アメリカにはワシントンD.C.とワシントン州があり、混同してしまう人も少なくないでしょう。ワシントンD.C.とワシントン州について以下の疑問を持っている方もいるかもしれません。
「ワシントンD.C.とワシントン州の違いってなに?」
「ワシントンD.C.は何州?」
「D.C.ってなんの略称?」
本記事では、ワシントンD.C.とワシントン州の名前の由来や特徴・歴史・文化について解説します。また、観光におすすめのスポットや有名大学なども合わせて紹介します。
間違いやすい2つの地域の異なる特徴・文化について知りたい方や旅行や留学を考えている人はぜひ、参考にしてみてください。
アメリカにはワシントンD.C.とワシントン州がある
アメリカにはワシントンD.C.とワシントン州という似た名前の地域があります。ワシントンD.C.はアメリカの政治・経済の中心地として知られ、観光地としても人気です。
また、ワシントン州は美しいビーチと豊かな自然、テクノロジー産業などでも知られる州です。両者に「ワシントン」という名称が入っていますが、ワシントンD.C.とワシントン州には明らかに違う魅力があります。
ワシントンD.C.とは?
ワシントンD.C.はアメリカ合衆国の政治や経済の中心地です。アメリカの政治や経済は他の国にも影響することから世界中から注目される地域です。
アメリカ人からは「D.C.」と呼ばれています。D.C.とは「District of Columbia(コロンビア特別区)」の略称です。
「コロンビア」とは大航海時代に大西洋航路を発見し、アメリカ大陸に上陸したことで知られるクリストファー・コロンブスにちなんで付けられています。
ワシントンD.C.はアメリカの東側に位置し、メリーランド州とバージニア州に隣接する地区です。ワシントンD.C.は、どの州にも属さない連邦政府直属の特別な地区です。どの州にも属していないのは、首都がどこかの州に属すことでその州の権力が強くなることを避ける理由があります。
ワシントンD.C.は、新古典主義の美しい政府関係の建物や記念碑・博物館など歴史的にも学術的にも興味深い場所です。また、都市の約5分の1が公共の公園となっており、大都市の中に美しい緑や並木道が味わえます。
ワシントン州とは?
ワシントン州とはアメリカの北西部に位置し、豊かな自然やMicrosoftなどのテクノロジー産業が有名な州です。ワシントン州の概要、独自の文化・歴史について解説します。
ワシントン州の概要
ワシントン州は美しい海と山など自然豊かで、「エバーグリーン・ステート(常緑の州)」という愛称がついています。
アメリカの西側海岸の最北部に面していて、年間降水量の多い太平洋岸北西地域で曇りや雨が多い州です。
ワシントン州の人はカフェでコーヒーを楽しむ文化があり、「曇りや雨の日は暖かいコーヒーを飲めば活動的なままでいられる」など面白い言葉もあります。
また、AmazonやMicrosoftなどのテクノロジー産業が有名で、航空宇宙産業でも高い技術を持っています。
ワシントン州の基本情報は以下の通りです。
人口 | 7,705,281人(全米13位) |
州都 | オリンピア |
主要都市 | シアトル |
広さ | 184,827km²(全米18位) |
特産品 | リンゴ・ホップ・さくらんぼ・シーフード |
気候 | 春:朝晩の気温が低い 夏:暖かく乾燥している、雨が少ない 秋:雲や雨の日が多い 冬:氷点下を下回る日は少ない、日照時間が短い |
主要な産業 | テクノロジー:Amazon、Microsoft 航空宇宙産業:ボーイング社 林業 農業 海洋産業 |
美しいビーチや山々など広大な自然とテクノロジー産業が共存する魅力的な州です。
ワシントン州の歴史
ワシントン州の歴史は長く、約1万1500年以上前からアジア方面からやってきた先住民族の人々が住んでいたといわれています。現在も29の部族が住んでおり、先住民族の文化が残っています。
ワシントン州最大の都市である「シアトル」は先住民のスコーミッシュ属の長である”シアルス(Sealth)”がなまって付けられたものです。
年代 | 歴史 |
1805年 | ルイス・アンド・クラーク探検隊が地域を調査し、発見 |
1853年 | アメリカ領となる |
1861年 | ワシントン大学が開校する |
1889年 | シアトルのダウンタウンで大火災が発生 |
1889年11月11日 | 合衆国で第42番目の州として正式に州籍を取得 |
ワシントン州は大統領の名前が州名になっている唯一の州で、初代大統領ジョージ・ワシントンにちなんで命名されました。先住民族が築いてきた歴史と近代のテクノロジー産業が混ざってユニークな文化を築いています。
ワシントン州の人気スポット
ワシントン州の人気スポットは以下です。
人気スポット | 特徴 |
オリンピック国立公園 | ・オリンピック半島の大約4,000km²を占める広大な自然が堪能できる |
パイクプレイスマーケット | ・アメリカ最古の歴史のある市場 ・カラフルなガム・ウォール |
スペースニードル | ・シアトルのランドマークで街を一望できる |
ポップカルチャー博物館 | ・映画や音楽好きに人気の博物館 |
ワシントン州には他にも自然を堪能できるアクティビティやおいしいグルメまでたくさんの魅力があります。
ワシントンD.C.の特徴
ワシントンD.C.はアメリカの首都で、以下のような特徴があります。
・就業者の約45%が公務員
・政治的・歴史的な施設が多い
・四季がはっきりしている
ワシントンD.C.はアメリカで唯一どの州にも属さない特別な地区です。アメリカの政界の中心で、国際関係の仕事をする人も多く、公務員が多いのも特徴です。
また、大統領選挙や外交の会談などで目にするホワイトハウスなど政治的な建造物も多くあります。日本と同様に、四季がはっきりしていて、春にはさくらが見られる魅力的な地域で、世界中から観光客が訪れます。
ワシントンD.C.の概要
ワシントンD.C.はアメリカの政治において中心となる場所で、政府機関や歴史的建造物が多く存在します。
初代大統領のジョージ・ワシントンの時代に建設されたホワイトハウスはアメリカを象徴する建物の一つです。
また、世界銀行や国際通貨基金の本部があり、政治や世界経済への強い影響力があります。アメリカの東部に位置する連邦直轄地で、東海岸とメリーランド州とヴァージニア州に挟まれた場所に位置しています。
ワシントンD.C.の基本情報は以下の通りです。
ワシントンD.C.について | 基本情報 |
人口 | 678,972人 |
広さ | 177.0km² |
気候 |
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主な産業 |
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アメリカの政治の中心で、豊かな文化的背景や高度な教育機関が集中する都市です。
ワシントンD.C.の歴史
アメリカの首都であるワシントンD.C.は、他の都市と異なり、アメリカのどの州にも属さない自治領です。
独立戦争の際に、ジョージ・ワシントンの部下だったフランス人の志願兵絵アンファンが都市計画を任されました。
対立していた南北ですが、妥協案として負債を北部が負担する代わりに、現在のワシントンD.C.がある南部に首都をおくことになりました。
20世紀には、公民権運動の中心地としてキング牧師が有名なスピーチを行った場所としても有名です。政治や外交、経済などアメリカ国内以外にも世界的に影響力のある都市です。
ワシントンD.C.の人気スポット
ワシントンD.C.の人気スポットは以下です。
人気スポット | 特徴 |
ホワイトハウス |
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アメリカ合衆国議会議事堂 |
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国立航空宇宙博物館 |
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リンカーン記念堂 |
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歴史と政治を味わえるスポットが多く、ワシントンD.C.は地下鉄や路面電車など交通機関が整備されているので観光スポットも訪れやすいです。
ワシントンD.C.にある有名大学
高度な教育機関としても有名なワシントンD.C.は、名門大学も多く存在します。ワシントンD.C.の有名な大学を3つ紹介します。
・ジョージタウン大学
・アメリカン大学
3つの大学の特徴についてそれぞれ紹介します。
ジョージ・ワシントン大学
ジョージ・ワシントン大学は初代アメリカ大統領ジョージ・ワシントンの「歴史を作る」という遺言によって1821年に創設された私立大学です。
多くの政治関係者が卒業生として名を連ね、政界や世界銀行、国際機関に進む人が多いのが特徴です。
ホワイトハウスから僅か徒歩10分程度の立地にあり、行政学や公共政策学など政治関連の分野にも特化しています。留学生も大学の約10%を占めるなど、国際色豊かな大学です。
ジョージタウン大学
ジョージタウン大学は、カトリック系の私立総合大学で、1789年創立の長い歴史を誇る大学です。生徒の約半数はカトリック教徒で、その背景には設立にイエズス会が関わっていることもあります。
卒業生の中には、クリントン元大統領やジョンソン元大統領の息子など、政界関係の人が多いです。政治学・国際関係学・法学などの分野でも評価の高い大学の一つです。
アメリカン大学
初代アメリカ大統領のジョージ・ワシントンの「偉大な大学を首都に設立する」という意思に基づき、1839年に設立された大学です。
ワシントンD.C.という政治の中心である土地柄にあるため、教室での学習以外に、インターンシップなどの就職に向けた経験をする生徒も多いです。
少人数制で熱心な教育を受けられ、土地柄からも就職に有利であるといわれています。卒業生にはアメリカの政界関係の人や起業家なども多くいます。
まとめ
アメリカのワシントンD.C.とワシントン州は一見似ているように思いますが、実際はさまざまな違いがあります。ワシントンD.C.の由来や歴史、人気のスポット・有名大学について紹介しました。
アメリカの政治や経済の中心として注目を集めるワシントンD.C.と、テクノロジー産業や自然豊かな環境で人気のワシントン州はどちらも魅力的な地域です。間違えやすいといわれる両者ですが、違いを知るきっかけになれば幸いです。
◇経歴
・高校留学を目指して英語科のある高校に進学し、英語中心の生活を送る。
・高校2年生で交換留学プログラムでアメリカ長期留学を経験。
・留学先で出会った彼(夫)と7年間の国際恋愛を経て結婚。
・夫はアメリカ人で日本語が話せないので英語中心の会話。
・現在、アメリカ移住に向けて準備中。
◇資格
・英検準2級
◇留学経験
・アメリカ合衆国ノースダコタ州、10か月、レッド・リバー高校
◇海外渡航経験
・中学2年生で初めての海外旅行でハワイ・グアムに行く
・高校2年生で10か月間のアメリカ留学
・アメリカ人彼氏に会うため、毎年、最短2週間、最長2か月間の渡米
(コロナ禍は2年間は渡米していません。)
・現在、アメリカ移住の準備中
◇自己紹介
普段は翻訳などの仕事をしていますが、Webライターとしても活動しています。
興味の幅が広く、様々なテーマで記事を書いています。
皆様にとってわかりやすく面白い記事を書けるよう頑張ります。
よろしくお願いいたします。