
ベトナムは、日本人に人気の旅行先のひとつです。観光客が多く訪れる都市ホーチミンは首都と間違われやすいですが、首都はハノイです。
現在のベトナムでは、経済の中心地がホーチミン、ハノイが政治・文化の中心地として、歴史や伝統を感じられる都市として位置づけられています。
今回の記事では、ベトナムの首都ハノイの魅力を多角的にご紹介します。
ベトナムの首都ハノイとは?
ベトナムの首都ハノイは、ベトナム北部に位置します。日本の都市で例えると京都のような都市で、歴史と文化が色濃く残る街です。
ここでは、多くの旅行者を魅了するハノイの歴史的背景と気候の特徴を解説します。
ハノイの歴史
ハノイの歴史は1010年に遡ります。李朝の初代皇帝が遷都し、現在のハノイを「タンロン(昇龍)」と名付けたのが始まりです。
この時点で、1000年以上の歴史を持つベトナムで最も古い都となります。その後、ベトナム王朝の首都として繁栄し、ベトナム北部での政治と文化の中心として発展しました。
フランスの植民地時代には、現在の「ハノイ」という都市名に変わりました。
ハノイという名前の由来は、グエン王朝のミンマン帝(明命帝)時代に、紅河とトーリック川の間に位置する街を「河内」(Hà Nội)と呼ぶようになったことにあります。ベトナム語で「Hà」が川、「Nội」が内側を意味し、「河川の内側にある都市」という意味です。
ハノイは、インドシナ戦争、ベトナム戦争で大きな被害を受けましたが、戦後は首都としての役割を担い、復興しました。
ハノイの気候・ベストシーズン
ハノイは日本と同じように四季がありますが、気候の特徴は日本とは大きく異なります。
・春夏(3月〜5月)
晴れる日が多く、過ごしやすい時期ですが、日中の気温は30度前後まで上がります。
・梅雨(6月〜8月)
雨季にあたり、短時間に激しい雨が降るスコールがあります。降雨により湿度が高くなり、豪雨や台風にも注意が必要な時期です。
・秋(9月〜11月)
観光におすすめのベストシーズンです。雨季が終わり乾季に入る直前で、日本の秋のような気候です。湿度も低くなり、晴天が続き快適に過ごすことができます。
・冬(12月〜2月)
涼しく、日によっては霧が深くなります。日中は比較的温暖ですが、朝晩は気温が下がり冷え込むため厚手の服やコートが必要です。
首都としてよく間違えられる「ホーチミン」とは?
ベトナムの2大都市は首都のハノイとホーチミンですが、それぞれ異なる役割を持っています。ここでは、南部の大都市ホーチミンについて解説します。
ホーチミンの基本情報とハノイとの違い
ホーチミンは、ベトナムの南部に位置する国内最大の都市です。かつては「サイゴン」と呼ばれていましたが、ベトナム戦争後の1976年に、ベトナム建国の父「ホー・チ・ミン」にちなんで、ホーチミンに改称されました。
ホーチミンは、経済活動が中心の都市で、多くの高層ビルが立ち並ぶ近代的な街並みが特徴です。多くの旅行者が、ベトナム旅行の出発地や観光の目的地として訪れる都市です。
ホーチミンは、ベトナムの首都だと誤解されやすいですが、ベトナムの首都は北のハノイであり、ホーチミンは経済の中心として発展してきた都市です。
ハノイで“はずせない”観光スポット5選
歴史と文化が色濃く残るハノイには、それらを感じられる観光スポットが数多くあります。ここでは、旅行者に人気のハノイ観光ではずせない定番の観光スポットを厳選して紹介します。
ホアンキエム湖
ハノイのシンボル的存在の湖です。一日中多くの観光客で賑わっていますが、湖の周りは市民の憩いの場にもなっています。
早朝には、朝散歩、体操や太極拳をするベトナム人の姿が見られます。湖に浮かぶ玉山祠へは、橋を渡って行くことができ、映えスポットとしても人気があります。
また、休日などには、湖の周りで各種イベントが開催されていたり、屋台が出ていることがあり、多くの人で賑わいを見せています。
ハノイ旧市街
36の通りからなる昔ながらの街並みが残る下町です。
かつて、それぞれの通りで特定の商売が栄えた歴史があります。ヘムと呼ばれる細い道には、ベトナム料理の屋台も数多くあります。
旧市街には、現在も観光客向けのおみやげ店や屋台、飲食店が数多く立ち並んでおり、ハノイ観光の中心地になっています。バイクが行き交うベトナムらしい活気あふれる街の様子を体験することができます。ホテルやゲストハウスなども旧市街には多いため、観光の拠点にすると便利です。
タンロン遺跡(タンロン城)
ベトナム王朝として栄えた都(タンロン=昇龍)の王宮跡で、ユネスコの世界遺産に登録されている歴史スポットです。
これまでの戦争で破壊されましたが、遺跡の発掘が進み、歴史的価値が高い場所として認められています。
広大な敷地内では、宮殿、寺院、要塞、水路、王宮、役所などが発掘されており、ベトナムの長い歴史と文化を体感できる見どころが数多くあります。敷地内をゆっくりと散策しながら歴史に触れる楽しみ方をおすすめします。
文廟・国子監
ベトナムで初めての大学と孔子を祀る廟が一体になった文化歴史遺産で、学問の神様が祀られている寺院です。
おもな見どころを挙げると、ベトナム紙幣100,000ドンにも描かれている二重の楼門の奎文閣(けいぶんかく)、科挙の合格者の名前が刻まれた亀の石碑が並ぶ天光池(てんこうち)は、ユネスコ世界記憶遺産に登録されており、「ご利益カメ」として知られています。受験シーズンには多くの受験生が訪れ、合格祈願をする姿が見られます。
ホーチミン廟
今もなお「ベトナム国民の父」としてベトナム人から愛されているベトナムの英雄、ホー・チ・ミンの遺体が安置されている建物です。
内部には、ホーチミンの家やホーチミン博物館などの見どころがあります。ベトナム人にとって非常に重要な場所であり、内部を見学する際にはいくつかの注意点(服装、時間帯、写真撮影など)があります。
そのため、事前に情報を確認しておくことをおすすめします。実際に訪れた人の口コミでは、ベトナムの人々の敬意に満ちた姿勢に感動したというものが多くあり、ハノイの歴史と文化を深く知る上でかかせないスポットです。
ハノイのグルメ情報
ハノイは、ベトナム料理の魅力を存分に味わえるグルメの街として知られています。
ここでは、ベトナム料理の特徴と、ハノイの名物料理や、旅行者におすすめの人気店をご紹介します。
ベトナム料理の特徴
ベトナムは、日本と同じように米を主食とし、ヌクマムと呼ばれる魚醤をメインに、ハーブや香辛料を多く使って味付けをするのが特徴です。
また、酸味、辛味、甘味、塩味のバランスがとれた料理が多いです。ベトナム料理には、日本人にも馴染みのある甘辛の味付けの料理もあり、日本人には食べやすいです。さらに、付け合わせに大量の野菜が出てくるため、海外旅行でありがちな野菜不足の心配はありません。
他にも、フランス植民地時代があったことから、フランスの食文化の影響も見られ、米だけではなくフランスパンを食べる文化もあるのが、大きな特徴のひとつです。
ハノイで食べたい名物料理
ここではハノイの名物料理を厳選して紹介します。
・フォー
ハノイが発祥とされるベトナムを代表する米麺を使った料理です。フォーにはいくつか種類がありますが、牛肉(フォーボー)や鶏肉(フォーガー)が定番です。
ハノイのフォーは、出汁が効いたあっさりとしたスープが特徴です。一方で、ホーチミンなど南部のフォーはハノイのフォーに比べやや甘めの味付けでコクがあり濃いのが特徴です。
おすすめのお店は、牛肉のフォーの専門店で、濃い味付けが特徴のフォー・ティン(Pho Thin)です。日本人だけではなく多くの観光客からも大人気で行列ができる人気です。
フォー・ザ・チュエン(Pho Gia Truyen)は、ハノイで一番歴史があることで知られている有名店です。Pho Thinに比べスープはあっさりしていて生姜の風味がしっかりします。また肉がたっぷり入っているのも特徴です。
・ブンチャー
ハノイの名物料理として特に人気が高い、つけ麺に似た料理です。炭火で香ばしく焼いた豚肉のつくねや肉と細い米麺のブンを甘酸っぱいタレにつけて野菜と一緒に食べます。
ブンチャーのお店は、セットメニューで揚げ春巻きが一緒になって提供されるお店も多いです。
お店のおすすめは、オバマ元大統領も食べたことで世界的に有名になったお店、フオン・リエン(Huong Lien)です。オバマ大統領の来店を記念して作られた「COMBO OBAMA(コンボ オバマ)」というセットメニューもあります。
・バインミー
フランスの食文化の影響を受けた、フランスパンに肉や野菜などを挟んだサンドイッチです。街の至る所に屋台やお店があり、手軽に購入できるローカルフードです。
お店により、中身の具やソースがそれぞれ違い、様々な味を楽しめます。バインミー25(Banh My 25)は観光客に人気のお店で、種類が豊富に揃っています。
・エッグコーヒー
ハノイで有名な、コーヒーに卵黄、砂糖、コンデンスミルクで作ったクリームをのせた飲み物です。濃厚で甘い味が特徴で、ホットとアイスの両方があり、デザートとしても楽しめます。
おすすめのお店は、エッグコーヒーを初めて作った創業者が開いたとされる有名店、ザン・カフェ(Giang Cafe)です。
まとめ
ベトナムの首都ハノイは、フランスの雰囲気も感じられる歴史と文化の中心地です、旅行者にとって魅力的な観光スポットがあり、ハノイならではの名物料理も楽しめる魅力に溢れた街です。
今回の記事を参考に、日本から比較的近いハノイでの旅行をぜひ楽しんでください。
◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
・韓国語能力試験(TOPIK)6級
・延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇留学経験
【オーストラリア】
・クイーンズランドカレッジオブイングリッシュ:3カ月
・ゴールドコーストカレッジオブビジネス:6カ月
【フィリピン】
・ファーストウェルネスイングリッシュアカデミー:3週間
【韓国】
・梨花女子大学校言語教育院:3週間
・延世大学校言語研究教育院(韓国語教員養成課程):5週間
【タイ】
・プロランゲージ(タイ語):1年6カ月
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。