
カナダ西海岸に位置するバンクーバーは、北米の中でも特異な気候を持つ都市として知られています。太平洋から流れ込む暖流の影響で、カナダの他の都市と比べて温暖な気候を保っています。
地元の人々からは「レインクーバー(Raincouver)」と呼ばれるほど雨の多い都市であり、年間を通じて適度な気温を保ちながらも、よく雨が降る都市です。
この記事では、バンクーバーの季節ごとの天気の特徴と快適に過ごすための服装について、具体的にご紹介していきます!
- バンクーバーの春(3月~5月)の天気と服装
- バンクーバーの夏(6月~8月)の天気と服装
- バンクーバーの秋(9月~11月)の天気と服装
- バンクーバーの冬(12月~2月)の天気と服装
- バンクーバーの天気予報の見方
- バンクーバー特有の天候
- まとめ
バンクーバーの春(3月~5月)の天気と服装
バンクーバーには日本と同じく四季があります。四季の中でも特徴的な時季が、短く爽やかな乾季である夏と、長くて雨が多い雨季である冬の2つです。まずは、バンクーバーの春と呼ばれる3月~5月の天気と、適切な服装を解説します。
3月の気温と過ごし方
3月のバンクーバーは、冬から春に移る時期です。気温は日中10~12℃、朝晩は2~4℃程度で推移し、平均気温は6~8℃となります。この時季は雨が非常に多く、月間で約15日ほどの降水日があります。晴れ間と雨が頻繁に入れ替わり、朝晩の冷え込みも厳しいため、服装選びには特に注意が必要です。
3月の服装で重要なのは、何と言っても重ね着の工夫です。朝は冷えていても、日中は暖かくなることも多いため、着脱可能なレイヤリングがおすすめです。
インナーには、ヒートテック等の発熱素材の長袖を着用し、その上に薄手のセーターやカーディガンを重ねます。
アウターは防水機能付きのコートが重宝します。特に通勤・通学時は、急な雨に備えて折りたたみ傘は必需品です。
靴選びも重要なポイントで、防水性の高い素材のものがおすすめ。革靴やブーツには防水スプレーを使用し、しっかりと対策を施しておくと安心です。手袋やマフラー、ストールなどの防寒具も、まだまだ必要です。
4月の気温と過ごし方
4月に入ると、バンクーバーにも春の温かさが徐々に感じられるようになってきます。気温は日中13~15℃まで上昇し、朝晩も5~7℃程度と、3月に比べると過ごしやすくなります。
ただし雨は依然として多く、月間で約12日の降水日があります。また、気温差が大きくなるのもこの時季の特徴です。
服装は3月に比べると軽めのアウターで良いですが、防寒対策は必要です。薄手の長袖カットソーやコットン素材のシャツをベースに、カーディガンやライトアウターを組み合わせるのがおすすめです。特に朝晩は冷えることが多いため、脱ぎ着できる上着は必須アイテムとなります。
5月の気温と過ごし方
5月になると、バンクーバーではようやく本格的な春の装いです。気温は日中18~20℃まで上昇し、朝晩も10℃を下回ることは少なくなります。
雨は徐々に減少傾向となり、晴れの日が増えていきます。それにともなって日差しが強くなってくるため、この時季からは紫外線対策も重要になってきます。
服装は春らしい装いが楽しめる季節です。長袖のカットソーやシャツに、薄手のジャケットやカーディガンを合わせるのが基本。
まだ雨が降る日も残るので、トレンチコートやマウンテンパーカーなど防水性のあるアウターがあると便利です。また、急な天候の変化に備えて、折りたたみ傘と薄手のストールは常に持ち歩くことをおすすめします。
バンクーバーの夏(6月~8月)の天気と服装
バンクーバーの夏は6月~8月で、湿気が少なく日照時間も長いベストシーズンです。日本の夏と比較しながら、この時季の天気と服装を解説します。
6月の気温と過ごし方
6月のバンクーバーは、初夏の爽やかな気候が特徴です。気温は日中20~22℃程度まで上昇し、朝晩も15℃前後と過ごしやすい温度帯となります。雨は5月に比べてさらに減少し、晴れの日が多くなります。ただし、急な天候の変化には注意が必要です。
日中は半袖のトップスがメインで大丈夫です。朝晩の気温変化に備えて、薄手のカーディガンやジャケットなどの羽織りものを持ち歩きましょう。
特に暑くなると室内は冷房が効いていることが多いため、上着があると重宝します。
7月と8月(真夏)の気温と過ごし方
バンクーバーの7月と8月は、1年で最も気温が高くなる時季です。日中の気温は25℃前後まで上昇し、時には30℃を超えることもあります。ただし湿度は比較的低く、カラッとした暑さで、日本の夏ほど蒸し暑さを感じることは少ないです。降水量が最も少なく、晴れの日が続くことが多いため、観光やアウトドア活動には最適な季節となります。
服装は半袖Tシャツやノースリーブのトップスがメインです。日差しがとても強いため、日焼け対策は必須です。
帽子やサングラス、日焼け止めクリームなどの紫外線対策グッズは欠かせません。また、朝晩は気温が下がることもあるので、薄手のカーディガンやパーカーなどの羽織りものがあると安心です。
バンクーバーの秋(9月~11月)の天気と服装
バンクーバーの夏は短く、すぐに秋がやってきます。特に10月に入ると一気に冷え込むことがあり、寒暖差の激しい時季です。
9月の気温と過ごし方
9月のバンクーバーは、まだ夏の余韻を感じられる穏やかな気候が特徴です。日中の気温は20℃前後を維持し、朝晩も15℃程度と過ごしやすい時季です。月の後半になると徐々に秋らしい肌寒さが感じられるようになり、雨の頻度が増えていきます。空気は澄んでいて、街路樹が色づき始め、街全体が美しい秋の装いに変わっていく様子を楽しめます。
服装は長袖のカットソーやシャツをベースに、カーディガンやライトジャケットを組み合わせるのがおすすめです。特に朝晩は冷えることが多いため、羽織りものは必須。
9月後半からは雨の日が増えてくるため、防水性のあるアウターを用意しておくと安心です。スタンレーパークやクイーンエリザベス公園など、紅葉スポットを散策する機会には、歩きやすい靴と雨具の準備もお忘れなく。
10月の気温と過ごし方
10月に入ると、バンクーバーは本格的な秋の季節となります。気温は日中15℃前後、朝晩は10℃を下回ることも多くなり、肌寒さを感じる日が増えてきます。
この時季は雨の日が特に多く、現地では「雨季の始まり」と呼ばれます。時には数日間続けて雨が降ることもあり、湿度も高くなるので、体感温度は実際の気温よりも低く感じられます。
服装は、保温性と防水性を重視したものが必要になってきます。ウール素材のセーターやフリースなどの暖かい素材のアイテムを取り入れ、アウターは防水性のあるコートやジャケットを選びましょう。特に通勤や通学など、日常的に外出する機会が多い方は、本格的なレインコートや防水ブーツも検討してみてください。
11月の気温と過ごし方
11月のバンクーバーは、秋から冬へ移り変わります。気温は日中でも10℃前後まで下がり、朝晩は5℃を下回ることも珍しくありません。雨が多く、時には小雨が一日中降り続けることもあります。11月後半になると、山間部では最初の積雪が見られることもあり、街中でも初雪の可能性が出てきます。
服装は、冬物への切り替えが必要になってきます。ヒートテックなどの発熱素材のインナーを活用し、セーターやフリースなどの暖かいミドルレイヤーを重ねます。アウターは、防水性と保温性を兼ね備えたダウンコートや厚手のウールコートが活躍します。手袋やマフラー、ニット帽なども必要になる季節です。
バンクーバーの冬(12月~2月)の天気と服装
バンクーバーは秋に雨が続くので、冬のような寒さを感じます。そのまま冬が訪れ、日本に比べて寒い時季が多いのが特徴です。バンクーバーの冬(12月~2月)の天気と、必要な服装の準備を解説します。
12月の気温と過ごし方
12月のバンクーバーは、本格的な冬が訪れます。気温は日中でも5~8℃程度で、夜間は0℃近くまで下がることもあります。西海岸に位置するバンクーバーは、カナダ東部の都市と比べると温暖で、極端な寒さになることは少ないのが特徴です。雨は依然として多く、時には雪が混じることもありますが、雪景色になることは稀です。
服装は、保温性を重視したものが基本となります。ヒートテックなどの発熱素材のインナーに、暖かいセーターやフリースを重ね、アウターは防水性のあるダウンコートやウールコートを着用すると良いでしょう。
手袋、マフラー、ニット帽は必須アイテムで、靴も防水性の高いブーツが重宝します。
1月と2月(真冬)の気温と過ごし方
1月と2月は、バンクーバーで最も寒い時季となります。気温は日中でも5℃前後、夜間は0℃を下回ることも珍しくありません。雨や曇りの日が続き、日照時間も短くなります。ただし、晴れた日は澄んだ青空が広がり、近郊の山々の雪景色が美しく見えます。
服装は12月とほぼ同様ですが、さらに保温性を高める工夫が必要です。薄手の発熱インナーを重ね着したり、ウールの靴下を二重に履いたりするなど、体温を逃がさない工夫が大切です。室内は暖房が強めに効いていることが多いため、着脱しやすい服装を心がけましょう。
バンクーバーの天気予報の見方
バンクーバーの天気予報を見る際の、注意点について解説します。天気予報は頻繁に更新されます。前日に確認していたとしても、当日外出前にもう一度チェックすることをおすすめします。また、日の入り後は急激に気温が下がる場合があります。日の入り時刻や体感気温なども意識すると良いでしょう。
特に注目すべきは天気図や降雨確率だけでなく、降水量の予報です。バンクーバーの雨は、日本のような激しい雨ではなく、小雨や霧雨が長時間続きます。朝は霧が濃い日も多いため、視界不良による交通機関の乱れにも注意が必要です。
バンクーバー特有の天候
バンクーバーには、いくつか特徴的な気象現象があります。
その一つが、「マイクロクライメート」と呼ばれる地域ごとの細かい気候の違いです。例えばノースバンクーバーは、南向きの斜面に位置するため日当たりが良く、バンクーバー市内より暖かく感じられる日が多いです。また、太平洋からの影響を受けやすい地理的特性により、気圧の変動が大きいのも特徴です。天候が急激に変化することが多く、「バンクーバーでは一日の間に四季を体験できる」と言われることもあります。
まとめ
バンクーバーの気候は一年を通して比較的穏やかですが、雨の多さと気温の変化には十分注意が必要です。
特におすすめなのが、防水性のある服装と重ね着をうまく取り入れることです。現地の人は「バンクーバーに悪い天気はない、不適切な服装があるだけだ」とよく言います。天気のせいにせずバンクーバーらしい気候を受け入れ、適した服装を工夫するべきという考え方です。
日本から移住や長期滞在を予定している方は、季節ごとの気候に合わせて、服装選びへの投資も重視することをおすすめします。
◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇留学経験
イングランドのオックスフォードのOxford English Centreに3週間の語学留学と、スコットランドのエディンバラのUniversity of Edinburghに1年間の交換留学をしていました。
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。