
日本語に限らず、言語の勉強を長く続けていると、多くの人がぶつかる壁があります。
それは「これ以上何を勉強すればいいの?」というものです。
実はこれは中級者以上にありがちな悩みで、多くの学習者が中級から上級に行く過程で何をすればいいかわからず、スランプに陥ってしまいます。
実際に書店に足を運んでも、日本語学習サイトを見てみても、扱っているのは初級者から中級者に向けた内容ばかりです。
それ以上のレベルの学習者は、ほったらかしになることが多いんですね。
今回の記事では、そんな「もうこれ以上何を勉強すればいいのかわからないよ!」という日本語上級者を目指す中級者のために「日本語上級者とは」そして「日本語上級者になるためには」という2つのテーマについて解説していきます。
基礎的な勉強ばかりで行き詰まりを感じている人、日本語学習の道筋をハッキリさせたい人は、ぜひ最後まで読んでいってください。
- 日本語の初級・中級・上級ってどんな違いがあるの?
- 日本語の上級者が受けているレッスンってなにやってるの?
- 日本語の上級者になるための学習とは?
- オンラインで日本語を学習するならネイティブキャンプ!!
- 日本語 上級者 まとめ
日本語の初級・中級・上級ってどんな違いがあるの?
まずは、日本語学習者を、初級者・中級者・上級者に分け、それぞれの違いを確認していきましょう。
自分の現在のレベルと、次に行くべきレベルを認識するのは重要です。
ポイントは「日本語を使って何ができるか」
JLPTなどの日本語テストなども基準にはなりますが、実際にもっと重要なのが、「日本語を使って何ができるか」です。
旅行するのに困らない程度なのか、仕事ができるのか、話し相手に合わせて話法を変えることができるか、語尾を駆使して微妙なニュアンスを表現できるか、などといったことですね。
日本語初級者ができること
日本語初級者ができることは、「簡単な情報の取得と伝達」です。
「ここに並んでください」「在留資格を見せてください」「何を注文しますか?」などの情報の理解。
そして
「この商品が欲しい」「道がわからなくて困っている」「楽しい気分である」という情報を、ありのままに伝えることしかできない人は、日本語初心者です。
基礎的な語彙と文法を、パズルのように組みわせ、情報の交換を行う、というコミュニケーションの第一歩ですね。
日本語中級者ができること
日本語中級者になると、基本的な情報に自由に情報を付け加えたり、聞き出したりすることができるようになります。
例えばレストランで注文をする時、メニューを指さして「これ」ではなく、「エビはアレルギーなので抜いて欲しい」とか「豚肉は食べれないので、豚肉が入っていない料理はあるか?」などといったやり取りをなんなく行えるのが中級者です。
覚えた文章を言うだけでなく、その場で相手の情報を理解し、それに応じた返事を即興で作り上げなければいけません。
豊富な語彙とリスニング力、スピーキング力、文化理解、社会性が必要となります。
日本語上級者ができること
日本語上級者は、情報の伝達以上のことができる学習者のことを言います。
「情報の伝達以上のこと」とはいったいなんなのか。
例えば「いやー、昨日飲みすぎちゃってさー」という文章を会話で使ったとします。
この文章には「昨日お酒を大量に飲んだ」という情報だけでなく、「二日酔いで調子が悪い」「体調が悪く見えるかもしれないけどただ飲みすぎただけだから心配しないで」という隠されたニュアンスがあります。
ここで「昨日の夜お酒をたくさん飲んだ。そのため今日少し体の調子が悪い。でも風邪をひいているわけではないので心配をしていただく必要はありません。」と言わずに、「飲みすぎちゃった」で全てを伝えることができる人が、日本語上級者と呼ばれます。
語彙、文法、発音だけでなく、言い方、表情、いうタイミング、文化理解が熟練してなければ、このようなセリフをさらっということはできません。
日本語の上級者が受けているレッスンってなにやってるの?
それでは本題の「日本語上級者が行っている勉強」を紹介していきます。
これらは一部の例ですが、多くの学習者が似たような勉強法を行っています。
実際に日本語が上手な人に会ってみて、どんな勉強をしているのかを聞いてみてもいいですね。
「生」の日本語から学ぶ
日本語上級者は「生」の日本語から、新しい知識を吸収します。
しかし「生の日本語」とは、いったいなんなのでしょうか?
簡単に言うと「日本人が日本人に向けて使っている日本語」のことですね。
日本語教室に通っていると、教科書やリスニングの音源などの教材が渡されます。
それらは「日本人が外国人に向けて作った日本語」です。
もちろん立派な日本語なのですが、日本語初級者のために、わかりづらいニュアンスが書き換えられていたり、ゆっくりハッキリ話している音源が使われていたりします。
このような「教科書日本語」は卒業し、本、テレビ、ラジオ、アニメ、漫画、YouTubeなどの生きた日本語で、上級者は勉強を続けています。
新聞や論文から学ぶ
「生の日本語」に通ずることですが、新聞や論文なども、日本語上級者がよく使う教材です。
日常会話などの普段の生活で触れる日本語は、意外と決まりきったものが多いです。
もちろんその中でも新しいフレーズや単語に出会い、成長することはできますが、上級者は自分から積極的に知らない日本語の中に飛び込んでいきます。
その飛び込む先が、新聞や論文などの、日本人でも頑張って読むようなものというわけです。
アカデミックライティング
またまた新聞や論文に通じますが、英語上級者はアウトプットも意識しています。
アウトプットには様々な方法があります。
・ネイティブスピーカーの日本人と会話をする
・SNSを日本語で投稿する
・日本語の動画を撮ってみる
・ネイティブキャンプなどのオンラインサービスを使ってみる
などですね。
そしてこれらの中でも、「書く」という点において最もハードルが高いのが、論文やレポートなどの「アカデミックライティング」です。
アカデミックライティングは、まず誤字脱字が許されません。また、雰囲気でなんとなく理解してもらおうという甘えも通用しません。
誰にでも正確に伝わるように、論理的に、間違いなく文章を作る能力が必要とされます。
教育機関にいない場合、あまりアカデミックライティングをする機会はないかもしれませんが、勉強の1つに取り入れてみてもいいでしょう。
言葉のニュアンス
さきほど出てきた「飲みすぎちゃった」の例えでも説明しましたが、文章の裏に潜む意味を使いこなせるような努力が必要です。
「たくさん飲みました」ではなく「飲みすぎちゃった」と言えるかどうかで、上級か中級かが分かります。
上級者はこのようなニュアンスを理解するために、大量の日本語に触れることを意識しています。
暇な時はラジオやポッドキャストを聞いたり、意識して日本人向けの生の日本語が目に入るようにしています。
そして気になるフレーズや単語があれば、レッスンに持って行き詳しく聞いてみる、もしくは使ってみる、ということを繰り返し、感覚を身につけているのです。
日本語の上級者になるための学習とは?
ここでは、日本語上級者にステップアップするための心構えを紹介します。
実は上級者ほど大切にしていて、中級者ほどおろそかにしていることが多いです。
教材を自分から見つけていく
ここまで読んでいただいた方はお分かりいただけたかと思いますが、言語学習の上級者は、自分で教材を見つけます。
与えられた教材をこなすだけでは、ある程度のレベルで止まってしまうこと、そして少し注意をすれば、この世界は教材で溢れていることを知っているのです。
先生からもらった教材をこなすのは大事ですが、いずれは自分で教材を見つけられるようにしていきましょう。
質問を山ほど用意する
上級者だけでなく「この人はすぐ上級者になるだろうな」という学習者は、質問の量が多いです。
疑問というのは、思考の副産物です。何も考えない人は疑問を持つことすらないんですね。
そのため、自分から学ばず、ただ与えられたことしかしない生徒は質問が極端に少ないです。
自分の頭でしっかりと考え、次のレッスンまでにたくさんの質問を用意しておきましょう。
テストを軽視しない
特に中級者にありがちなのですが、テストを軽視すると上級者にはなれません。
「テストで点数取れても、実践で使えるようにはならないよ」
というのが、テストを軽視する人の言い分です。
実はこの言い分は100%正しいです。なぜなら、「言語を実践で使えるようになるには、テストで高得点くらい取れて当然」だからです。
テストをしっかりとこなすのが、スタートラインだと思ってください。
テストで鍛えた基礎力を持って、実践で使える日本語力を養っていく、というイメージです。
オンラインで日本語を学習するならネイティブキャンプ!!
日本人向けの英語学習サービス「ネイティブキャンプ」では、非日本語話者に向けた日本語学習サービスも行っています。
ネイティブキャンプを使って日本語を勉強するメリットを見ていきましょう。
予約なしでレッスンし放題
ネイティブキャンプでは、レッスンを受ける際に予約が不要です。
その時に空いている講師を見つけ、即レッスンを開始することができます。
教えるプロの講師陣
担当する日本語講師の方々は、単に「日本語が喋れる」というだけでなく、講師歴が長い「教えるプロ」ばかりです。
質問すればわかるように答えてくれるし、効率よく授業を進めてくれます。
それぞれの生徒に合ったレッスン内容
ネイティブキャンプでは、複数のパターンの教材やコースが用意されており、自分に合ったレッスンをカスタマイズすることができます。
会話中心なのか、テスト対策なのか、仕事で使えるようにしたいのか、などの自分の目的に合わせたレッスンで効率よく日本語を習得しましょう。
1ヶ月の無料体験レッスン
ネイティブキャンプでは、1ヶ月無料でレッスンを受けることができます。
1ヶ月かけて色々な講師や教材を体験し、それから入会を考えてみてもいいでしょう。
日本語 上級者 まとめ
言語習得は、ただがむしゃらに勉強していればレベルアップできるというものではありません。
自分の現在地を正確に把握し、今の自分に必要な勉強をしなければなりません。
今に自分の位置と上級者の位置を見比べ、その差を埋める学習をしていきましょう。
https://ja.nativecamp.net/?cc=blog_ja2
◇経歴
・アメリカ、オクラホマ州の四年制大学を卒業
・英語学習に関するブログを中心に、英語ライター・翻訳家として活動(現在)
◇資格
・TOEFL503点(大学入学時)
・Bachelor of Arts(文学士号)
◇留学経験
渡航先:アメリカ、オクラホマ州タレクア
留学期間:2012〜2017(5年)
学校名:Northeastern States University
◇海外渡航経験
・高校卒業後に、アメリカのオクラホマ州にあるNortheastern州立大学へ5年間の正規留学を経験
◇自己紹介
高校時代にアメリカの音楽文化に興味を持ち、アメリカへの大学留学を決意したことが、英語学習を本格的に始めることになったきっかけです。渡米後に3ヶ月の語学研修とTOEFL試験をクリアし、正規入学を果たしました。音楽学部にてJazz Studiesを専攻し、複数のバンドでギタリスト・ベーシストとして活動したことは一生の財産です。言葉はその人の価値観を定義付け、語学の習得は世界の見え方を変えます。自分が今も現在進行形で経験している、言語の魅力を発信するために、日々、英語・語学に関する情報発信をしています。
