
アメリカ留学には予防接種が必要であることをご存じでしたか?
自身と周りの健康を守るために、予防接種は非常に重要です。
一方で、留学の予防接種には予想以上に時間がかかってしまい、留学前に接種が完了しないことも。
この記事では、しっかりと予防接種を完了させるために知っておくべき情報についてまとめています。
留学前に慌てないため、そして留学中の健康のために、ぜひこの記事を参考にしてください。
アメリカ留学に必要な予防接種とは?
具体的には、どのような予防接種が求められるのでしょうか?
州や教育機関によって異なりますが、最も一般的なのはMMRです。
MMRとは、Measles(麻疹)、Mumps(おたふく風邪)、Rubella(風疹)の頭文字をとったものです。
過去にこれらの病気にかかったことがあり、抗体がある人は接種の必要はありません。
他にも三種混合ワクチン(DTP:ジフテリア・破傷風・百日咳)、水痘、B型肝炎、髄膜炎、ツベルクリンなどのワクチン接種を求められる場合があります。
B型肝炎は、3回の接種完了に半年の期間がかかることに注意が必要です。
アメリカでは寮での集団生活が主流なため、求められる予防接種が多くなる傾向があります。
一方で、必須ワクチン、推奨ワクチンは教育機関によって異なります。
また接種回数や、「過去○年以内」などの期間指定など、細かく規定が設けられている場合があります。
まずは学校側からの書類をよく確認するようにしましょう。
いくつかのワクチンは、幼い頃に接種を完了しているケースも多いです。
自身がどの抗体を持っているのか、ワクチンを受ける前に接種歴や病歴を確認しておく必要があります。
一方で、過去にかかったことがある病気のワクチンでも、抗体検査が必要な場合があることに注意が必要です。
接種前の手順や注意点については、以下で詳しく解説しています。
州ごとに異なる予防接種
州ごとに必須・推奨ワクチンは異なります。次項では、州に関連した予防接種の情報と、いくつかの大学の例についてまとめました。
州ごとに要件は異なる
州によっては、学生は予防接種要件を完了し、予防接種証明書を提出することが義務付けられています。
必須ワクチンを接種しておらず、予防接種記録に準拠していない学生は、クラスの登録や住居への引っ越しが難しくなる場合もあります。
求められるワクチンはそれぞれ異なりますが、コロナの流行以降、コロナワクチンの接種を推奨する州もあるようです。
州ごとの例
ニューヨーク州のコロンビア大学では、MMRと髄膜炎の予防接種が必須となっています。また、推奨ワクチンとして、コロナワクチンとインフルエンザワクチンが挙げられています。入学前の書類提出の期間等も、厳格に決められています。
テキサス州のテキサス大学では麻疹、おたふく風邪、風疹、髄膜炎等の予防接種が必要になっています。いくつかの予防接種は、年齢によって書類提出が免除となる場合もあります。
カリフォルニア州には、UCLAやUCバークレーなどで有名なカリフォルニア大学があります。ここでは、MMR、破傷風、ジフテリア、百日咳、水ぼうそうなどの予防接種歴が必須とされています。
マサチューセッツ州はハーバード大学で有名です。ハーバード大学はMMR、破傷風、ジフテリア、百日咳、B型肝炎、水ぼうそうの予防接種を必須としています。
ここであげた大学はあくまで一例に過ぎず、情報が更新されている可能性があります。実際に留学される方は、最新の情報を確認するようにしてください。
留学前、まずは何をしたらいいのか?
アメリカへの留学が決まった後、どのように予防接種の準備を進めたらよいのでしょうか。
具体的な接種準備と、その手順についてまとめました。
大学の案内を確認
まずは、どの予防接種が必須ワクチンに指定されているのかを確認しましょう。
前半でも触れた通り、教育機関や州によって求められるワクチンは異なり、細かな規定が定められています。
「どのワクチンを接種しなくてはいけないのか」、または「日本でどのような書類を準備する必要があるのか」をしっかりと調べておきましょう。
今までの予防接種歴を確認
ワクチンについての情報を集めた後は、自身の予防接種歴を確認しましょう。
以前に接種したワクチンは、母子手帳に記録が残っていることがほとんどです。
教育機関がもうけている規定によっては小児期の定期接種を終えていても、追加接種が必要になることもあります。
乳幼児や幼い頃に打つワクチンも多いため、母子手帳は重要な接種記録です。病院に行く際も忘れずに持参しましょう。
病院で相談
準備が整ったら、大学の書類と母子手帳をもって病院へ行きましょう。
病院では接種歴と書類から不足しているワクチンを選び、接種スケジュールの相談を作成してくれます。
この際、トラベルクリニックや海外ワクチン接種に対応している病院を選ぶのが望ましいです。
英文での接種証明書の作成などを、よりスムーズに進めることができます。
予防接種の費用と予約方法
接種にかかる費用
予防接種は、一度の接種で約5000円~1万円ほど費用がかかります。
基本的に複数回のワクチン接種が必要となるため、予防接種代はかなり高額になります。
また、国産ワクチンは海外製のワクチンよりも値段が高い場合が多いです。
留学に必要なワクチンは海外に対応したものであるため、予想以上に費用がかさみます。
学割などを展開しているクリニックもあるので、事前に十分に情報収集をしましょう。
予約方法
普通の医療機関では、ウェブサイトや電話で簡単に予約を取ることができます。
予約時に「留学予定があること」「留学用のワクチン接種を希望していること」を伝えると、スムーズに手続きを進められます。
ただし、インフルエンザのワクチン接種時期などは予約が取りづらいことがあります。早めに予約を済ませておくといいでしょう。
各種ワクチンの接種スケジュールとタイミング
留学のためのワクチン接種で、重要となるのが接種スケジュールです。
いくつかのワクチンは数か月かけて複数回接種する必要があり、かなり長期的な接種スケジュールの作成が必要となります。
基本的なワクチン
留学で求められるワクチンの多くは、一度の接種で完了します。
しかしワクチンの組み合わせによっては、接種間隔をあける必要などもあるため、一日ですべてのワクチンを接種することは難しいです。
一度目の来院で病院側と必要なワクチンを確認し、当日もしくは次の来院から接種をすすめていきます。
最低でも2回以上の来院が必要と考えておきましょう。
B型肝炎ワクチン
B型肝炎のワクチンを接種する場合、接種スケジュールに十分な注意が必要です。
B型肝炎ワクチンは3回の接種で完了しますが、その接種間隔には厳密な規定があります。
基本的には、一度接種した後は4週間の間隔をあける必要があります。
接種完了には数ヶ月から半年程度の期間がかかるため、スケジュールを十分に確認しておくことが重要です。
筆者もB型肝炎ワクチンの接種を考えていましたが、接種準備を始めるのが遅かったためスケジュールに間に合いませんでした。
ワクチンの接種には想像以上に費用と時間がかかります。すでに留学が決まっている方は、できるだけ早く病院で相談をすることをおすすめします。
留学前に知っておくべき健康管理
健康診断・診察
留学後に不調が見つかる状況を避けるためにも、定期的な健康診断が重要です。
自分の体の状態を確認しておくことで、留学後も不安なく過ごすことができます。
海外で病院を受診するのは、言語の面などからハードルが高いです。
少しでも気になる症状がある際は、海外渡航前に病院を受診し、治療することをおすすめします。
渡航後も治療が必要な症状などがあれば、英文の診断書や薬の情報を持っていきましょう。
特に、持病がある人は、主治医にきちんと相談をして薬などの確認をしておきましょう。
歯科検診
健康管理で見落としがちなのが歯科検診です。保険によっては、海外での病院の補償はあっても、歯の治療には対応していないことがあります。
日本にいる間にきちんと歯医者で診察をうけ、必要であれば治療を進めましょう。
常備薬
海外の薬は、日本のものより効能が強いことが多いです。
風邪薬や頭痛薬などの内服薬は、普段使い慣れた日本のものを準備しておくと安心です。女性は生理中に薬を服用する方も多いと思います。
留学中は環境の変化やストレスから、普段はあまり痛みがない人でも、強い生理痛に悩まされることがあります。
自身の体にあった薬を、少し多めに持って行くことをおすすめします。
海外留学保険の加入
留学をする際は、海外留学保険に加入しましょう。
補償内容は保険によって異なりますが、病院費用や薬代の負担を減らすことができます。学校の保険加入が必須となっている場合もあります。
海外留学保険に加入することで、現地の医療機関の利用サポートを受けることができます。
筆者が留学先で病院を受診した際、保険会社の方から近くの病院や予約方法、通訳サービスなどについて案内を受けることができました。
海外の病院は日本と仕組みが異なっているケースも多いです。もしもの時に備え、保険に加入をしておくと安心です。
入院費用や救急車を呼ぶ費用など、補償範囲を事前に確認しておくことが重要です。
まとめ
この記事では、アメリカ留学に必要な予防接種の情報についてまとめました。
予防接種には想像以上に時間と費用がかかります。きちんと情報収集をし、早めの予防接種準備をはじめましょう。
また、海外留学は心身ともに大きな負担がかかります。健康診断や常備薬の確認をしっかりと行うことで、留学中の不安を減らすことができます。
予防や健康管理に気をつけ、充実した留学生活を送りましょう。