響

まず初めに、帰国後の学業面と進路決定に関する影響について考えていきましょう。

学業面への影響

まず保護者の方が最も気になる点は、中学生のうちに海外留学をする場合日本の義務教育は数ヶ月から数年にかけて受けることができなくなる点でしょう。

日本の教育制度としては、義務教育の期間中は留学や不登校などさまざまな理由で出席日数が少なくても、留年にはなりません。ですので、例えば1年以上の長期留学新田としても問題なく次の学年に進級することはできます。特に数週間から数ヶ月の短期留学であれば全く問題なく進級できるでしょう。

しかし、一年以上の長期留学に行く場合は日本の歴史や国語など、日本の義務教育でしか学ぶことができない科目やその内容を学ぶ機会を失ってしまいます。

進路決定への影響

中学生のうちに、日本の義務教育で習う内容を学ぶことができない場合で、日本の公立の高校に進学する場合、高校受験の際に受験科目の一部を学んでいないという状況に陥ります。特に国語や社会の歴史や地理などは、追いついていない内容を独学で学ぶ必要があります。 

または、高校受験の際に英語系や国際系に強い私立高校を受験することで、中学で留学を経験して強みとなった語学力や異文化理解力、コミュニケーション能力を武器に受験に挑むという方法もあります。

いずれにせよ、3年間日本の義務教育を受けてきた他の子たちとは異なる進路決定の仕方や学び方をしていくことにはなるでしょう。

費用負担と奨学金制度の限界

中学生ができる留学の制度としては主に、「交換留学」と「私費留学」の二つが挙げられます。

前者の交換留学は、お子さんが通っている中学校が海外に提携校を持っている場合その学校に派遣される制度です。この場合、比較的留学費用を抑えることが可能で、学費は原則無料です。

この交換留学の提携校を持っている公立の中学校は大変稀です。私立の中学校で国際関係に力を入れているところには姉妹校や提携校があります。

一方、後者の私費留学は、自身で留学先の国や学校を選んで申し込みや滞在方法まで見つけ、契約を行うという方法です。そのため、学費や滞在費、生活費、航空券などすべての金額が自己負担となります。渡航先により異なりますが、おおよそ1週間で6〜40万円、1年間で200〜600万円ほど費用がかかると言われています。

お子さんが通っている中学校に提携校がない場合、基本的には後者の私費留学を選択することが一般的となっています。費用面での私費留学が厳しい場合、海外提携校を持っている高校に入学して高校で留学をする、もしくはより多くの留学のチャンスがある大学で留学をするのも一つの手段です。

また、夏休みなどの長期休みに参加できる海外サマーキャンプや数週間の留学もお勧めです。

精神的ストレスとホームシックのリスク

中学生の年齢は12歳から15歳です。10代とはいえどまだまだ精神的にも発達段階であり、思春期の最も多感な時期といえます。ほとんどの中学生はまだ人生で一度も家族と離れて長期間暮らした経験がないでしょう。

そこに言語や文化の壁が立ちはだかり、現地での悩みやストレスとうまく付き合っていけるかどうかが大きな課題となります。稀なケースではありますが、精神的ストレスを理由に途中で留学を中断する生徒もいるようです。

特に、ホームシックという精神的ストレスに悩まされ、誰にも相談できないまま辛い留学生活をする中学生は一定数いるでしょう。ホームシックが不安な方には、まずは数週間から1ヶ月程度の短期留学をお勧めします。

短期で暮らしてみて、自分がどのように感じるか経験してみましょう。そこで大丈夫そうであれば、次は同じ国の同じ地域に長期で留学に挑戦するという方法がお子さん本人にとっても、保護者の方にとっても安心できるでしょう。

日本語能力の低下と文化的ギャップ

日本の義務教育期間内である中学校では、今でも海外と比べて上下関係や時間・規則・集団行動や校則が重要視される傾向にあります。

これはもちろん日本のいい点でもありますが、これらの点において全く価値観の異なる海外で時を過ごした帰国生にとっては窮屈と感じられるかもしれません。これを、留学から帰国後に感じる「逆カルチャーショック」と言います。

特に思春期の中学生は多感な時期であり、周囲の影響を受けやすいです。スカートの丈や指定された髪型のみ許されるなどといった厳しい校則に違和感を感じるかもしれませんし(現に、日本の多くの中学校や高校でこのような校則はブラック校則だと問題になり始めていますが)、周りに合わせる「同調圧力」という日本の独特の文化に対応できなくなる可能性もあります。

ただし、このことをどう受け止めるかは本人次第です。周りに合わせられなくなったことをマイナスと捉えるか、それともポジティブに捉えるかは本人が決めること。もし長期で中学留学を行う場合は、帰国後にこのような課題に直面するかもしれないことを念頭においておくといいかもしれません。

また、稀なケースですが日本語力が一定のレベルで止まったまま帰国することになったり、帰国後の国語の授業についていくのが少々難しく感じる場合もあります。日本の国語の授業では古文や俳句など、日本独特の言語について学ぶため、海外でそのような内容を習っていなかった部分を自分で勉強する必要があります。

参考資料:【保護者向け】中学留学のデメリット5つ!行かせて後悔する前に知っておきたいことーLife Journey Education ー未来の留学を創造する

https://lifejourney-edu.com/2025/02/28/juniorhighschool-abroad-demerit/#:~:text=中学留学のデメリットは、以下の5つです%E3%80%82%20*%20長期留学でも留年にはならないが日本の義務教育を受けられない%20*%20ホームシックになる%20*%20帰国後に逆カルチャーショックを受ける%20*%20期間によっては日本の流行が分からなくなる%20*%20私費留学の場合はより多くの費用がかかる

帰国後の社会的再適応の難しさ

先ほども少し触れましたが、楽しい留学生活を終えて日本に帰国した後に直面するかもしれない課題もあります。それが、「逆カルチャーショック」です。ここではもう少し詳しく、逆カルチャーショックについてみていきましょう。

日本とは生活習慣やあいさつの方法、良しとされる人との関わり方や言葉遣い、ジェスチャーや授業中の態度などが異なる文化の国に留学をしたとしましょう。そしてその現地での生活に無事適応し、ひとまわりも蓋周りも自信をつけて帰国したとします。

自信たっぷりで、怖いものなしで帰国したからこそその結果として生じてしまうのが、逆カルチャーショックです。逆カルチャーショックが起きる原因として、自分が帰る場所を「HOME」と感じることができないからと言われています。

「HOME」とはつまり、慣れ親しんだ場所、慣れ親しんだ人たち、予測できる習慣や儀式、コミュニケーションの感覚が存在していることを表します。

自分が慣れ親しんだ場所や人たちに囲まれて無意識にでも自然と安心した会話ができるような環境。それが留学を経て自国に戻ってきた時に存在するようで存在していないような現象が起こるのです。

自分が故郷から離れていた分だけ故郷の人や流行もその分だけ変化を遂げているものです。そこに、自分自身の価値観が海外生活によって変化し、自分が心地いいと感じるコミュニケーションスタイルに変化が起きます。自分が変わってしまった以上、元の場所で同じような関係性を周囲の人や環境に求めるのは難しいことなのです。

でも、逆カルチャーショックを和らげる方法はあります。例えば、逆カルチャーショックが起こることを帰国前から予測しておくことが挙げられます。自身や周囲の人、家族や友達に対して現実的な期待を持つことができ、予想していないことに直面してもショックの大きさを最小限に抑えることができます。

また、逆カルチャーショックを体験した自分を責めないことも重要です。留学から帰ってきたあなたは精神的にも人間的にも成長しています。逆カルチャーショックはそれによって起きるのですから、単に元いた場所に適応するために時間がかかっているだけだと思うことが大切です。せっかく留学先で変わった価値観や広がった視野を潰してしまうことのないように、心がけましょう。

参考資料:逆カルチャーショックとは?帰国後の自国文化への最適応を円滑にするために必要な心構え「異文化変容ストレス」

https://www.bunkaiwa.com/post/what-is-reverse-cultural-shock

まとめ

このコラムではここまで、中学生の海外留学に潜むリスクやデメリットについて詳しく解説してきました。いかがでしたでしょうか?

早期英語教育の流れの影響もあり、年齢の若いうちから海外経験をさせておくべきかどうか悩まれる保護者の方が多くいる時代。特に中学生のお子さんを持つ保護者の方々が、お子さんが中学生のうちに海外留学をさせることに対する知見や影響について知ることができれば幸いです。

海外留学は、何歳で体験する場合もメリットとデメリットが必ずついてまわります。特に年齢の低い中学生のお子さんが留学をされる場合は、まず留学を決定する前にお子さんとしっかり、なぜ留学をしたいのか、留学をする目的は何か、帰国後hどのような学校生活を送りたいのか、進路はどうしたいのかについて話し合っておくことが大切ですね!

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