海外に興味があるなら、ワーキングホリデーはおすすめの選択肢です。
しかし、この制度には年齢制限があり、国によって異なる様々な条件が設定されています。
この記事では、2024年現在のワーキングホリデーにおける年齢制限について解説するとともに、成功に導くための具体的なアドバイスをお伝えします。
ワーキングホリデーの年齢制限とは?
ワーキングホリデー制度は、1975年にオーストラリアと日本の間で始まった文化交流プログラムです。
当初は、若者の国際相互理解を深めることを主な目的として設立されました。
この制度が革新的だったのは、観光や就労ビザとは異なり、滞在国の文化や社会を深く理解しながら、実際の就労経験を通じて現地の生活を体験できる点にありました。
その後、この制度は世界各国に広がり、現在では日本と25カ国以上の国々との間で協定が結ばれています。
各国は、文化交流という目的を保ちながら、それぞれの国の事情や需要に応じて、独自の年齢制限や条件を設定しています。
年齢制限が設けられている理由はいくつかありますが、大きいのは、文化交流の効果を最大化するという観点です。
若い世代は一般的に、新しい文化や価値観を柔軟に受け入れ、適応する能力が高いとされています。また、この時期の異文化体験は、その後の人生観や価値観形成に大きな影響を与えることが、様々な研究で示されています。
年齢制限で基準となる時点は、通常、ビザの申請時です。
例えば30歳までという制限がある国の場合、申請時点で30歳であれば、滞在中に31歳になったとしても問題ありません。
また、多くの国では、申請から実際の渡航までにある程度の期間的な余裕を持たせることができます。例えば、ビザの有効期限が発給から1年間という国の場合、申請時に年齢制限をクリアしていれば、実際の渡航を数か月後に設定することも可能です。
さらに、年齢のカウント方法も国によって若干異なります。誕生日の前日から新しい年齢とカウントする国もあれば、誕生日当日からとする国もあります。このような細かい違いは、申請のタイミングを検討する際に重要となってきます。
国別の年齢制限一覧
ワーキングホリデーの年齢制限は国によって異なります。以下で、人気の滞在先の年齢を比較してみましょう。
オーストラリア
オーストラリアは、日本人にとって最も人気の高いワーキングホリデー先の一つです。
現在の年齢制限は18歳から35歳までと設定されており、2019年に30歳から引き上げられました。
滞在期間は12ヶ月ですが、特定の条件下では最長3年まで延長が可能です。
ニュージーランド
ニュージーランドの年齢制限は18歳から35歳までで、オーストラリアと同様です。
ただし、年間の受入れ枠が設定されており、申請時期の選択が重要となります。
カナダ
カナダの年齢制限は18歳から30歳までと設定されています。
申請には年間の募集枠があり、時期を見計らう必要があります。
イギリス
イギリスの年齢制限は18歳から30歳までで、最長24ヶ月の滞在が可能です。
他の国と比べて長期の滞在が認められているのが特徴です。
ワーキングホリデー申請の条件とは?
ワーキングホリデーをするなら、申請の条件をクリアしなければいけません。どのような条件があるのか見ていきましょう。
パスポートと身分証明
すべての国で共通の基本要件は、もちろんパスポートを持っていることです。
通常、滞在予定期間に加えて数ヶ月余裕があれば好ましいとされます。また、多くの国では、犯罪歴がないことの証明も求められます。
財政的要件の詳細
財政的要件は国によって異なりますが、一般的に往復航空券の購入費用、または帰国便の購入に相当する金額の証明が必要です。これは、緊急時の帰国に備えるためのものです。
また、初期滞在費用として、一定額の預金残高証明が求められます。例えば、オーストラリアでは約50万円、カナダでは約250万円程度が目安となります。
健康診断と保険要件
多くの国で、海外旅行保険への加入が義務付けられています。
保険の補償内容には、医療費、緊急搬送費用、賠償責任などが含まれる必要があります。
一部の国では、入国前の健康診断と結核検査が必要です。特に、医療機関での就労を予定している場合は、より詳しい健康診断が求められることがあります。
ワーキングホリデーのメリットとデメリット
では、ワーキングホリデーのメリットとデメリット、両方を比較していきましょう。先にメリットをご紹介します。
異文化体験による成長の機会
異文化での生活は、人の成長に大きな影響を与えます。語学力の向上は最もわかりやすい効果の一つです。日常生活や職場での英語使用を通じて、実践的な語学力が身につきます。特に、ビジネス用語や業界特有の専門用語を学ぶ機会も得られます。
文化的な視野の拡大も期待できる効果でしょう。異なる価値観や生活習慣に触れることで、より柔軟な思考力と適応力が養われます。これは、帰国後のビジネスシーンでも大きな強みとなります。
キャリアの発展に役立つ
海外での就労経験は、将来のキャリアに様々な形で影響を与えます。グローバル人材としての評価が高まります。特に、 国際展開を行う企業では、海外での実務経験が重要視されます。また、異文化コミュニケーション能力や問題解決能力の向上も、キャリアアップの大きな武器となります。
専門スキルの習得機会も得られます。例えば、ホスピタリティ業界での経験や、農業技術の習得など、日本では得られない専門知識を獲得できる可能性があります。
新しい人脈を作るチャンス
世界中の人々との出会いは、かけがえのない財産となります。国際的な人脈の形成は、将来的なビジネスチャンスにつながる可能性があります。また、SNSの発達により、帰国後も関係を維持しやすくなっています。
現地の日本人コミュニティとのつながりも重要です。同じ経験を共有する仲間との出会いは、生涯の友情につながることも多くあります。
反対に、デメリットには以下のようなものがあります。
キャリアが中断されるリスク
一時的なキャリアの中断は、避けられない課題の一つです。日本での就業経験の空白期間が生まれることで、帰国後の就職活動に影響が出る可能性があります。特に、年齢が高くなるほど、このリスクは大きくなる傾向にあります。
専門職のスキル維持も課題となります。IT業界など、技術の進歩が速い分野では、この期間のブランクが致命的になる可能性もあります。
経済的な負担がかかる
渡航準備から現地での生活まで、相当額の資金が必要となります。初期費用として、航空券、ビザ申請費用、保険料、当面の生活費など、概ね100万円程度の準備が必要です。また、予期せぬ出費に備えた余裕資金も重要です。
現地での収入は、必ずしも安定しないことを認識しておく必要があります。特に、就職活動期間中や季節労働の端境期には、収入が途絶えることもあります。
心理的・身体的ストレスを抱える
異文化での生活には、様々なストレスが伴います。言語の壁は、最も一般的なストレス要因です。就労開始直後は、業務上のコミュニケーションに苦労することも多くあります。
生活習慣の違いによるストレスも無視できません。食事、住環境、人間関係など、あらゆる面での違いに適応する必要があります。
ホームシックや孤独感も、多くの人が経験する課題です。特に、長期滞在の場合、深刻化するとかなり厄介です。
年齢制限を超えた場合の選択肢について
年齢制限を超えてしまった場合でも、以下のような方法で海外に滞在できます。
語学留学
語学学校への留学は、年齢制限のない代替手段として人気があります。
短期から長期まで、目的に応じた期間設定が可能です。多くの国でパートタイムでの就労が認められており、学習と就労経験を組み合わせることができます。
専門学校や職業訓練校への留学も選択肢となります。
学位取得プログラム
大学や大学院への留学は、より長期的なキャリア形成を見据えた選択肢です。
修士号や専門資格を取得すれば、将来的に就労ビザが取れる場合もあります。また、現地での就職活動を有利に進めることができます。
研究活動を通じた滞在も可能です。専門性の高い分野では研究者としての道も開かれています。
専門職としての道
専門的なスキルや資格を活かした就労ビザを取得する道もあるでしょう。IT技術者、看護師、教師など、需要の高い職種では、比較的ビザ取得のハードルが低くなっています。また、一度就労ビザを取得すれば、長期的な滞在ができます。
企業内転勤の活用
日系企業や多国籍企業での転勤制度を活用する方法もあります。この場合、既存の雇用関係を維持したまま海外勤務が可能となります。また、帰国後のポジションも保証されるため、キャリアの中断リスクを最小限に抑えられます。
ワーキングホリデーを成功させるためには?
では最後に、ワーキングホリデーを成功させるためのポイントをご紹介します。
情報収集と計画立案
成功の鍵は準備にあります。滞在先の生活費、住宅事情、求人状況などの具体的な情報を収集しましょう。インターネットでの情報収集だけでなく、実際の体験者の声を聞くことも重要です。
また、具体的な目標設定と計画を作ることも大切です。「語学力の向上」「特定の職種での経験獲得」など、明確な目標を持つことで、ワーキングホリデーをより実りのあるものにできるでしょう。
語学力の強化
現地での生活と就労には、一定以上の語学力が必要不可欠です。渡航前から計画的に語学学習を行うことで、現地での適応をスムーズにできます。オンライン英会話や語学学校での学習、英語での動画視聴など、様々な手段を活用しましょう。
特に、志望する職種に関連する専門用語や業界用語の習得は、就職活動を有利に進めるポイントとなります。
ネットワーク作り
現地での人脈形成は、成功の重要な要素です。日本人コミュニティへ参加すると、情報収集やお互いのサポート面で有利です。 ただし、日本人との交流だけに終始せず、現地の人々との交流も積極的に行うことが重要です。
まとめ
ワーキングホリデーは、若いうちしか経験できない貴重な機会です。
語学留学や交換留学の機会もありますが、学生でないならワーホリによる経験は、働けるという点でもおすすめです。
新しいことにチャレンジするのは勇気がいりますが、一度きりの人生、後悔しないようにしたいですね。

◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇留学経験
イングランドのオックスフォードのOxford English Centreに3週間の語学留学と、スコットランドのエディンバラのUniversity of Edinburghに1年間の交換留学をしていました。
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。