タガログ語の数字をマスターしよう:旅行や留学で役立つ基本表現

フィリピンを訪れる日本人旅行者や留学生にとって、
タガログ語の数字を覚えることは意外にも重要なこと。

なぜなら、買い物や料金交渉、電話番号やバスの番号確認など、数字は日常会話のあらゆる場面に登場するからです。

フィリピンは多言語国家であり、公用語として英語とタガログ語を使用しています。

そこに加えてスペイン語由来の表現も多く、歴史的背景によってユニークな言語環境が広がっているのです。

またフィリピンでは、場面によって数字をタガログ語で言うか言わないかが変わります。

この記事では0から100までの数字、スペイン語数字との使われ方の違い、日常会話での活用例を中心に解説していきます。

タガログ語勉強の第一歩として、まずは数字をマスターしてみましょう!

タガログ語での数字:1〜10までの基本

1〜10:タガログ語の基本構造と数字の数え方

タガログ語で数字を表現する際、1から10までは固有の語彙を使います。

ここが基本となりますので、まずは1から10まで数えられるようにするのを目標にすると良いですね。

以下で具体的に見ていきましょう。

タガログ語の表現
1 Isa(イサ)
2 Dalawa(ダラワ)
3 Tatlo(タットロ)
4 Apat(アーパット)
5 Lima(リマ)
6 Anim(アーニム)
7 Pito(ピト)
8 Walo(ワロ)
9 Siyam(シャム)
10 Sampu(サンプ)

タガログ語での数字:11〜100までの基本

11〜19:接頭語に「labing(ラビン)」がつく

11〜19の数字については、「labing-」を接頭語として使用して1〜9の語を後ろにつなげます。

「labing-」が修飾語のような働きを持つということです。

以下で具体的に見ていきましょう。

タガログ語の表現
11 Labing-isa(ラビンイサ)
12 Labindalawa(ラビンダラワ)
13 Labintatlo(ラビンタットロ)
14 Labing-apat(ラビンアーパット)
15 Labinlima(ラビンリマ)
16 Labing-anim(ラビンアーニム)
17 Labimpito(ラビンピト)
18 Labingwalo(ラビンワロ)
19 Labinsiyam(ラビンシャム)

ただし、スペルには以下のルールがあります。

「labing-」の後ろに来る単語の音が「b」「p」で始まるとき:labing → labimになる

「labing-」の後ろに来る単語の音が「d」「l」「n」「s」「t」「r」で始まるとき:labing → labinになる

よって12、13、15、17、19については、上記のルールを当てはめて次のように表記します。

12:labing + dalawa → labindalawa

13:labing + tatlo → labintatlo

15:labing + lima → labinlima

17:labing + pito → labimpito

19:labing + siyam → labinsiyam

20以降:複合構造での数の表現

20からは「dalawampu」(=20)や「tatlumpu」(=30)のように最後に「-mpu」が使われ、数詞が前に置かれます。

実際の例を見ていくとわかりやすいです。

タガログ語の表現
20 Dalawampu(ダラワンプ)
30 Tatlumpu(タットロンプ)
40 Apatnapu(アーパットナプ)
50 Limampu(リマンプ)
60 Animnapu(アーニムナプ)
70 Pitumpu(ピトゥンプ)
80 Walongpu(ワロンプ)
90 Siyamnapu(シャムナプ)

また、100は以下のようになります。

タガログ語の表現
100 isang daan(イサンダアン)
あるいは
isang daan(サンダアン)

20以上の数字の言い方:暗記するのがおすすめ

たとえば「21」と言いたいときには、「20と1」と表現します。

「と」(=英語のand)をタガログ語では「at」と表現しますので、21だと「dalawampu at isa」

省略して「dalawampu’t isa(ダラワンプッ イサ)」と言います。

以下で20〜29を見ていきましょう。

タガログ語の表現
20 Dalawampu(ダラワンプ)
21 Dalawampu’t isa(ダラワンプッ イサ)
22 Dalawanpu’t dalawa(ダラワンプッ ダラワ)
23 Dalawampu’t tatlo(ダラワンプッ タットロ)
24 Dalawampu’t apat(ダラワンプッ ダラワ)
25 Dalawampu’t lima(ダラワンプッ リマ)
26 Dalawampu’t anim(ダラワンプッ アーニム)
27 Dalawampu’t pito(ダラワンプッ ピト)
28 Dalawampu’t walo(ダラワンプッ ワロ)
29 Dalawampu’t siyam(ダラワンプッ シャム)

ここまでのことが理解できれば、タガログ語で1から100まで数が数えられるようになります!

規則があるので、実際に暗記しなければならない要素は案外少ないです。

スペイン語由来の数字表現:タガログ語との違い

スペインとフィリピンの関係

フィリピンは長くスペインの植民地でした。そのため、今でもスペイン語由来の単語が日常的に使われているのです。

スペイン語で数字を数えてみよう

復習を兼ねて、タガログ語の数字表現も併記しました。

背景となる文化が違うので言語も大きく異なり、単語も全く違いますね。

スペイン語由来の表現 タガログ語の表現
1 Uno(ウノ) Isa(イサ)
2 Dos(ドス) Dalawa(ダラワ)
3 Tres(トレス) Tatlo(タットロ)
4 Cuatro(クワットロ) Apat(アーパット)
5 Cinco(シンコ) Lima(リマ)
6 Seis(サイス) Anim(アーニム)
7 Siete(シエテ) Pito(ピト)
8 Ocho(オッチョ) Walo(ワロ)
9 Nueve(ヌウェベ) Siyam(シャム)
10 Diez(ジス) Sampu(サンプ)

ちなみにスペイン語由来の単語ですが、スペルはスペイン語と異なります。
(kuwatro→スペイン語だとcuatro、nuwebe→スペイン語だとnueve など)

発音とスペルはフィリピン式と覚えておきましょう。

このように、他の言語から取り入れられて日常的に使われるようになった単語のことを「借用語」と言います。

フィリピンでの借用語の混在は、オーストロネシア語族の中でも非常に珍しいそうです。

実際に、他にスペインの支配下にいた歴史を持つ他言語(インドネシア語やポリネシア語派など)では、このような大規模なスペイン語の影響は見られません。

タガログ語とスペイン語の使い分けとは

フィリピンでは、数字の表現においてはタガログ語とスペイン語由来の両方が日常的に使われていますが、その使い分けには一定の傾向があります。

一般的に形式的な場面や書き言葉ではタガログ語由来の数字が使われ、カジュアルな会話や時間表現、お金のやり取りなどではスペイン語数字が使われることが多いです。

たとえば、学校の作文やニュース原稿では「dalawampu’t isa(21)」のような表現が推奨されますが、日常会話やテレビ番組では「bente uno(21)」というスペイン語系の表現がよく聞かれます。

また、「alas nueve(9時)」「kinse pesos(15ペソ)」のように、時間や金額の表現はほぼスペイン語形式が主流となっています。

同じ数字でも状況によって言い換える文化が根づいているのは、非常に興味深いこと。

たとえば、子ども向けの教育番組では「sampu(10)」を教える一方、マーケットでは「diez(10)」と聞く方が自然。

このような言語の柔軟性は、フィリピンならではの多言語社会を象徴しているようですね。

さらに、特に年配のフィリピン人や地方の人々は、スペイン語風の言い回しに慣れている傾向があります。

タガログ語単語とスペイン語単語が共存し、文脈や相手によって言い換えが求められるという点は、フィリピンの言語の大きな特徴。

タガログ語を学ぶ際にも、数字表現については状況ごとの使い分けを意識することによって、より自然な会話ができるようになります。

日常会話での数字の活用例

旅行や買い物シーンでの数字表現

数字表現がわかると、日常生活の中で役に立ちます。数字さえ分かればコミュニケーションがスムーズになること間違いなしです!

以下に例文をピックアップしました。

「いくらですか?」「Magkano ito?」

「10ペソです」「Dyis pesos po.」

※価格についてなのでスペイン語由来の数字表現
※タガログ語の「po」(丁寧な表現)は、フィリピンの日常会話でよく見られます
「何時ですか?」「Anong oras na?」

「8時です」「Alas otso.」

※時間についてなのでスペイン語由来の数字表現
「何歳ですか?」「Ilang taon ka na?」

「私は25歳です」「Dalawampu’t lima na po ako.」

※タガログ語の数字表現

タガログ語とスペイン語由来の数字表現、どちらも触れておくことで、実際に日常生活の中で聞いたときに慌てずにいられるようになりますね。

まとめ

タガログ語の数字は、留学だけでなく旅行に行くときにも重要になる基礎的な表現です。

特に、0〜100の範囲をしっかり覚えておくことで、タガログ語のやり取りがスムーズになるでしょう。

本記事では、タガログ語の基本数字を整理しつつ、それらがどのようにフィリピンの生活や文化に根づいているかを解説しました。

数字の学習は単なる語学学習にとどまらず、その言語の文化に触れることでもあります。

タガログ語の勉強を進めるうえで、数字から始めて名詞や動詞、形容詞へと語彙を広げていくことは、自然とタガログ語に馴染んでいくための良いステップになるでしょう!

 

 

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