「マレーシア留学のデメリットってなに?」そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
近年、海外留学先として注目を集めているマレーシアは、欧米諸国への留学と比較して費用が大幅に抑えられる一方で、質の高い英語環境での学びを実現できることから、日本人留学生や親子留学などが急速に人気が高まっています。
しかし、メリットばかりでなく、英語の訛りや生活習慣の違い、就労制限などのデメリットも存在します。
本記事では、マレーシア留学の基本情報から費用、メリット・デメリット、治安情報、そして留学前に知っておきたい注意点まで、マレーシア留学を検討している方に役立つ情報を徹底解説します。
マレーシア留学の基本情報
マレーシア留学は、様々な年齢層や目的に対応した多彩なプログラムが魅力の留学先として、日本人の間で注目を集めています。
特に近年は個人留学だけでなく親子留学の選択肢としても人気が高まっています。
具体的に、マレーシアは東南アジアに位置する多民族国家で、面積は日本とほぼ同じながら人口は約3,000万人です。
マレー系、中華系、インド系など様々な民族が共存する多文化社会であり、教育制度はイギリスの影響を強く受けています。
大学の学士課程は基本的に3年間で修了するため、日本の4年制と比べて時間的・経済的メリットがあります。
親子留学においては、親と子供の両方が充実した時間を過ごせるプログラムが豊富に用意されています。
子供は現地のインターナショナルスクールや語学学校で英語を学び、親も同時に語学コースを受講できます。
クアラルンプールなどの都市部では、子供向けの体験学習やアクティビティも豊富で、学習と遊びのバランスが取れた留学生活が可能です。
留学の形態も多様で、短期の語学留学から学位取得を目指す大学留学、マレーシアと欧米の大学を組み合わせたツイニングプログラム、実務経験を積むインターンシップまで、目的に応じた選択ができます。
日本との時差がわずか1時間という点も、特に小さな子供を伴う親子留学では生活リズムの調整がしやすく、子供の体調管理の面で大きな強みとなっています。
マレーシア留学の費用
マレーシア留学は、費用面での大きな優位性が最大の魅力のひとつです。
欧米諸国への留学では高額な費用がデメリットとなることが多いですが、マレーシアではその問題を大幅に軽減できます。
ここでは、マレーシア留学にかかる主な費用の目安について解説します。
学費
マレーシアの大学学費は、欧米の約1/3程度と非常にリーズナブルです。
・国立大学: 年間約30万円~70万円(3年間で約80万円~200万円)
・私立大学: 年間約50万円~150万円(大学によって差がある)
・海外大学マレーシア分校: 年間約100万円~150万円
また、マレーシアの教育制度はイギリス式を採用しており、学士課程は基本的に3年間で修了します。
これにより、時間とコストの両面でメリットがあります。
親子留学の場合、子どもがインターナショナルスクールに通うケースが多く、その学費は年間50万円〜200万円以上とかなり幅があります。
特にイギリス式のエリート教育を提供する私立校では高額になる傾向があるため、学校選びは慎重に行う必要があります。
生活費
マレーシアの生活費は日本の約2/3程度で、特にローカルフードを食べこなせば、食費を大幅に抑えられます。
・住居費: 月額約2万円~6万円(大学寮やシェアアパートの場合は安い)
・食費: 月額約2万円~3万円
・交通費: 月額約5,000円~1万円
・通信費: 月額約2,000円~5,000円
現地のローカルフードは一食あたり300円程度からあり、「ママック」と呼ばれる食堂では150円程度の食事も可能です。
その他の費用
・航空券: 往復約6万円~10万円(シーズンによって変動)
・ビザ申請: 約5,500円〜11,000円
・保険: 年間子供約15,000円、大人約25,000円
上記費用は目安であり、時期や為替、生活スタイルにより変動します。
最新情報を収集し、自分に合った計画を立てましょう。
マレーシア留学のメリット・デメリット
マレーシア留学を検討する際には、その魅力と課題を十分に理解しておくことが重要です。
ここでは、マレーシア留学の主なメリットとデメリットを詳しく解説します。
マレーシア留学のメリット
1.費用の経済性
上記でもお伝えしましたが、 マレーシア留学の最大の魅力は、欧米諸国と比較して大幅に費用を抑えられることです。
学費は欧米の約3分の1程度で、生活費も日本の約3分の2程度と経済的です。
特にローカルフードを食べこなせば、食費を大幅に抑えられます。
この経済性により、長期の留学でも財政的な負担が少なく済みます。
2.多文化環境での学び
マレーシアはマレー系、中華系、インド系など様々な民族が共存する多民族国家です。
この環境で生活することで、多様な文化や価値観に触れることができ、自然と異文化理解力や適応力が身につきます。
様々な背景を持つ人々と交流することで、グローバル感覚が培われ、将来のキャリアにおいても大きな強みとなります。
3.親日的な環境と暮らしやすさ
マレーシアは親日家が多く、日本人というだけで親切にしてくれることがよくあります。
この温かい受け入れ環境は、初めての海外生活でも心理的なストレスを軽減し、スムーズな適応を助けてくれます。
また、多様な民族が共存する社会では外国人に対する抵抗感が少なく、留学生も自然に溶け込みやすい雰囲気があります。
4.教育の質の高さ
マレーシアの大学は世界大学ランキングでも上位に入るところが多く、特に私立大学では欧米の大学と提携したプログラムも充実しています。
英語で質の高い教育を受けられながらも、費用を抑えられるという理想的な環境が整っています。
マレーシア留学のデメリット
1.英語の訛りと言語の混在
マレーシア留学におけるデメリットのひとつは、現地の英語にマレーシア特有の訛りがあることです。
学校で教えている英語は基本的に問題ありませんが、日常生活で接する人々の英語は文法が不正確だったり、マレー語や中国語、タミール語などが混ざっていたりします。
そのため、初めは現地の英語に慣れるまで苦労することも少なくありません。
純粋な英語環境を求める方にとっては、この点が障壁となる可能性があります。
2.クオリティと対応の差
日本のような高品質なサービスや正確な対応を期待していると、時に失望することがあります。
学校の対応も担当者によって言うことが違ったり、手続きが予想以上に時間がかかったりします。
住居環境でも、水漏れや壁のひび割れなど、日本では考えられないような問題が発生することもあります。
また、店舗でのサービスも日本とは異なり、時には不快に感じることもあるでしょう。
これらの文化的ギャップに対する忍耐力と適応力が求められます。
3.就労制限と将来の進路
学生ビザではアルバイトが基本的に禁止されており、経済的な自立が難しい点もデメリットです。
また、卒業後マレーシアで就労ビザを取得するのは容易ではないため、卒業後の進路を考える際には注意が必要です。
マレーシア留学は多くのメリットがある一方で、これらのデメリットも理解した上で選択することが大切です。
自分の目的や価値観に合わせて、メリットとデメリットを十分に検討しましょう。
マレーシアの治安情報
マレーシアの治安状況は、東南アジアの中では比較的良好で、世界平和指数(GPI)では2024年版で163ヵ国中10位にランクインしています。
しかし、マレーシア留学のデメリットとして認識すべき点は、日本と比較すると一定の犯罪リスクが存在することです。
2023年の犯罪件数は52,444件で、そのうち約80%がスリなどの窃盗犯罪でした。
留学生が遭遇しやすい犯罪としては、置き引きやオートバイによるひったくりなどがあります。
日本の治安環境に慣れた留学生にとっては、常に防犯意識を持ち続けることが精神的ストレスとなることも。
マレーシア留学を安全に過ごすためには、深夜の一人歩きを避ける、貴重品は目立たないように管理するなどの基本的な防犯対策が大切です。
治安面を過度に心配する必要はありませんが、日本とは異なる環境であることを意識し、適切な注意を払うことが重要です。
留学中の注意点
マレーシア留学を成功させるためには、いくつかの重要な注意点を心に留めておく必要があります。
もっとも大切なのは、「なぜマレーシアに来たのか」という自分の目的を常に自覚することです。
単に日本を離れたいという消極的な理由ではなく、英語力向上や多文化理解など、具体的な目標を持って毎日を過ごすことが留学の価値を高めます。
海外に住むということは、その国に「住まわせていただいている」という謙虚な姿勢が重要です。
マレーシアの文化や習慣と日本のそれらは異なり、時にストレスを感じることもあるでしょう。
しかし、「日本ではこうだ」と比較して現地の文化を批判し続けるのは避けるべきです。
マレーシアの悪口ばかり言っていれば、「それなら、なぜ日本に帰らないの?」と思われても仕方ありません。
また忘れてはならないのは、あなたが「日本の代表」として見られているという事実です。
あなたの言動は「日本人の行動」として現地の人々に印象づけられます。
マナーや約束を守り、異文化に対する理解と尊重の姿勢を示すことは、日本人全体の評判にもつながる重要な責任です。
さらに、イスラム教国ならではの宗教的な配慮や、高温多湿の気候に対する体調管理も忘れないようにしましょう。
これらの注意点を意識することで、マレーシア留学はより充実した経験となるでしょう。
まとめ
マレーシア留学はメリットだけでなく、デメリットもあるということをお伝えしてきました。
しかし、これらのデメリットは十分な事前知識と準備があれば対処可能なものです。
多民族国家ならではの多様な文化体験や、質の高い教育を比較的リーズナブルな費用で受けられる点は、マレーシア留学の大きな魅力として変わりません。
英語の訛りや文化の違いは、むしろ異文化理解を深める貴重な機会と捉えることもできるでしょう。
留学の目的を明確にし、現地の文化を尊重する姿勢を持ちながら生活することで、マレーシア留学は皆さんにとって価値ある経験となるはずです。
この記事が、充実したマレーシア留学生活への第一歩となれば幸いです。

◇経歴
日本の大手英会話スクール講師
オーストラリアで現地ツアーガイド
マレーシアの日本人学校で英会話講師
マレーシアの現地企業にて正社員勤務
◇留学経験
イギリス 1年 Wimbledon collegeなど
オーストラリア(ワーキングホリデー中) 1か月 Bond University
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容
留学→アメリカ、イギリス、オーストラリア
旅行→イギリス、ヨーロッパの各国、アメリカ、オーストラリア、東南アジア各国など
仕事→オーストラリア、マレーシア
◇自己紹介
Webライターの大井にいなと申します。
独身時代に留学を経験し、国際結婚を機に多民族国家のマレーシアに住んでいます。
私の子供は生まれたときから複数の言語で育ち、オーストラリアの大学に留学して就職しました。
大人になってから英語を学び始めた自分との違いを実感しています。
自身の経験から、早期の言語習得の重要性や大人になってからの英語学習で必要なことなどを、できるだけわかりやすくお伝えしたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。