35歳からOK?「フィリピン移住」の条件とビザ取得のコツ【徹底解説】

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近年海外移住への関心が高まっています。より良い生活環境や日本とは異なる文化からの刺激、ビジネスやキャリアアップへの可能性を広げるため、幅広い年齢層の現実的な選択肢となりつつあります。

温暖で活気のあるフィリピンも、移住先として人気の高い国の一つです。この記事では、フィリピン移住の魅力や、無期限の滞在が可能なビザの種類と条件・取得手続き・必要書類について詳しく解説します。

移住に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてくださいね。

移住先としての「フィリピン」の基本情報

フィリピンは赤道のやや北に位置し、7,600以上の島々から成る島国です。人口の集中する主要な島として、マニラのあるルソン島、ダバオのあるミンダナオ島、観光で人気なセブ島があります。

日本の主要国際空港から、首都マニラへの直行便が出ており、所要時間も4〜4時間半ほどの距離で、時差は1時間です。

主に熱帯気候に属し、年間を通じて26〜30℃ほどで、一般的に6〜11月の雨季と12月〜5月の乾季に分かれていますが、地域差があります。また、台風や洪水、地震などの自然災害のリスクには、他の国々と同様に備えが必要です。

人口は2024年時点で約1億112万7千人、平均年齢は約26歳で現在労働力人口に恵まれている国です。経済成長率はASEANでも高水準を維持しており、豊富な労働力、優秀な人材、将来的な消費市場としても注目されています。

歴史的にはスペインやアメリカの統治を受けた背景があり、その影響は統治以前からの文化・価値観とともに、宗教や建築、日常生活の随所に見られます。国民の約8割以上がカトリックを信仰しており、歴史的建造物が今も大切に保存されている地域も少なくありません。英語が広く使用されている点も、アメリカ統治時代の影響によるものです。

日本との関係については、第二次世界大戦中の歴史を踏まえつつも、現在はスポーツ、文化、経済、政治など多方面で交流が深まっています。

なぜ今フィリピン?移住先としての魅力とメリット

フィリピンが移住先として注目されている理由として、以下のような点が挙げられます。

・物価が比較的低い
・英語が公用語
・日本からのアクセスが良く、時差が1時間と少ない
・温暖な気候
・文化、価値観、自然
・他の国に比べて無期限の滞在権取得にかかる金額が少ない
・不動産や企業への投資

■ 物価が比較的低い

日本と比べて生活の費用を抑えられることが期待されます。物価上昇が続く中、日本での収入や貯蓄、現地での好条件の就労をもとに、ワーク・ライフバランスの充実や、退職後のゆとりのある生活などが実現できる可能性があります。

■ 英語が公用語

英語でコミュニケーションが取れ、街やメディアからも常に英語で情報が受け取れる環境は生活しやすいと言えます。また、このような英語環境から、子供の教育、自己啓発の場としての移住も広く検討されています。

■ 日本からのアクセスが良く、時差が1時間と少ない

フィリピンは主要都市であれば短時間で移動できるうえ、LCCなどの利用も可能で移動費用に柔軟性があり、行き来しやすいといえます。また、日本との時差が1時間と少ないため、日本とのやりとりで時間をあまり気にする必要がありません。

■ 温暖な気候

日本の寒い季節が苦手な場合、フィリピンの気候は魅力的です。赤道近くの強烈な日差しは、蒸し暑い時期を中心に好みは分かれますが、乾季などの比較的からっとした気候や空調の充実した建物などは過ごしやすく感じられることも特徴です。

■ 文化、価値観、自然

海外に住む一つのメリットとして、土地の文化に触れて新たな経験をしていくことが挙げられると思います。フィリピンで出会う個々人のコミュニケーションのありかたや価値観、文化、自然環境から刺激や学びが得られることが考えられます。

■ 他の国に比べて無期限の滞在権取得の条件と費用のハードルが低い

欧米・オーストラリアや、近隣のシンガポールやタイなどのアジア諸国と比較して、費用を抑えて無期限に滞在可能なビザを取得できる可能性があります。

■ 不動産や企業への投資

今後の経済成長が見込まれるフィリピンは、不動産や成長産業への投資先として注目されています。また若年人口の多さと消費意欲は、消費市場としても期待されています。

フィリピン移住に欠かせない「ビザ」の役割と重要性

外国に滞在するにはなんらかの在留資格が必要です。ビザには、審査によって入国を管理するという目的があり、審査を通過した外国人に一定期間の在留資格を与えます。ただし法律や協定によって、入国目的や、外国人の国籍などの特定の条件のもとでビザが免除されるケースがあります。

日本国籍者は短期観光目的であれば一定期間ビザ免除で入国できますが、長期滞在や居住を目的とする場合には、適切なビザの取得が不可欠です。このため、現地での無期限の居住を希望する場合、ビザの取得は必須です。ビザなしで規定以上に滞在し続けると違法となります。こういった点で、ビザは重要です。

35歳からでも移住できる?ビザの種類と年齢条件

35歳からでもフィリピンへ移住できる可能性はあります。ただし、選択するビザの種類や移住の目的によっては、条件の確認や中長期的な計画が必要になる場合もあります。

フィリピンで外国人が長期・無期限に居住できるビザには、主に以下の4種類があります。それぞれ年齢制限や申請条件が異なるため、自身の状況に合ったビザを選ぶことが重要です。

SRRV(Special Resident Retiree's Visa/ 特別居住退職者ビザ)
SIRV(Special Investor's Resident Visa/ 特別投資家ビザ)
クオータビザ(Quota Immigrant Visa/ 特別割当移住ビザ、または13ビザ)
13Aビザ(Non-Quota Immigrant Visa by Marriage/ 結婚ビザ)

なお本記事では、フィリピンで無期限に居住できる権利を一部便宜的に「永住権」と表現していますが、制度上はSRRV・SIRVは非移民ビザ、クオータビザおよび13Aビザは移民ビザに分類されます。非移民ビザは投資や預託金を条件に長期滞在が認められる制度であるのに対し、移民ビザは割当枠や家族関係に基づいて永住が許可される点が大きな違いです。

SRRV(特別居住退職者ビザ)の年齢制限:50歳から40歳への引き下げ

SRRV(特別居住退職者ビザ)は、外国人や元フィリピン国籍者の長期居住を促進する目的で設けられた制度で、PRA(フィリピン退職者庁)が管轄しています。

「退職者」と名称に含まれますが、必ずしも退職している必要はありません。現在年齢は40歳以上から申請が可能で、永住権のあるビザのなかでも、対象年齢が幅広く、コストも比較的手頃で柔軟性があります。対象年齢などの条件は変更になる可能性があるので、必ず最新の情報をPRAの発表などで確認してください。

SRRVには対象者ごとに以下区分があります。

SRRV classic:一般外国人向け
SRRV courtesy for Foreign Nationals: 元外交官、政府関係者、国際機関退職者、退役軍人等の公務関係者、または学問、ビジネス、アート、スポーツ等文化に貢献した人向け
SRRV courtesy for Former Filipinos: 元フィリピン人向け

それぞれ40〜49歳と50歳以上か、年金受給者か非受給者かにより要件が異なります。SRRV courtesyは、預託金が軽減されているのが特徴です。

■ 条件
年齢:40歳以上
預託金:$15,000〜
年金受給者:$800/ 月(単身者)、1,000.00/ 月以上(同伴者あり)の年金受給
健康診断の受診:必要
など

SRRV保有者は、無期限のフィリピン滞在や、許可証取得不要な自由な出入国、外国人就労許可証(AEP)取得をすれば就労等が可能です。原則60日以上の滞在者に登録義務のある「ACR-I Card(外国人登録証)」の登録並びに、年次報告が原則として免除されます。

USD7,000以下の範囲で家財道具など中古品の持ち込みにかかる関税や、入国の際の旅行税など、諸税が免除されるといった特典が与えられます。

本人以外にも配偶者や20歳以下の未婚の子供のビザも取得可能です。3人目からはUSD15,000/1人の追加デポジットが必要となります。子供を含めビザ保有者は、就学にあたって就学ビザの取得が不要です。

申請時に送金する「預託金」は、ビザ保有中に投資に運用できます。また、ビザを終了することがあれば、預託金は適正な処理を通して返還されます。

なお、申請期間中、現地に滞在することが求められています。審査から取得までおよそ1ヶ月〜1ヶ月半ほどかかるため、滞在の計画も同時に進行することが大切です。

参照:フィリピン退職庁
https://pra.gov.ph/srrvisa

35歳・40代でも取得可能!SIRV(特別投資家居住ビザ)の条件

SIRV(特別投資家居住ビザ)は、21歳以上が本人として申請できるビザで、フィリピン企業への一定額の投資を条件として無期限の滞在が認められるのが特徴です。BOI(Bureau of Investment/ フィリピン投資局)が管轄しています。

申請時に$75,000を指定口座に預託し、政府が認可した企業、産業に投資が求められます。対象となるのは、製造業、サービス、観光産業など、フィリピンの経済発展に寄与すると指定された分野です。

SIRVは年齢制限が低いため、35歳前後や40代でも現実的に検討できる数少ない無期限滞在ビザといえます。ただし、投資が続き、要件を満たし続ける限りビザが継続できるので、長期的な資金の維持ができるかが一つの判断材料となります。

SIRVも、本人以外に配偶者や20歳以下の未婚の子供の同行が可能です。

■ 条件
年齢:21歳以上
預託金:$75,000
心身ともに健康
投資の意欲がある
など

預託金は、 BOIが指定する銀行の送金用の口座に、海外の口座から送金します。最初は仮のビザが発行され、一定期間内に預託金からの投資を行った証明等の必要な条件が揃えば、正式のビザに切り替えられます。

また、ビザの維持には、投資継続の他、毎年BOIに投資の証明を報告をし、SIRVビザに伴うID カードを更新することが必要です。

参照:フィリピン投資局
https://boi.gov.ph/wp-content/uploads/2023/08/SIRV-FAQ-ao-2023-v.pdf

若くてもチャンスあり?クオータビザ(割当ビザ)の取得難易度

クオータビザは、相互の移民協定を結んだ国ごとに、年間50人限定で枠が与えられている移民ビザです。フィリピン移民法の13章で規定されていることから、「13ビザ」とも呼ばれることがあります。

年齢制限の明示はされていませんが、毎年の取得可能人数が少ないことに加え、選考プロセスが外部から分かりにくいことから、クオータビザの取得難易度は高いとされています。

ただし、フィリピン移民局のガイドラインでは、資格、技能、科学・教育・技術における知識がありフィリピンの利益に適う人物や、潤沢な資金を有し、投資を継続できる人物に対し、優先して枠が割り当てられるとされています。

永住権が付与され、市民として近い生活が送れるため、安定して長期の居住をおこない、生活の基盤を築いていくこともできます。

■ 条件
割当:1カ国につき年間50人
資産証明:$100,000相当以上、またはフィリピンのコンドミニアムの所有、または$100,000相当の投資または企業の所有
健康:心身ともに健康
など

参照:フィリピン移民局
https://immigration.gov.ph/visas/quota-visa-13/

フィリピン人と結婚した場合の「13Aビザ」のメリットと条件

13Aビザは、フィリピン人を配偶者にもつ外国人と、申請者の20歳以下の未婚のフィリピン人の子供が取得できるビザです。配偶者は法的に婚姻関係にあれば保有を継続できます。

通常1年間の仮ビザを経て、正式なビザに切り替わります。13Aビザ保有者は、永住のほか、就労が可能で、許可証不要で出国・再入国ができます。

■ 条件
対象:フィリピン国籍者と婚姻関係にある人、その未婚・20歳以下の子供
資金証明:銀行の残高証明、土地権利書など
健康診断の受診:必要
など

注意点として、フィリピン人配偶者と離婚や死別が生じた場合は、報告が必要なので注意が必要です。

参照:
フィリピン移民局
https://immigration.gov.ph/visas/immigrant-visa-by-marriage-13a/
在日フィリピン大使館
https://tokyo.philembassy.net/ja/consular-section/services/visa/non-quota-immigrant-visa/#nav-cat

フィリピン移住に必要な資金・預託金の目安

フィリピンに移住するために必要な経済力がある程度推測するために、ビザの取得にかかる費用や、生活費をおおまかに把握することが大切です。

ビザ取得にかかる初期費用:預託金(デポジット)の金額一覧

まず、申請者本人の初期費用を確認してみましょう。なお、SRRVの費用は、多く人が対象となるSRRV classicを前提としています。

ビザの種類 預託金(デポジット) 申請料 その他
SRRV (classic) 年金受給者 40〜49歳 $25,000 50歳〜 $15,000 非年金受給者 40〜49歳 $50,000 50歳〜 $30,000 同伴者3人目から1人につき$15,000 本人 $1,500 同伴者 $300 更新料 $360/年
SIRV $75,000 本人 $300 同伴者 $300 ACR-Iカード $50
クオータビザ 定めなし (資金力の審査あり) 本人 Php 18,830 配偶者 Php 18,830 子 Php18,080〜18,580 ACR-Iカード $50
13Aビザ 定めなし (資金力の審査あり) 本人 Php 8,620 子 Php7,870〜8,370 ACR-Iカード $50

※ 上記金額は制度改定や為替変動により変更される可能性があります。最新条件は必ず各公式機関で確認してください。

上記の表をもとにすると、本人ひとりの申請時に用意が必要な最低限の費用は以下の通りです。($1=160円、1Php=2.7円として計算)

・SRRV:50歳以上の年金受給者 約264万円、40〜49歳の非年金受給者 約824万円
・SIRV:約1200万円
・クオータビザ:約5万8千円(別途実質的な資金力の審査あり)
・13Aビザ:約3万1千円(別途生活資金の審査あり)

注意点としては、SRRV、SIRVの預託金は、ビザ保有中引き出すことはできませんが投資に回せ、ビザを返還する場合には所定の手続きを経て返還されます。また、クオータービザ、13Aビザの審査には十分な資金力があるかの判断が含まれるため、「見えにくい資金」が存在するといえます。

移住後の生活費シミュレーション:1ヶ月いくらで暮らせる?

フィリピンの物価は、日本と比べると全体的に低めということが言えます。以下が2023年の地域別フィリピン人世帯のの月平均の家計支出です。

マニラ首都圏 Php385.1(約8万6700円)
ビサヤ地方中心部(セブ、ボホールなど) Php218(約4万9000円)
ダバオ地方 Php204.3(約4万5900円)

しかし、実際の生活費は、安全性、衛生面、ものとサービスの質など、求めるライフスタイルや住む地域、世帯の人数によって大きく異なります。

以下は首都マニラでの物価の1ヶ月の参考値です。

項目 料金・価格目安 価格に影響するもの
コンドミニアム (1ベッドルーム) 中心部:54,000〜128,000円 郊外:23,000〜67,500円 地域、広さ、間取、設備
食費 平均的な食費/ 月:約3万3000円 庶民派食堂:400〜1600円 牛乳/ ℓ:240〜500円 卵/ 12個:180〜500円 ペットボトルの水/ 1.55ℓ:67〜155円 外食頻度、利用食材、国産または輸入
通信費 携帯電話:1,000〜5,000円  インターネット:3,500〜5,500円 プラン、通信速度
光熱費(85㎡) 13,500〜30,000円 部屋の広さ、エアコン利用頻度
交通費 タクシー初乗り:100〜160円 タクシー1kmごと:40〜80円 ジプニー ・バス:40円〜 距離、車両設備、距離。待ち時間など

参照:
House of Representatives, Congressional Policy and Budget Research Department
https://cpbrd.congress.gov.ph/wp-content/uploads/2025/03/FF2025-20-UPDATES-ON-FAMILY-INCOME-AND-EXPENDITURE-IN-THE-PHILIPPINES.pdf

NUMBEO
https://www.numbeo.com/cost-of-living/

マニラで生活すると、一人暮らしで家賃を抑え、過度な贅沢をしなければ、1ヶ月10万円強ほどで生活が送れると考えられます。予算と生活の質のバランスは、移住場所を選ぶ重要な要素といえるでしょう。

資金証明や銀行口座開設に関する注意点と手続き

■ 資金証明

資金証明は必要書類ビザ申請の場面でしばしば求められます。滞在の生活費をまかなえるか、必要な投資資金を保有・運用しているか、年金受給額の基準を満たしているかなどを確認するのが目的です。

ビザによって提出形式も異なり、預金口座の残高証明、投資の証明、不動産の購入証明などが代表例です。提出形態が不明な場合は大使館などの関係当局に事前に確認しましょう。

また、これらの証明書は原則英語で発行が求められ、外務省でアポスティーユ認証を得る必要となる場合があります。時間に余裕をもって取り組むことをおすすめします。

■ 銀行口座開設

フィリピンに居住する場合、現地の銀行に口座を開設すると便利です。以下のことがスムーズに行えます。

・ATMが使える
・為替手数料を節約できる
・フィリピンで就労した場合、給与が受け取りやすい
・日本からの送金を受け取れる、自分で送金できる
・現地での支払い・振り込み(公共料金や家賃など)に便利

フィリピンの銀行での口座新設は、現地の支店で行う方法と、日本の支店から行う方法があります。

1.現地で口座を開設する

ツーリストビザや、短期滞在用のビザでは原則としてフィリピンの銀行での口座の開設ができないので、口座開設に有効なビザを獲得してから手続きを行うのが一般的です。

銀行口座開設にあたって一般的に必要な書類は、

・有効なパスポート
・ACR-I カードまたは長期滞在ビザ
・住所を証明する公的な書類
・口座に入金する現金

銀行や支店、状況などによって必要書類が異なる場合があるので、事前に確認してください。

2.日本の支店で口座を開設する

現在、日本に支店を持ち、フィリピン国籍以外の人が口座を開ける銀行に、PBN(Philippine National Bank:支店は東京と名古屋)とBDO(支店は東京)があります。

個人の口座を開設するための必要書類の例です。

・預金申込書
・マイナンバーカード
・本人の身分証明書(パスポート、運転免許証など)

その他の書類の提出が求められる場合があります。なお、口座開設時は、訪問前に予約をとることが推奨されているので、時間に余裕を持ってスケジュールをたてましょう。

ビザ取得をスムーズに進めるためのコツ

ビザの取得には煩雑な書類集めと手続きが伴います。あらかじめ必要書類の内容と取得方法を知ることで、負担が低減されます。

日本で準備すべき必要書類(無犯罪証明書・戸籍謄本)の揃え方

■ 無犯罪証明

「無犯罪証明」は、刑の言い渡し経歴を照会するもので、ここでご紹介したSRRV、SIRV、クオータビザ、13Aビザの申請に必須の書類です。ビザの種類によって国籍がある国や居住地のある国で取得する場合、フィリピンで取得が求められる場合、どちらか選択できる場合があります。ここでは日本とフィリピンのそれぞれの取得方法を紹介します。

1.日本で取得する場合

13Aビザは原則として国籍国の無犯罪証明書が必要で、SRRV、SIRVはどちらの国で取得するか選択可能なケースが一般的です。

申請は、住民票がある、または海外在住で最終住民票があった警察本部に行くか、在外大使館を通して申請します。

必要書類
・手数料(該当する場合)
・申請の目的がわかる公的機関発行の書類(ビザ申請書の移しなど)
・パスポート原本
・現住所がわかるもの(住民票の写し、免許証等)、海外居住者は住民票除票の写し、戸籍附票の写し等+海外の現住所がわかるもの
・犯罪経歴証明書発給申請書(窓口備え付け)

個別の状況により必要書類は異なる場合があるので、確認をしてください。

手数料は無料〜数百円程度で、都道府県によって異なります。申請時に指紋採取を行い、通常は約2週間後に受領できます。委任状があれば代理人による受け取りも可能です。

注意点として、

・ビザ申請に必要で、その国の公的機関に提出を求められていることをはっきり伝える
・日本の県警本部で申請した場合は約2週間、大使館を通して申請した場合は約2ヶ月〜3ヶ月かかる
・必要書類の有効期限、無犯罪証明の有効期限に気を付ける
・英語で発行してもらう
・アポスティーユ認証が必要

などが挙げられます。時間に余裕をもった準備が大切です。

2.フィリピンで取得する場合

一部のビザでは一定期間の居住などの条件を満した場合、NBI (国家捜査局)の発行する無犯罪証明が必要です。

現在はオンライン申請と予約、コンビニ払いやG-cashなどデジタル決済が推奨されています。

来庁時の必要書類
・パスポート
・ACR-Iカード、フィリピンLTO発行の運転免許証など、フィリピン公的機関発行の身分証明証
・背景が白地の証明写真
・オンライン申請時の登録番号
・手数料の支払いレシート

手数料はPhp130〜(約400円程度〜)ですが、最新の情報を確認してください。また、必要な身分証明証など求められる書類は変わることがあるので、こちらも確認してください。

庁舎では指紋を採取し、NBIのデータベースと照合され、即日から10日ほどで受け取りができます。

在外フィリピン大使館を通じて申請する場合は、事前の予約・申請のうえ、本人が来館し、指紋採取を行います。それを直接NBO担当部署に郵送するか、現地の代理人を経由してNBIに提出してもらい、郵送で証明書を受け取る流れとなります。

■ 戸籍謄本

配偶者や子供のビザも取得するとき、家族関係を証明する書類として「戸籍謄本(戸籍全部事項証明)」の提出が必要になることがあります。

本籍のある市区町村窓口、またはコンビニのマルチコピー機から取得できます。ただし、自治体が対応していること、事前の登録・マイナンバーカードの保有が必要です。本人の受け取りが難しい場合は、郵送や代理人によっても取得も可能です。

取得した戸籍謄本は、英訳を作成し、アポスティーユ認証を受ける必要がある場合があるので、不明な場合は提出先に確認しましょう。

必要書類

1. 本人が市区町村役場に来庁する場合
申請書
身分証明書
手数料(450円)

2.郵送請求
申請書
定額小為替による手数料
切手を貼った返信用封筒
身分証明証のコピー

3.代理人
委任状(一部を除く)
申請書
代理人の身分証明証

自治体の判断により必要書類が異なります。事前確認をおすすめします。

参照:
フィリピン国家捜査局
https://nbi.gov.ph/citizens-charter/nbi-clearance/
法務局
https://houmukyoku.moj.go.jp/saga/page000001_00454.html

フィリピンで有効な身分証明書、移住後の生活の参考に、ぜひ以下の記事をご覧ください!

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信頼できるエージェントの選び方:個人申請 vs 代行サービス

ビザの取得には、すべて自ら行うほか、行政書士やコンサルタントなど代行サービスを利用するという選択肢もあります。両者には、メリットとデメリットがあります。

■ 個人申請と代行サービス利用のメリット・デメリット

  個人申請 代行サービス
費用 抑えられる サポート料がかかる
手間 かかる かからない
安心感 ◯ プロセスを自分でコントロールできる、透明性 △煩雑な手続きへの不安、言葉の壁 ◯  経験・知識が豊富なスタッフによる支援、アドバイス △信頼できる業者の見極めが必要

個人で全てをおこなうと、出費が最低限で済み、プロセスの透明性が確保できる反面、時間と労力がかかります。

一方、代行サービスは、手数料と引き換えに、専門知識と経験を活かしたサポートが得られますます。しかし、サービス範囲や費用体系が不明確なまま契約してしまうと、想定外の費用の請求などのトラブルに発展する可能性もあります。

後悔しない代行サービス選びのために、以下のような対策が考えられます。

■ 複数社を比較する

比較を行うことで、サービスの範囲、手数料の相場、担当者の説明の具体性や一貫性などを客観的に判断しやすくなります。

■ サービス提供者を知る

ホームページ等で、運営主体、担当者の資格・経歴、所在地、連絡先の明示状況を確認しましょう。また、ビザの許可を与えるのは政府機関です。誇張して取得保証を唱えていないかについても合わせて確認しましょう。

■ 口コミを調査する

インターネットで口コミを検索してみましょう。信ぴょう性の見極めが大切になりますが、具体的な評価内容や数は、信頼度の目安になります。また、知り合いなどの経験談を参考にするのも一つの手段です。

■ PRAのAccreditted Marketerとして認定されていいる

SRRV取得支援を含むPRAの活動に協力する事業者は、一定の要件を満たすことで、PRAからマーケターとして認定される制度があります。ただし、この認定の有無がサービス品質や結果を保証するものでもありません。あくまで参考情報の一つとして位置付けることが重要です。

■ 自分で知識をつける

最低限の知識を持っておくことで、情報が十分に共有されているか、信憑性があるか判断しやすくなり、代行サービスの価値を冷静に見極めることができます。結果として、トラブル回避だけでなく、納得感のあるビザ取得につながるでしょう。

情報収集と、冷静な比較が良いパートナー選びにつながります。

現地での健康診断と面談をクリアするためのアドバイス

健康診断は、SIRVのように「心身ともに健康上問題ない」という条件を審査するほか、感染症の持ち込み予防や移住後の生活に支障がないかを確認する意味合いが考えられます。また、面談は、提出資料に基づき、内容に不整合がないかを確認する手続きです。

健康診断も面談も、特別な対策よりも、正直かつ誠実に対応することが最も重要です。

■ 健康診断

SRRVなどでは、健康診断を現地または日本で受けることが可能です。日本で実施する場合、診断書は英語で発行し、アポスティーユ認証を受ける必要があります。
また、SRRVでは、現地・日本のいずれで取得した場合も有効期限は原則6か月であるため、取得時期には注意が必要です。

■ 面談

面談では、清潔感のある整った服装を心がけ、質問には簡潔かつ落ち着いて答えることが大切です。
提出書類と矛盾のない回答と、協力的な姿勢が重要です。

観光ビザからの切り替え(ステータス変更)は可能か?

結論として、観光ビザから他のビザへの切り替えは可能です。申請のために本人が現地の関係当局に来庁する必要がある場合も、観光ビザや、該当国籍者は無査証期間を利用して入国し、申請手続きを進めることができます。

ただし、申請中に滞在期限やパスポートの有効期限が切れてしまうと手続きを継続できなくなります。日本国籍者の無査証で許可される滞在期間は30日間です。必要に応じて観光ビザを延長しましょう。また、出発前にパスポートの残存期間が滞在終了予定日から6か月以上あるかを事前に確認しておきましょう。

■ 観光ビザの延長方法

1.29日間の延長

入国管理局で申請し、最初は29日の延長、以降ACR-Iへの登録とともに1、2または6ヶ月単位で、最大36ヶ月の延長が可能です。

2.LSVVE(長期滞在ビザ延長)プログラムを利用する

マニラのイントラムロスにある入国移民局本部にいけば、一度の手続きで6ヶ月まで滞在期間を延長する制度が利用できます。

パスポートと滞在資格の有効期限の管理に注意しましょう。

こちらの記事で、フィリピンの入国について詳しく解説しています!

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移住後に後悔しないためのエリア選びと生活環境

フィリピン移住を成功させるためには、移住の目的や理想とするライフスタイルに合った生活環境を選ぶことが欠かせません。
ここでは代表的な移住先を例に挙げ、それぞれの特徴や向いている人の傾向を紹介します。

治安と利便性を重視:マカティ・BGC(マニラ)の住み心地

■ マカティ

マカティはマニラの南東に位置するフィリピン随一の金融・ビジネスの中心地です。マニラ中心部からは車で約20分ほど、ニノイ・アキノ空港からは15分程度と国内外のアクセスが良好です。ジプニーやバス以外にも、鉄道、メトロが利用可能です。

大通り沿いを中心に高層ビルや高級ホテルが立ち並び、中心部の「アラヤトライアングル」には外国企業・金融関係が集中しています。MTRアラヤ駅前から伸びるアラヤ通り沿いには、駅側からショッピングモール「グリーンベルト&グロリエッタ」エリア、更に北西部に進むと「サルセドビレッジ」、「レガスピビレッジ」という外国人居住者の多いコンドミニアム街が通りの両側にひろがります。週末にはマーケットが開催され、フィリピン・世界各国の屋台料理や新鮮な野菜、雑貨などが楽しめるのも魅力です。

治安はマニラ首都圏では良好ですが、夜間の繁華街や人通りの少ない場所では注意が必要です。

<マカティ>
位置:マニラ中心部から約9kmの都心
交通:タクシー、バイクタクシー、バス、車、鉄道、メトロ、ジプニーなど
家賃:1 ベッドルーム(25㎡〜)Php2,5000〜/ 3ベッドルーム Php100,000〜(広さ、築年数、設備、地区により異なる)

■ BGC(Bonifacio Global City)

BGCはマカティのさらに南東部に位置する計画的に開発された都市です。高層オフィスビルや外資系企業が集まり、外国人の移住先として人気が高まっています。

エリアのサイズは比較的コンパクトで、円形とグリッド状に配置された通りと歩行者空間が街を形作っています。中心部を貫く「ハイストリート」にはオフィス、ショッピング・飲食店エリア、公園、歩行者用通路、居住地として複合的に機能し、職と住が近距離で簡潔しやすくなっています。

ハイストリート東側に接するコンドミニアム地区「セレンドラ」周辺には「SM Aura」と「Market Market」など複数ショッピングモールが立地しています。一方で中小規模の商店やカフェも小さな通り沿いに点在します。

北部にはマニラで一番高い「メトロバンクセンター」があり、その東側の地区には住宅街が広がります。日本人学校や英国式私立校、インターナショナルスクールが隣接するエリアもあり、家族連れにも適しています。

先進的な都市機能を備えた、落ち着いた居住環境が両立したエリアといえます。

<BCG>
位置:マニラ中心部から約12km
交通:タクシー、バス、車など
家賃:1ベッドルーム (35㎡〜)Php3,5000〜/ 3ベッドルーム Php110,000〜(広さ、築年数、設備、地区により異なる)

リゾート派に人気:セブ島・ドゥマゲッティでの移住生活

■ セブ島

セブ島は、マニラから飛行機で1時間20分ほどに位置し、日本からは一部直行便も利用できるリゾートと都市の要素がある地域です。

南北に細長い形をしており、多くの都市から成っています。中心部はセブ市で、ビジネス、金融、教育の拠点となっており、周辺の都市を含めて「メトロセブ」を形成しています。また、大型ショッピングモールがセブ市内を中心に複数存在する一方、古くからの市街地の活気あるローカル市場から、外国人向けの山間部の高級コンドミニアムが集まる「バニラッド」など、地区によって異なる性格をもちます。

交通手段は、中心部を中心にジプニー、バス、タクシー、バイクタクシーが発達しています。ラッシュ時の渋滞の問題はありますが、移動の選択肢が豊富です。

また、セブ島内はバス網でつながっており、通勤や居住地の選択の自由度が比較的高いと言えるでしょう。セブ島内にはダイビングスポット、山間部、中規模都市が近距離に点在し、また、周辺の島にもフェリーが出ています。仕事と余暇のバランスを重視する人に向いています。

治安は安定していますが、混雑した車内や、夜間の人混みなどでは細心の注意を払い、危険に近づかないようにしましょう。

<セブ島(セブ市)>
位置:マニラ中心部から約1時間20分
交通:タクシー、バイクタクシー、ジプニー、バス、車、フェリーなど
家賃:1ベッドルーム Php1,2000〜(郊外)、Php2,9000〜(中心部)/ 3ベッドルーム Php50,000〜(中心部)(広さ、築年数、設備、地区により異なる)

こちらの記事で、セブ島の生活費について詳しく解説しています!

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■ ドゥマゲッティ

ドゥマゲッティはマニラから飛行機で1時間ほど、セブ島から45分ほどの、ネグロス島東部にある都市です。ボホール海に面しており、ダイビングスポットや生物の多様性でも知られています。

また、教育都市としても知られています。アジア最古のプロテスタント系大学であるシリマン大学をはじめ多数の高等教育機関や、公立小中高等学校があります。街には歴史的建造物が並び、文化的な街です。

平均気温は約25〜32℃と安定しており、内海に面しているため台風の影響が比較的少ない地域です。

物価はマニラやセブより低く、中規模のショッピングセンターやローカルスーパーマーケット、個人商店が利用できます。

治安は比較的良いですが、夜間の一人歩きを控えるなど最低限の対策をこころがけてください。

ローカル性と程よい利便性を求める方におすすめの移住先です。

<ドゥマゲッティ>
位置:マニラ中心部から飛行機で約1時間、セブ島から約45分
交通:バス、ジプニー、バイク、トライシクル、車、フェリーなど
家賃:1ベッドルーム Php1,2000〜/ 3ベッドルーム Php22,000〜(中心部)(広さ、築年数、設備、地区により異なる)

こちらの記事では、郊外暮らしを検討中の人におすすめの「イロイロ市」を詳しくご紹介しています!

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自分に合った条件を見つけてフィリピン移住を成功させよう

フィリピンで無期限滞在・永住を目指す場合、主にSRRV、SIRV、クオータビザ、13Aビザがあります。どのビザが適しているかは、年齢だけでなく、資金、家族関係などの条件が関係します。

また、情報を収集し、どのエリアでどのように生活を送りたいかを具体的にイメージすることが、移住を成功させるために重要です。

移住の目的や好みのライフスタイルを明確化した上で、無理のない範囲でビザを取得し、フィリピンで長く快適に生活する第一歩です。

 

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しおじぃ

◇経歴
土や紙をつかった造形や、ドローイングをしています。


◇資格
TOEIC 955


◇留学経験
スコットランドにあるグラスゴーの大学で、4年間美術を学びました。


◇海外渡航経験
今までたくさん旅をしました。
イギリス、フランス、イタリア、スイス、ベルギー、オランダ、チェコ、スロバキア、オーストリア、ノルウェー、フィンランド、スウェーデン、中国、香港、韓国、ネパール、タイ、フィリピン、インドネシア、マレーシア
色褪せた思い出を蘇らせようと、古いデジカメのデータを読み込もうとしたら、ほとんど消失していてショックを受けました。
今思えば貴重だった家族旅行、感動した景色、美味しかった食べ物、かけた時間や使ったお金が写真に詰まっていたように感じられ、寂しかったです。一瞬一瞬を大切に、これからも旅を続けようと思います。


◇自己紹介
日本の一般大学を卒業した後、憧れていた海外の美術大学に留学しました。
語学の面で苦労しましたが、留学の経験は宝です。
現在、作品の制作・発表と、ライター活動、コツコツ英語の勉強をしております。
書くことを通じて、経験を活かしながら、学びを続けたいと思っています。