多民族が織りなすマレーシア人の魅力 〜文化・習慣・価値観について紹介します〜

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マレーシアは「日本人が移住したい国ランキング」で常に上位に入っています。

なんとなく魅力的な国だな、と思っている人は多いですが、実際にどのようなところが日本人の心を惹きつけるのでしょうか。

今回の記事では、マレーシアの魅力を、文化的な視点から掘り下げていきます

移住を考えている人、留学に興味がある人、次の旅行先を探している人は、ぜひこの記事を読んでマレーシアを候補に入れることを検討してください。

マレーシア人の民族構成と宗教背景

まずは、マレーシアの民族構成について知っておきましょう。

日本に住んでいると想像しづらいかもしれませんが、民族国家のマレーシアでは1つの国にいくつもの民族が一緒に暮らしています。

多民族国家のマレーシア

マレーシアに住む主な民族の構成をまとめました。

・マレー系 約60%
・中華系 約25%
・インド系 約7%

それぞれの民族で宗教や慣習が全く異なります。
1つずつみていきましょう。

マレー系

マレーシアで最も人口の多いマレー系は、もともとマレー半島やその周辺に住んでいた人々です。

マレーシアでは、マレー系の人々はイスラム教を信仰することが法律で義務付けられており、1日に何度もお祈りをしたり、ラマダンという断食の期間があったりします。

中華系

中華系の人々は、その名前のとおり中国から移り住んできた人たちです。
中国系、華人系と呼ばれたりもします。

商売目的でやって来た人が多く、商売上手な人が多いという特徴があります。

宗教は、仏教、キリスト教、道教、儒教など様々です。
儒教が生活に大きく影響を与えています。

インド系

マレーシア全体の7%のインド系は、インドの南部から移住した人がほとんどで、ドラヴィダ系民族のタミル人が多いです。

ヒンドゥー教が多数ですが、特に縛りはなく、キリスト教やムスリム教の人々もいます。

ヒンドゥー教では神様がたくさんいるため、お祭りの数や種類も豊富です。

マレーシア人の性格と国民性

マレーシアに住む人たちは、どのような国民性を持っているのでしょうか。

多民族国家だからこそ、全体的に柔らかな性格を持った人が多い、という印象です。

穏やかで親しみやすい

マレーシアの人々は、穏やかで優しい性格の人が多いです。

初対面でも積極的にあいさつを交わしたり、困っている人にも自ら声をかけ、助けようとしてくれる人がたくさんいます。

人種に関わらず人と人のつながりを大事にする気持ちが強く、外国人や言葉の通じない人たちとも、友達になれることが多いです。

異文化に寛容的

マレーシアは日本より一回り小さく、国土のおよそ60%が熱帯雨林で覆われています。

その中でいくつもの民族が一緒に生活するため、自然とお互いの文化や思想を尊重するようになりました。

学校も民族や宗教によって分かれているということはなく、みんなが同じ場所で同じ授業を受けます。

そのため、国民全体に「それぞれ違って当たり前」という考えが根付いているのです。

マレーシアン・タイム

「ハワイアン・タイム」や「沖縄タイム」という言い方があるように、「マレーシアン・タイム」というものが存在します。

これは時間に対しておおらかで、約束の時間に遅れても気にせず、のびのびと生きましょう、という考え方です。

ただしマレーシアン・タイムの場合は、仕事や学校などでは切り替え、しっかりと時間を守る傾向があります。

「つながり」を大切にする

マレーシアでは外とのつながりだけでなく、内側のつながりも大事にします。

マレーシアの人々にとって、家族はとても重要な存在で、大人になっても休日には家族そろって食事をしたり、一緒に時間を過ごしたりします。

コミュニティの意識も強く、ご近所でご飯を分け合ったり、行事に一緒に参加したりということは珍しくありません。

日常生活におけるマナーと習慣

寛容的ではありますが、なんでも許されるというわけではありません。

それぞれの文化の中で守っているものがあり、お互いがそれを尊重しながら生きています。

マレーシアを訪れる際にも気をつけたい、日常生活におけるマナーや習慣をまとめました。

礼儀とあいさつ

マレーシアは日本と同じように、目上の人には丁寧な話し方で接する必要があります。

英語の「Mr」や「Ms」と同じように、男性に「エンチック」女性に「プアン」という敬称をつけるのも特徴です。

あいさつも重要で、「サラマッ・パギ(おはよう)」「サラマッ・マラム(こんばんは)」など、マレー語であいさつすることが多いです。

また、ここでも多文化が尊重されており、中華系は「ニーハオ」、インド系は「ヴァナッカム」と、それぞれの言葉でとあいさつをします。

民族ごとの食事マナー

食事の仕方や慣習も、民族ごとに違います。マレー系の人々はイスラム教なので、食事に関しては「ハラル」という決まりに従わなければなりません。

豚肉とアルコールがNGで、不浄の左手は使わず、右手だけで食事をします。

インド系も手を使いますが、中華系は箸を使います。

マレーシア全体に共通しているのは、大人数でワイワイ食事をするのを好む、ということです。

服装とふるまい

宗教は服装にも大きく影響します。イスラム教では、男女ともに肌の露出を控えた服装をして、モスクに入る時は女性はスカーフを被ります。

イスラム教では頭は神聖な場所とされているためですね。

そのため、他人の頭を不用意に触るのもNG行為なので気を付けましょう。

また、右手は神聖、左手は不浄なので、物を誰かに手渡す時は右手を使うことが好まれます。

宗教と記念日

宗教イベントや記念日でも、お互いの文化の尊重を忘れません。

例えば、イスラム教の断食「ラマダン」が行われる1ヶ月の間は、宗教に関わらず国民全体が外での食事を控えます。

中国の旧正月「春節」やインドの正月を祝う光のお祭り「ディーパバリ」なども、宗教に関わらず、国全体で盛り上げ、それぞれの文化を楽しむのです。

ビジネスシーンでのマナーと注意点

旅行で訪れるのであれば、マナー違反で大きなトラブルになることはないでしょう。

しかし、ビジネスシーンでマナーが守れていないと「異文化交流ができない人」というレッテルを貼られてしまい、不利な立場になります。

ビジネスシーンで気を付けておきたいマナーをみていきましょう。

あいさつのマナー

あいさつのマナーは、日本と似ています。

会釈をし、軽く笑顔になります。
握手をすることもありますが、イスラム教では異性と握手をしてはいけない場合もあるので、相手が手を差し出して来た時だけ応じるようにするのが無難です。

日本と違うところは、目上の人からあいさつするのが一般的ということです。

好まれる話し方

好まれる話し方も、日本式と似ています。
ゆっくりと穏やかな口調で、落ち着いて話すのが良しとされており、大きな声や大袈裟なジェスチャーは好まれません。

また話の内容としては、政治や宗教の話は控える人が多いです。

人により立場や価値観は違うので、お互いに尊重し合うことが重要です。

適切な服装

服装には清潔感が求められます。
男性はスーツ、ワイシャツ、ネクタイ、女性はブラウス、スカート、スラックスなどが一般的です。

マレーシアは熱帯性気候であるため、年間を通してジメジメしていて暑いです。

汗染みや臭いも清潔感を損なうポイントなので、気を付けましょう。
ただし、強い香水は控えましょう。

マレーシアン・タイムはビジネスではNG

時間に寛容になりゆるりと過ごすマレーシアン・タイムを先ほど紹介しましたが、ビジネスシーンではNGです。

仕事や学校、大切な約束事に関しては日本と同じで、時間の少し前に余裕を持って目的地に到着するようにします。

日本人の感覚を持っていれば問題ありませんが、過度にマレーシアンタイムに流されないようにしましょう。

食文化と宗教的な制約

旅行の醍醐味といえば、食事ですよね。
マレーシアはさまざまな食文化をいっぺんに楽しめるため、グルメな方にはたまらないでしょう。

多民族国家ならではの豊かな食文化

・マレー系
マレー系の人々が暮らす地域では、ナシマレッやサテのようにココナッツミルクとスパイスが使われた料理が楽しめます。

・中華系
中華系では焼きビーフンや点心といった中華料理がメインです。

・インド系
インド系だと「ロティ・チャナイ(カレーと食べるパン)」や「ナシカンダール(おかずが選べるカレーごはん)」をよく食べます。

理解しておきたいイスラム教の食文化

マレーシアの食事に関して気を付けておきたいのが、イスラム教の食文化です。

日本人がマレーシアに行っても、食べていけない物などは特にありません。

しかし理解していないと、誤ってイスラム教の人に豚肉を強要してしまったり、お酒を飲みに誘ってしまうかもしれません。

知らなかったとしても、相手を不快にさせることは間違いないでしょう。

豚肉とアルコールはNGです。
その他の肉類も、イスラム教の教えに従って処理されたものしか食べることができません。

インド系・中華系の食文化

インド系では逆に、牛肉を食べることができません

これはヒンドゥー教で、牛が破壊神シヴァの乗り物とされているからです。

中華系の食文化では、特に決まりはありません。

ただ、他の宗教の人々に配慮して、豚肉や牛肉を使わない料理を出すお店も増えて来ています。

まとめ

マレーシアは多民族国家として、マレー系・中華系・インド系などが共存し、それぞれ異なる宗教や文化を尊重し合いながら暮らしています。

その寛容な国民性や穏やかな人柄、豊かな食文化、異文化への理解の深さは、日本人にとっても非常に魅力的ですね。
移住や留学先として人気があるのも納得でしょう。

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