イギリスは、学問や文化が充実した留学先として人気があります。
学生ビザで渡航する場合、学業に専念しつつも、学期中や長期休暇中に働くことが可能です。
特に、2025年4月から時給が引き上げられることが発表され、働く意欲のある留学生やワーキングホリデー利用者にとってさらに魅力的な留学先となります。
本記事では、イギリスの基本情報や生活費、学生ビザでの就労について、費用や注意点を解説します。
- イギリス基本情報
- 最低賃金、2025年4月より時給12.21ポンドに引き上げ
- イギリス生活でかかる費用:ワーホリの場合
- イギリスワーキングホリデー(YMS)でおすすめの仕事
- イギリス生活でかかる費用:留学生の場合
- イギリス留学中はバイトはできるの?
- まとめ
イギリス基本情報
イギリス(正式名称:グレート・ブリテン及び北アイルランド連合王国)は、ヨーロッパに位置する島国で、4つの構成国(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)から成り立っています。
首都はロンドンで、世界の金融センターとしても有名です。
面積は約24万6,000平方キロメートル、人口は約6,600万人です。
文化的に、イギリスは歴史と伝統が深く根付いており、世界的な影響を与えてきた国です。
英語は国の公用語であり、文学や音楽、演劇などで高い評価を受けています。
特にシェイクスピアやチャールズ・ディケンズなどの作家が有名です。
宗教的には、キリスト教のプロテスタントが主流で、国教はイギリス国教会(Anglican Church)です。
ただし、近年では宗教的な多様性が増しており、他の宗教も広がりを見せています。
イギリスの気候は温帯海洋性気候で、年間を通して温暖で湿気が多いです。
夏は涼しく、冬は寒すぎず、極端な気温変化は少ないですが、天気が変わりやすいです。
南部は温暖で、北部やスコットランドでは冬に雪が降ることもあります。
雨が多く、特に西部や山岳地帯では降水量が多いです。
イギリス料理は、伝統的にシンプルでボリュームがあります。
代表的なものには「フィッシュ・アンド・チップス」や「ローストビーフ」、「サンドイッチ」などがあります。
加えて、インディアンカレーが非常に人気で、インディアン料理はイギリスにおける代表的な料理の一つとなっています。
人気の都市にはロンドンをはじめ、マンチェスター、バーミンガム、エディンバラなどがあります。
観光地としては、ロンドンのビッグベンやバッキンガム宮殿、ストーンヘンジ、エディンバラの城、湖水地方などが有名です。
特にロンドンは多文化都市であり、美術館や劇場が豊富で、世界的に有名な観光地が集まっています。
イギリスは留学先としても非常に魅力的です。
世界トップクラスの大学が多く、オックスフォード大学やケンブリッジ大学などが知られています。
学問の深さと多様性があり、特に文学、歴史、法学、経済学などの分野で評価が高いです。
また、英語が母国語であるため、言語学習の観点でも理想的な環境が整っており、留学生にとって、国際的なネットワークを築ける場としても注目されています。
最低賃金、2025年4月より時給12.21ポンドに引き上げ
イギリスの最低賃金は、経済状況やインフレ率、物価の高騰、平均給与水準を考慮して毎年、または数年に一度改定されます。
現行の最低賃金は、2024年4月に改訂され、成人(21歳以上)は時給11.44ポンド、18~20歳は8.60ポンド、16~17歳および見習いは6.40ポンドとなっています。
そして、2025年4月からはさらに引き上げられ、成人は時給12.21ポンド(約2,400円)、18~20歳は10.00ポンド(約2,000円)、16~17歳および見習いは7.55ポンド(約1,500円)に変更される予定です。
イギリス生活でかかる費用:ワーホリの場合
イギリスでワーキングホリデー(ワーホリ)を利用する場合、生活費は都市の規模や個人のライフスタイルによって異なりますが、基本的な項目をご紹介します。
イギリス生活にかかる住居費
最も大きな出費になるのが住居費。
ロンドンなどの大都市では家賃が非常に高いため、シェアハウスを選ぶことが一般的です。
月額600~1,000ポンドが目安であり、部屋の広さやエリアによって異なります。
特に中心部や便利な場所では家賃が高くなるため、郊外に住むことで多少コストを抑えることができます。
地方都市は家賃が比較的安く、400~700ポンド程度でシェアハウスを借りることができます。
イギリス生活にかかる食費
食費は、外食と自炊で大きく異なります。
外食の場合、カフェやファーストフード店での食事は1回10~15ポンドで、レストランでは15~30ポンドかかります。
一方、自炊であれば、週100ポンド程度です。
食材を安く手に入れられるスーパーを利用すれば、さらに節約が可能になります。
自炊を中心にしつつ外食を上手に取り入れることで、食事をバランスよく楽しみながら生活費を上手に管理しましょう。
イギリス生活にかかる交通費
交通費も重要な生活費の一部です。
ロンドンでは、公共交通機関が発達しており、オイスターカードを利用すれば、1回の乗車で約2~4ポンドです。
月額定期券は150~200ポンド程度で、ゾーンに応じて料金が変動します。
地方都市では、バスやトラムの料金が1回約2~3ポンドで、公共交通機関の利用は比較的安価です。
定期券を購入することで、通勤や通学の費用を抑えることができます。
移動の際は、安く済ませるために定期券や割引カードを活用することが大切です。
イギリス生活にかかる通信費
通信費は月額10~30ポンド程度で、格安プランを選ぶことができます。
スマートフォンの契約やデータ容量に応じて、費用が異なりますが、イギリスでは多くの安価なプランが提供されているため、利用者のニーズに合わせた選択が可能です。
また、日用品や雑費などの必需品も月20~40ポンド程度が必要です。
日々の生活で少しずつ積み重なる費用なので、計画的に管理することが求められます。
イギリス生活にかかる渡航費
渡航費についても重要です。
ワーキングホリデーでイギリスに行くためには、飛行機代が大きな費用となります。
日本からロンドンへの片道航空券は、シーズンや予約のタイミングによって異なりますが、おおよそ65,000~140,000円程度が相場です。
繁忙期(夏休みや年末年始など)には料金が高くなるため、早めに予約をしておくことでコストを抑えましょう。
なお、航空券以外にも、ビザの申請料や保険料などが必要になります。
ワーキングホリデービザの申請には約250ポンドが必要であり、民間の旅行保険にも加入することが推奨されます。
これらを総合的に見ると、ロンドンでの生活費は月々1,200~2,000ポンドが目安となります。
地方都市では1,000~1,500ポンド程度で生活できるため、住む場所によって大きな差が生じます。
ワーホリを利用する際には、これらの費用を踏まえて、現地での生活スタイルに合わせた予算を立てることが重要です。
また、イギリスに渡航する際は、生活費の他にビザや保険、航空券などの準備も考慮し、事前に計画を立てておきましょう。
イギリスワーキングホリデー(YMS)でおすすめの仕事
イギリスには「ワーキングホリデー」という制度は正式には存在しませんが、代わりに「Youth Mobility Scheme(YMS)」というビザがあり、これが事実上ワーキングホリデーに相当する制度として広く利用されています。
このYMSビザを取得すると、仕事や勉強、観光などの活動に自由に参加でき、イギリスでの生活が大いに楽しめます。
YMSビザの最大の特徴は、ほぼ制限なしで働くことができる点です。
ただし、日本国籍の方が申請できるのは18歳以上30歳以下の方に限られています。
pan class="f_w c_blue">YMSビザは2年間有効で、その間、アルバイトはもちろん、正社員や契約社員としての雇用も可能です。
これは、他の多くの国のワーキングホリデー制度と比べて、働く自由度が非常に高いという点で大きな魅力です。
ただし、ビザの残年数が雇用に影響を及ぼす場合があるため、正社員としての仕事を希望する場合は、渡航後に早めに就職活動を始めましょう。
また、YMSビザにはいくつかの働き方に関する制限があります。
具体的には、プロのスポーツ関係者としての勤務、イギリスの公的資金を使った仕事、起業して従業員を雇用すること、そしてUK£5,000以上の設備を導入して会社を設立することは禁止されています。
YMSビザを利用して働く人気の職種
実にYMSビザを利用して働く場合、人気の職種としては、レストランやカフェなどの飲食業が挙げられます。
特に都市部では、未経験でも働ける飲食店の仕事が多く、接客スタッフとして働くことで、生きた英語を身につけることができる点が魅力です。
英語が得意でなくても、皿洗いや調理スタッフなどの裏方の仕事であれば比較的簡単に始められるため、英語力に自信がない方には良い選択肢となるでしょう。
また、日本食レストランなら、日本語を使える環境で働くこともできるため、英語に不安がある場合でも接客スタッフとして働けるケースもあります。
さらに、小売業でも多くの求人があります。
衣料品や食料品、お土産を取り扱う店での接客や販売の仕事もありますが、こちらは英語力が求められることが多いため、英語に自信がない方には倉庫作業や商品陳列などの裏方の仕事が適しているかもしれません。
裏方業務であれば、直接お客様と会話をする機会が少なく、英語に自信がなくても働きやすい環境です。
また、オフィスワークを希望する場合、事務作業や電話応対、ビジネス文書の作成などを行う仕事もあります。
ただし、このような仕事では高いビジネス英語力や、読み書き能力が求められるため、外資系企業や英語を日常的に使用している方に向いています。
YMSビザで働く際は、英語力に応じて適切な仕事を選ぶことが重要です。
英語に不安があっても、未経験でも始められる仕事はたくさんありますし、逆に英語力を活かせる職場でキャリアを積むことも可能です。
自由な働き方ができるYMSビザを活用して、イギリスでの充実した生活を送りましょう!
イギリス生活でかかる費用:留学生の場合
イギリスには世界的に有名な大学が多く、教育水準の高さが特徴です。
学問の深さや専門的な知識を学べる環境が整っており、特に英語を学ぶには最適な場所と言えるでしょう。
大学留学にかかる学費は、学部生の場合、年間で約10,000~38,000ポンド(約180万円~700万円)が一般的です。
学費は大学や専攻によって異なり、特に医療系やビジネス系の学位プログラムでは高額になる傾向があります。
イギリスでは学位取得のための在籍期間が比較的短く、学部であれば3年、修士課程は1年で終了する場合が多いです。
これにより、他の国と比べて費用を抑えることができる場合もあります。
また、イギリスには、多くの留学生向け奨学金があり、学業成績に基づいたものや特定の分野に関するものがあります。
例えば、「Chevening Scholarship」などの政府奨学金や、大学独自の奨学金プログラムがあります。
奨学金を利用すれば、学費や生活費の負担を軽減できるので、応募条件や募集時期を確認し、早めに準備することが大切です。
イギリスでは豊かな歴史や文化に触れることができ、観光地としても魅力的です。
ヨーロッパ各国への旅行も手軽に楽しめるため、学業とプライベートのバランスを取りながら、充実した時間を過ごし充実した留学生活を送ることができるでしょう。
イギリス留学中はバイトはできるの?
学生ビザ(Student visa)は、16歳以上で、学生のスポンサーライセンスを持つ大学や教育機関からオファーを受け、留学費用や滞在費を十分にカバーできる資金証明が可能な場合に申請できます。
学生ビザ(Student visa)を取得すると、学期中は週に最大20時間働くことができ、大学の長期休暇中はフルタイム(週40時間)での就労も可能です。
ただし、自営業を始めたり、プロのスポーツ選手やスポーツコーチなどの特定の職業に就いたりすることは認められていません。
学生ビザを取得した際には、ビザに関する具体的な制限が示されるため、何ができるか、できないかを確認することが大切です。
また、働く時間が週20時間以内であっても、複数の仕事を掛け持ちする場合は、労働時間を詳細に記録しておく必要があります。
規定を超えて働いてしまうと、せっかく取得した学生ビザが無効になる可能性があるので、注意が必要です。
まとめ
イギリスでの留学は、学費や生活費は都市によって異なり、特にロンドンでは高めですが、地方都市では比較的安価に生活できます。
さらに、最低賃金が引き上げられるため、留学生にとってはアルバイトを通じて生活費を支えやすくなります。
学生ビザを取得し、就労時間やビザ条件を守りながら、充実した留学生活を送ることが可能です。
また、イギリスのワーキングホリデーは、アルバイトを含むさまざまな職種で働くことができ、生活費を補いながら現地での経験を積むことができます。
最低賃金の引き上げにより、より高い給与で働けるチャンスが広がり、飲食業や小売業などで英語力に応じた仕事を選べるため、イギリスの文化や人々と交流しながら、充実した時間を過ごすことができるでしょう。