
アメリカ有数のビーチリゾートとして人気の都市である、マイアミ。
名前を聞いたことはあっても、実際にどんな街なのか詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなマイアミの気候・治安・観光スポットなど、旅行や留学を検討している方に役立つ情報をまとめて解説します。
これからマイアミを訪れる予定の方は、ぜひ参考にしてみてください。
- マイアミの基本情報と特徴
- 日本からマイアミへの行き方・アクセス方法
- マイアミの天気・天候とベストシーズン
- マイアミのおすすめ観光スポット10選
- マイアミの治安情報
- マイアミを安全に楽しむための注意点
- トラブル発生時の連絡先と対処法
- まとめ
マイアミの基本情報と特徴
マイアミは、アメリカ南東部のフロリダ州に位置する大都市で、温暖な気候と美しいビーチが魅力のリゾート地です。
世界中から多くの観光客が訪れる人気の観光都市として知られています。
日本では、鹿児島県鹿児島市と姉妹都市・友好都市提携を結んでおり、文化交流も行われています。
1年を通して暖かい気候のため、海外からの観光客だけでなく、アメリカ国内でも冬の避寒地として人気があります。
水上オートバイやパラセーリング、ジェットスキーなどのマリンアクティビティも豊富で、カップルや家族連れなど幅広い世代が楽しめます。
また、マイアミは南米やカリブ海地域に近い立地から、古くから貿易の拠点として発展してきました。
多文化が共存する国際都市としての顔を持ち、特にヒスパニック系住民が多いことでも知られています。
人口の約70%がスペイン語を母国語としており、街の雰囲気や食文化にもその影響が感じられます。
2020年時点でのマイアミを含む、フロリダ半島南端東部に位置するマイアミ・デード郡周辺の人口は約270万人で、フロリダ州の中でも特に重要な都市圏のひとつです。
参考:マイアミ概要|在マイアミ日本国総領事館
参考:鹿児島市 | 姉妹・友好・兄弟・協定都市 | マイアミ市(アメリカ合衆国)
日本からマイアミへの行き方・アクセス方法
2025年6月現在、日本からマイアミへの直行便は運航されていません。
そのため、アトランタやサンフランシスコ、ニューヨークなど、アメリカ国内の主要都市を経由して向かうのが一般的です。
マイアミの玄関口であるマイアミ国際空港(空港コード:MIA)は、フロリダ州内で最も利用者が多い空港で、国内外から数多くの便が発着しています。
成田空港からマイアミ国際空港までの所要時間は、乗り継ぎ回数や経由地にもよりますが、おおよそ17時間から30時間です。
マイアミ国際空港でアメリカ国内線に就航している主な航空会社は、以下の通りです。
利用できる航空会社が多いため、予算やスケジュールに合わせてフライトを選ぶとよいでしょう。
マイアミの天気・天候とベストシーズン
マイアミは、緯度が沖縄県那覇市とほぼ同じ(北緯26度余、西経80度余)で、1年中半袖で過ごせる亜熱帯性の温暖な気候が特徴です。
季節は大きく「雨季(5月〜10月)」と「乾季(11月〜4月)」の2つに分かれており、それぞれの特徴を知っておくと旅行の計画を立てやすくなります。
| 雨季(5~10月) | 乾季(11~4月) | |
| 気候の特徴 | 降水量が多く、湿度が高い | 温暖で雨が少なく、湿度も低い |
| 最高気温 | 30℃前後 | 25~30℃ |
| 最低気温 | 22~25℃ | 15~20℃ |
| 備考 | スコール、ハリケーンに注意 | 観光のベストシーズン |
以下では、季節ごとの特徴や、マイアミでの過ごしやすい服装について詳しく見ていきます。
雨季の天気(5~10月)
5月から10月はマイアミの雨季にあたります。
この時期は降水量が多く、湿度も高い日が続きます。最高気温は30℃前後、最低気温は22〜25℃ほどです。
特に8月から10月にかけては、ハリケーンの発生率が高くなるため注意が必要です。
旅行を計画する際は、天気予報をこまめにチェックしながら日程を調整しましょう。
また、マイアミではスコール(短時間で激しく降る雨)が日常的に発生します。
突然の雨に備えて、折りたたみ傘や防水性のある服装や靴を用意しておくと安心です。
乾季の天気(11~4月)
11月から4月にかけては乾季で、マイアミ観光のベストシーズンです。
この時期の最高気温は25~30℃、最低気温は15~20℃程度で、日中は半袖でも快適に過ごせます。
乾季は雨が少なく湿度も低いため、一年の中でも最も過ごしやすい時期といえます。
冬の避寒地として人気が高いのも、このおだやかで快適な気候が理由です。
ただし、空気が乾燥しやすいため、リップクリームやハンドクリームなどの保湿アイテムを持参するとよいでしょう。
マイアミでおすすめの服装
マイアミでは年間を通して半袖などの夏服で快適に過ごせます。
ただし、屋内施設の冷房が強く設定されていることが多いため、薄手のカーディガンやパーカーなどの羽織を持っておくと安心です。
特に映画館、レストラン、公共機関では冷房が効きすぎている場合があります。
また、マイアミは紫外線が非常に強い地域です。日焼け止め、サングラス、帽子などの紫外線対策グッズも忘れずに準備しておきましょう。
マイアミのおすすめ観光スポット10選
マイアミには、世界的に有名なビーチからアートエリア、自然豊かな国立公園まで、見どころが数多くあります。
以下では、マイアミ訪問の際に訪れたい定番の観光スポットを10か所ご紹介します。
それぞれのスポットの魅力を詳しく見ていきましょう。
マイアミビーチ(Miami Beach)
マイアミビーチは、透き通るような青い海と白い砂浜が広がる、世界屈指のビーチリゾートです。
中でも南部の「サウスビーチ」は、カフェやレストランが立ち並ぶおしゃれなエリアとして人気があります。
自転車の乗り入れが禁止されているリンカーンロード(Lincoln Road)には、200を超えるショップやギャラリーが集まり、散策にも最適です。
また、近くのエスパニョーラウェイ(Española Way)では、スペインを始めとした世界各国の料理が楽しめ、ヨガクラスやサルサやフラメンコなどのイベントも豊富です。
さらに、サウスビーチ近隣にあるアールデコ地区では、1920年代のアールデコ建築を楽しむことができ、レトロでフォトジェニックな雰囲気が魅力です。
ベイサイド・マーケットプレイス(Bayside Marketplace)
マイアミ中心部のビスケーン湾沿いにあるリゾート型ショッピングモールです。
ここでは、ショッピングやグルメはもちろん、ライブやストリートパフォーマンスなどのエンターテイメントも楽しめます。
マイアミビーチとダウンタウンの間に位置しており、観光途中の立ち寄りにも便利です。
夜にはライトアップされた海辺の景色が美しく、1日中満喫できるスポットです。
リトルハバナ(Little Havana)
リトルハバナは、キューバ文化が色濃く残るエリアで、ラテンの情熱と活気が感じられます。
1950年代に多くのキューバ移民が移住したことから、その名が付けられました。
メインストリートの「カジェ・オチョ通り」には、キューバ音楽が流れるカフェやレストランが並び、本場のコーヒーやキューバサンドを味わえます。
街中にはカラフルな壁画や石畳が広がり、異国情緒あふれる雰囲気を楽しめます。
また、毎月最終金曜日には「カルチャルフライデー」、3月には「カレオチョフェスティバル」が開催され、多くの観光客でにぎわいます。
※夜間は治安が悪化することもあるため、訪問は昼間がおすすめです。
ウィンウッド・ウォールズ(Wynwood Walls)
世界中のストリートアーティストによる巨大な壁画が集まる、マイアミ屈指のアートスポットです。
かつては倉庫街だったエリアが2009年に再開発され、現在では観光地として人気を集めています。
カラフルな壁画の前で写真撮影を楽しめるほか、スプレーアート体験やガイドツアーも開催されています。
自分で描いたスプレーアートの前で写真を撮れば、旅の思い出になるでしょう。アートについてより詳しく知りたい場合は、ガイドツアーに申し込むのがおすすめです。
エバーグレーズ国立公園(Everglades National Park)
世界遺産にも登録されている、敷地面積が607,028haを超える広大な湿地帯で、アメリカ最大級の国立公園のひとつです。
絶滅危惧種を含む多様な動植物が生息し、アーネスト・F・ コー・ビジター・センター・ギャラリー(Ernest F. Coe Visitor Center Gallery)では、マングローブや草原など独特の自然環境を学ぶことができます。
エアボートに乗船して湿地帯を巡るツアーでは、野生のワニや鳥を間近で観察することができます。
マイアミ中心地から車で約1時間とアクセスも良く、日帰り観光にもおすすめです。ビーチ以外の自然も満喫したい方は、ぜひ足を運んでみてください。
ズーロジカル・ワイルドライフ・ファウンデーション(Zoological Wildlife Foundation)
ズーロジカル・ワイルドライフ・ファウンデーションは、予約制で動物との触れ合いが体験できる人気スポットです。
野生動物を近くで観察することができるだけでなく、生態系や動物の保護活動についても学習できるのが魅力です。
特に人気なのは、ナマケモノやチンパンジーたちと触れ合えるツアーです。ライオンや、フクロウ、ヘビなどに触れられるツアーもあります。
また、ライオンやトラの赤ちゃんと写真を撮ることもできます。料金は、ツアーの内容によって異なるため事前に確認をしておきましょう。
動物保護や環境保全の取り組みについても学べるため、教育的な面でも魅力があります。近くにあるZOOマイアミとあわせて訪れるのもおすすめです。
ヒストリー・マイアミ歴史博物館
ヒストリー・マイアミ歴史博物館は、マイアミの市街地にあるフロリダ州最大級の博物館です。
先史時代から20世紀のアフリカ系キューバ民族アートまで、3万点以上のコレクションや100万点を超える歴史的写真を所蔵しており、マイアミの成り立ちを深く学べます。
Government Center Station駅から歩いて約1分と、公共交通機関のアクセスも便利です。
ザ・フォールズ(The Falls)
ザ・フォールズは、マイアミ中心部から南に少し離れた場所にある屋外型の高級ショッピングモールです。
人工のラグーンを囲むように、レストランやショップが100店舗以上並び、リゾートとは一味違う落ち着いた高級感を楽しめます。
高級ショッピングモールですが、ハイブランドに加え、気軽に立ち寄れるチェーン系レストランも充実しており、ゆったり買物をしたい方にぴったりです。
ローンデポ・パーク(loanDepot park)
ローンデポ・パークとは、かつてイチロー選手が所属していたマイアミ・マリーンズの本拠地である野球スタジアムです。
かつては、マリーンズ・パークと呼ばれていました。
天候に応じて開閉できる屋根を備え、約37,442人を収容可能。一般席のほか、プレミアムシートやスイートルーム、グループ向けデッキなども用意されています。
マリーンズのグッズを販売しているストアは球場内外に1店舗ずつあり、試合のない日でも外側の店舗で限定グッズが購入できます。
また、試合やイベントがない日には1日3回ほどガイドツアーが実施され、野球観戦以外の楽しみ方もできます。
キー・ウェスト(Key West)
キー・ウェストとは、アメリカ最南端に位置する小さな島で、東西約6km、南北約3kmのサンゴ礁で形成されるリゾート地です。
マイアミからオーバーシーズ・ハイウェイ(全長約11kmのセブンマイルブリッジを含む)を経由して、車でおよそ4時間。
世界的作家ヘミングウェイの旧邸宅は博物館として公開されており、文学ファンにも人気です。
名物のキーライムパイや新鮮なシーフードは、訪れた際にぜひ味わいたい一品。
キューバに近いことから、街並みや食文化にはラテンの雰囲気も漂っています。
マイアミの治安情報
マイアミの治安は、地域や時間帯によって大きく異なります。
旅行前に注意が必要なエリアと比較的安全なエリアを把握し、危険な地域を避けて行動することが大切です。
以下では、注意が必要なエリアと比較的安全なエリアについて、紹介します。
注意が必要なエリア(危険エリア)
マイアミ北部には、貧困層やギャングが多く住む地域があり、犯罪発生率が高めな地域です。
昼夜を問わず発砲事件や暴力事件、家屋破壊などが起こることもあります。
特に注意が必要なエリアは、以下の4つです。
| エリア名 | 特徴 |
| リトル・ハバナ(Little Havana) |
ダウンタウンの北西部。 キューバ文化を体験できる人気の観光地だが、治安には注意が必要。 訪問は昼間のみ、夜は避けた方が安心。 北西のアラパタ地区も発砲事件や強盗が多発。 |
| リトル・ハイチ(Little Haiti) |
ダウンタウンの北部。 リトル・ハバナやリバティシティと隣接し、ハイチ系のギャングが活動。 マイアミでも特に治安が不安定な地域。 リトル・ハイチ文化センターではイベントが多いが、周囲は危険。 |
| オーバータウン(Overtown) |
ダウンタウンの北西部。 貧困層が多く、犯罪率が高いため地元民も訪問を避けるエリア。 |
| リバティシティ(Liberty City) |
オーバータウンの北側。 犯罪のモデルシティと呼ばれるほど危険。 ギャングが多く、暴行・窃盗・薬物売買などが多発。 建物や店舗は鉄格子などで厳重に保護されている。 |
比較的安全・安心して過ごせるエリア
観光客が多く集まるビーチエリアやダウンタウンでは、日中であれば比較的安全に過ごせます。
ただし、夜になるとスリやひったくり、置き引きなどの犯罪が増えるため注意が必要です。
マイアミビーチ周辺にはナイトクラブが多く、夜間も賑わいがありますが、人ごみの中での盗難被害が起きやすいため、貴重品の管理を徹底しましょう。
また、レンタカーを利用する場合は、車上荒らしの被害にも十分注意しましょう。
荷物を車内の見える位置に放置せず、少なくともトランクなどの見えない位置にしまうようにしましょう。
マイアミを安全に楽しむための注意点
マイアミは魅力あふれる観光地ですが、観光客を狙った犯罪が発生しているのも事実です。
せっかくの旅行を安全に楽しむために、以下の4点を意識しましょう。
それぞれの注意点について、具体的に解説します。
貴重品や荷物は常に身につける
マイアミで犯罪を防ぐためには、貴重品の管理を徹底することが大切です。観光客が多いエリアでは、スリやひったくりの被害が多発しています。
レストランやカフェで飲食する際には、荷物を椅子にかけたり足元に置いたりせず、肩掛けをしたまま膝の上に置くようにしましょう。
また、外出時には、必要最小限の現金だけを持ち歩き、高価なアクセサリーを見せびらかさないことも大切です。
夜間の外出を控える
ホテル周辺であっても夜間は外出を控え、安全な場所で過ごすようにしましょう。
マイアミは、夜になると比較的治安が良いとされるダウンタウンエリアなどでも犯罪のリスクが高まります。
たとえホテル周辺であっても、夜間の外出はできるだけ避けましょう。
ホテル滞在中も油断は禁物です。滞在時には部屋のドアチェーンをしっかり掛ける、セキュリティボックスに貴重品を保管するなど、安全対策を徹底してください。
人通りの少ない場所には近づかない
マイアミ観光時には、人通りの少ない場所や人気のないエリアを避けることが重要です。
特に観光客が少ない路地や住宅地は、犯罪に巻き込まれるリスクが高まります。
昼間でも知らないエリアを1人で歩くのは避け、できるだけ賑やかな通りや観光客が多い場所を選びましょう。移動の際は公共交通機関やタクシーを利用すると安全です。
移動にはできるだけ公共交通機関を利用する
安全に移動するためには、電車やバスなどの公共交通機関を利用するのがおすすめです。
タクシーを利用する場合は、ナンバープレートや運転免許証番号、料金表などが表示してあるかも確認してください。
マイアミでは流しのタクシーが少なく、最近はUberやLyftを利用するのが一般的です。
また、現地でレンタカーを利用する場合は、出発前に国際運転免許証を取得しておく必要があります。
日本とは運転ルールが大きく異なるため、事故を起こさないように事前に交通ルールを確認することが大切です。
トラブル発生時の連絡先と対処法
万が一、マイアミでトラブルや犯罪に巻き込まれた場合は、まず警察へ連絡しましょう。
緊急時には「911」に電話をかけると、警察・消防・救急のいずれにも通報することができます。
なお、被害が発生してから時間が経っている場合は、発生現場を管轄する警察署に連絡します。
また、パスポートを紛失した場合は、すぐに在マイアミ日本国総領事館に連絡をしてください。
再発行や帰国に必要な手続きについて案内を受けられます。不安な状況の時こそ、落ち着いて行動することが大切です。
現地の安全機関や日本領事館を頼りながら、冷静に対応しましょう。
在マイアミ日本国総領事館| 住所 | 80 S.W. 8th Street, Suite 3200, Miami, FL 33130 |
| 電話 | 305-530-9090 |
| FAX | 305-530-0950 |
| 入り口 | SW 1st Ave.側 |
まとめ
マイアミは、美しいビーチリゾートや豊かな自然、そして異国情緒あふれる文化が融合した、アメリカを代表する人気の観光地です。
温暖な気候から冬の避寒地としても人気があり、世界中から多くの旅行者が訪れます。
一方で、地域によっては犯罪発生率が高い場所もあるため、安全対策を意識して行動することが大切です。
安全に観光を楽しむために、貴重品の管理を徹底し、夜間や人通りの少ない場所の移動は避けて行動しましょう。
トラブルに遭わないよう注意を払いながら、魅力たっぷりのマイアミで楽しいひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。