マレーシアへの旅行や留学を考える際、多くの方が「治安は大丈夫なのか」「どの地域が安全なのか」という不安を抱えているのではないでしょうか。
本記事では、マレーシアの治安状況を世界ランキングや地域別の安全性から客観的に分析し、安心して滞在するためのポイントを紹介します。
国際的な治安指標や現地の状況を踏まえた情報をもとに、ぜひ快適なマレーシア生活をお楽しみください。
- マレーシアの基本情報
- 世界から見たマレーシアの治安ランキング
- マレーシア国内の治安のいい地域ランキング
- マレーシアで安全に過ごすためのヒント
- マレーシア留学の特徴と魅力
- マレーシア留学のメリット・デメリット
- まとめ
マレーシアの基本情報
赤道近くに位置するマレーシアは、マレー半島部とボルネオ島北部から成る多民族国家です。魅力的な観光地として日本人観光客にも人気があり、近年は留学先としても注目を集めています。
マレーシアは、近代的な首都クアラルンプールから、美しいリゾートアイランド、世界最古級の熱帯雨林まで、様々な観光スポットを有しています。
アジアの中でも比較的治安がよく、安心して旅行や留学生活を送れる国として人気です。
また、英語が広く通じることや物価が比較的安いことから、語学留学や親子留学の目的地としても注目を集めています。多くの教育機関では英語で授業が行われ、多文化環境での学びが可能です。
世界から見たマレーシアの治安ランキング
マレーシアは、国際的な治安評価において比較的安全な国として認識されています。
その根拠となる治安に関するランキングは以下の通りです。
世界平和指数(GPI):世界10位(2024年)
経済平和研究所(IEP)が発表するGPIは、以下の3つの領域における23の指標を総合的に評価するものです。
・社会の安全・安心
・国内・国際紛争
・軍事化
マレーシアは2024年版で1.427のスコアを獲得し、163ヶ国中10位にランクイン。「非常に平和な国」と評価されています。
参考:経済平和研究所(IEP)「2024世界平和度指数ランキング」
2019年の16位から順位を上げていることからも、治安状況が改善傾向にあると言えるでしょう。参考までに、2019年に9位だった日本は2024年には17位となっています。
旅行・観光競争力レポート:観光客の安全性35位(2024年)
世界経済フォーラムによるこのレポートでは、観光客の安全性に特化した評価が行われています。
119ヶ国中、マレーシアは35位にランクインしており、観光客にとって比較的安全な国であることが示唆されています。この30位台という結果は、アジア地域においては比較的良好な位置付けといえるでしょう。
参考:世界経済フォーラム「2024 旅行・観光競争力レポート」
ただし、世界平和指数は総合的な平和度を示すものであり、純粋な犯罪発生率ランキングではありません。実際、マレーシアの人口当たりの殺人件数は日本よりもやや高いというデータもあります。
総合的に見ると、マレーシアは世界的に比較的安全な国ではありますが、一般的な防犯対策はしっかりと行うことが大切です。貴重品の管理や夜間の外出には注意し、安全にマレーシアでの滞在を楽しんでください。
マレーシア国内の治安のいい地域ランキング
マレーシアへの旅行や留学を計画する際、滞在先の治安状況は重要な検討要素です。ここでは、マレーシア国内で特に治安が良いと評価されている地域をランキングでご紹介します。
第1位 クアラルンプール
マレーシアの首都クアラルンプールの中で、特にモントキアラとバンサーは治安の良さで知られています。
モントキアラは日本人が多く住むエリアとして人気があり、ほとんどのコンドミニアムには24時間体制のセキュリティが完備されているため、安心して生活できます。
また、バンサーは丘の上に位置する閑静な高級住宅街で、多くの大使館が集まっていることもあり、セキュリティ対策が特に充実した環境です。
第2位 ペナン島
世界遺産の街として知られるペナン島も、治安状況が良好です。
ジョージタウンは歴史的な街並みが美しく、その文化遺産を保護するために警備体制が整えられているため、観光客も安心して散策を楽しめます。
島の北部に位置するタンジョントコンは、世界各国から集まった人々が暮らす高級住宅街となっており、24時間警備体制のコンドミニアムが多数建ち並んでいる安全なエリアです。
また、ガーニードライブは海沿いに延びるメインストリートで、昼夜を問わず人通りが絶えず、高級ホテルや大型ショッピングモールも立地しているため、比較的安全に過ごすことができる人気のエリアです。
第3位 ランカウイ
観光に特化した島であるランカウイは、観光客の安全確保に力を入れています。
特に、リゾートエリアでは安全対策が徹底されており、観光客が安心して滞在できる環境が整えられています。
さらに、美しいビーチや熱帯雨林などの自然豊かな環境を保ちながらも、観光客のニーズに応える整備された観光インフラが両立している点も、安全に旅行を楽しめる理由のひとつとなっています。
第4位 イポー
マレー半島内陸部に位置するイポーは、のどかな雰囲気と治安の良さが特徴です。
伝統的な街並みが保存されている地域では、観光客も心配することなく散策できる安全な雰囲気が漂っています。
また、イポーは家族連れの旅行者にも適した治安の良さが広く評価されており、子供連れでも安心して観光スポットを巡ることができます。
第5位 コタキナバル
サバ州の州都コタキナバルは、ボルネオ島観光の拠点として、市内全体で治安強化が積極的に図られており、観光客が安心して滞在できます。
コタキナバルはキナバル山や美しい島々への旅行の出発点となることから、多くの旅行者が集まる場所として安全な環境整備が進められています。
これらの地域に共通する特徴は、24時間体制の警備があること、街灯が明るいこと、そして人通りが多いことです。観光や初めての訪問では、これらの治安の良い地域を中心に行動すると、より安心して滞在を楽しめるでしょう。
マレーシアで安全に過ごすためのヒント
マレーシアは比較的治安の良い国ですが、旅行や留学をより安全に楽しむためには基本的な対策は必須となります。
まず、貴重品の管理には細心の注意を払いましょう。観光客が多い繁華街やナイトマーケットではスリや置き引きが発生することがあります。
バッグは常に体の前で持ち、パスポートや多額の現金は宿泊先のセーフティボックスに保管することをおすすめします。
交通面では、正規のタクシーやGrabなどの配車アプリを利用するのが安全です。特に夜間の移動では流しのタクシーを避け、事前に行き先と料金を確認しましょう。
宿泊施設は、セキュリティ体制が整った場所を選ぶことが大切です。一人旅では、24時間フロントデスクがある宿泊先が安心です。
現地の文化や習慣を尊重することも重要です。イスラム教国であるマレーシアでは、特に宗教施設訪問時は、肌の露出を控えるなど適切な服装を心がけましょう。
また、外務省の渡航情報や現地の最新ニュースをチェックし、緊急時に備えて日本大使館の連絡先を控えておくと安心です。
これらの基本的な対策を実践することで、マレーシアでの滞在をより安全で充実したものにできるでしょう。
マレーシア留学の特徴と魅力
マレーシアは東南アジアの中でも独特の留学環境を提供する国として人気を集めています。
最大の特徴は、多文化社会における国際的な学習環境です。マレー系、中国系、インド系が共存する多民族国家であるマレーシアでは、様々な文化背景を持つ学生と交流しながら学べます。
この環境は異文化コミュニケーション能力を自然に身につける絶好の機会となるでしょう。
教育システムの特徴も魅力的です。イギリス植民地時代の影響を受けた教育制度を基盤としながらも、アジアの文化的背景を取り入れた独自のカリキュラムが展開されています。
多くの機関では英語による授業が行われ、国際的な学位が取得可能です。
マレーシアの教育機関はイスラム金融、熱帯医学、持続可能な農業科学など、地域特性を活かした研究が盛んで、他国では学びにくい専門知識を得られます。また、政府が教育ハブ構想を推進しており、留学生向けの支援制度も充実しています。
キャンパスライフも魅力的で、年間を通して様々な文化行事が開催され、多文化共生を体験的に学べます。マレーシア留学は、アカデミックな学びと文化的な体験が融合した独自の教育体験を提供してくれるでしょう。
マレーシア留学のメリット・デメリット
マレーシア留学を検討する際は、具体的なメリットとデメリットを理解しておくことが重要です。
マレーシア留学のメリット
・経済的メリット: 学費が日本や欧米と比較して30~50%安く、生活費も月7~10万円程度で済むため、長期留学でも経済的負担が少ない
・地理的アドバンテージ: 日本からの直行便が多く、時差がわずか1時間で、東南アジアの中心に位置するため周辺国への旅行も容易
・就職市場での評価: アジア市場進出を図る日系企業での需要が高く、マレーシアでの留学経験が差別化要素となる
マレーシア留学のデメリット
・気候の単調さ: 年間を通じて高温多湿で季節変化が少なく、長期滞在者にはストレスとなることがある
・生活環境の違い: 高級コンドミニアムでも水漏れが発生したり、公衆トイレの衛生状態が悪かったりと、日本の生活水準とは異なる面に適応が必要
・複雑な言語環境: マレー語、中国語、タミル語、英語など複数の言語が混在しており、コミュニケーション面で戸惑うことがある
留学先として検討する際は、これらのメリット・デメリットを踏まえ、自分の目的に合った判断をすることが大切です。
まとめ
本記事では、マレーシアの治安状況や安全に過ごすためのヒント、留学の特徴などを詳しく解説しました。
国際的な治安ランキングで高評価を受けるマレーシアは、クアラルンプールやペナン島など治安の良い地域が多く、適切な対策を取れば安心して滞在できる国です。
留学先としても、多文化環境や経済的メリットなど魅力が豊富です。海外への不安がある方も、基本的な防犯対策と現地の文化尊重を心がければ、マレーシアでの滞在を充実させることができるでしょう。
ぜひこの記事を参考に、マレーシアへの旅行や留学を検討してみてください。

◇経歴
日本の大手英会話スクール講師
オーストラリアで現地ツアーガイド
マレーシアの日本人学校で英会話講師
マレーシアの現地企業にて正社員勤務
◇留学経験
イギリス 1年 Wimbledon collegeなど
オーストラリア(ワーキングホリデー中) 1か月 Bond University
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容
留学→アメリカ、イギリス、オーストラリア
旅行→イギリス、ヨーロッパの各国、アメリカ、オーストラリア、東南アジア各国など
仕事→オーストラリア、マレーシア
◇自己紹介
Webライターの大井にいなと申します。
独身時代に留学を経験し、国際結婚を機に多民族国家のマレーシアに住んでいます。
私の子供は生まれたときから複数の言語で育ち、オーストラリアの大学に留学して就職しました。
大人になってから英語を学び始めた自分との違いを実感しています。
自身の経験から、早期の言語習得の重要性や大人になってからの英語学習で必要なことなどを、できるだけわかりやすくお伝えしたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。