リゾートへの観光としても、海外留学としても日本人に人気のフィリピン!
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せっかく、フィリピンに滞在するのなら、フィリピンの言語について知っておきたいとお考えではありませんか?
フィリピンの公用語はフィリピン語と英語の2つで、さらに地域ごとに多様な言語が存在するため、フィリピンで使われる言語を把握するのは難しいかもしれません。
この記事では、フィリピンの多言語社会の実態について、その背景にある歴史や地理的要因を絡めながら解説します。
この記事を読むことで、フィリピンの複雑な言語状況を包括的に理解し、それぞれの言語が持つ意味や背景、フィリピン人の高い英語力の理由について深く知ることができます。
これまで抱いていた疑問や悩みを解消し、より豊かな視点からフィリピンという国を捉えることができるようにしましょう。
フィリピンの公用語と多言語社会の現状
フィリピンは「タガログ語と英語」を公用語とする国です。
大小なんと、7000を超える島々から成り、それぞれの島々で独自の文化や言語が育まれてきました。
そのため、170を超える言語が存在するとされ、多様な言語環境が特徴です。この多様な言語状況は、複雑な地理や多民族国家としての歴史、スペインやアメリカによる植民地支配の影響が複雑に絡み合った結果と言えるでしょう。
公用語の現状
先述のとおり、フィリピンの公用語は「フィリピン語(タガログ語)と英語」です。
タガログ語を基盤とするフィリピン語は、マニラ首都圏を中心としたルソン島中南部で発展しました。
現在では、フィリピン国民のアイデンティティを象徴する言語として広く認知されています。 フィリピン語の使用は教育や行政、マスメディアなど多岐に渡り、国民統合に大きく貢献しています。
タガログ語話者は人口の約28%と言われていますが、公用語となっているため、国民の大部分が日常会話レベルの習得に至っています。
一方、英語はフィリピンの教育や商業、メディアにおいて重要な役割を担っています。国民の約半数が一定レベルの英語運用能力を持ち、都市部では日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用されています。
政府文書も英語で作成されるケースが多く、多くのフィリピン人が英語とフィリピン語のバイリンガルとして生活しています。
多様な地域言語
フィリピンでは、公用語であるタガログ語(フィリピン語)と英語に加え、多様な地域言語が使用されています。
セブアノ語(ビサヤ語)はビサヤ諸島を中心に、イロカノ語はルソン島北部で、ヒリガイノン語はパナイ島でそれぞれ主要な言語として話されています。
ビコール語やワライ語なども広く用いられており、さらに多くの島では独自の言語が維持されています。
この言語の多様性は、フィリピンの文化的豊かさを象徴する特徴と言えるでしょう。
多言語社会の課題と強み
フィリピン政府は、フィリピン語の普及と多様な地域言語の保護という難しい課題を抱えています。
近年、初等教育での母語活用が推奨されるなど、多言語教育の重要性が高まっています。
しかし、多様な言語を使用する社会であることは、フィリピンの大きな強みです。幼少期から多言語と触れていると、優れた言語能力と国際的なコミュニケーション能力を育むことが可能です。
「フィリピン語」とは
フィリピンにおいて「フィリピン語」という表現が使われる際は、一般的にタガログ語を基にしたフィリピノ語を指します。
フィリピノ語は、フィリピン国民のアイデンティティを形成する上で重要な役割を担う言語です。
フィリピン社会の多様性を理解するためには、その言語事情を把握することが重要です。
数多くの言語が共存するフィリピンの現状は、フィリピンの歴史と文化の豊かさを物語っており、これらの言語を未来へ繋いでいくことは、重要な文化的使命と言えるでしょう。
フィリピン人の英語力の高さとその背景
フィリピンは、英語運用能力が高いことでアジア諸国の中でも際立っています。2021年のEF English Proficiency Indexでは世界18位を記録し、アジア圏ではシンガポールと並びトップ20入りを果たしており、日本の順位を大きく引き離しています。
この高い英語力の実現には、歴史的要因や教育システム、日常的な英語接触機会の豊富さといった複合的な要素が寄与しています。
フィリピンの歴史
1940年代のアメリカ植民地支配期にアメリカ式の教育制度により、英語が公用語として定着しました。
独立後も、フィリピン語と英語の二言語併用政策が継続され、英語は現在も広く使用されています。
フィリピンの教育
フィリピンでは、小学校から大学まで多くの授業が英語で行われています。幼少期から英語に継続的に触れていることで、英語のイントネーションやリズムを自然に習得することが可能です。
フィリピンでは、英語を媒体とした学習環境が高い英語運用能力の育成に繋がっています。
加えて、PINES等の語学学校は優秀な人材を採用し、質の高い教育を提供することで知られています。
フィリピンの日常生活
フィリピンでは日常生活においても、テレビ番組や街中の標識など、至る所で英語が用いられており、高齢者を含む多くの国民が流暢に英語を話すことができます。
フィリピン語が英語と高い親和性を持つことや、アルファベットが共通していることも、英語習得率の高さに貢献していると言えるでしょう。
地域別に見るフィリピンの主要言語とその特徴
フィリピンはフィリピン語(タガログ語)と英語の2つの公用語を持つ国で、170以上の言語と方言が使用されています。
これらの言語は地域ごとに独自の発展を遂げており、地理や歴史、文化といった多様な要因がその多様性に反映されています。
ここでは、地域別に主要な言語とその特徴を詳しく見ていきましょう。
ルソン島
首都圏を含むルソン島南部では、国語であるフィリピン語が広く使われています。
タガログ語を基盤とするこの言語は、教育や行政、メディアなど社会のあらゆる場面で重要な役割を果たし、フィリピンの文化とアイデンティティを形作っています。
スペイン語や英語からの影響も大きく、主語+動詞+目的語の語順が特徴です。
一方、ルソン島北部ではイロカノ語が主要な言語です。
イロカノの人々によって受け継がれてきたこの言語は、地域差による方言やアクセントが豊かです。
スペイン語や英語からの借用語も見られますが、独自の豊かな語彙はイロカノの人々の農業や日常生活を反映しています。
ルソン島中部、パンパンガ地域では、パンパンガン語(カパンパンガン語)が話されています。
ビサヤ諸島
セブアノ語(ビサヤ語)はセブ州を筆頭に、中部ビサヤ地方やミンダナオ島の一部で主要言語として使用されています。セブアノ語(ビサヤ語)はフィリピン国内で最も多くの話者数を誇り、地域によって異なる方言やアクセント、スペイン語からの影響もあります。
中部ビサヤ地方やミンダナオ島以外にはボホール州などもセブアノ語圏に含まれます。 ヒリガイノン語は、ビサヤ語族に属し、パナイ島を中心に話されています。
ワライ語もまたビサヤ語族の言語で、サマール島とレイテ島における主要な言語です。
その他の言語
フィリピンは、公用語であるフィリピン語(タガログ語)と英語以外にも、多様な言語が共存する国です。
スペイン語を起源とするクレオール語であるチャバカノ語もフィリピンの特定地域で使用されています。
さらに、それぞれの島や地域には独自の言語が受け継がれており、この言語的多様性がフィリピンの文化的特徴を形作っています。
言語の特徴
地域言語を個別に見てみると、それぞれが独自の文化的・歴史的背景を持ち、地域住民のアイデンティティ形成に重要な役割を果たしていることがわかります。
その起源は多くがマレー・ポリネシア語族に遡りますが、フィリピン諸語やスペイン語、英語などからの語彙借用も見られ、言語間の多様な影響関係が見て取れます。
文法構造においても言語間で違いが見られ、地域社会や家庭における日々のコミュニケーションを支える重要な基盤となっています。
フィリピン英語の特徴と国際社会での評価
フィリピン英語は、アメリカ統治時代の影響を色濃く反映した英語ですが、タガログ語をはじめとするフィリピン諸語の影響を受けた、独特のアクセントと語彙が特徴です。
この特徴的な発音は、聞き取りにくさを感じる人もいるかもしれません。
国際社会において、フィリピン英語は高い評価を得ており、ビジネスシーンでは特に注目されています。かつてコールセンター業界ではインドが中心でしたが、フィリピンはクリアな発音と高い理解度が評価され、大きなシェアを獲得しました。
フィリピン英語は独特の訛りを持つものの、その高い英語力とコミュニケーション能力は国際社会において高く評価されています。
特にビジネスの現場においては、そのクリアさと理解しやすさが強みとなっており、多くの英語学習者にとっても、学びやすい英語の一つと言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?この記事では、フィリピンにおける語学について解説してきました。日本では、意外と知られていないフィリピンの情報に、初耳の方は驚かれたかもしれません。
フィリピンは、タガログ語を基にしたフィリピン語と英語を公用語とする国で、そして大小7000を超える島々に170以上の言語が使われています。セブアノ語やイロカノ語など、地域色豊かな言語が独自の文化を形成しているでしょう。
フィリピン語は国民統合の象徴として教育や行政の中心的な役割を担い、一方で、アメリカ植民地時代の遺産である高い英語力は、ビジネスシーンなどで大きな強みとなっています。独特のアクセントが特徴的なフィリピン英語は、その明瞭さと円滑なコミュニケーション能力が国際的に高く評価されています。
多様な言語環境は国民統合に貢献する一方で、複雑な課題もありますが、グローバル社会で活躍できる人材育成という大きな可能性を秘めています。