フィリピンに正月休みはある?フィリピン人の大晦日・年末年始の過ごし方まとめ

正月、ネイティブキャンプ、オンライン英会話


フィリピンの正月休みはいつからいつまで?」
「フィリピンでの年末年始の過ごし方は日本と違う?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

フィリピンの正月は西暦で祝いますが、日本とは異なる独自の文化や習慣があります。正しい正月休みの情報を知っておくことで、現地での滞在や旅行計画もスムーズになるでしょう。

この記事では、フィリピンの正月休み期間や年末年始の過ごし方から、旅行者が知っておくべき注意点まで詳しく解説します。フィリピンでの年末年始の滞在を検討している方は、ぜひ最後までお読みください。

フィリピンの正月は「西暦(グレゴリオ暦)」で祝う

フィリピンでは、私たち日本と同じく1月1日を新年として祝います。これは西暦(グレゴリオ暦)に基づいた正月文化で、フィリピンが長年スペインとアメリカの統治下にあった歴史から、カトリックの影響を色濃く受けているためです。

フィリピン政府は
1月1日を「New Year's Day(新年)」として公式な祝日に定めており、この日は多くの企業や学校がお休みになります。

ただ、フィリピンの休日制度には独自の特徴があり、年によって休日の長さが変わったり、突如として特別休日が宣言されたりすることも珍しくありません。

フィリピンにおける大みそかの過ごし方

フィリピンの大みそかは、日本と同様に1年の締めくくりとして盛大に祝われます。ここでは、フィリピンでの大みそかの過ごし方について詳しく見ていきましょう。

大みそかの花火と爆竹の文化

フィリピンの大みそかといえば、夜空を鮮やかに彩る花火と爆竹の音が特徴的です。

この騒がしい音と明るい光には
「悪霊を追い払い、新年に幸福を招き入れる」という意味が込められており、フィリピン人の年越し文化に深く根付いています。

マニラやセブといった大都市では、一般家庭から打ち上げられる小さな花火から、自治体が主催する大規模な花火ショーまで様々な規模のものが見られます。

特に高層ビルが立ち並ぶマカティBGCエリアでは、ビルの屋上から打ち上げられる花火が壮観です。

午前0時になると、街中から一斉に花火が夜空へと放たれ、その様子はまさに
「花火の海」と呼ぶにふさわしい圧巻の光景を作り出します。

年越しの伝統的な料理

フィリピンの年越しには、幸運を招くとされる様々な伝統料理があります。大みそかの深夜に家族全員で囲む特別な食事は
「メディアノチェ(真夜中の食事)」と呼ばれ、縁起物でテーブルが彩られます。

代表的な料理は「パンシット」という細長い麺料理。その長い形状が「長い人生」を象徴するとして、新年に欠かせない一品です。

また、テーブルには必ず12種類の丸い果物が並びます。これは来る
12ヶ月の幸福と豊かさを願う習慣で、特にブドウは12粒食べることで1年間の幸せを呼び込むと信じられています。

豊かさの象徴として豚肉料理も欠かせない存在。これらの縁起物は、フィリピンの人々にとって新年への祈りと願いを表現する重要な文化的要素として大切にされています。

大みそかのイベントと家族での過ごし方

フィリピンの大みそかは、何よりも家族との絆を深める特別な時間です。多くのフィリピン人は、遠方に住む親戚も含め実家に集結し、一家団らんで年越しを祝います。

夕刻からは家族揃っての豪華なディナーを囲み、その後はテレビの年越し特番に興じたり、みんなでカラオケを楽しんだりして新年を迎えるのを待ちます。

年明けの瞬間には、家族全員で「10、9、8…」とカウントダウンし、真夜中の鐘が鳴ると
「Happy New Year!」と歓声を上げながら一斉にジャンプ!これは新年に背が伸びる、つまり成長や発展を願う意味合いが込められているそうです。

大みそかのショッピングモールや商業施設の営業状況

フィリピンの大みそかには、多くの商業施設が特別な営業時間で対応しています。SMモールロビンソンズといった大型ショッピングセンターは、通常より早い午後6時から7時頃に営業を終了するのが一般的です。

年越しの需要に応えるレストランやファストフード店は、深夜まで営業していることが多いですが、人気店では予約が必須です。コンビニエンスストアはほとんどが24時間営業を継続しているため、急な買い物でも安心です。

大みそかを含む年末はセールシーズンでもあり、お得なショッピングを楽しめる絶好の機会となっています。

フィリピンにおける新年の過ごし方

フィリピンの新年は独特の習慣や伝統で彩られています。日本とは異なる縁起担ぎや特別な食べ物を楽しみ、家族や友人と共に新年を迎えるのが一般的です。

ここでは、フィリピンの新年の過ごし方について詳しく見ていきましょう。

新年の縁起担ぎと伝統的な習慣

フィリピンの新年には、さまざまな縁起担ぎや伝統があります。前述の年越しジャンプに加えて、衣装にも特徴があり、水玉模様(ポルカドット)の服や、黄色や赤といった明るい色の洋服を着ることが好まれます。

この伝統は、丸い形状が「お金と運を呼び込む」という信念に基づいており、水玉模様のひとつひとつの円がコインを象徴するとされています。

また「明るい一年になりますように」という願いを込めて家中の電灯をつけたり、「良い運気を迎え入れる」という意味で窓や玄関を開け放つ家庭も多いです。

こうした風習は地域や家族によって少しずつ異なるため、現地の人々と交流しながらフィリピン独自の新年文化を体験してみるのも楽しいでしょう。

新年の日に行われる特別なイベント

フィリピンの新年は各地で様々な特別イベントが開催されます。

首都マニラでは華やかなカウントダウンパーティーやコンサート、マニラ湾では夜空を鮮やかに染める花火ショーが繰り広げられます。人気リゾート観光地のセブやボラカイでは、観光客を魅了するビーチパーティーが盛り上がりを見せます。

一方で信仰心の厚いフィリピン人の間では、教会での新年ミサに参加する風習も大切にされています。家族との時間を重視する文化を反映し、多くの家庭では新年の朝に家族で朝食を囲み、新たな年の幸せを願いながら挨拶を交わします。

現地でイベントに参加してみたい方は、事前にホテルのコンシェルジュや観光案内所で最新情報を確認しておくとよいでしょう。

新年期間中の企業・店舗の休業状況

フィリピンの新年期間中は、多くの企業や店舗がお休みとなります。元日には公的機関や銀行は完全に休業し、翌1月2日も実質的にお休みのところがほとんどです。

大型ショッピングモールは元日も営業していますが、ほとんどの場合は営業時間が短縮されています。レストランやカフェは予約制に切り替わるところが多く、人気店では数週間前から予約が埋まってしまうこともあるので注意しましょう。

また、公共交通機関も本数が減るため、移動の計画を立てる際は事前の確認が必須です。

フィリピンで正月を過ごす際の注意点

フィリピンでの正月は華やかで楽しいものですが、旅行者が知っておくべき注意点がいくつかあります。

交通混雑や安全面での対策、そして現地での楽しみ方まで、フィリピンで快適に年末年始を過ごすためのポイントを詳しく見ていきましょう。

年末年始の交通事情と注意点

フィリピンの年末年始は、交通機関がかなり混み合います。特にマニラやセブなどの主要都市では、大みそかと元日を中心に深刻な渋滞に見舞われることもしばしば。

タクシーやGrabは予約が取りづらくなるうえ、料金も普段より高くなりがちです。公共交通機関も運行本数が減ることが多いので、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。

フェリーやバスターミナルも例外ではなく、かなりの混雑が予想されるため、チケットは可能な限り事前に確保しておくと安心です。

事故や軽犯罪における注意点

フィリピンの年越しは、国中が花火と爆竹で彩られる華やかな一方、事故も少なくありません。大みそかになると、まるで国全体がお祭り状態となり、
街のあちこちで花火が打ち上げられます。

特に規制があまり厳しくない地域では、危険性の高い大型爆竹も使われていることがあるため、十分な注意が必要です。

また、この時期は人混みが増えることから、スリや置き引きといった軽犯罪も増加します。貴重品はホテルのセーフティボックスに預けるか、常に肌身離さず持ち歩くようにし、夜間の一人歩きは控えるようにしましょう。

フィリピンにおける旧正月の過ごし方

フィリピンでは西暦の新年だけでなく、中国の旧暦に基づく「旧正月(春節)」も盛大に祝われています。特に華人コミュニティが多く暮らす地域では、カラフルな龍舞や獅子舞、花火などで賑わいます。

旧正月のイベントは、フィリピンの多文化性を象徴する年中行事のひとつです。

フィリピン華人コミュニティの旧正月文化

旧正月は、フィリピンに暮らす中国系の人々にとって一年で最も重要なお祭りです。

フィリピンには約120万から135万人の純粋な中国系住民が生活しており、その歴史は16世紀にまでさかのぼります。

彼らは中国の伝統文化を大切にしながらも、フィリピン社会と調和して独自の文化を育んできました。旧正月には家族が集まり、先祖に感謝し、新年の幸運を願う風習が今も息づいています。

マニラやセブといった大都市では、中国系の商店や家庭が赤と金色の装飾で華やかに彩られ、家族で囲む豪華な特別料理が盛大に振る舞われます。

旧正月の日程と休日情報

2025年の旧正月は1月29日(水)で、フィリピンでは特別非就労日として扱われています。
フィリピン政府は2012年から中国系フィリピン人の社会貢献を称え、旧正月を国の特別非就労日に指定しました。

旧正月は多くの学校や企業では休みになりますが、すべての企業が休業するわけではありません。特に多くのショッピングモールでは、むしろこの日を特別イベントの機会として営業していることが特徴的です。

旧正月の日程は毎年変動するため、フィリピン旅行を計画している方は、訪問前に最新の日程を確認しておくことをおすすめします。

ビノンド(マニラ中華街)での旧正月イベント

マニラにあるビノンド地区は、世界最古の中華街の一つとして知られています。旧正月になると、この地区は最も活気あふれる場所へと変わります。

旧正月期間中のビノンドでは、鮮やかな赤と金色の装飾が街を彩り、華やかな龍舞や獅子舞のパレードが開催されます。なかでも最大の見どころといえば
「龍舞パレード」。数十メートルにも及ぶ巨大な龍が街中を練り歩く姿は、実際に見ると圧倒されるほどの迫力です。

夜になれば、空を彩る色鮮やかな花火ショーも楽しめます。ビノンドを訪れるなら、午後から夕方がおすすめです。パレードを楽しんだ後は、地元の中華料理店で旧正月限定の特別メニューを味わってみるのもよいでしょう。

旧正月の伝統的な習慣と縁起物

旧正月には幸福を招き入れるための様々な伝統行事が受け継がれています。

最も親しまれているのは「紅包(ホンバオ)」と呼ばれる習慣で、赤い封筒にお金を入れて親族や知人に贈ります。特に子どもたちに幸運と豊かさをもたらすとされているこの風習は、春節の象徴とも言えるでしょう。

また、旧正月前に家の掃除を完了させ、当日は箒を使わないことで「福を掃き出してしまわない」という考え方も大切にされています。食事面では、もち米を使った「ティクオイ」や縁起の良い「長寿麺」など、長い人生と繁栄を象徴する料理が食卓に並びます。

家の入り口には、「福」の文字を逆さまに貼ることで「福が降りてくる」という願いを込める風習も広く見られます。

そして旧正月の前夜には、家族が一堂に会して
「年夜飯(ニェンイェファン)」と呼ばれる特別な夕食を囲みます。この団らんの時間は、一年の豊かさと家族の絆を祝う大切な行事として今日も大切に守られています。

フィリピンのその他の祝祭日

フィリピンを旅行で訪れる際、正月以外にも知っておきたいのが年間の祝祭日です。フィリピンには「一般祝祭日」「特別祝祭日」の2つのタイプがあり、それぞれ企業の営業状況や交通機関への影響が異なります。

ここでは、重要な2025年の祝祭日カレンダーを紹介するとともに、フィリピン特有の振替休日制度についても解説します。

なお、フィリピンでは政府判断により急遽祝日が追加・変更されることがあるため、渡航前には最新情報を確認することをおすすめします。

一般祝祭日

フィリピンの一般祝祭日(Regular Holidays)は、法律で定められた重要な国家的休日です。年間で12日程度あり、2025年の一般祝祭日の日程は下記の通りです。

日付 曜日 祝日名 英語名
1月1日 水曜日 元旦 New Year's Day
4月9日 水曜日 勇者の日 Araw ng Kagitingan
4月17日 木曜日 聖木曜日 Maundy Thursday
4月18日 金曜日 聖金曜日 Good Friday
5月1日 木曜日 労働者の日 Labor Day
6月12日 木曜日 独立記念日 Independence Day
8月25日 月曜日 英雄の日 National Heroes Day
11月30日 日曜日 ボニファシオ誕生記念日 Bonifacio Day
12月25日 木曜日 クリスマス Christmas Day
12月30日 火曜日 リサール記念日 Rizal Day

一般祝祭日は給与保証があるのが特徴で、雇用者は休日労働に対して通常給与の200%以上を支払う必要があります。

観光施設やショッピングモールは営業していることが多いものの、政府機関や銀行、学校は基本的に休業となるでしょう。フィリピン滞在中に重要な手続きが必要な場合は、事前に営業状況を確認することが重要です。

特別祝祭日

特別祝祭日(Special Non-working Holidays)は一般祝祭日よりも位置づけが低く、年間で10日前後設定されています。2025年の特別祝祭日の日程は下記の通りです。

日付 曜日 祝日名 英語名
1月29日 水曜日 旧正月 Chinese Lunar New Year
4月19日 土曜日 聖土曜日 Black Saturday
8月21日 木曜日 ニノイ・アキノ記念日 Ninoy Aquino Day
10月31日 金曜日 万聖節イブ All Saints' Day Eve
11月1日 土曜日 万聖節 All Saints' Day
12月8日 月曜日 聖母マリア祭 Feast of the Immaculate Conception of Mary
12月24日 水曜日 クリスマスイブ Christmas Eve
12月31日 水曜日 大晦日 Last Day of the Year

一般祝祭日と異なり、特別祝祭日は給与保証が低く、休日出勤の場合は通常給与の130%程度が支払われる傾向にあります。企業によっては通常営業する場所も多いため、旅行者にとっては観光や買い物に大きな支障はないケースが大半です。

祝日と週末が重なった場合の振替休日制度

フィリピンには、祝日が土日と重なった際に翌平日を休日にする振替制度が存在します。ただしこの制度は全ての祝日に一律適用されるわけではなく、多くの場合は大統領令によって決められているため、年によって対応が変わることも少なくありません。

フィリピン滞在を計画する際は、直前の現地情報を確認するか、宿泊先やツアー会社に事前に問い合わせておくことをおすすめします。

まとめ

この記事では、フィリピンの正月休みや年末年始の過ごし方について解説してきました。フィリピンでは西暦の新年を祝う文化があり、花火や爆竹で新年を迎え、丸いフルーツやパンシットを食べる独特の風習が見られます。

また、フィリピン華人コミュニティでは旧正月も盛大に祝われており、日本とは異なる祝日制度や休暇の取り方が特徴的です。正月期間中は交通面や安全面で、旅行者が注意すべき点もいくつかあります。

この記事を参考に、フィリピンの年末年始の文化や過ごし方を理解し、現地での滞在を楽しんでみてくださいね!

 

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