
「バカンスのついでに英語が学べる」
「安く短期間で英語がペラペラになる」
フィリピン留学に甘い期待を抱いている方も多いのではないでしょうか。
実際のフィリピン留学には、ハードな勉強スケジュール、日本とは異なる生活環境、治安の不安、想定外の出費など、厳しい現実も待ち受けています。
この記事では、フィリピン留学のきつい一面ときつい経験にしない具体的な対策、留学を成功させるためのポイントを詳しく解説します。
フィリピン留学をきつい経験にしないためにも、ぜひ最後までお読みください。
- フィリピン留学前に抱いてしまう甘い想像
- フィリピン留学の厳しい現実
- フィリピン留学の現実が厳しいと感じやすいのはどんな人?
- フィリピン留学のきつい現実を乗り越えるための対策
- フィリピン留学を成功させるために事前に知っておくべきこと
- まとめ
フィリピン留学前に抱いてしまう甘い想像
フィリピン留学を検討する際、多くの人が留学生活に美しいイメージを描きがちです。
しかし、そのイメージと現実には大きなギャップがあります。
ここでは、フィリピン留学前によく抱かれる4つの甘い想像について解説します。
バカンスのついでに英語が学べる
「青い海に白い砂浜、南国リゾート気分で楽しく英語が学べる」
フィリピン留学を考える人の中には、バカンスのついでに英語力アップができると思う人もいるかもしれません。
確かにフィリピンには美しいビーチや魅力的な観光スポットがあり、授業のない週末に訪れることもできます。
しかし、実際のスケジュールは、平日は朝から夕方まで授業が詰まっており、観光どころではないことがほとんど。
また、多くの語学学校は観光地から離れた場所にあり、毎日ビーチでくつろぎながら学べるわけではありません。
英語力を身につけて帰りたいなら、あくまでも授業中心の生活を考えないと、帰国後きつい未来が待っています。
行くだけで英語がペラペラになる
「フィリピンに語学留学するだけで、短期間で英語がペラペラになれる」という期待を持つ人は少なくありません。
マンツーマンレッスンが多いフィリピン留学は、確かに短期間で英語力を効果的に伸ばせる学習環境が整っています。
しかし、留学前の積極的な英語学習と自発的な努力なしではその環境を持て余してしまいます。
現地に行くだけで英語力がアップすることはありません。
語学習得には個人差がありますし、短期間で効果を出すには、現地で授業についていけず、きつい思いをしないように、出発前から継続的な学習を心掛けましょう。
費用が安く済む
フィリピン留学の費用は、確かに欧米諸国と比べれば、留学費用は1ヶ月20〜30万円程度とかなり手頃です。
しかし、リフレッシュや快適な生活を求めると、留学費用にプラスして出費がかさむことも多いのが現実です。
観光エリアへの週末旅行や外食、買い物をしたいと考えている人は、その予算も準備する必要があります。また、整備の整った宿泊施設を希望すれば宿泊費も上がります。
また、エアコン使用料や追加レッスン料など、事前案内にない追加費用も発生しがち。
欧米より安く留学できるからと甘く考えて計画が足りないと、現地で費用が不足して、きつい思いをしてしまいます。
エキゾチックな文化を体験できる
フィリピン留学と聞くと「英語を学びながら異国で新しい文化を体験できる。」というイメージが湧く人も多いのではないでしょうか。
確かにフィリピン独自の文化や習慣に触れる経験は貴重ですが、日本人が馴染んだ文化とは違うもので、それが自分に合うとは限りません。
人によっては、食事、衛生観念、時間感覚などの違いによるカルチャーショックやストレスも大きく、日常の違和感が積み重なって精神的な疲労を引き起こす人もいます。
また、期間中に英語をしっかり身につけるのが目的の語学学校の場合、授業中心の生活となるため、観光や交流の時間は限られます。
異文化体験しながら英語を学べる。と軽く考えていると、授業についていけず、きつい体験となってしまうでしょう。
フィリピン留学の厳しい現実
行ってみたら一体どんな現実があるのか、実際、フィリピン留学の帰国者が「想像と違った」と語る理由を詳しく見ていきましょう。
予想以上にきつい勉強スケジュール
フィリピン留学では、予想以上にきついスケジュールが待ち受けています。
一般的な語学学校では朝8時から夕方5時まで、1日6〜8コマもの授業が組まれており、その多くがマンツーマンレッスンです。
マンツーマンの形式では、常に英語で会話し続ける必要があり、日本の授業のように講師の話を聞くだけの受動的な時間はほとんどありません。
帰宅後も翌日の準備や単語テスト対策など、自習時間の確保が必須。
英語漬けの環境に慣れない最初の数週間は、ストレスや極度の疲労を感じる留学生も少なくありません。
逆に言えば、この、集中して学習できるきつい環境で真剣に取り組めば、短期間で英語力アップが可能になるのです。
生活環境の違いによるストレス
フィリピンと日本の生活環境の違いは、多くの留学生を想像以上に悩ませます。
特に目立つのが、ゴキブリなどの虫の存在。高級寮でさえ完全に防ぐことは困難です。
水道水は飲めず、シャワーの水圧や温度も安定しません。
食事面ではフィリピン料理に慣れない人や、学食の単調なメニューに飽きてしまう人もいるでしょう。
また、高温多湿の気候やエアコンの設定温度の違いで、体調を崩しやすい人もいます。
小さな環境の違いですが、こういった環境の変化への適応が苦手な人には、大きなストレスとなり、授業よりも生活面できつい思いをしてしまいます。
治安や衛生面での不安
フィリピンは、治安や衛生面について、日本と同じレベルで安心とは言えません。
主要都市ではスリや置き引きが日常的に発生し、一部地域では誘拐や強盗などの重大犯罪も報告されています。
夜間の一人歩きは避け、高価な持ち物を目立たせないなどの注意が必要です。
また、衛生面では水質や食品の管理状態が日本とは大きく異なり、食中毒や腹痛を経験する留学生も少なくありません。
ここは日本ではないということを、常に忘れないようにしなければいけません。
忘れられがちな出費となるもの
フィリピンへの留学費用自体は安価です。ただし、実際には留学費用以外にかかる出費があります。
授業料・寮費・食費の基本費用は想定していると思いますが、水道水が飲めないため、毎日のミネラルウォーター代、外食費、交通費、教材費などが日常的にかかります。
また、外食費や交通費、ちょっとした日用品、追加で衣料が必要になるなど、現地に行って思いがけず費用が発生する事も多いです。
さらに、中長期で留学をする場合、ストレス発散のための週末小旅行や日本食レストランでの食事、体調不良時の医療費、盗難被害に遭った際の損失など、予期せぬ出費が発生する場合も。
こうした費用を当初の予算に含まず計画してしまう人は多く、結果的に資金不足に陥ってきつい思いをするケースが少なくありません。
日本人が多い環境ではつい日本語を話してしまう
フィリピン留学の大きな落とし穴は、日本人留学生の多さです。
同じアジアで英語が学べるフィリピンは、近年日本からの人気の留学先で、人気校では生徒の半数以上が日本人というケースも。
日本人が多いと、授業や寮でのクラスメイトとのコミュニケーションも、日本語での会話となり、英語を使う必要がない場合も。
また、多くの学校には日本人スタッフが常駐しているため、困ったときに日本語でサポートを受けられるのは安心感がある反面、つい楽な日本語を話してしまって授業以外で英語を使うチャンスが減ってしまうというデメリットもあります。
フィリピン留学の現実が厳しいと感じやすいのはどんな人?
きつかったフィリピン留学、行ったかいがあったフィリピン留学、結果を左右するのは、何より留学する本人の意思です。
どんな人がフィリピン留学をきついと感じてしまうのでしょうか?
明確な目標や学習計画がない人
「とりあえず英語を学びたい」という漠然とした目標だけでフィリピン留学に臨む人は、現地の厳しい現実に直面したとき、とくにきつい思いをするでしょう。
フィリピン留学の特徴である集中的なマンツーマン授業や毎日の大量の課題は、明確な目標がなければただの苦行になってしまいます。
「TOEICで800点取得」や「商談できるビジネス英会話力をマスター」といった具体的な目標がなければ、授業は単なる苦痛となってしまい、自習時間もやる気が出ない可能性もあるでしょう。
短期集中型の学習環境だからこそ、明確な目標と段階的な学習計画を持てば結果が出ますが、無計画で留学すると、何も得ないで帰国することになりかねません。
生活環境の変化に適応するのが苦手な人
日本とは大きく異なるフィリピンの生活環境は、日本の安全安心な環境に慣れた人には、かなりきついものになります。
食事や水質の違い、ゴキブリなどの虫の存在、高温多湿の気候など、日常生活のあらゆる面でストレスを感じてしまうでしょう。
また「フィリピンタイム」と呼ばれる独特の時間感覚や、フィリピン人特有の社交性の高さ、コミュニケーションスタイルなど文化的な違いに慣れない人もいるでしょう。
こうした生活環境の変化にうまく対応できないと、日々のストレスが学習意欲の低下に結びつきかねません
英語学習へのモチベーションが低い人
英語学習へのモチベーションが低い人は、早々に挫折してしまうことも。
フィリピンの語学学校では1日8時間以上の授業に加え、自由時間に自習や課題もこなさなければならない日々が続きます。
「親に言われたから」「周りが行くから」等、自分の目的がないまま留学すると、ハードなスケジュールを乗り切るのは難しいでしょう。
マンツーマンレッスンは集中して学べる反面、逃げ場がなく、いやでも自分の実力に向き合わせられます。
英語を学ぶことに興味がなく、学ぶ必要もない場合、この恵まれた学習環境が逆に大きなプレッシャーとなり、授業がストレスとなってしまうでしょう。
結果として、途中帰国することになったり、英語力が伸びずに最終日を迎えることになりがちです。
事前リサーチが不十分な人
フィリピン留学前に十分な情報収集をしない人は、現地で予想外のきつい現実に直面することになります。
語学学校の特徴や評判、日本人比率、立地条件などを調べずに選ぶと、自分の目標や性格に合わないきつい環境で学ぶ羽目になってしまいます。
特に日本人が多い学校を選んでしまうと、せっかくの留学なのに、つい日本語を話してしまって、授業以外であまり英語を使わなかったなんてことも。
また、現地の治安状況、気候、物価、生活に必要なもの、交通事情などの基本情報を知らないまま渡航すると、日常生活でのトラブルや不安も絶えないでしょう。
本来の目的である学習に集中するためには、現地での適応をスムーズにする事が必要不可欠。それには事前の情報収集を十分にする事が重要です。
フィリピン留学のきつい現実を乗り越えるための対策
フィリピン留学で直面する厳しい現実は、決して避けられないものではありません。
しっかり準備や対策をすることで、きつい現実を事前に回避したり、うまく対処することができます。
ここでは、フィリピン留学を成功に導くための具体的な対策について詳しく見ていきましょう。
実際にフィリピン留学した人の経験から学ぶ
フィリピン留学で「想像と現実は違った」と失敗するケースの多くは、実際に留学した人から学ばずに、自分で想像してしまうことです。
語学学校の公式サイトの情報を見るだけでなく、実際の留学経験者のブログやSNSなど「生の声」を集めましょう。
特に、学校の日本人比率や講師の質、設備の充実度、食事、立地条件などは重要です。
複数の学校の中から比較検討し、自分の目標や生活スタイルに合った環境を選びましょう。
また、フィリピンの気候、現地の文化や生活習慣、治安状況、交通事情、実際の生活コストも実際に留学した人の経験談から情報を集める方が、情報も新しく安心です。
環境が変わっても適応できる力を身につける
フィリピン留学で成功するには、環境の変化への適応能力と健康管理が不可欠です。
水道水が飲めない、トイレットペーパーが流せない、ゴキブリが出るといった日本とは生活環境が違う国へ行く。という心構えをしておきましょう。
また、常備薬やウェットティッシュ、虫除けスプレー、日本食のインスタント食品など持参する事で現地で感じるストレスを軽減できます。
体調を崩すと学習時間が減ってしまいます。留学中は飲料水は買う、屋台の食べ物や生物を避ける、こまめな手洗いなどの衛生管理を徹底しましょう。
医療機関のレベルも地域によってばらつきがあるため、学校近辺の病院情報を調べ、必ず海外旅行保険にも加入しておきましょう。
予備資金を含めた資金計画を立てる
いくら他国への留学と比べて安いと言っても、それなりに大きな金額がかかります。
フィリピン留学を成功させるには、適切な資金計画が欠かせません。
基本費用の目安は以下の通りです。
・学費(月10〜20万円)
・航空券(往復5〜8万円)
・保険(月約1万円)
・生活費(月3〜5万円)
これに加えて、教材費やビザ延長費、週末の小旅行、急な医療費など、想定外の出費が発生する事もあります。
このため、公式に示される金額に2〜3割増しの予備資金を用意しておかないと、いざという時に、現地できつい思いをすることに。
また、フィリピンではクレジットカードが使えない場所も多いため、海外ATMで手数料なく引き出せるキャッシュカードを用意すると良いでしょう。
ATMが壊れている場合も多いので、現金も多めに手元にないと、いざという時にお金が下ろせません。
資金不足が原因で、本来の目的である学習に集中できなくなってしまったら元も子もありません。余裕ある資金計画を立てましょう。
フィリピン留学を成功させるために事前に知っておくべきこと
フィリピン留学が成功するかどうかは、出発前の準備で大きく左右されます。
ここでは、留学を充実した経験に変えるために必要な事前知識について詳しく見ていきましょう。
フィリピン留学に最適な期間と時期
フィリピン留学を成功させるためには、留学期間と時期選びもフィリピン留学を成功させる重要なポイントです。
ライティングはビジネスレベルでできるけれど、スピーキングが苦手等、ある程度の英語力があり、仕上げのつもりで短期の留学をするのは効果的ですが、これから英語力をアップしたい人が短期の留学を組むと、環境に馴染む前に帰国することになり、十分な成果が得られません。
ある程度英会話力を上げたいなら、最低でも1ヶ月、理想的には3ヶ月程度の滞在がおすすめです。
3ヶ月以上になると、英語力の向上を実感できる可能性が高まります。
フィリピンは熱帯モンスーン気候です。時期選びでは、乾季(11月〜5月)がベスト。
雨季(6月〜10月)は豪雨や台風に見舞われるので、休日のリフレッシュはできないでしょう。
また、3月〜4月や7月〜8月は日本人留学生が増加する季節です。英語漬けの環境を希望する人は、比較的日本人の少ない、1月〜3月の渡航の渡航が気候も安定していておすすめです。
自分に合った都市と学校の選び方
フィリピンの主要留学先にはいくつかの都市があります。留学生活をより充実したものにさせるためには、自分に合った都市や学校選びは必須です。
フィリピンの主要留学先には、セブ、マニラ、バギオがあります。
それぞれの特徴は、以下のとおりです。
都市名 |
メリット / 特徴 |
デメリット / 注意点 |
セブ |
海が美しく観光地として人気 |
日本人の比率が高め |
マニラ |
フィリピンの首都 |
交通渋滞が激しい |
バギオ |
標高1500mにある山岳地方の都市 |
停電や断水のリスク等、都市機能が限られている |
また学校を選ぶ際には、日本人比率(20%以下が理想)、講師の質(TESOL資格保有率)、設備(Wi-Fi、食事)を確認して選びましょう。
学校のHPやパンフレットの情報を鵜呑みにせず、実際に卒業した留学経験者の口コミや体験談を調べ、複数の学校を比較検討することが大切です。
学校選びで失敗してきつい思いをしないためにも、エージェントに頼らず、自分で情報収集しましょう。
留学前に身につけておくべき英語スキル
フィリピン留学英語力をアップするには、留学前にに最低限の英語力を身につけておくことがポイントです。
英語が全く分からない状態で留学するのはきついものです。
留学前に流暢な会話ができるレベルにまでなる必要はありませんが、中学レベルの基本文法と簡単な日常会話ができると理想的。
資格でいうと、英検3級やTOEIC400〜500点程度を目安に留学前に勉強しておくと、現地の授業についていきやすくなるでしょう。
フィリピン人講師の英語は独特の発音があるため、事前にYouTube動画などでフィリピン英語を聞いたり、オンライン英会話で何度かフィリピン人講師のレッスンを受けておくと、耳が慣れて現地での適応がスムーズになります。
また「授業関連の英単語」や「急病等の困った時のフレーズ」をいくつか覚えておくと心強いでしょう。
留学前にオンライン英会話でフィリピン人講師と会話する経験を積んでおくと、現地での緊張感も和らぐのでおすすめです。
まとめ
フィリピン留学を甘く考えていると、甘くない現実が待ち受けていますが、留学の目的を明確にし、準備をすれば、手応えを感じる留学となるでしょう。
実際に留学した人の経験談から、授業のレベルや実際の生活の不便さを留学前に把握しておくことが、快適な留学生活を送り、勉強に集中するカギです。
どうして英語力をアップしたいのか?就職、転職、昇格、昇給等、英語力アップの先にあるそれぞれの目的を達成できれば、努力や苦労は良い思い出になるでしょう。
ぜひ本記事を参考に、しっかり準備してフィリピン留学に挑戦してくださいね!
◇経歴
・インターナショナルプリスクールでの勤務経験あり
・幼児英会話講師としての勤務経験あり
◇資格
・ケンブリッジ英語検定FCE
・実用英語技能検定2級
・幼保英語検定2級
・児童英語インストラクター資格
◇留学経験
・オーストラリア(1年間)
・イギリス(1か月)
◇海外渡航経験
【旅行】
イタリア、オーストラリア、ハワイ、グアム、プーケット、バリ島、セブ島、台湾
◇自己紹介
英語と旅行に魅了され、学生時代にオーストラリアとイギリスへの留学を経験。
異文化との出会いが人生の大きな転機となる。
幼児英会話講師としての経験を積み、現在は英語や異文化の魅力を発信するWebライターとして活動中。
夢は、娘との親子留学といつかは家族で海外移住。
趣味は、週末プチ農業と地元のグルメ探し。