
空港で、さまざまな色のパスポートを手にした旅行者を目にすると、ついじっくり見たくなりませんか?
赤や青でも国ごとに濃さやデザインが全然違って、まるで小さなアート作品のよう。
実はパスポートの色やデザインには、それぞれ意味や理由が隠されているんです。
今回は、その秘密にちょっとだけ迫ってみましょう。 次に空港に行くとき、パスポートを見る目が変わるかもしれません!
- パスポートの色はなぜ違う? 赤・青・緑・黒の基本分類と意味
- 日本のパスポートの色の違いを解説
- 世界各国のユニークなパスポートの色デザイン
- 知って楽しいパスポートの意外な真実
- すぐに実践できるパスポート管理のコツとは?
- まとめ
パスポートの色はなぜ違う? 赤・青・緑・黒の基本分類と意味
各国のパスポートにはさまざまな色がありますが、実は濃淡の違いを除けば、世界的に見て「赤・青・緑・黒」の4色にほぼ分類されます。
パスポートの色やデザインに関する国際的な規定はなく、各国政府が歴史的・文化的・地理的・宗教的・政治的な背景を踏まえて自国のデザインを選んでいます。
赤
赤系統のパスポートは、バーガンディ(えんじ)や茶系など濃淡の幅が広く、約70カ国で採用されています。
特にヨーロッパでは、欧州連合(EU)加盟国の多くがバーガンディ色を採用しており、統一感を出す目的もあったとされています。
また、共産主義・社会主義の歴史を持つ国や、キリスト教文化圏の国々でも赤いパスポートが多い傾向があります。
地理的には、ユーラシア大陸では赤系が多く、日本を含む太平洋側諸国も赤を採用しています。
オーストリア、ボリビア、ブルガリア、カンボジア、中国、コロンビア、キプロス、デンマーク、ドイツ、シンガポールなど。
青
青色のパスポートは世界で最も多く採用されている色で、約80カ国が使用しています。
青は「新世界(New World)」や「自由市場」「海洋国家」といったイメージと結び付けられることがあります。
そのため海に面した国や島国が多く採用している傾向がありますが、例外も多く必ずしも地理条件だけで決まるわけではありません。
アメリカ合衆国、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、チリ、コスタリカ、クロアチア、ドミニカ共和国、ホンジュラス、アイスランド、ウルグアイなど。
緑
緑色のパスポートは約40カ国で採用されています。
特にイスラム教圏では、預言者ムハンマドが好んだ色とされる「緑」が宗教的に神聖視されており、その象徴として採用されることが多いです。
また、西アフリカ諸国の多くも、共通デザインとして緑の表紙を使っています。
アルジェリア、カメルーン、エジプト、パキスタン、ナイジェリア、ジンバブエなど。
黒
黒色のパスポートは最も珍しく、採用している国は5カ国ほどです。
黒は「フォーマルで権威的」「汚れが目立ちにくく耐久性が高い」などの実用的理由に加え、国のアイデンティティや象徴色として選ばれることもあります。
たとえばニュージーランドでは、国の代表カラーが黒であることから、パスポートにも黒が採用されています。
ニュージーランド、アンゴラ、コンゴ、トリニダード・トバゴ、タジキスタンなど。
日本のパスポートの色の違いを解説
日本のパスポートといえば、赤と紺の2色が一般的に知られていますが、実は全部で5種類の色があることをご存じでしょうか?用途や立場によってデザインや表紙の色が異なり、それぞれに明確な意味と役割があるのです。
ここでは、その違いを詳しく見ていきましょう。
赤
多くの日本人が手にするのが赤いパスポート。
これは有効期限が10年の一般旅券で、18歳以上の人が申請時に選ぶことができます。
表紙の中央には金色の菊花紋章が輝き、落ち着いた赤色が品格を感じさせます。
紺
紺色のパスポートは有効期限が5年のもの。
18歳未満の方は成長による容姿の変化を考慮して、この紺色の5年用しか申請できません。成人でも希望すれば5年用を選ぶことができます。
赤よりもやや重厚な印象のある紺色は、ビジネスなど短期間の渡航にもよく使われています。
緑
一般の人はなかなか目にする機会がないのが、緑のパスポートです。
これは公務で海外に渡航する国会議員や国家公務員などに発給される「公用旅券(Official Passport)」で、表紙には金文字で「OFFICIAL PASSPORT」と記されています。
有効期限はその任務期間に限られ、身分証欄には官職名や渡航目的も明記されます。
外務省が直接発給を管理しています。
濃茶
濃い茶色の表紙を持つのが「外交旅券」です。
これは皇族や閣僚、大使などが外交上の任務で海外に赴く際に発給される特別な旅券で、表紙には「DIPLOMATIC PASSPORT」と刻まれています。
国を代表して渡航する人々のためのパスポートです。
薄茶
非常に珍しいのが薄茶色の「緊急旅券(Emergency Passport)」です。
これはパスポートの紛失や盗難など、緊急時に一時的な対応として発給されるもので、帰国や近隣国への移動など当面の渡航に限定して使用されます。
通常の旅券と異なり、有効期限は短く設定されています。
世界各国のユニークなパスポートの色デザイン
世界で使われているパスポートの色は主に赤・青・緑・黒といった4つの枠に収まるとはいえ、実際には濃淡やデザイン次第でまったく違った印象になります。
しかも色だけでなく、ページごとの柄や中身の仕掛けにも注目すべき国々があります。
ここでは、そんな“旅券界のアート作品”とも言えるユニークなパスポートをいくつかご紹介します。
フィンランド
北欧のフィンランドの旅券は、見た目だけでもワクワクさせてくれます。
2012年から発行された新しいデザインでは、旅券内のすべてのページに自然をモチーフとしたイラストが用いられており、特に「ページをパラパラめくるとヘラジカ(ムース)が歩いている”ように見える」という動画や画像がインターネットで話題になりました。
この仕掛けは単なる遊び心ではなく、偽造防止のセキュリティ機能でもあり、「フィンランドの自然」を表現するデザインとしても高く評価されています。
カナダ
カナダのパスポートもデザインと技術が融合した芸術的な一冊です。
2013年に発行された電子旅券には、黒色光(UVライト)を当てると“花火”や“星空”、そしてメープルリーフのモチーフが浮かび上がるページが用意されています。
また、2023年5月には新デザインが発表され、カナダの自然美や四季を反映したアートワークとともに先進的なセキュリティ機能が導入されており、旅券そのものが“国の価値観”を伝えるものとなっています。
知って楽しいパスポートの意外な真実

パスポートは、国が発行する国際的な身分証明書で、海外渡航の際に必ず必要な重要書類。
旅行やビジネスだけでなく、万が一のトラブル時には政府からの保護や援助を受けるための手段ともなります。
今回は、海外でも日本でも、ちょっと意外で面白いパスポートのトリビアをピックアップしました。
明日、誰かに話したくなるかもしれません!
海外編
パスポートは生きている人だけが使うと思われがちですが、実は例外もあります。
古代エジプトのファラオ、ラムセス2世のミイラが1976年にパリへ搬出される際、防腐処置のためにエジプト政府からパスポートが発行されました。
職業欄には「ファラオ」と記載されていたそうです。
まさに歴史を感じるユニークな例ですね。
また、各国のパスポートや入国スタンプには国ごとの個性が表れています。
パラオでは伝統的な三角屋根の建物やクラゲが、ハワイではカメハメハ大王や亀、フラガールなどがスタンプに描かれることがあります。
グアテマラでは国鳥ケツァールがデザインされ、「見ると幸せになる」と伝えられています。
このように、入国スタンプひとつにも各国の文化やユーモアが表れていて、旅行の楽しみのひとつになっています。
日本編
日本のパスポートにも意外な歴史があります。
日本で最初に発行されたパスポートは、1866年に「帝国日本芸人一座」の手品師・隅田川浪五郎に渡されました。
当時は写真がなく、年齢や身長、人相などで本人確認を行っていました。
このような旅券は、今とは大きく異なります。
現代の日本のパスポートは、偽造防止技術が非常に高度です。
ブラックライトを当てると顔写真や桜の模様が浮かび上がる仕組みや、1360個もの「JAPAN PASSPORT」の隠しロゴが散りばめられています。
また、査証欄には葛飾北斎の「冨嶽三十六景」が見開きで描かれており、旅の楽しさも演出されています。
さらに、日本のパスポートは国際的にも高い評価を受けています。
2025年版の「パスポート自由度ランキング」では、日本は190か国へのビザなし渡航が可能で、韓国と並んで世界第2位にランクインしています。
1位はシンガポールで、193か国へのビザなし渡航が可能です。
しかし、意外にも日本のパスポート保有率は低く、2024年時点でわずか17%にとどまっています。
これは、円安や海外滞在費の高騰などが影響していると言われています(アメリカやカナダでは50%以上、EU諸国の多くでは60~70%台)。
こうして見ると、パスポートには単なる渡航書類以上の歴史や工夫、文化的背景が詰まっていることがわかります。
海外旅行の際には、パスポートの小さなデザインやスタンプに目を向けてみるのも楽しいかもしれません!
すぐに実践できるパスポート管理のコツとは?
海外旅行でパスポートは最も大切な持ち物。 安全に持ち歩くためのポイントを押さえておきましょう。
これらを意識するだけで、旅行中のパスポート紛失や盗難のリスクをぐっと減らせますよ!
1. パスポートケースを使う
首から下げるタイプやウエストポーチ型のケースなら、服の下に隠せてスリ対策にも効果的です。
RFIDブロック機能付きなら、電子スキミングからも守れます。
2. バッグの選び方
クロスボディバッグや前掛けウエストポーチは、常に体の前で管理できるので安心です。
リュックは背中側になり目が届きにくいので注意。
高価そうなブランドバッグや派手なデザインは避け、目立たない色や素材を選びましょう。
3. 国や地域に応じた工夫
アジアの蒸し暑い地域では、防水ケースがあると安心です。
ヨーロッパでは観光地での置き引きに注意し、内ポケット付きのバッグやウエストポーチが便利です。
オセアニアでは自然の中で活動することも多いので、防水ケースとパスポートコピーを使い分けましょう。
まとめ
パスポートは渡航の必需品であるだけでなく、国ごとの歴史や文化を映す“小さな世界地図”でもあります。
色やデザインには意味があり、使用する場面や国によって異なる特徴があります。
海外旅行や留学、ビジネス渡航を控えた方は、自国と他国の違いやパスポート管理の工夫を知っておくことで、渡航中の安全性や利便性を高められます。
ちょっとした知識が旅の楽しみをさらに広げてくれますよ!
◇経歴
31歳のときに「be動詞って何だっけ?」というところから勉強を始めました。年齢を重ねてからの学習に、難しさや焦りを感じている方の背中を押せたらと思っています。
◇英語に関する資格
TOEIC830点
◇留学経験
セブ島3か月、マルタ共和国2か月
◇海外渡航経験
マルタ共和国滞在中にイタリア人と仲良くなり、お家に招待いただきました。英語学習を始めたころ、海外とは無縁だった私にとって想像もしていなかった経験です。イタリア国内を案内してもらうだけでなく一人でベネチアやヴェローナなどを巡り、度胸もつきました!
◇自己紹介
元々勉強が好きではなかったので、英語も全くと言ってよいほどのレベルでした。でも「英語を勉強する!」と決めてからは、時には泣きながら時には貴重な経験を得ながら、毎日少しずつ努力をしてきました。
今では、英語学習の大切さを日々実感するとともに、一念発起した過去の自分に感謝しています。
これまでの努力を無駄にしないよう、今後も楽しく英語を勉強していきます。