ベトナムの世界遺産一覧!歴史的背景やアクセス、ベストシーズンをご紹介

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ベトナムには北部から中部にかけて8つの世界遺産があり、ハロン湾のような雄大な自然景観から、ホイアンやフエなどの歴史的な街並みまで多彩です。ただ、それぞれ場所が離れているため、旅行前に位置関係と行き方を把握しておきたいところです。

本記事では、8つの世界遺産の見どころに加えて、所在地・アクセス・観光所要時間・ベストシーズンを一覧でご紹介します。

ベトナム北部の世界遺産①ハロン湾

木目調の船のデッキにラタン風のチェアが置かれ、手すりには橙色の救命浮き輪が掛けられています。奥には緑の島々が浮かぶエメラルドグリーンの海が広がっています。

ベトナム北部を代表する世界遺産「ハロン湾」は、トンキン湾に浮かぶ約1,969もの奇岩が織りなす絶景スポットです。

【基本情報】

所在地 クアンニン省ハロン市
アクセス ハノイから車・バスで約3時間30分〜4時間(約165km)
観光所要時間の目安 日帰り:6〜8時間/宿泊:1泊2日〜2泊3日
ベストシーズン 11月〜3月(乾季)
登録年 1994年(2023年にカットバ群島を含めて拡張登録)
遺産分類 自然遺産
おすすめツアー クルーズ船宿泊プラン、日本語ガイド付きツアー

ハロン湾は、1994年にユネスコの自然遺産として登録され、2023年には隣接するカットバー群島を含めて拡大登録され、正式名称は「ハロン湾・カットバー群島」となりました。

約1,553km²の広大な海域に石灰岩のカルスト地形が点在し、まるで水墨画のような幻想的な景観が広がっています。

ハロン湾観光のおすすめは、やはりクルーズ体験です。日帰りツアーでも十分楽しめますが、船上で一泊すれば、時間帯によって変化する景色の美しさを存分に堪能できます。

また、洞窟探検や海産物のバーベキューなど、様々な体験プランが用意されており、毎年数百万人の観光客が訪れる人気の観光地です。

ベトナム北部の世界遺産②チャンアンの景観関連遺産

切り立った緑の岩山に囲まれた水上に、伝統的な屋根を持つ木造の東屋が建っています。手前の静かな水面には、人々を乗せた1隻の小舟が浮かんでいます。

2014年にベトナム初の複合遺産として世界遺産に登録された「チャンアンの景観関連遺産」は、ニンビン省に位置する自然と文化が融合した貴重な遺産です。

【基本情報】

所在地 ニンビン省
アクセス ハノイから車で約2〜3時間(約100km南)
観光所要時間の目安 半日〜1日(ボートツアー:2〜3時間)
ベストシーズン 11月〜3月(乾季)
登録年 2014年
遺産分類 複合遺産
おすすめツアー 手漕ぎボートでの川下り、洞窟探検、古都ホアルー観光

チャンアンの景観関連遺産は、ハノイから南へ約100kmの場所にあり、石灰岩のカルスト地形で作られた奇岩と、その間を流れる川の景観は圧巻です。

チャンアンの景観関連遺産には、約50の洞窟と数多くの渓谷があり、手漕ぎボートで静かな川面を巡る体験が人気を集めています。

洞窟内には約3万年前の人類の生活痕跡が残され、考古学的な価値も高い遺跡です。

また、10世紀から11世紀にベトナムの都が置かれた古都ホアルーでは、丁朝と前黎朝の廟が今も残されています。

タムコックやビックドンの洞窟寺など見どころも豊富で、自然と歴史が調和したベトナムの風景を体感できる貴重な観光地です。

ベトナム北部の世界遺産③ハノイのタンロン皇城の中心区域

灰色の石で積まれた大きな城壁の上に、黄色い壁と茶色の屋根を持つ建物が立っています。手すりや壁面には鮮やかな旗が飾られ、周囲には緑の木々が茂っています。

2010年に世界文化遺産に登録された「タンロン皇城の中心区域」は、ベトナムの首都ハノイの中心部に位置する歴史的遺跡群です。

【基本情報】

所在地 ハノイ市バーディン区
アクセス ホーチミン廟から徒歩約10〜15分
観光所要時間の目安 約1時間
ベストシーズン 通年
登録年 2010年
遺産分類 文化遺産
おすすめツアー ハノイ市内半日観光、日本語ガイド付きツアー

タンロン皇城の中心区域は、2003年の発掘調査により、1010年から1804年まで約800年にわたってベトナム諸王朝の都が置かれた場所であることが明らかとなり、世界的にもその歴史的価値が再認識されました。

タンロンとは「昇龍」を意味するハノイの旧称で、李朝の李太祖が1010年に遷都した際、黄金の龍が現れたという伝説に由来します。

李朝、陳朝、胡朝、黎朝など各時代の遺構が重なるように残されており、ベトナムの貴重な文化遺産です。

観光エリアには石造りの正門「端門」、皇帝の住居「敬天殿」の基壇、龍の階段などがあり、約1時間で見学できます。発掘調査は現在も継続中で、今後さらなる発見が期待されるハノイ観光の重要スポットです。

ベトナム北部の世界遺産④胡朝の城塞

手前にはピンクの花が咲くハス池が広がり、その奥に3つのアーチ状の洞門を持つ巨大な灰色の石造城門が建っています。背景には緑豊かな丘が伸びています。

2011年に世界文化遺産に登録された「胡朝の城塞」は、ベトナム北部タインホア省ヴィンロック県に位置する14世紀の遺跡です。

【基本情報】

所在地 タインホア省ヴィンロック県
アクセス ハノイから車で約2時間30分〜3時間(交通状況により変動)
観光所要時間の目安 約30分〜1時間
ベストシーズン 11月〜3月(乾季)
登録年 2011年
遺産分類 文化遺産
おすすめツアー ハノイ発日帰りツアー、専用車チャーター

胡朝は1400年に成立し、1407年までのわずか7年間首都として栄えましたが、明(中国)の侵攻により滅亡しました。

しかし、高さ7メートルの城壁が東西約870メートル、南北約880メートルにわたって建てられ、現在も威厳のある城門が当時の姿を留めています。

ハノイ市内から離れた場所にあり交通の便も限られているため、他の世界遺産に比べて観光客が少なく、静かな雰囲気の中でゆっくりと遺跡を鑑賞できる穴場スポットです。

ベトナム中部の世界遺産①古都ホイアン

黄色い壁の建物が並ぶ街路の頭上に、カラフルなランタンが吊るされています。通りでは自転車やバイクが行き交い、上空には橙色に染まる夕空が広がっています。

1999年に世界文化遺産に登録された「古都ホイアン」は、ベトナム中部クアンナム省に位置する歴史的な港町です。

【基本情報】

所在地 クアンナム省ホイアン市
アクセス ダナンから車で約1時間(約30km)
観光所要時間の目安 半日〜1日(徒歩で散策可能)
ベストシーズン 2月〜8月(乾季)
登録年 1999年
遺産分類 文化遺産
おすすめツアー ダナン発半日観光、ランタン祭りナイトツアー

16世紀末から17世紀末にかけて、ホイアンには日本、中国、ポルトガルなどから多くの商人が訪れ、最盛期には数百人から1,000人を超える日本人が暮らす日本人町がありました。

1593年に日本人によって建てられたと伝えられる「日本橋(来遠橋)」は、日本人町と中国人町を結ぶシンボルとして今も残されています。

旧市街には、間口が狭く奥行き約35メートルにも及ぶ細長い伝統家屋が軒を連ね、ベトナム、中国、日本の建築様式が融合した独特な町並みが広がっています。

ホイアンの最大の魅力は、昼と夜で異なる景観です。毎月旧暦14日には町の照明が抑えられ、数千個のカラフルなランタンが町を彩るランタン祭りが開催され、幻想的な光景が訪れる人々を魅了します。

ベトナム中部の世界遺産②フエの建造物群

ベトナム初の世界文化遺産として1993年に登録された「フエの建造物群」は、ベトナム最後の王朝グエン朝の都として栄えた古都です。

【基本情報】

所在地 トゥアティエン・フエ省フエ市
アクセス ダナンから車で約3時間
観光所要時間の目安 1日〜2日以上
ベストシーズン 2月〜8月(乾季)
登録年 1993年
遺産分類 文化遺産
おすすめツアー フエ市内観光、フォン川クルーズ

1802年にザーロン帝が創設したグエン朝は、1945年まで13代143年間続き、フォン川沿いの旧市街には王宮、寺院、帝廟などが点在しています。

王宮は中国の紫禁城を規範として建設され、鳳凰をかたどった午門や皇帝の即位式が行われた太和殿など、龍の装飾が随所に施された建築が特徴です。

フォン川沿いには歴代皇帝の廟が点在し、中国風のミンマン帝廟、風雅なトゥドゥック帝廟、西欧様式を取り入れたカイディン帝廟など、多様な建築様式が見られます。

見どころが豊富なため、2日以上かけてゆっくり巡るのがおすすめです。

ベトナム中部の世界遺産③ミーソン聖域

赤茶色のレンガが積み上げられた古い建築物が残されています。細かな彫刻が施された石の台座や壁が点在し、周囲には青々と茂る木々と青空が広がっています。

1999年に世界文化遺産に登録された「ミーソン聖域」は、ベトナム中部クアンナム省の山々に囲まれた盆地に位置する古代チャンパ王国の聖なる遺跡です。

【基本情報】

所在地 クアンナム省ズイスエン県
アクセス ダナンから車で約1時間30分/ホイアンから約40km
観光所要時間の目安 2〜3時間
入場料金 150,000VND(約850円)
*2025年10月14日時点
ベストシーズン 2月〜8月(乾季)
登録年 1999年
遺産分類 文化遺産
おすすめツアー ダナン・ホイアン発半日ツアー

ミーソン聖域は、ホイアンから約40キロメートル内陸に入った場所にあり、4世紀から13世紀にかけてヒンドゥー教シヴァ派の聖地として栄えました。

チャンパ王国は2世紀末に興り、17世紀頃まで海上交易の拠点として繁栄した王国で、かつては70以上の祠堂が建てられましたが、現在はその一部が残り、遺跡として保存・修復が進められています。

建築技術の高さも見どころで、焼成レンガを接着剤なしで積み上げる技法や、疑似アーチと呼ばれる独特な屋根構造、精巧な彫刻が施されています。

20世紀初頭にフランス人によって発見されましたが、ベトナム戦争時の爆撃により大半が破壊され、現在も発掘調査が続いています。

ベトナム中部の世界遺産④フォンニャ=ケバン国立公園

エメラルドグリーンの水面に、アジアンハットをかぶった人が乗る黄色い木造船が浮かんでいます。奥には緑の木々に覆われた高い岩山と洞窟の入口が広がっています。

2003年にベトナムで5番目の世界自然遺産として登録された「フォンニャ=ケバン国立公園」は、ベトナム中部クアンビン省に位置する国立公園です。

【基本情報】

所在地 クアンビン省
アクセス ドンホイから車で約1時間
観光所要時間の目安 半日〜1日
ベストシーズン 3月〜8月
登録年 2003年(2015年・2025年拡張)
遺産分類 自然遺産
おすすめツアー フォンニャ洞窟ボートツアー、天国の洞窟探検

フォンニャ=ケバン国立公園は、約86,000ヘクタールに及ぶ広さを持ち、その大半は大規模な密林(原生林)に覆われています。

公園内には300を超える洞窟と地下河川があり、500種以上の植物や800種以上の動物が生息する生物多様性の宝庫です。

訪問者に人気なのは、「フォンニャ洞窟(Phong Nha Cave)」のボートツアーで、地下河川を進みながら鍾乳石や地形の変化を間近に見ることができます。

「天国の洞窟」と称されるティエンドゥオン洞窟では、広大な空間と光による演出があり、神秘的で迫力のある探検ができます。

公園は自然遺産としての登録後も2015年と2025年に登録範囲が拡張されており、訪問者がその壮大さをじっくり体験できる場所です。

8つの世界遺産はハノイとダナンを拠点に巡ろう

ベトナムの世界遺産は、自然遺産のハロン湾とフォンニャ=ケバン国立公園、文化遺産のフエ・ホイアン・ミーソン聖域・タンロン皇城・胡朝の城塞、複合遺産のチャンアンの計8件です。北部はハノイ、中部はダナンを拠点にすると効率よく巡れます。
アクセスや観光所要時間、ベストシーズンを確認したうえで、旅程に合う遺産から計画してみてください。

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